2026年版・4-5

差動式スポット型・補償式感知器の一問一答

消防設備士甲種4類「構造・機能・工事・整備」から、差動式スポット型・補償式感知器に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-5

差動式スポット型感知器の定義として正しいものはどれか。

  • ①周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったとき一局所の熱効果で作動
  • ②一局所の周囲の温度が一定の温度以上になったときに火災信号を発する
  • ③広範囲の熱効果の累積により温度の上昇率をとらえて火災信号を発する
  • ④周囲の煙の濃度が一定の濃度以上になったときに火災信号を発するもの
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正解 ①周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったとき一局所の熱効果で作動
解説
感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令は、差動式スポット型感知器を「周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときに火災信号を発信するもので、一局所の熱効果により作動するもの」と定義している。ポイントは二つで、感知するのは「温度そのもの」ではなく「温度の上がり方(上昇率)」であること、そして感知する範囲が一局所すなわち一点であることである。「差動=温度の上がり方、定温=温度そのもの」と対にして覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
「一局所の周囲の温度が一定の温度以上になったとき」は定温式スポット型感知器の定義である。「広範囲の熱効果の累積により温度の上昇率をとらえて」は差動式分布型感知器の定義であり、一局所ではなく広い範囲で熱をとらえる点が異なる。「周囲の煙の濃度が一定の濃度以上になったとき」はイオン化式や光電式などの煙感知器の定義であり、熱感知器である差動式の定義ではない。
問24-5

差動式スポット型感知器(空気の膨張を利用するもの)の構成部品として、通常含まれないものはどれか。

  • ①ダイヤフラム
  • ②バイメタル
  • ③リーク孔
  • ④感熱室(空気室)
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正解 ②バイメタル
解説
空気の膨張を利用する差動式スポット型感知器は、外部の熱を受ける感熱室(空気室)、その内部の空気が膨張したときに押し上げられる薄い金属板のダイヤフラム、緩やかな空気の膨張を逃がすための小さな穴であるリーク孔、そしてダイヤフラムに押されて閉じる接点から成る。火災のように急激に温度が上がると、リーク孔から逃げきれない空気がダイヤフラムを押し上げて接点を閉じ、火災信号が送られる。

他の選択肢が不適切な理由
「感熱室(空気室)」は熱を受けて内部の空気を膨張させる部分であり、この感知器の中心的な構成部品である。「ダイヤフラム」は膨張した空気の圧力を機械的な変位に変えて接点を動かす部品である。「リーク孔」は暖房などによる緩やかな温度上昇の際に空気を逃がし、非火災報を防ぐための部品であって、いずれも構成部品に含まれる。バイメタルは膨張率の異なる2種類の金属を貼り合わせたもので、定温式スポット型感知器に用いられる部品である。
問34-5

差動式スポット型感知器のリーク孔が詰まった場合に生じやすい現象として、正しいものはどれか。

  • ①感熱室の空気が漏れ続け、感知器の外観が変形しやすくなる
  • ②急激な温度上昇があっても接点が閉じず、失報が発生しやすくなる
  • ③緩やかな温度上昇でも接点が閉じ、非火災報が発生しやすくなる
  • ④接点の間隔が広がり、作動しても信号が受信機へ届かなくなる
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正解 ③緩やかな温度上昇でも接点が閉じ、非火災報が発生しやすくなる
解説
リーク孔は、暖房や日射などによる緩やかな温度上昇のときに、膨張した空気を少しずつ外へ逃がして接点が閉じないようにするための穴である。この孔がほこりや虫などで詰まると空気が逃げられなくなり、火災でない緩やかな温度上昇でもダイヤフラムが押し上げられて接点が閉じてしまう。その結果、非火災報(誤報)が起こりやすくなる。

他の選択肢が不適切な理由
「急激な温度上昇があっても接点が閉じず、失報が発生しやすくなる」のは、逆にリーク孔が広がりすぎて空気が漏れすぎる場合や、ダイヤフラムに穴が開いた場合に生じる現象である。「接点の間隔が広がり、作動しても信号が受信機へ届かなくなる」は接点の調整不良に関する現象であり、リーク孔とは関係がない。「感熱室の空気が漏れ続け、外観が変形しやすくなる」も、詰まった場合に生じる現象としては説明が成り立たない。
問44-5

差動式スポット型感知器において、リーク孔が広がりすぎたり感熱室に漏れが生じたりした場合に起こりやすい現象はどれか。

  • ①わずかな温度上昇でも作動し、非火災報のおそれが大きくなる
  • ②感知器の公称作動温度が上昇し、感知面積が広がることになる
  • ③接点が常時閉じたままとなり、復旧操作を受け付けなくなる
  • ④火災の急激な温度上昇でも作動が遅れ、失報のおそれが生じる
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正解 ④火災の急激な温度上昇でも作動が遅れ、失報のおそれが生じる
解説
感熱室の空気は、火災による急激な膨張の際にリーク孔から逃げきれずダイヤフラムを押し上げることで感知器を作動させる。したがってリーク孔が広がりすぎたり、感熱室やダイヤフラムに漏れが生じたりすると、膨張した空気がそのまま逃げてしまい、火災であっても接点が閉じにくくなる。これが作動の遅れ、さらには失報につながる。「詰まれば誤報、漏れれば失報」と対にして覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
「わずかな温度上昇でも作動し、非火災報のおそれが大きくなる」はリーク孔が詰まった場合の現象であり、漏れが生じた場合とは逆である。「接点が常時閉じたままとなり、復旧操作を受け付けなくなる」は接点の固着による現象であってリーク孔の状態とは関係がない。「公称作動温度が上昇し、感知面積が広がる」は誤りで、公称作動温度は定温式感知器の用語であり、差動式には用いない。
問54-5

特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物において、取付け面の高さが4m未満の場所に差動式スポット型感知器の2種を設ける場合の感知面積として正しいものはどれか。

  • ①70m²
  • ②90m²
  • ③45m²
  • ④40m²
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正解 ①70m²
解説
消防法施行規則第23条第4項第3号ロの表により、差動式スポット型感知器の感知面積は、取付け面の高さが4m未満で特定主要構造部を耐火構造とした防火対象物の場合、1種が90m²、2種が70m²とされている。したがって2種では70m²につき1個以上設ける必要がある。耐火構造は熱が壁や天井に逃げにくく感知器まで熱が届きやすいため、その他の構造より広い面積が認められている。なお「特定主要構造部」は建築基準法の改正に伴って導入された用語で、従来この表で「主要構造部」と呼ばれていたものにあたる。

他の選択肢が不適切な理由
「90m²」は同じ条件における1種の感知面積であり、2種の値ではない。「45m²」は取付け面の高さが4m以上8m未満で耐火構造の場合の1種の感知面積である。「40m²」は取付け面の高さが4m未満でその他の構造の場合の2種の感知面積であり、いずれも設問の条件には当てはまらない。感知面積は「高さ」「構造」「種別」の三つの条件で決まることを意識して表を覚えるとよい。
問64-5

差動式スポット型感知器を設けることができる取付け面の高さの上限として正しいものはどれか。

  • ①15m未満
  • ②8m未満
  • ③4m未満
  • ④20m未満
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正解 ②8m未満
解説
消防法施行規則第23条第4項第2号の表により、差動式スポット型感知器、補償式スポット型感知器及び定温式感知器は、取付け面の高さが8m未満の場所に設けることとされている(4m以上8m未満では定温式は特種又は1種に限られる)。天井が高くなるほど熱気流が拡散して感知器まで届きにくくなるため、8m以上の場所では差動式分布型感知器や煙感知器などを用いることになる。

他の選択肢が不適切な理由
「4m未満」は感知面積の表が区分される高さであって、設置できる高さの上限ではない。「15m未満」は差動式分布型感知器、並びにイオン化式スポット型感知器及び光電式スポット型感知器の1種・2種を設けることができる高さの上限である。「20m未満」はイオン化式スポット型感知器及び光電式スポット型感知器の1種を設けることができる高さの区分であり、いずれも差動式スポット型の上限ではない。なお天井等の高さが20m以上の場所には、同条第5項第5号により炎感知器を設けることとされている。
問74-5

スポット型の感知器(炎感知器を除く)の取付けに関する記述として正しいものはどれか。

  • ①5度以上傾斜させないように取り付けなければならない
  • ②90度以上傾斜させないように取り付けなければならない
  • ③45度以上傾斜させないように取り付けなければならない
  • ④取付け角度についての制限は特に定められていない
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正解 ③45度以上傾斜させないように取り付けなければならない
解説
消防法施行規則第23条第4項により、スポット型の感知器(炎感知器を除く)は45度以上傾斜させないように設けることとされている。感知器は下方から上がってくる熱気流や煙を受けることを前提に設計されているため、大きく傾けると感熱部や検知部に熱・煙が入りにくくなり、作動が遅れるおそれがあるためである。

他の選択肢が不適切な理由
「5度以上傾斜させない」は差動式分布型感知器の検出部に定められた基準であり、スポット型感知器のものではない。「90度以上傾斜させない」は炎感知器に定められた基準で、炎感知器は壁面や天井のいずれにも取り付けられるため角度の制限が緩やかである。「取付け角度についての制限は特に定められていない」は誤りで、規則に明確な角度の制限が置かれている。
問84-5

補償式スポット型感知器の定義として正しいものはどれか。

  • ①定温式スポット型と煙感知器の性能を併せもち2の火災信号を発するもの
  • ②差動式スポット型と定温式スポット型の性能を併せもち2の信号を発する
  • ③差動式スポット型と煙感知器の性能を併せもち1の火災信号を発するもの
  • ④差動式スポット型と定温式スポット型の性能を併せもち1の信号を発する
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正解 ④差動式スポット型と定温式スポット型の性能を併せもち1の信号を発する
解説
感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令は、補償式スポット型感知器を、差動式スポット型感知器の性能と定温式スポット型感知器の性能を併せもち、一の火災信号を発信するものと定義している。差動式だけでは、燻焼火災のように温度がゆっくり上がる火災で作動しないおそれがあるため、一定の温度に達すれば作動する定温式の性能で補っている点が「補償」の意味である。

他の選択肢が不適切な理由
「2の信号を発する」ものは熱複合式スポット型感知器であり、差動と定温のどちらの性能で作動したかを区別して信号を発する点が補償式と異なる。「差動式スポット型と煙感知器の性能を併せもち」「定温式スポット型と煙感知器の性能を併せもち」は、熱と煙の性能を併せもつ熱煙複合式スポット型感知器に近い説明であり、いずれも補償式の定義ではない。
問94-5

補償式スポット型感知器と熱複合式スポット型感知器の違いに関する記述として正しいものはどれか。

  • ①補償式は1の火災信号を発し、熱複合式は2以上の火災信号を発する
  • ②補償式は2の火災信号を発し、熱複合式は1の火災信号のみを発する
  • ③補償式は熱を感知し、熱複合式は熱と煙の両方を感知するものである
  • ④補償式は取付け高さ15m未満まで、熱複合式は8m未満までである
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正解 ①補償式は1の火災信号を発し、熱複合式は2以上の火災信号を発する
解説
感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第2条第5号の2と第6号によれば、補償式スポット型感知器と熱複合式スポット型感知器は、いずれも差動式スポット型感知器の性能と定温式スポット型感知器の性能を併せもつ点で共通するが、発信する火災信号の数が異なる。補償式は両方の性能をひとまとめにして一の火災信号を発するのに対し、熱複合式は差動の性能で作動した場合と定温の性能で作動した場合とを区別し、二以上の火災信号を発する。この信号の数が両者を分ける決め手である。

他の選択肢が不適切な理由
「補償式は2の火災信号を発し、熱複合式は1の火災信号のみを発する」は両者の説明が入れ替わっている。「補償式は熱を感知し、熱複合式は熱と煙の両方を感知する」は誤りで、熱と煙の両方の性能を併せもつのは同条第15号の熱煙複合式スポット型感知器である。「補償式は取付け高さ15m未満まで」も誤りで、消防法施行規則第23条第4項第2号の表により、補償式スポット型を設けることができるのは取付け面の高さが8m未満の場所である。差動式と定温式の性能を併せもつ熱複合式スポット型も同様に8m未満の場所に設けるものであり、両者の間に高さの違いはない。
問104-5

差動式スポット型感知器の設置場所に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①湿気の多い場所では防水型を用いれば非火災報を防ぐことができる
  • ②厨房やボイラー室など温度変化が激しい場所にこそ適した感知器である
  • ③厨房やボイラー室など平常時に温度変化が激しい場所には適さない
  • ④外気が流通する場所でも温度上昇率を正しくとらえることができる
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正解 ③厨房やボイラー室など平常時に温度変化が激しい場所には適さない
解説
差動式スポット型感知器は周囲の温度の上昇率をとらえて作動するため、調理器具の使用やボイラーの燃焼によって平常時から急な温度上昇が繰り返される場所では、火災でないのに作動してしまう。このような場所には、一定の温度に達したときだけ作動する定温式スポット型感知器を用い、その場所の最高周囲温度より20℃以上高い公称作動温度のものを選定する。

他の選択肢が不適切な理由
「温度変化が激しい場所にこそ適した感知器である」は逆で、そのような場所は差動式が最も苦手とする環境である。「湿気の多い場所では防水型を用いれば非火災報を防ぐことができる」は誤りで、防水型が想定するのは水滴による腐食や漏電であって、温度変化による非火災報を防ぐものではない。「外気が流通する場所でも温度上昇率を正しくとらえることができる」も誤りで、外気の流通する場所では熱が奪われて感知が遅れるおそれがある。

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