2026年版・2-3

警戒区域の設定基準の一問一答

消防設備士甲種4類「消防関係法令(第4類)」から、警戒区域の設定基準に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-3

自動火災報知設備における「警戒区域」の説明として、消防法施行令上正しいものはどれか。

  • ①火災の発生した区域を他と区別して識別できる最小単位
  • ②受信機を設置することができる室の範囲をいうものである
  • ③一の感知器が火災を有効に感知することができる床面積
  • ④消防隊が消火活動を行う際に立ち入る区域の単位である
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正解 ①火災の発生した区域を他と区別して識別できる最小単位
解説
消防法施行令第21条第2項は、警戒区域を「火災の発生した区域を他の区域と区別して識別することができる最小単位の区域」と定義している。受信機の表示窓や地区表示灯は警戒区域ごとに設けられるため、警戒区域を適切に区切ることが、火災の発生場所を素早く特定して初期対応につなげる前提となる。区域が広すぎると発生場所を絞り込めず、狭すぎると設備が過大になる。

他の選択肢が不適切な理由
受信機を設置できる室の範囲とする記述は誤りで、受信機の設置場所は防災センター等とする別の規定によって定まる。感知器が火災を有効に感知できる床面積とする記述は、感知器の種別ごとに定められる「感知面積」の説明であり、警戒区域とは別の概念である。消防隊が立ち入る区域の単位とする記述も、消防法令上そのような定義は置かれておらず誤りである。
問22-3

自動火災報知設備の一の警戒区域の面積及び一辺の長さの原則として、正しい組合せはどれか。

  • ①面積500平方メートル以下・一辺50メートル以下
  • ②面積600平方メートル以下・一辺50メートル以下
  • ③面積600平方メートル以下・一辺40メートル以下
  • ④面積1000平方メートル以下・一辺50メートル以下
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正解 ②面積600平方メートル以下・一辺50メートル以下
解説
消防法施行令第21条第2項第2号は、一の警戒区域の面積を600平方メートル以下とし、その一辺の長さを50メートル以下とすることを原則としている。面積だけでなく一辺の長さも制限しているのは、細長い区域を認めると、面積が小さくても火災の発生場所を絞り込みにくくなるためである。この二つの数値は自動火災報知設備の法令で最も基本となる数値であり、確実に押さえておく必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
面積500平方メートル以下とする記述は、警戒区域が2の階にわたることを例外的に認める場合の面積の上限であって、原則の面積ではない。一辺を40メートル以下とする記述は、そのような数値が定められていないため誤りである。面積1000平方メートル以下とする記述は、主要な出入口から内部を見通すことができる場合に例外として認められる面積であり、原則の数値ではない。
問32-3

一の警戒区域の面積を1000平方メートル以下とすることができるのは、どのような場合か。

  • ①光電式分離型感知器を設置する場合に限られる
  • ②床面積が600平方メートル以下の階である場合
  • ③主要な出入口から内部を見通すことができる場合
  • ④特定主要構造部が耐火構造とされている場合である
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正解 ③主要な出入口から内部を見通すことができる場合
解説
消防法施行令第21条第2項第2号ただし書は、防火対象物の主要な出入口からその内部を見通すことができる場合には、一の警戒区域の面積を1000平方メートル以下とすることができると定めている。体育館や工場の大空間のように、出入口に立てば内部全体を一目で見渡せる構造であれば、警戒区域を細かく分けなくても火災の発生場所を目視で特定できるからである。なお、この場合でも一辺の長さの制限は緩和されない。

他の選択肢が不適切な理由
光電式分離型感知器を設置する場合に緩和されるのは面積ではなく一辺の長さであり、100メートル以下とすることができる。床面積が600平方メートル以下の階であることは原則の面積の範囲内という意味にすぎず、1000平方メートルへの緩和の理由にはならない。特定主要構造部が耐火構造であることは、感知器を設けなくてよい天井裏の判断などに関係する事項であって、警戒区域の面積の緩和事由ではない。
問42-3

光電式分離型感知器を設置する場合、一の警戒区域の一辺の長さは何メートル以下とすることができるか。

  • ①150メートル以下
  • ②50メートル以下
  • ③60メートル以下
  • ④100メートル以下
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正解 ④100メートル以下
解説
消防法施行令第21条第2項第2号は、一の警戒区域の一辺の長さを50メートル以下とすることを原則としつつ、光電式分離型感知器を設置する場合にあっては100メートル以下とすることができると定めている。光電式分離型感知器は、送光部と受光部を離して設置し、その間を横切る煙によって受光量が減少することを利用して火災を感知する方式で、長い距離を1組の機器で監視できるという特徴を持つ。この特性に合わせて一辺の制限が緩和されている。

他の選択肢が不適切な理由
50メートル以下は、光電式分離型感知器を用いない場合の原則の数値であり、緩和後の数値ではない。60メートル以下という数値は、警戒区域の一辺の長さの基準として定められていない。150メートル以下という数値も定められておらず、光電式分離型感知器の公称監視距離の上限とも一致しないため誤りである。
問52-3

一の警戒区域が防火対象物の2の階にわたることが認められる場合として、正しいものはどれか。

  • ①当該警戒区域の面積が500平方メートル以下である場合
  • ②当該警戒区域の面積が300平方メートル以下である場合
  • ③当該警戒区域の一辺の長さが50メートル以下である場合
  • ④当該警戒区域に熱感知器のみを設置している場合である
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正解 ①当該警戒区域の面積が500平方メートル以下である場合
解説
消防法施行令第21条第2項第1号は、一の警戒区域が防火対象物の2以上の階にわたらないことを原則とする。これは、受信機の表示だけでどの階の火災かを判別できるようにするためである。ただし、一の警戒区域の面積が500平方メートル以下であり、かつその警戒区域が2の階にわたる場合は例外として認められる。小規模な建物で階ごとに区域を分けると設備が過大になることへの配慮である。

他の選択肢が不適切な理由
面積300平方メートル以下とする記述は、設置義務の面積基準に用いられる数値であって、階をまたぐ例外の要件ではない。一辺の長さが50メートル以下であることは、警戒区域が満たすべき原則の一つにすぎず、階をまたぐことを認める理由にはならない。熱感知器のみを設置している場合とする記述も誤りで、階をまたぐもう一つの例外は、階段やエレベーターの昇降路などのたて穴部分に煙感知器を設ける場合である。
問62-3

階段、傾斜路、エレベーターの昇降路、パイプダクトなどのたて穴部分の警戒区域の取扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①各階の居室部分の警戒区域に含めて設定する必要がある
  • ②居室部分とは別の警戒区域として設定することができる
  • ③警戒区域を設定する必要はなく設備の対象外とされる
  • ④屋内階段に限り別の警戒区域とすることが認められる
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正解 ②居室部分とは別の警戒区域として設定することができる
解説
階段、傾斜路、エレベーターの昇降路、リネンシュート、パイプダクトなどのたて穴部分は、上下方向に煙が急速に広がる経路であり、各階の平面的な区域とは性質が異なる。消防法施行令第21条第2項第1号は警戒区域が2以上の階にわたらないことを原則とするが、そのただし書を受けた消防法施行規則第23条第1項は、これらのたて穴部分に煙感知器を設ける場合を例外としている。そのため、たて穴部分は各階の居室部分の警戒区域とは別に、上下を貫く一の警戒区域として設定することができる。

他の選択肢が不適切な理由
各階の居室部分の警戒区域に含めるとする記述は誤りで、それでは煙がどの階から立ち上ったのかを判別しにくくなる。警戒区域を設定する必要がないとする記述も誤りで、たて穴部分は煙感知器の設置が義務づけられる代表的な場所である。屋内階段に限るとする記述も誤りで、エレベーターの昇降路やパイプダクトなど、たて穴に類する部分が広く対象となる。
問72-3

階段及び傾斜路について警戒区域を設定する場合、実務上、原則として何メートルごとに一の警戒区域とする取扱いがなされているか。

  • ①水平距離30メートルごと
  • ②垂直距離30メートルごと
  • ③垂直距離45メートルごと
  • ④水平距離45メートルごと
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正解 ③垂直距離45メートルごと
解説
消防法施行令第21条第2項第1号のただし書と消防法施行規則第23条第1項により、階段や傾斜路に煙感知器を設ける場合は、警戒区域が2以上の階にわたってもよいこととされている。もっとも、建物全体の階段を一の警戒区域としてしまうと、どのあたりの高さで煙が発生したのかを受信機の表示から判断できない。そこで消防庁の通知及び各消防本部の審査基準では、階段及び傾斜路の警戒区域は垂直距離45メートル以下ごとに一の警戒区域とする取扱いがなされている。感知器そのものは規則により垂直距離15メートルにつき1個以上設けるので、その3倍にあたる値と結びつけて覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
水平距離30メートルごととする記述は、方向も数値も誤っている。垂直距離30メートルごととする記述は、方向は正しいが数値が異なるため誤りである。水平距離45メートルごととする記述は、数値は正しいが階段の警戒区域は高さ方向で区切るものであり、方向が誤っている。なお水平距離50メートル以下という数値は、複数の階段等を同一の警戒区域とできるかどうかの判断に用いられるものである。
問82-3

地階の階数が2以上ある防火対象物の階段について、警戒区域の設定として実務上正しいものはどれか。

  • ①地階部分は各階ごとに一の警戒区域としなければならない
  • ②地階部分と地上部分とを必ず同一の警戒区域とし設定する
  • ③地階部分については警戒区域を設定しなくてもよいとされる
  • ④地階部分と地上部分とを別の警戒区域としなければならない
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正解 ④地階部分と地上部分とを別の警戒区域としなければならない
解説
消防庁の通知及び各消防本部の審査基準では、階段及び傾斜路の警戒区域について、地階の階数が2以上ある場合には、地階に係る部分と地上に係る部分とを別の警戒区域とする取扱いがなされている。地下から立ち上る煙と地上階で発生した煙とを受信機の表示で区別できるようにし、避難や消火活動の方向を誤らせないためである。逆に地階の階数が1のみの場合は、地上部分と同一の警戒区域とすることができる。

他の選択肢が不適切な理由
必ず同一の警戒区域とするという記述は、地階が2以上ある場合の取扱いと正反対であり誤りである。地階について警戒区域を設定しなくてよいとする記述も誤りで、地階の階段はむしろ煙が滞留しやすく重要な監視対象である。地階部分を各階ごとに一の警戒区域とするという記述も誤りで、地階部分はまとめて一の警戒区域とすることができる。
問92-3

階段、傾斜路、エレベーターの昇降路などが2以上ある場合に、これらを同一の警戒区域とすることができるのは、実務上どのような場合か。

  • ①これらの相互間の水平距離が50メートル以下である場合
  • ②これらが同一の防火区画の中に設けられている場合である
  • ③これらの相互間の垂直距離が45メートル以下である場合
  • ④これらに設ける感知器の種別が同一である場合に限られる
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正解 ①これらの相互間の水平距離が50メートル以下である場合
解説
消防庁の通知及び各消防本部の審査基準では、階段、傾斜路、エレベーターの昇降路、リネンシュート、パイプダクトなどが2以上ある場合において、これらの相互間の水平距離が50メートル以下であるときは、同一の警戒区域とすることができるとされている。近接したたて穴どうしは煙の挙動もほぼ一体とみてよく、別々の警戒区域にしなくても火災位置の特定に支障が生じないためである。

他の選択肢が不適切な理由
垂直距離45メートル以下とする記述は、階段及び傾斜路を高さ方向で区切る際の基準であり、複数のたて穴をまとめられるかどうかの基準ではない。同一の防火区画の中にあることを要件とする記述は、消防法令にも審査基準にもそのような定めがないため誤りである。感知器の種別が同一であることを要件とする記述も定めがなく、たて穴部分には原則として煙感知器を設けるため要件として意味をなさない。
問102-3

床面積が2000平方メートル、短辺40メートル・長辺50メートルの長方形である階について、自動火災報知設備の警戒区域を設定する場合、必要となる最少の警戒区域の数はいくつか。ただし、内部を見通すことはできないものとする。

  • ①2
  • ②3
  • ③4
  • ④5
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正解 ③4
解説
一の警戒区域は面積600平方メートル以下、一辺50メートル以下としなければならない。まず一辺の長さを確認すると、長辺が50メートルであるから一辺の制限は満たしている。次に面積で必要数を求めると、2000平方メートル÷600平方メートル=3.33…となり、端数が出るため切り上げて4となる。よって最少で4の警戒区域が必要である。面積の制限と一辺の制限の両方を確認し、厳しいほうの結果を採用するのが計算の手順である。

他の選択肢が不適切な理由
2とする値は、1区域あたり1000平方メートルとして計算した場合の値であり、これは主要な出入口から内部を見通すことができる場合の例外を適用したものであるから、本問の条件では用いることができない。3とする値は、2000÷600=3.33…の小数点以下を切り捨ててしまった誤りであり、切り上げなければ600平方メートルを超える区域が生じる。5とする値は、必要数を超えており最少の数とはいえない。

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