2026年版・1-8

消防設備士の義務・講習・着工届の一問一答

消防設備士甲種4類「消防関係法令(共通)」から、消防設備士の義務・講習・着工届に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-8

消防法第17条の12に定める消防設備士の責務に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①業務を誠実に行い、工事整備対象設備等の質の向上に努めなければならない
  • ②業務を行った防火対象物の関係者名簿を作成し、保存しなければならない
  • ③業務を行うに先立ち、所属する事業者の登録を毎年更新しなければならない
  • ④業務に関して知り得た秘密を、消防機関に対して報告しなければならない
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正解 ①業務を誠実に行い、工事整備対象設備等の質の向上に努めなければならない
解説
消防法第17条の12は、消防設備士がその業務を誠実に行い、工事整備対象設備等の質の向上に努めなければならないと定めている。免状という国の資格に基づいて人命に直結する設備を扱う以上、法令上の最低基準を満たすだけでなく、技術の向上に努める姿勢が求められるという趣旨の規定である。抽象的な努力義務のように見えるが、これに反する行為は法令違反として免状の返納命令の対象となりうる。

他の選択肢が不適切な理由
「関係者名簿を作成し保存する」義務は消防法に定められていない。「所属する事業者の登録を毎年更新する」という制度も存在せず、消防設備士は個人に付与される資格である。「知り得た秘密を消防機関に報告する」も誤りで、そのような報告義務の規定はなく、むしろ業務上知った事柄を守る姿勢が求められる。

なお同条は具体的な行為を列挙する規定ではないが、手抜き工事や不適切な整備を行った場合には、この責務に反するものとして免状の返納命令につながりうる。
問21-8

消防法第17条の13に定める免状の携帯義務に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①その業務に従事するときは、免状の写しを携帯していればよい
  • ②その業務に従事するときは、免状を携帯していなければならない
  • ③着工届を提出した工事に限り、免状の携帯が必要とされている
  • ④消防吏員から請求があったときに限り、免状の提示を要するものとする
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正解 ②その業務に従事するときは、免状を携帯していなければならない
解説
消防法第17条の13は、消防設備士がその業務に従事するときは、消防設備士免状を携帯していなければならないと定めている。現場において、その者が本当に有資格者であるかを直ちに確認できるようにするための規定であり、立入検査等の際にすぐ提示できる状態にしておく必要がある。工事だけでなく整備や点検に従事する場合も同様である。

他の選択肢が不適切な理由
「免状の写しを携帯していればよい」とするものは誤りで、条文が求めているのは免状そのものの携帯である。「着工届を提出した工事に限り」とするものも誤りで、携帯義務は業務に従事するとき一般に生じる。「消防吏員から請求があったときに限り提示を要する」も誤りで、義務の内容は請求時の提示ではなく常時の携帯である。

なお免状を携帯していない状態で業務に従事したこと自体が消防法違反となり、免状の返納命令の対象となりうる。携帯義務は消防設備士本人に課されるものであり、所属する事業者が保管していれば足りるというものではない。
問31-8

消防設備士が受けなければならない講習に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①総務大臣が行う消防用設備等の設計に関する高度な技術の講習
  • ②消防長又は消防署長が行う防火管理に関する知識を習得する講習
  • ③都道府県知事が行う工事整備対象設備等の工事又は整備に関する講習
  • ④日本消防検定協会が行う検定対象機械器具等の規格に係る技術の講習
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正解 ③都道府県知事が行う工事整備対象設備等の工事又は整備に関する講習
解説
消防法第17条の10は、消防設備士が、総務省令で定めるところにより、都道府県知事(総務大臣が指定する市町村長その他の機関を含む)が行う工事整備対象設備等の工事又は整備に関する講習を受けなければならないと定めている。法令や技術上の基準は改正されるため、免状を取得した後も定期的に知識を更新させる趣旨である。実際の講習は都道府県知事の委託を受けた機関が実施している。

他の選択肢が不適切な理由
「消防長又は消防署長が行う防火管理に関する講習」は防火管理者の資格を得るための講習であり、消防設備士の講習ではない。「日本消防検定協会が行う講習」は法令上の受講義務の対象として規定されていない。「総務大臣が行う設計に関する高度な技術の講習」という制度も消防法には設けられていない。

なお講習の受講義務は、現に業務に従事しているかどうかを問わず、免状の交付を受けているすべての消防設備士に及ぶ点にも注意が必要である。
問41-8

消防設備士が受講しなければならない講習の時期に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①免状の交付を受けた日以後の最初の4月1日から5年以内に受け、以後は2年以内ごと
  • ②免状の交付を受けた日から1年以内に受け、以後は5年以内ごとに受けるものとする
  • ③免状の交付を受けた日から2年以内に受け、以後は3年以内ごとに受けるものとする
  • ④免状の交付を受けた日以後の最初の4月1日から2年以内に受け、以後は5年以内ごと
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正解 ④免状の交付を受けた日以後の最初の4月1日から2年以内に受け、以後は5年以内ごと
解説
消防法施行規則第33条の17は、消防設備士は免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日から2年以内に講習を受けなければならず、その後は当該講習を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内ごとに講習を受けなければならないと定めている。起算点が「免状の交付日」そのものではなく「その日以後の最初の4月1日」である点が重要で、これを見落とすと期限を1年近く誤って計算することになる。最初は2年、その後は5年ごと、と押さえたい。

他の選択肢が不適切な理由
「最初の4月1日から5年以内に受け、以後は2年以内ごと」は2年と5年を逆にしている。「免状の交付を受けた日から2年以内」「同じく1年以内」とするものは、起算点を4月1日ではなく交付日そのものとしている点、及び以後の周期の点で誤っている。
問51-8

消防設備士が講習を受けなかった場合の取扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①都道府県知事から免状の返納を命ぜられることがある
  • ②受講の期限が経過すると、免状は当然に失効する
  • ③受講するまでの間、免状の効力は当然に停止する
  • ④次回の講習を受ければよく、特段の不利益は生じない
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正解 ①都道府県知事から免状の返納を命ぜられることがある
解説
講習の受講は消防法第17条の10に基づく義務であるから、これを受けないことは消防法の規定に違反する状態にあたる。その結果、消防法第17条の7第2項が準用する第13条の2第5項により、免状を交付した都道府県知事から免状の返納を命ぜられることがある。自動車運転免許のように期限が来れば当然に失効するのではなく、行政庁の処分によってはじめて効力が失われる仕組みである点が特徴である。

他の選択肢が不適切な理由
「受講の期限が経過すると、免状は当然に失効する」は誤りで、消防設備士免状に有効期間は定められておらず、期限の経過だけで効力が失われることはない。「受講するまでの間、免状の効力は当然に停止する」という規定も消防法令には存在しない。「次回の講習を受ければよく、特段の不利益は生じない」も誤りで、返納命令という重い処分の対象となりうる。

なお受講義務は業務に従事していない者にも及ぶため、免状を取得したまま実務から離れている場合であっても、期限内に講習を受ける必要がある点に注意したい。
問61-8

工事整備対象設備等着工届を提出しなければならない者として、正しいものはどれか。

  • ①当該工事を行う乙種消防設備士である
  • ②当該工事を行う甲種消防設備士である
  • ③当該防火対象物の関係者とされている
  • ④当該防火対象物の防火管理者とされる
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正解 ②当該工事を行う甲種消防設備士である
解説
消防法第17条の14は、甲種消防設備士が消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事をしようとするときは、その工事に着手しようとする日の10日前までに、工事整備対象設備等の種類、工事の場所その他必要な事項を消防長又は消防署長に届け出なければならないと定めている。届出義務者は工事を行う甲種消防設備士本人であり、関係者や事業者ではない点が繰り返し問われる。着工前に届け出させることで、設計内容が技術上の基準に適合しているかを事前に確認できるようにしている。

他の選択肢が不適切な理由
「当該防火対象物の関係者」は工事完了後の設置届の届出義務者であり、着工届の義務者ではない。「乙種消防設備士」はそもそも工事を行うことができないため、着工届を提出する場面がない。「防火管理者」は消防計画の作成や訓練の実施を担う立場であり、着工届とは関係がない。
問71-8

工事整備対象設備等着工届の提出期限及び提出先として、正しいものはどれか。

  • ①工事に着手しようとする日の10日前までに、都道府県知事へ提出するものとする
  • ②工事に着手しようとする日の7日前までに、消防長又は消防署長へ提出する
  • ③工事に着手しようとする日の10日前までに、消防長又は消防署長へ提出する
  • ④工事に着手した日から10日以内に、消防長又は消防署長へ提出するものとする
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正解 ③工事に着手しようとする日の10日前までに、消防長又は消防署長へ提出する
解説
消防法第17条の14は、着工届の期限を「工事に着手しようとする日の10日前まで」と定め、提出先を消防長又は消防署長としている。事前の届出であることに意味があり、着工後に届け出るのでは設計内容を事前に確認できず制度の趣旨が失われる。工事完了後に関係者が行う設置届が「完了した日から4日以内」という事後の届出であるのと対になっており、「着工は10日前、設置は4日以内」と対で覚えるのが有効である。

他の選択肢が不適切な理由
「7日前まで」は消防同意の期間で登場する数値であり、着工届の期限ではない。「工事に着手した日から10日以内」は事前届出であるという性質を取り違えている。「都道府県知事へ提出」も誤りで、知事は免状に関する事務を担当し、着工届を受理する立場ではない。

なお着工届の対象となるのは甲種消防設備士が行う工事であり、乙種消防設備士が行う整備については着工届の提出は不要である点もあわせて確認しておきたい。
問81-8

消防用設備等を設置したときの届出及び検査に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①関係者が、工事が完了した日から10日以内に消防長又は消防署長へ届け出る
  • ②甲種消防設備士が、工事が完了する日の4日前までに消防長等へ届け出る
  • ③甲種消防設備士が、工事が完了した日から4日以内に消防長等へ届け出る
  • ④関係者が、工事が完了した日から4日以内に消防長又は消防署長へ届け出る
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正解 ④関係者が、工事が完了した日から4日以内に消防長又は消防署長へ届け出る
解説
消防法第17条の3の2は、政令で定める防火対象物の関係者は、設備等技術基準に従って設置しなければならない消防用設備等を設置したときは、その旨を消防長又は消防署長に届け出て、検査を受けなければならないと定めている。その期限は消防法施行規則第31条の3第1項により、当該設置に係る工事が完了した日から4日以内とされている。届出義務者は関係者であり、工事を行った甲種消防設備士ではない点が着工届との大きな違いである。なお簡易消火用具及び非常警報器具については、この届出及び検査の対象から除かれている。

他の選択肢が不適切な理由
「10日以内」は着工届の「10日前まで」と数字を混同したもので、設置届の期限は4日以内である。「甲種消防設備士が届け出る」とするものは義務者を取り違えており、消防設備士が届け出るのは工事前の着工届である。「工事が完了する日の4日前までに届け出る」も、事後の届出であるという性質に反する。
問91-8

消防用設備等を設置した場合に届出及び検査が必要となる防火対象物として、正しいものはどれか。

  • ①延べ面積300平方メートル以上の特定防火対象物
  • ②延べ面積500平方メートル以上の特定防火対象物
  • ③延べ面積300平方メートル以上の非特定防火対象物
  • ④延べ面積1000平方メートル以上の非特定防火対象物
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正解 ①延べ面積300平方メートル以上の特定防火対象物
解説
消防法施行令第35条第1項は、消防用設備等の設置の届出及び検査を要する防火対象物として、延べ面積300平方メートル以上の特定防火対象物、延べ面積300平方メートル以上の非特定防火対象物のうち消防長又は消防署長が指定するもの、特定一階段等防火対象物などを定めている。また、自力避難が困難な者を入所させる社会福祉施設等については、延べ面積にかかわらず届出及び検査が必要とされている。

他の選択肢が不適切な理由
「500平方メートル以上の特定防火対象物」は面積の基準が誤りで、正しくは300平方メートルである。「300平方メートル以上の非特定防火対象物」は、消防長又は消防署長の指定があってはじめて対象となるため、それだけでは要件を満たさない。「1000平方メートル以上の非特定防火対象物」は有資格者による点検の基準に関わる数値であり、設置届の基準ではない。
問101-8

自動火災報知設備に関する次の作業のうち、消防設備士でなくても行うことができるものはどれか。

  • ①受信機に電力を供給する電源の部分に係る工事
  • ②受信機を新しい型式のものに取り替える工事
  • ③感知器と受信機とを結ぶ配線を敷設する工事
  • ④中継器を増設して新たな警戒区域を設ける工事
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正解 ①受信機に電力を供給する電源の部分に係る工事
解説
消防法第17条の5と消防法施行令第36条の2は、消防設備士でなければ行ってはならない工事又は整備の範囲を定めている。自動火災報知設備もその対象に挙げられているが、条文には「電源の部分を除く」という括弧書きが付されており、受信機に電力を供給する電源の部分の工事は消防設備士の独占業務から外れている。この部分は電気工作物としての工事であり、電気工事士の資格を持つ者が担当する領域だからである。逆にいえば、感知器・発信機・中継器・受信機といった機器そのものの設置や取替え、及びこれらを結ぶ感知器回路の配線工事は、甲種第4類消防設備士でなければ行うことができない。

他の選択肢が不適切な理由
「受信機を新しい型式のものに取り替える工事」「中継器を増設して新たな警戒区域を設ける工事」は、いずれも機器そのものの設置に係る工事であり、甲種第4類消防設備士の業務である。「感知器と受信機とを結ぶ配線を敷設する工事」も、除外されているのは電源の部分だけであって感知器回路の配線は除外されていないため、消防設備士が行わなければならない。屋内消火栓設備やスプリンクラー設備などの消火設備では電源に加えて水源及び配管の部分も除外されるが、自動火災報知設備で除かれるのは電源の部分だけである、と区別して覚えたい。

なお電源の部分の工事は消防設備士の資格を要しないというだけであり、電気工事士の資格が不要になるわけではない点にも注意すること。

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