2026年版・1-3

防火管理者と統括防火管理者の一問一答

消防設備士甲種4類「消防関係法令(共通)」から、防火管理者と統括防火管理者に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-3

防火管理者を定めなければならない防火対象物の収容人員について、正しい組合せはどれか。

  • ①特定防火対象物は30人以上、非特定防火対象物は50人以上
  • ②特定防火対象物は50人以上、非特定防火対象物は30人以上
  • ③特定防火対象物は10人以上、非特定防火対象物は30人以上
  • ④特定防火対象物は30人以上、非特定防火対象物は100人以上
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正解 ①特定防火対象物は30人以上、非特定防火対象物は50人以上
解説
消防法施行令第1条の2第3項は、防火管理者を定めなければならない防火対象物を収容人員で区分している。原則として、劇場や飲食店、百貨店、ホテル、病院などの特定防火対象物は収容人員30人以上、事務所や学校、共同住宅などの非特定防火対象物は収容人員50人以上である。さらに、自力避難が困難な者を入所させる社会福祉施設等(別表第一(6)項ロ等)については、より少ない収容人員10人以上で選任が必要になる。避難の難易度が高い用途ほど基準人数が小さくなる、と整理して覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
「特定50人以上、非特定30人以上」は特定と非特定を逆にしており誤り。「特定10人以上、非特定30人以上」の10人は(6)項ロ等の特別な区分の数値であって特定防火対象物一般の基準ではない。「非特定100人以上」という基準は消防法令に存在しない。
問21-3

甲種防火管理者の資格を有する者でなければ防火管理者となれない防火対象物として、正しいものはどれか。

  • ①延べ面積300平方メートル以上の非特定防火対象物
  • ②延べ面積300平方メートル以上の特定防火対象物
  • ③延べ面積500平方メートル以上の特定防火対象物
  • ④延べ面積1000平方メートル以上の非特定防火対象物
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正解 ②延べ面積300平方メートル以上の特定防火対象物
解説
消防法施行令第3条は、防火管理者を甲種と乙種に分け、規模の大きい防火対象物(甲種防火対象物)には甲種防火管理者の資格を有する者を選任しなければならないと定めている。区分の基準は延べ面積で、特定防火対象物は300平方メートル以上、非特定防火対象物は500平方メートル以上が甲種防火対象物となる。これ未満のものは乙種防火対象物であり、乙種防火管理者講習の修了者でも選任できる(甲種の資格者が選任されてもよい)。自力避難が困難な者を入所させる(6)項ロ等の施設は、面積にかかわらず甲種となる点にも注意したい。

他の選択肢が不適切な理由
「500平方メートル以上の特定防火対象物」は非特定の基準面積と取り違えている。「300平方メートル以上の非特定防火対象物」も特定と非特定の面積を取り違えたもので、非特定は500平方メートルが境界である。「1000平方メートル以上の非特定防火対象物」の1000平方メートルは、消防設備士等による点検が必要となる規模の基準であり、甲種・乙種の区分の基準ではない。
問31-3

防火管理者が行うべき業務として、消防法令上定められていないものはどれか。

  • ①消防用設備等の点検及び整備
  • ②消防計画の作成及び変更
  • ③危険物取扱者の選任及び解任
  • ④消火、通報及び避難の訓練の実施
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正解 ③危険物取扱者の選任及び解任
解説
消防法第8条第1項及び消防法施行令第3条の2は、防火管理者の業務として、防火対象物についての消防計画の作成、当該消防計画に基づく消火・通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備・消防用水・消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を挙げている。危険物取扱者を選任・解任するのは危険物施設の所有者等であり、防火管理者の業務としては規定されていない。

他の選択肢が不適切な理由
「消防用設備等の点検及び整備」「消防計画の作成及び変更」「消火、通報及び避難の訓練の実施」は、いずれも施行令第3条の2に明記された防火管理者の業務である。なお防火管理者はこれらの業務を行うにあたり、必要に応じて管理権原者の指示を求め、誠実に職務を遂行しなければならないとされている。
問41-3

防火管理者を定めたとき又は解任したときの届出について、正しいものはどれか。

  • ①防火管理者本人が、14日以内に消防長又は消防署長に届け出る
  • ②防火管理者本人が、遅滞なく、都道府県知事に届け出るとされる
  • ③管理権原者が、30日以内に都道府県知事に届け出るものとされる
  • ④管理権原者が、遅滞なく、所轄の消防長又は消防署長に届け出る
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正解 ④管理権原者が、遅滞なく、所轄の消防長又は消防署長に届け出る
解説
消防法第8条第2項は、防火対象物の管理について権原を有する者は、防火管理者を定めたとき、又はこれを解任したときは、遅滞なくその旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならないと定めている。届出義務者は防火管理者本人ではなく、選任する立場にある管理権原者である点が繰り返し問われる。届出により、消防機関がどの建物の防火管理の責任者が誰かを常に把握できるようにしている。

他の選択肢が不適切な理由
「防火管理者本人が14日以内に届け出る」は、届出義務者と期限の双方が誤りである。「30日以内に都道府県知事に届け出る」も誤りで、届出先は消防長又は消防署長であり、期限は日数ではなく「遅滞なく」とされている。「防火管理者本人が都道府県知事に届け出る」も義務者と届出先の両方が誤っている。都道府県知事が関わるのは消防設備士免状などであり、防火管理者の届出ではない。
問51-3

管理について権原が分かれている防火対象物のうち、統括防火管理者を協議して定めなければならないものとして、正しいものはどれか。

  • ①高さ31メートルを超える高層建築物
  • ②高さ20メートルを超える中層の建築物
  • ③延べ面積1000平方メートル以上の事務所
  • ④地階を除く階数が2以上の共同住宅
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正解 ①高さ31メートルを超える高層建築物
解説
消防法第8条の2は、管理について権原が分かれている防火対象物のうち一定のものについて、それぞれの管理権原者が協議して統括防火管理者を定め、建物全体についての消防計画の作成や避難訓練の実施等を行わせなければならないと定めている。対象には、高さ31メートルを超える高層建築物のほか、特定用途を含む複合用途防火対象物で地階を除く階数が3以上かつ収容人員30人以上のもの、非特定の複合用途防火対象物で地階を除く階数が5以上かつ収容人員50人以上のもの、準地下街、消防長等が指定する地下街などが含まれる。

他の選択肢が不適切な理由
「高さ20メートルを超える」という基準は消防法令には存在せず、高層建築物の定義は31メートル超である。「延べ面積1000平方メートル以上の事務所」は統括防火管理者の対象を定める基準ではなく、単一用途の事務所は権原が分かれていても直ちに対象とはならない。「地階を除く階数が2以上の共同住宅」も条文の要件と合わず、非特定の複合用途では階数5以上が基準である。
問61-3

統括防火管理者の権限に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①消防用設備等の設置命令を各テナントの関係者に発することができる
  • ②必要があると認めるときは、各防火管理者に必要な措置を指示できる
  • ③各防火管理者を任意に解任し、後任者を単独で選任することができる
  • ④防火管理上必要な費用を各管理権原者に強制的に徴収する権限をもつ
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正解 ②必要があると認めるときは、各防火管理者に必要な措置を指示できる
解説
消防法第8条の2第2項は、統括防火管理者が、防火対象物の全体についての防火管理上必要な業務を行うにあたり必要があると認めるときは、各防火管理者に対し、その業務の実施のために必要な措置を講ずべきことを指示することができると定めている。建物全体の消防計画や共用部分の避難経路の管理は、テナントごとの防火管理者だけでは調整できないため、全体を束ねる立場に指示権を与えたものである。あわせて同条第3項は、各防火管理者が作成する消防計画は統括防火管理者が作成する全体についての消防計画に適合するものでなければならないと定めており、指示権と計画の一体性が組み合わされている。

他の選択肢が不適切な理由
「各防火管理者を任意に解任し後任者を選任する」ことはできない。防火管理者の選任・解任はそれぞれの管理権原者の権限である。「消防用設備等の設置命令を発する」のは消防長又は消防署長の権限であり、統括防火管理者にはそのような行政上の命令権はない。「費用を強制的に徴収する権限」も法令上与えられておらず、費用負担は管理権原者間の協議によって定められる。
問71-3

防火対象物点検資格者による点検及びその結果の報告に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①3年に1回点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告する
  • ②1年に1回点検し、その結果を都道府県知事に報告するとされる
  • ③1年に1回点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告する
  • ④6か月に1回点検し、その結果を市町村長に報告するとされる
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正解 ③1年に1回点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告する
解説
消防法第8条の2の2は、一定規模以上の特定防火対象物について、管理権原者が、防火対象物点検資格者に防火管理上必要な業務等が法令に適合しているかどうかを点検させ、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならないと定めており、その期間は消防法施行規則により1年に1回とされている。対象となるのは、収容人員300人以上の特定防火対象物や、特定用途が避難階以外の階にあって屋内階段が一つしかない収容人員30人以上のものなどである。

他の選択肢が不適切な理由
「3年に1回」は非特定防火対象物における消防用設備等の点検結果の報告期間であり、防火対象物の定期点検制度の期間ではない。「都道府県知事に報告」は誤りで、報告先は消防長又は消防署長である。「6か月に1回」は消防用設備等の機器点検の周期であって、防火対象物点検の周期ではない。両制度の数値を混同しないよう整理しておきたい。
問81-3

防火対象物の点検及び報告の特例認定を受けた場合の効果として、正しいものはどれか。

  • ①認定を受けた日以後、防火管理者の選任義務が永続的に免除される
  • ②認定を受けた日から5年間、点検及び報告の義務が免除される
  • ③認定を受けた日から3年間、消防用設備等の設置義務が免除される
  • ④認定を受けた日から3年間、点検及び報告の義務が免除される
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正解 ④認定を受けた日から3年間、点検及び報告の義務が免除される
解説
消防法第8条の2の3は、防火対象物点検の対象となる建物のうち、管理を開始した時から3年以上経過し、その間に消防法令違反による命令等を受けていないなど一定の要件を満たすものについて、管理権原者の申請に基づき消防長又は消防署長が認定を行い、認定を受けたものは認定の日から3年間、点検及び報告の義務が免除されると定めている。良好な防火管理を継続している建物の負担を軽くする仕組みで、認定を受けた旨の表示を付すことができる。

他の選択肢が不適切な理由
「5年間」は免状交付後の講習の受講間隔などで登場する数値であり、この特例認定の期間ではない。「消防用設備等の設置義務が免除される」は誤りで、免除されるのはあくまで防火対象物の点検及び報告の義務であって、設備そのものの設置義務ではない。「防火管理者の選任義務が永続的に免除される」も誤りで、認定を受けても防火管理者の選任義務は当然に残る。
問91-3

防火管理者の資格及び選任命令に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①防火管理者は、防火対象物において管理的又は監督的な地位にある者から選ぶ
  • ②防火管理者は、当該防火対象物に勤務していない外部の者から選ぶ必要がある
  • ③防火管理者が選任されていないときは、都道府県知事が選任を命ずるとされる
  • ④防火管理者は、甲種防火管理者講習を修了しなければ一切選任できないとされる
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正解 ①防火管理者は、防火対象物において管理的又は監督的な地位にある者から選ぶ
解説
消防法施行令第3条第1項は、防火管理者を、防火対象物において防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にある者のうちから定めなければならないと規定している。指示を出して現場を動かせる立場になければ、避難訓練の実施や火気の監督といった業務を果たせないためである。また消防法第8条第3項により、防火管理者が定められていないと認める場合には、消防長又は消防署長が管理権原者に対し防火管理者を定めるべきことを命ずることができる。

他の選択肢が不適切な理由
「外部の者から選ぶ必要がある」は誤りで、原則は内部の管理的・監督的地位にある者である(一定の要件のもとで業務の委託が認められる場合はあるが、原則ではない)。「都道府県知事が選任を命ずる」も誤りで、命令権者は消防長又は消防署長である。「甲種防火管理者講習を修了しなければ一切選任できない」も誤りで、乙種防火対象物では乙種防火管理者講習の修了者も選任できる。
問101-3

自衛消防組織に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①消防長が指名した消防吏員によって組織され、市町村長が任命するとされる
  • ②すべての防火対象物の関係者が置き、都道府県知事に届け出るとされる
  • ③一定規模以上の防火対象物の管理権原者が置き、所轄の消防長等に届け出る
  • ④統括防火管理者が単独で置くことができ、届出は必要ないものとされている
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正解 ③一定規模以上の防火対象物の管理権原者が置き、所轄の消防長等に届け出る
解説
消防法第8条の2の5は、多数の者が出入りする大規模・高層の防火対象物など政令で定めるものについて、管理権原者が自衛消防組織を置かなければならず、置いたときは遅滞なくその旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならないと定めている。自衛消防組織は、火災その他の災害の初期段階における通報、初期消火、避難誘導などを組織的に行うための建物内部の体制であり、防火管理者による日常の防火管理と組み合わせて機能する。

他の選択肢が不適切な理由
「すべての防火対象物の関係者が置く」は誤りで、対象は政令で定める一定規模以上のものに限られ、届出先も都道府県知事ではなく消防長又は消防署長である。「消防長が指名した消防吏員によって組織される」は誤りで、自衛消防組織は建物側の要員で構成される。「統括防火管理者が単独で置くことができ、届出は必要ない」も誤りで、設置義務者は管理権原者であり届出も必要である。

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