2026年版・1-2

防火対象物と関係者の義務の一問一答

消防設備士甲種4類「消防関係法令(共通)」から、防火対象物と関係者の義務に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-2

消防法第3条に基づき、屋外において火災の予防に危険であると認められる行為者等に対し、必要な措置をとることを命ずることができる者として誤っているものはどれか。

  • ①消防団長
  • ②消防長
  • ③消防署長
  • ④消防吏員
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正解 ①消防団長
解説
消防法第3条第1項は、屋外において火災の予防に危険であると認める行為者等や、火災の予防に危険であると認める物件等の所有者・管理者・占有者に対して、消防長(消防本部を置かない市町村においては市町村長)、消防署長その他の消防吏員が、その行為の禁止や物件の除去等の措置を命ずることができると定めている。命令権者として条文に挙がっているのは消防長・消防署長・その他の消防吏員であり、消防団長は含まれていない。

他の選択肢が不適切な理由
「消防長」「消防署長」はいずれも第3条第1項に明文で規定された命令権者である。「消防吏員」も「その他の消防吏員」として条文に含まれており、現場の消防吏員が屋外の危険な状態に対して直ちに命令できる仕組みになっている。なお消防団は市町村の消防機関ではあるが、消防団長はこの条文の命令権者として規定されていない点を押さえておきたい。
問21-2

消防法第4条に基づく立入検査に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①立入検査は、日出から日没までの時間帯に限って行うものとされる
  • ②個人の住居には、関係者の承諾を得た場合等でなければ立ち入れない
  • ③立入検査を行うときは、関係者にあらかじめ日時を通告して行う
  • ④立入検査の結果は、検査を行った日から7日以内に公表する必要がある
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正解 ②個人の住居には、関係者の承諾を得た場合等でなければ立ち入れない
解説
消防法第4条は、消防長又は消防署長が火災予防のために必要があるときに、関係者に資料の提出を命じ、報告を求め、又は消防職員に関係のある場所に立ち入って検査させることができると定めている。ただし個人の住居については、関係者の承諾を得た場合、又は火災発生のおそれが著しく大であり特に緊急の必要がある場合でなければ立ち入らせてはならないという制限がある。住居の平穏という私生活上の利益に配慮した規定である。

他の選択肢が不適切な理由
「日出から日没までの時間帯に限る」という時間制限は、かつて条文に置かれていたが現在は設けられておらず誤りである。「あらかじめ日時を通告して行う」という事前通告の要件も現行法にはなく、予告なしの立入検査が可能である。「検査の結果を7日以内に公表する」という義務も消防法第4条には存在しない。なお消防職員は立入検査の際、関係のある者から請求があれば証票を示さなければならない。
問31-2

消防法第5条に基づく防火対象物の改修、移転、除去等の命令に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①命令は、火災が実際に発生した後でなければ発せられない
  • ②命令の相手方は、当該防火対象物を設計した建築士に限られる
  • ③命令の相手方は、当該防火対象物の権原を有する関係者である
  • ④命令は、都道府県知事が消防長の意見を聴いたうえで発する
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正解 ③命令の相手方は、当該防火対象物の権原を有する関係者である
解説
消防法第5条第1項は、消防長又は消防署長が、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について火災の予防上必要があると認める場合等に、権原を有する関係者に対し、当該防火対象物の改修、移転、除去、工事の停止又は中止その他の必要な措置をとることを命ずることができると定めている。「権原を有する」とは、その措置を実際に行える法律上の立場にあることをいい、たとえば建物の構造を改修する命令は、通常は所有者に対して行われることになる。

他の選択肢が不適切な理由
「設計した建築士に限られる」は誤りで、建築士は防火対象物の関係者にあたらず、是正の権原も持たない。「都道府県知事が発する」も誤りで、命令権者は消防長又は消防署長(消防本部を置かない市町村では市町村長)である。「火災が発生した後でなければ発せられない」も誤りで、この命令はまさに火災の予防上必要があると認める段階で発せられるものである。
問41-2

消防法第17条第2項に定める、いわゆる付加条例に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①都道府県は、地域の実情に応じて条例で政令の基準を緩和することができる
  • ②都道府県は、総務大臣の承認を得て条例で技術上の基準を定めるとされる
  • ③市町村は、消防長の同意があれば条例で設置義務そのものを免除できる
  • ④市町村は、地方の気候や風土の特殊性により条例で異なる規定を設けられる
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正解 ④市町村は、地方の気候や風土の特殊性により条例で異なる規定を設けられる
解説
消防法第17条第2項は、市町村がその地方の気候又は風土の特殊性により、同条第1項の政令又はこれに基づく命令の規定のみによっては防火の目的を十分に達し難いと認めるときは、条例で、これと異なる規定を設けることができると定めている。豪雪地帯や強風地域など全国一律の基準では不十分な地域を想定した規定であり、この条例を一般に付加条例と呼ぶ。趣旨が防火目的の達成にある以上、国の基準を下回る緩和のために用いることはできない。

他の選択肢が不適切な理由
「都道府県は……条例で政令の基準を緩和することができる」は二重に誤りで、権限主体は市町村であり、かつ基準の緩和を目的とする規定ではない。「消防長の同意があれば設置義務そのものを免除できる」も誤りで、条文にそのような免除の仕組みはない。「総務大臣の承認を得て」という手続も第17条第2項には規定されていない。
問51-2

消防用設備等が技術上の基準に従って設置され、又は維持されていないと認める場合の命令について、正しいものはどれか。

  • ①消防長又は消防署長が、権原を有する関係者に対して命ずる
  • ②都道府県知事が、当該工事を行った消防設備士に対して命ずる
  • ③消防長又は消防署長が、当該建物の設計者に対して命ずる
  • ④総務大臣が、当該防火対象物の管理権原者に対して命ずる
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正解 ①消防長又は消防署長が、権原を有する関係者に対して命ずる
解説
消防法第17条の4は、消防長又は消防署長が、消防用設備等が設備等技術基準に従って設置されていないと認めるときは設置すべきことを、また技術上の基準に従って維持されていないと認めるときは必要な措置をとるべきことを、権原を有する関係者に対して命ずることができると定めている。消防用設備等の設置及び維持の義務が第17条第1項で関係者に課されていることに対応した是正の仕組みである。

他の選択肢が不適切な理由
「都道府県知事が消防設備士に対して命ずる」は誤りで、知事の権限は免状の交付や返納命令に関するものであり、設備の是正命令ではない。「設計者に対して命ずる」も誤りで、設計者には設備を是正する権原がない。「総務大臣が命ずる」も誤りで、総務大臣の権限は型式承認や特殊消防用設備等の認定など制度全体に関わるもので、個々の防火対象物への是正命令は行わない。
問61-2

消防法第8条の3に定める防炎規制に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①一戸建ての専用住宅で使用するカーテン類も一律に防炎物品が要求される
  • ②高層建築物や地下街で使用するカーテン等は防炎物品としなければならない
  • ③防炎物品の対象は寝具類に限られ、カーテンやどん帳は対象とされていない
  • ④防炎性能を有するかどうかは消防長が個別に現場で判定するものとされる
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正解 ②高層建築物や地下街で使用するカーテン等は防炎物品としなければならない
解説
消防法第8条の3は、高層建築物(高さ31mを超える建築物)、地下街、劇場や百貨店などの特定防火対象物、工事中の建築物等で使用するどん帳、カーテン、じゅうたん、展示用合板などの物品は、政令で定める防炎性能を有するものでなければならないと定めている。これらの防炎性能を有する物品を防炎物品といい、防炎表示を付すことが認められている。避難に時間を要する建物ほど、着火や延焼の初期段階を抑える必要があるという考え方に基づく規制である。

他の選択肢が不適切な理由
「対象は寝具類に限られる」は誤りで、条文が想定しているのはカーテン、どん帳、じゅうたん、展示用合板等の可燃性の内装物品である。「一戸建ての専用住宅にも一律に要求される」も誤りで、防炎規制の対象は高層建築物や特定防火対象物等に限られる。「消防長が個別に現場で判定する」も誤りで、防炎性能は政令で定める基準に適合するかどうかで判断され、防炎表示によって確認できる。
問71-2

住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の設置及び維持の義務者と、その対象となる住宅の範囲に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①住宅を建築した工務店であり、規模を問わず設置義務が課される
  • ②住宅の関係者であるが、共同住宅の住戸は対象から除かれる
  • ③住宅の関係者であり、住宅の規模を問わず設置義務が課される
  • ④住宅の関係者であるが、延べ面積200平方メートル以上に限る
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正解 ③住宅の関係者であり、住宅の規模を問わず設置義務が課される
解説
消防法第9条の2は、住宅の用途に供される防火対象物の関係者は、住宅用防災機器(住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備)を、市町村条例で定める基準に従って設置し、維持しなければならないと定めている。義務の名宛人は所有者、管理者又は占有者を意味する関係者であり、住宅の規模による適用除外はない。設置場所は原則として寝室と、寝室のある階から下る階段の上部などで、細部は市町村条例に委ねられている。

他の選択肢が不適切な理由
「住宅を建築した工務店」は関係者にあたらず、設置及び維持の義務者ではない。「共同住宅の住戸は対象から除かれる」も誤りで、共同住宅の各住戸も住宅として対象となる(ただし自動火災報知設備やスプリンクラー設備が設置されている場合に設置が免除されることはある)。「延べ面積200平方メートル以上に限る」も誤りで、面積による線引きは設けられておらず、規模の大小を問わず義務が課される。
問81-2

消防法第9条の3に定める、圧縮アセチレンガス、液化石油ガスその他の物質で政令で定めるものを貯蔵し、又は取り扱う場合の手続として正しいものはどれか。

  • ①あらかじめ、所轄の都道府県知事の許可を受ける
  • ②取扱いを開始した日から30日以内に総務大臣へ届け出る
  • ③取扱いを開始した日から14日以内に市町村長へ報告する
  • ④あらかじめ、所轄の消防長又は消防署長に届け出る
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正解 ④あらかじめ、所轄の消防長又は消防署長に届け出る
解説
消防法第9条の3は、圧縮アセチレンガス、液化石油ガスその他の火災予防又は消火活動に重大な支障を生ずるおそれのある物質で政令で定めるものを、政令で定める数量以上貯蔵し、又は取り扱う者は、あらかじめ、その旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならないと定めている。消防隊が現場に到着したときに危険な物質の所在を把握できるようにするための事前届出制度であり、許可制ではない点が要点である。

他の選択肢が不適切な理由
「都道府県知事の許可を受ける」は誤りで、この規定は届出であって許可ではなく、届出先も消防長又は消防署長である。「開始した日から14日以内に市町村長へ報告」「開始した日から30日以内に総務大臣へ届け出」はいずれも事後の手続としている点で誤りである。事前に届け出させることに意味がある制度であることを押さえておきたい。
問91-2

かまど、風呂場等、火を使用する設備又はその使用に際し火災の発生のおそれのある設備の位置、構造及び管理の基準について、正しいものはどれか。

  • ①政令で定める基準に従い、市町村の条例で定めるものとされる
  • ②総務省令で全国一律の基準として直接定めるものとされている
  • ③都道府県知事が地域の実情に応じて規則で定めることとされる
  • ④消防長が防火対象物ごとに個別に指定するものとされている
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正解 ①政令で定める基準に従い、市町村の条例で定めるものとされる
解説
消防法第9条は、かまど、風呂場その他火を使用する設備又はその使用に際し火災の発生のおそれのある設備の位置、構造及び管理、こんろ、こたつその他火を使用する器具又はその使用に際し火災の発生のおそれのある器具の取扱いその他火の使用に関し火災の予防のために必要な事項は、政令で定める基準に従い市町村条例でこれを定めると規定している。気候や住宅事情の地域差が大きい分野であるため、国が大枠の基準を示し、具体的な規制は市町村条例に委ねる構成になっている。

他の選択肢が不適切な理由
「総務省令で全国一律に定める」は誤りで、条文は市町村条例に委ねている。「都道府県知事が規則で定める」も誤りで、火災予防条例を定める主体は市町村である。「消防長が防火対象物ごとに個別に指定する」も誤りで、個別の指定ではなく条例という一般的なルールとして定められる。
問101-2

消防法第17条第1項に基づく消防用設備等の設置及び維持の義務に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①義務を負うのは所有者に限られ、賃借する占有者は義務を負わない
  • ②義務を負うのは工事を行った甲種消防設備士とその所属する事業者である
  • ③義務を負うのは防火対象物の関係者であり、占有者もこれに含まれる
  • ④義務を負うのは防火管理者であり、選任されていない場合は義務がない
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正解 ③義務を負うのは防火対象物の関係者であり、占有者もこれに含まれる
解説
消防法第17条第1項は、学校、病院、工場、百貨店など政令で定める防火対象物の関係者は、政令で定める消防用設備等について、政令で定める技術上の基準に従って設置し、維持しなければならないと定めている。ここでいう関係者とは、消防法第2条第4項の定義により所有者、管理者又は占有者をいうから、テナントとして建物の一部を借りている占有者もこの義務を負いうる。誰が実際に義務を果たすかは、その設備について権原を有するかどうかによって判断される。

他の選択肢が不適切な理由
「所有者に限られる」は関係者の定義と矛盾しており誤り。「工事を行った甲種消防設備士とその所属する事業者」も誤りで、消防設備士は工事や整備を適正に行う義務を負うが、設備を設置し維持する法律上の義務者ではない。「防火管理者であり、選任されていない場合は義務がない」も誤りで、防火管理者の業務は消防計画の作成や訓練の実施等であり、設置・維持義務の主体は関係者である。

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