2026年版・1-1

消防法の目的と用語の定義の一問一答

消防設備士甲種4類「消防関係法令(共通)」から、消防法の目的と用語の定義に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-1

消防法第1条の目的規定において、消防の任務が最終的に資するものとして条文の末尾に掲げられている事項はどれか。

  • ①安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資すること
  • ②公共の安全と秩序を維持し、犯罪の予防と鎮圧に資すること
  • ③国土の均衡ある発展と地域社会の活性化に資すること
  • ④国民の健康の保持増進と生活環境の改善に資すること
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正解 ①安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資すること
解説
消防法第1条は、火災を予防・警戒・鎮圧して国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減し、さらに災害等による傷病者の搬送を適切に行い、「もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資すること」を目的とすると定めている。前半が消防の具体的な任務、末尾のこの部分が究極の目的にあたる。甲種の法令問題では、この末尾の文言をそのまま問う出題があるため、条文の流れごと覚えておきたい。

他の選択肢が不適切な理由
「公共の安全と秩序を維持し、犯罪の予防と鎮圧に資すること」は警察法第2条が定める警察の責務であり、消防法の目的ではない。「国土の均衡ある発展と地域社会の活性化に資すること」は国土形成計画等に関わる表現で、消防法第1条には存在しない。「国民の健康の保持増進と生活環境の改善に資すること」は健康増進法等が掲げる目的であり、火災からの保護を柱とする消防法の目的規定には含まれていない。
問21-1

消防法上の防火対象物と消防対象物の関係に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①消防対象物は建築物のみを指し、山林や舟車はこれに含まれない
  • ②消防対象物には「物件」が含まれるため、防火対象物より広い概念である
  • ③両者は法律上まったく同一の対象を指す用語で、範囲に違いはない
  • ④防火対象物には「物件」が含まれるため、消防対象物より広い概念である
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正解 ②消防対象物には「物件」が含まれるため、防火対象物より広い概念である
解説
消防法第2条第2項の防火対象物は「山林又は舟車、船きよ若しくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物若しくはこれらに属する物」と定義される。これに対し同条第3項の消防対象物は、末尾が「これらに属する物」ではなく「物件」となっている。「物件」には建築物等に付属しない独立した動産(積み上げられた資材や廃材など)も含まれるため、消防対象物のほうが防火対象物より広い概念になる。「属する物」か「物件」かという一語の違いが範囲の違いを生む点が出題の要点である。

他の選択肢が不適切な理由
「防火対象物には『物件』が含まれる」とするものは、広い狭いの関係を逆に述べており誤り。「両者は法律上まったく同一の対象を指す」とするものは、条文が別々の項で別々に定義していることと矛盾する。「消防対象物は建築物のみを指す」とするものも誤りで、条文には山林・舟車・船きよ等が明示されている。
問31-1

消防法第2条第6項に定める「舟車」に含まれないものはどれか。

  • ①船きよ
  • ②端舟
  • ③はしけ
  • ④被曳船
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正解 ①船きよ
解説
消防法第2条第6項は、舟車を「船舶安全法第二条第一項の規定を適用しない船舶、端舟、はしけ、被曳船その他の舟及び車両」と定義している。小型の舟と車両をひとまとめにした概念であり、端舟(小さな手こぎの舟)、はしけ(荷物を積んで沖の本船と岸との間を行き来する平底の舟)、被曳船(自力で走らず他の船に引かれる舟)は、いずれも条文に名前がそのまま挙がっている。これに対し「船きよ」はドック、すなわち船を建造したり修理したりするための陸上の設備であり、舟でも車両でもないため舟車には含まれない。

他の選択肢が不適切な理由
「端舟」「はしけ」「被曳船」は、いずれも第2条第6項の条文に列挙されており舟車に含まれる。船きよは、防火対象物を定める同条第2項及び消防対象物を定める第3項において「山林又は舟車、船きよ若しくはふ頭に繋留された船舶」という形で、舟車とは別に並べて書かれている。この条文の並びごと覚えておくと、船きよが舟車の外に置かれていることを取り違えずに済む。なお航空機も舟でも車両でもないため舟車には含まれない点をあわせて押さえておきたい。
問41-1

消防法第2条第7項に定める「危険物」の説明として正しいものはどれか。

  • ①市町村条例で指定数量が定められている物品のすべてを意味する
  • ②総務大臣が火災の危険が大きいと認めて個別に指定した物品をいう
  • ③高圧ガス保安法の適用を受ける可燃性のガス全般を指し示す用語である
  • ④別表第一の品名欄の物品で、同表の性質欄の性状を有するものをいう
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正解 ④別表第一の品名欄の物品で、同表の性質欄の性状を有するものをいう
解説
消防法第2条第7項は、危険物とは「別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するもの」をいうと定義している。つまり品名と性状の両方が別表第一の定めに合致してはじめて消防法上の危険物となる。ガソリンや灯油などの第4類引火性液体もこの別表第一に位置づけられており、指定数量以上の貯蔵・取扱いには許可が必要となる。

他の選択肢が不適切な理由
「総務大臣が個別に指定した物品」とするものは誤りで、危険物は別表第一という一般的な基準で定まり、大臣の個別指定によるものではない。「市町村条例で指定数量が定められている」とするものも誤りで、指定数量は危険物の規制に関する政令の別表第三で定められている(指定数量未満のいわゆる少量危険物の貯蔵・取扱いの基準が市町村条例に委ねられているのとは別の話である)。「高圧ガス保安法の適用を受ける可燃性ガス」は消防法の危険物ではなく、別の法律の規制対象である。
問51-1

消防法令上の「無窓階」の定義として正しいものはどれか。

  • ①建築物の地上階のうち、避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階
  • ②建築物の地上階のうち、採光のために有効な窓を一つも有していない階
  • ③建築物の地階のうち、外気に直接接する開口部を全く有していない部分の階
  • ④建築物の階のうち、消防隊が進入するための直通階段を有していない階
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正解 ①建築物の地上階のうち、避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階
解説
消防法施行令第10条第1項第5号は、無窓階を「建築物の地上階のうち、総務省令で定める避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階」と定義している。その具体的な要件は消防法施行規則第5条の5に定められており、たとえば11階以上の階では、直径50cm以上の円が内接することができる開口部の面積の合計が当該階の床面積の30分の1を超えるものが「普通階」とされる。この要件を満たさない階が無窓階となり、自動火災報知設備をはじめ多くの設備で設置基準が厳しくなる。

他の選択肢が不適切な理由
「採光のために有効な窓」を基準とするものは建築基準法の採光規定の考え方であり、消防法令の無窓階は避難と消火活動の観点から判断する。「建築物の地階のうち」とするものは誤りで、無窓階はあくまで地上階についての概念である(地階はもともと別に厳しい扱いを受ける)。「直通階段を有していない階」は避難施設の有無の話であり、開口部の有無で決まる無窓階の定義とは異なる。
問61-1

消防法令上、特定防火対象物に該当するものはどれか。

  • ①小学校、中学校、高等学校その他これらに類する学校
  • ②蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類する公衆浴場
  • ③図書館、博物館、美術館その他これらに類する施設
  • ④共同住宅、寄宿舎、下宿その他これらに類する施設
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正解 ②蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類する公衆浴場
解説
特定防火対象物とは、不特定多数の者が出入りする用途や、自力での避難が困難な者が利用する用途を含む防火対象物をいい、消防法施行令別表第一のうち(1)項から(4)項、(5)項イ、(6)項、(9)項イ、(16)項イ、(16の2)項、(16の3)項がこれにあたる。公衆浴場のうち蒸気浴場や熱気浴場(サウナ等)は(9)項イに位置づけられ、特定防火対象物である。高温多湿で避難が遅れやすいことが理由であり、同じ公衆浴場でも一般の浴場は(9)項ロとして非特定に区分される点が対比のポイントになる。

他の選択肢が不適切な理由
学校は(7)項、図書館・博物館・美術館は(8)項、共同住宅・寄宿舎・下宿は(5)項ロであり、いずれも非特定防火対象物である。学校や共同住宅は利用者が建物の構造を熟知している定常的な利用者であること、図書館等は不特定多数が出入りするものの就寝を伴わないことなどから、特定用途とはされていない。
問71-1

消防法施行令別表第一(16)項イ(特定用途を含む複合用途防火対象物)に該当するものはどれか。

  • ①1階が事務所、2階以上が共同住宅である5階建ての建築物
  • ②全階が共同住宅として使用されている5階建ての建築物
  • ③1階が飲食店、2階以上が事務所である5階建ての建築物
  • ④全階が事務所として使用されている5階建ての建築物
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正解 ③1階が飲食店、2階以上が事務所である5階建ての建築物
解説
複合用途防火対象物とは、消防法施行令別表第一に掲げる二以上の用途に供される防火対象物をいい、そのうち特定用途((1)項から(4)項、(5)項イ、(6)項、(9)項イ)を含むものが(16)項イ、含まないものが(16)項ロに区分される。飲食店は(3)項ロで特定用途、事務所は(15)項で非特定用途であるから、この二つが混在する建物は特定用途を含む複合用途防火対象物、すなわち(16)項イとなる。(16)項イは全体が特定防火対象物として扱われ、点検報告の期間などで厳しい基準が適用される。

他の選択肢が不適切な理由
「1階が事務所、2階以上が共同住宅」は(15)項と(5)項ロの組合せで、どちらも非特定用途であるため(16)項ロにあたる。「全階が事務所」「全階が共同住宅」はいずれも単一用途であり、そもそも複合用途防火対象物に該当しない。特定用途が一つでも含まれるかどうかが、イとロを分ける基準である。
問81-1

消防法令上の「準地下街」の説明として正しいものはどれか。

  • ①地下道に面して設けられた店舗、事務所等と当該地下道とを合わせたもの
  • ②建築物の地階のうち、避難階に直通する階段を有しない部分をいうもの
  • ③地下鉄の駅舎とこれに接続する地下通路とを合わせた区域をいうもの
  • ④建築物の地階で連続して地下道に面するものと地下道を合わせたもの
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正解 ④建築物の地階で連続して地下道に面するものと地下道を合わせたもの
解説
消防法施行令別表第一(16の3)項の準地下街は、建築物の地階((16の2)項の地下街に該当する部分を除く)で連続して地下道に面して設けられたものと、その地下道とを合わせたものをいい、特定用途が存するものに限られる。地下街そのものではなく、地下道に面した建物の地階が集まって地下街に似た状況をつくっている形態を規制するための区分である。地下道という避難経路が共通していることから、地下街に準じた厳しい扱いを受ける。

他の選択肢が不適切な理由
「地下道に面して設けられた店舗、事務所等と当該地下道とを合わせたもの」は(16の2)項の地下街の定義であり、準地下街ではない。「地下鉄の駅舎とこれに接続する地下通路」は用途としては(10)項の車両の停車場等にあたり、準地下街として定義された概念ではない。「避難階に直通する階段を有しない部分」は避難施設の状況に関する記述で、準地下街の定義とは関係がない。
問91-1

消防法第17条第3項に定める特殊消防用設備等に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①総務大臣の認定を受けた設備等設置維持計画に従って設置し維持する
  • ②消防長又は消防署長の許可を受けて設置する仮設の消防用設備である
  • ③都道府県知事の認定を受けた計画に従って設置し、維持するものである
  • ④日本消防検定協会の型式適合検定に合格した消防用設備等の総称である
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正解 ①総務大臣の認定を受けた設備等設置維持計画に従って設置し維持する
解説
消防法第17条第3項は、通常用いられる消防用設備等に代えて、総務大臣の認定を受けた設備等設置維持計画に従って設置し、維持する特殊消防用設備等を用いることができると定めている。これは性能規定化の考え方に基づく制度で、政令で定める技術上の基準どおりの設備でなくても、同等以上の性能を有すると総務大臣が認定すれば設置が認められる。新技術を用いた消火設備や監視システムを導入する道を開くための規定である。

他の選択肢が不適切な理由
認定を行うのは都道府県知事ではなく総務大臣であるから、「都道府県知事の認定」は誤り。「消防長又は消防署長の許可を受けて設置する仮設の消防用設備」という制度は消防法第17条第3項には存在しない。「型式適合検定に合格した消防用設備等の総称」も誤りで、検定制度は消防法第21条の2以下に定められた別の制度であり、特殊消防用設備等とは仕組みが異なる。
問101-1

消防法施行令別表第一の項と用途の組合せとして、誤っているものはどれか。

  • ①(5)項イ-旅館、ホテル、宿泊所
  • ②(4)項-百貨店、物品販売業を営む店舗
  • ③(6)項イ-幼稚園、特別支援学校
  • ④(12)項イ-工場又は作業場
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正解 ③(6)項イ-幼稚園、特別支援学校
解説
消防法施行令別表第一の(6)項は福祉・医療関係の用途をまとめた項で、イが病院、診療所又は助産所、ロが老人短期入所施設や自力避難が困難な者を入所させる施設、ハが老人デイサービスセンターや保育所など、ニが幼稚園又は特別支援学校と細分されている。したがって幼稚園と特別支援学校は(6)項ニであって(6)項イではなく、この組合せが誤りである。(6)項ロは収容人員10人以上で防火管理者の選任が必要になるなど、細分ごとに扱いが異なるため区別が重要になる。

他の選択肢が不適切な理由
「(4)項-百貨店、物品販売業を営む店舗」は正しく、マーケットや展示場もここに含まれる。「(5)項イ-旅館、ホテル、宿泊所」も正しい組合せで、同じ(5)項でもロは寄宿舎、下宿又は共同住宅である。「(12)項イ-工場又は作業場」も正しく、同項ロは映画スタジオ又はテレビスタジオである。

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