2026年版・4-10

アルコール類と第2石油類の一問一答

甲種危険物取扱者「危険物の性質・火災予防・消火」から、アルコール類と第2石油類に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-10

消防法上のアルコール類の定義として、正しいものはどれか。

  • ①炭素数1から3の飽和1価アルコールで、含有量60パーセント以上のもの
  • ②炭素数1から5の飽和1価アルコールで、含有量40パーセント以上のもの
  • ③すべてのアルコールを含み、含有量についての規定はないものをいう
  • ④炭素数が4以上である多価アルコールのみに限られるものをいう
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正解 ①炭素数1から3の飽和1価アルコールで、含有量60パーセント以上のもの
解説
消防法上のアルコール類は、1分子を構成する炭素原子の数が1から3個までの飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)で、含有量が60パーセント以上のものをいいます。

ポイント
メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールが該当します。指定数量は一律400Lです。

試験の罠
炭素数4のブタノールはアルコール類には当たりません。1-ブタノールは引火点が21℃以上のため第2石油類に区分されます(異性体により引火点が異なる点にも注意します)。

他の選択肢が不適切な理由
「炭素数1から5の飽和1価アルコールで含有量40パーセント以上」とする記述は、炭素の数の範囲も含有量の下限も実際の定めより緩く、対象が広がりすぎます。「すべてのアルコールを含み含有量についての規定はない」とする記述も誤りで、含有量が一定の割合に満たないものは除かれます。「炭素数が4以上である多価アルコールのみ」とする記述も誤りで、対象となるのは炭素の数が少ない飽和1価アルコールであり、多価アルコールは別の品名に区分されます。
問24-10

メタノールの性状に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①無色の液体で水には溶けず、毒性もほとんど見られない
  • ②無色の液体で水に溶け、毒性が強く失明のおそれがある
  • ③黄色の固体であり、加熱することで液化していく
  • ④不燃性の液体であり、消火剤として広く用いられる
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正解 ②無色の液体で水に溶け、毒性が強く失明のおそれがある
解説
メタノールは無色透明の液体で水と任意の割合で混ざります。引火点は約11℃です。体内で代謝されてホルムアルデヒドやぎ酸となり、視神経を侵して失明に至ることがあります。

ポイント
燃焼時の炎は淡い青色でほとんど見えません。昼間の火災では気づきにくく危険です。

試験の罠
エタノールは飲用可能ですが、メタノールは少量でも重篤な中毒を起こします。

他の選択肢が不適切な理由
「水には溶けず毒性もほとんど見られない」とする記述は二重に誤りで、水と任意の割合で混ざるうえ、体内で有害な物質に変わって視神経を侵す強い毒性を持ちます。「黄色の固体であり加熱することで液化していく」とする記述も誤りで、常温では無色透明の液体です。「不燃性の液体であり消火剤として広く用いられる」とする記述も、常温付近で引火する可燃性液体であるという事実に反します。
問34-10

エタノールの性状に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①無色透明で特有の芳香を持ち、水と任意の割合で混ざる
  • ②引火点は約13℃であり、常温においても引火する危険性がある
  • ③燃焼すると鮮やかな橙色の炎を上げ、遠くからでも視認しやすい
  • ④消火には、水溶性液体用の泡消火薬剤がよく適している
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正解 ③燃焼すると鮮やかな橙色の炎を上げ、遠くからでも視認しやすい
解説
エタノールの炎は淡い青色でほとんど輝きがなく、明るい場所では見えにくいという危険があります。

ポイント
水溶性のため、一般の泡消火薬剤では泡が壊れます。耐アルコール泡が必要です。

試験の罠
炎が見えにくいことは、燃焼中と気づかず接近する事故につながります。アルコール類共通の注意点です。

他の選択肢が不適切な理由
「無色透明で特有の芳香を持ち水と任意の割合で混ざる」ことは正しい記述で、この水に溶ける性質が消火剤の選び方を左右します。「引火点は約13℃であり常温でも引火する危険性がある」ことも正しく、消毒用として身近であっても危険物であることに変わりはありません。「消火には水溶性液体用の泡消火薬剤がよく適している」ことも正しい記述で、一般の泡では水分を吸われて泡が壊れてしまいます。
問44-10

灯油の性状に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①液比重は1より大きいため、水に沈んで下の層をつくる
  • ②引火点はマイナス40℃以下であり、常温でも容易に引火してしまう
  • ③水には非常によく溶け、水と混ざると引火点が下がっていく
  • ④引火点は40℃以上で、常温では引火しにくいが霧状なら引火する
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正解 ④引火点は40℃以上で、常温では引火しにくいが霧状なら引火する
解説
灯油の引火点は40℃以上で、常温では液面から燃焼下限界に達する蒸気が出ません。ただし霧状に噴霧されたり布にしみ込んだりすると、表面積が拡大して引火点より低い温度でも着火します。

ポイント
ガソリンが混入すると引火点が大きく下がり、常温でも引火する極めて危険な状態になります。

試験の罠
灯油は非水溶性で液比重は約0.8です。水に浮きます。

他の選択肢が不適切な理由
「液比重は1より大きいため水に沈む」とする記述は誤りで、灯油は水より軽く水面に浮くため、注水すると火面が広がります。「引火点はマイナス40℃以下であり常温でも容易に引火する」とする記述はガソリンの値であり、両者を取り違えると常温での危険性の見積もりを誤ります。「水には非常によく溶け水と混ざると引火点が下がる」とする記述も誤りで、灯油は水に溶けず、そもそも水と混ざり合いません。
問54-10

軽油の性状に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①引火点は45℃以上で、淡黄色または淡褐色の液体である
  • ②引火点は21℃未満であり、無色で透明な液体である
  • ③水には溶けやすく、水と混ざって均一な溶液をつくる
  • ④常温では固体であり、加熱して溶かしてから使用するものである
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正解 ①引火点は45℃以上で、淡黄色または淡褐色の液体である
解説
軽油はディーゼル機関の燃料で、引火点は45℃以上、淡黄色または淡褐色の液体です。第2石油類(非水溶性)に区分されます。

ポイント
発火点は約220℃で、灯油とほぼ同じです。液比重は約0.85で水より軽くなります。

試験の罠
灯油(引火点40℃以上)と軽油(45℃以上)は数値が近く、入れ替えた選択肢が出ます。

他の選択肢が不適切な理由
「引火点は21℃未満であり無色で透明」とする記述は、引火点も色も実際と異なり、この値では第1石油類の範囲に入ってしまいます。「水には溶けやすく水と混ざって均一な溶液をつくる」とする記述も誤りで、軽油は水に溶けない炭化水素の混合物であり、水面に浮きます。「常温では固体であり加熱して溶かしてから使用する」とする記述も誤りで、常温では流動性のある液体としてそのまま燃料に用いられます。
問64-10

キシレンの性状に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①3種の異性体があり、いずれも第1石油類に区分されている
  • ②オルト・メタ・パラの異性体があり、いずれも第2石油類である
  • ③3種の異性体のうち、パラキシレンだけが第1石油類に区分される
  • ④無色の液体で水によく溶け、水溶性の第2石油類にあたる
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正解 ②オルト・メタ・パラの異性体があり、いずれも第2石油類である
解説
キシレン(ジメチルベンゼン)にはオルト体・メタ体・パラ体の三つの異性体があり、いずれも引火点は約27℃から32℃で第2石油類(非水溶性)に区分されます。

ポイント
芳香族炭化水素で、水に溶けず水より軽い無色の液体です。塗料の溶剤として用いられます。

試験の罠
ベンゼン・トルエンは第1石油類、キシレンは第2石油類です。炭素数が増えるほど引火点が上がります。

他の選択肢が不適切な理由
「3種の異性体がいずれも第1石油類」とする記述は誤りで、キシレンの引火点はいずれも21℃以上であり、第1石油類の範囲には入りません。「パラキシレンだけが第1石油類」とする記述も誤りで、三つの異性体は引火点が近く、同じ品名に区分されます。「水によく溶け水溶性の第2石油類にあたる」とする記述も誤りで、芳香族炭化水素であるキシレンは水に溶けず、水より軽い非水溶性の液体です。
問74-10

酢酸の性状に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①引火点は約10℃で、第1石油類の水溶性に区分される
  • ②水に溶けるが、液比重は1より小さく水に浮く
  • ③水に溶け、液比重は1より大きく、低温で凝固する
  • ④金属を腐食させないため、鉄製の容器で安全に貯蔵できる
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正解 ③水に溶け、液比重は1より大きく、低温で凝固する
解説
酢酸は刺激臭のある無色の液体で、水と任意の割合で混ざります。液比重は約1.05で水より重く、約17℃以下で凝固して氷酢酸と呼ばれる状態になります。

ポイント
引火点は約39℃で第2石油類(水溶性)に区分され、指定数量は2,000Lです。

試験の罠
金属を腐食させるため、容器の材質に注意が必要です。皮膚に付くと薬傷を起こします。

他の選択肢が不適切な理由
「引火点は約10℃で第1石油類の水溶性」とする記述は誤りで、実際の引火点はこれよりかなり高く、区分も一段下の品名になります。「液比重は1より小さく水に浮く」とする記述も誤りで、酢酸は水より重い数少ない第4類の一つです。「金属を腐食させないため鉄製の容器で安全に貯蔵できる」とする記述も誤りで、金属を侵す性質があるため容器の材質を選ぶ必要があり、皮膚に付けば薬傷を起こします。
問84-10

第2石油類に該当しない物品はどれか。

  • ①酢酸
  • ②灯油
  • ③軽油
  • ④アセトン
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正解 ④アセトン
解説
アセトンは引火点が約マイナス20℃で第1石油類(水溶性)です。灯油・軽油・キシレン・クロロベンゼン・酢酸・アクリル酸などが第2石油類に該当します。

ポイント
第2石油類は引火点21℃以上70℃未満です。

試験の罠
品名の判定は引火点の数値が基準です。用途や見た目で判断しないようにします。

他の選択肢が不適切な理由
酢酸は引火点が40℃前後で、21℃以上70℃未満という第2石油類の範囲に収まります。水に溶けるため水溶性に区分される点が特徴です。灯油は引火点40℃以上、軽油は45℃以上で、いずれも同じ範囲に入る非水溶性の第2石油類です。この三つはどれも常温では引火しにくい油であり、常温で容易に引火する品名とは危険性の水準が異なります。
問94-10

アルコール類の火災における消火に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①水溶性のため一般の泡は消泡し、耐アルコール泡を用いる必要がある
  • ②水溶性であるため、一般の泡による消火がもっとも効果的である
  • ③水溶性であるため、いかなる消火剤もまったく効果がない
  • ④非水溶性であるため、一般の泡だけで問題なく消火することができる
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正解 ①水溶性のため一般の泡は消泡し、耐アルコール泡を用いる必要がある
解説
アルコールは泡に含まれる水分を吸収して泡膜を破壊するため、一般の泡消火薬剤では液面を覆えません。水溶性液体用泡消火薬剤(耐アルコール泡)を使用します。

ポイント
粉末消火剤や二酸化炭素も有効ですが、再着火防止には泡による被覆が確実です。

試験の罠
十分な量の水で希釈すれば引火点が上がり消火できますが、大量の水が必要で現実的でない場合が多くなります。

他の選択肢が不適切な理由
「一般の泡による消火がもっとも効果的」とする記述は誤りで、アルコールは泡に含まれる水分を吸い取って泡の膜を壊してしまうため、液面を覆い続けることができません。「いかなる消火剤もまったく効果がない」とする記述も言い過ぎで、粉末消火剤や二酸化炭素も有効であり、専用の泡を使えば確実に覆えます。「非水溶性であるため」とする記述は前提が誤りで、アルコール類は水と任意の割合で混ざります。
問104-10

2-プロパノール(イソプロピルアルコール)の性状に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①無色の液体で水に溶けにくく、引火点は約45℃である
  • ②無色の液体で水に溶け、引火点は約12℃である
  • ③炭素数が4のため、第2石油類に区分される
  • ④水と混ざると引火点が下がり、引火しやすくなっていく
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正解 ②無色の液体で水に溶け、引火点は約12℃である
解説
2-プロパノールは無色透明の液体で水と任意の割合で混ざり、引火点は約12℃です。炭素数3の飽和1価アルコールなので、消防法上のアルコール類に該当します。

ポイント
消毒用として広く使われますが、常温で引火する危険物であることを忘れてはいけません。

試験の罠
消毒用エタノールも同様に危険物です。日用品だから安全という思い込みが事故を招きます。

他の選択肢が不適切な理由
「水に溶けにくく引火点は約45℃」とする記述は誤りで、水と任意の割合で混ざるうえ、引火点は常温より低く、消毒用として身近に使われていても常温で引火します。「炭素数が4のため第2石油類に区分される」とする記述も誤りで、炭素の数は3であり、消防法上のアルコール類に含まれます。「水と混ざると引火点が下がる」とする記述は方向が逆で、水で薄めれば蒸気が出にくくなり引火点は上がります。

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