2026年版・3-2

気体の法則と蒸気の性質の一問一答

甲種危険物取扱者「物理学及び化学」から、気体の法則と蒸気の性質に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-2

ボイルの法則に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①体積が一定のとき、気体の圧力は絶対温度に反比例する
  • ②圧力が一定のとき、気体の体積は絶対温度に比例する
  • ③温度が一定のとき、気体の体積は圧力に反比例する
  • ④温度が一定のとき、気体の体積は圧力に比例する
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正解 ③温度が一定のとき、気体の体積は圧力に反比例する
解説
ボイルの法則は「温度一定のとき、一定量の気体の体積は圧力に反比例する」というもので、PV=一定と表されます。

ポイント
圧力が一定のとき体積が絶対温度に比例するのがシャルルの法則、両者を合わせたものがボイル・シャルルの法則(PV/T=一定)です。

試験の罠
ボイルは圧力、シャルルは温度、と主役を取り違えないようにします。

他の選択肢が不適切な理由
「体積が一定のとき圧力は絶対温度に反比例する」とする記述は、体積を保ったまま温めれば圧力が上がるという事実と逆になっています。「圧力が一定のとき体積は絶対温度に比例する」とする記述は、温度を主役とする別の法則の内容であり、この問いの答えにはなりません。「温度が一定のとき体積は圧力に比例する」とする記述は、押せば縮むという気体の性質と正反対で、比例と反比例を取り違えたものです。
問23-2

27℃、1気圧で10Lの気体を、圧力を一定に保ったまま127℃にしたときの体積として正しいものはどれか。

  • ①約10.0L
  • ②約47.0L
  • ③約20.0L
  • ④約13.3L
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正解 ④約13.3L
解説
シャルルの法則により、V1/T1=V2/T2です。27℃=300K、127℃=400Kなので、10÷300=V2÷400、V2=10×400÷300=13.3Lとなります。

ポイント
計算の際は必ず摂氏を絶対温度に直します。273を足すのが第一歩です。

試験の罠
摂氏のまま10×127÷27と計算すると約47Lとなり、用意されたダミーに引っかかります。

他の選択肢が不適切な理由
約10.0Lは、温めても体積が変わらないと考えた場合の値で、温度が上がれば膨らむという前提を落としています。約47.0Lは、摂氏の数値をそのまま比に用いて10かける127割る27と計算した場合に出てくる値で、絶対温度に直し忘れた典型例です。約20.0Lは、温度が上がったので体積が倍になるとおおまかに見積もった場合の値で、絶対温度どうしの比が4対3であることと合いません。
問33-2

蒸気圧に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①温度が高くなると蒸気圧は大きくなる
  • ②温度が高くなると蒸気圧は小さくなる
  • ③蒸気圧は温度によらず一定である
  • ④蒸気圧が大きい液体ほど蒸発しにくい
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正解 ①温度が高くなると蒸気圧は大きくなる
解説
液体の蒸気圧は温度が上がるほど大きくなり、蒸気圧が外圧(大気圧)と等しくなった温度が沸点です。

ポイント
蒸気圧が大きい液体ほど蒸発しやすく、揮発性が高いことを意味します。ジエチルエーテルやガソリンが該当します。

試験の罠
蒸気圧が大きい=蒸発しやすい、という対応関係を逆にした選択肢が出ます。

他の選択肢が不適切な理由
「温度が高くなると蒸気圧は小さくなる」とする記述は、温めるほど液面から飛び出す分子が増えるという性質と逆です。「蒸気圧は温度によらず一定である」とする記述は、温度が上がるほど蒸発が盛んになり、やがて沸騰に至るという現象を説明できません。「蒸気圧が大きい液体ほど蒸発しにくい」とする記述は、蒸気圧の大きさがそのまま蒸発のしやすさを表すという関係を逆にしたもので、揮発性の高い液体ほど蒸気圧は大きくなります。
問43-2

蒸気比重に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①第4類危険物の蒸気比重は、そのほとんどが1未満の値である
  • ②空気の平均分子量を基準として、蒸気の重さを比で表したものである
  • ③蒸気比重が1未満の蒸気ほど、地表付近に滞留しやすくなる
  • ④水の密度を基準として、液体および蒸気の重さを比で表したものをいう
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正解 ②空気の平均分子量を基準として、蒸気の重さを比で表したものである
解説
蒸気比重は、同温・同圧における空気の重さを1としたときの蒸気の重さの比で、おおよそ「分子量÷29」で求められます。

ポイント
第4類危険物の蒸気比重はほとんどが1より大きく、蒸気は低所に滞留します。ピット・側溝・地下室での滞留が事故の主因になります。

試験の罠
液比重(水を1とする)と蒸気比重(空気を1とする)は基準が異なります。混同すると全問を落とします。

他の選択肢が不適切な理由
「第4類の蒸気比重はほとんどが1未満」とする記述は、実際には1より大きいものがほとんどで、蒸気が低い場所にたまるという事故の実態と食い違います。「1未満の蒸気ほど地表付近に滞留しやすい」とする記述は、軽い蒸気は上へ拡散するという性質と正反対です。「水の密度を基準として表したもの」とする記述は、液体の重さを比べる液比重と取り違えたもので、蒸気の場合の基準は空気です。
問53-2

分子量44の気体の蒸気比重として、最も近い値はどれか。

  • ①0.7
  • ②1.0
  • ③1.5
  • ④2.5
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正解 ③1.5
解説
蒸気比重は分子量を空気の平均分子量29で割って求めます。44÷29=約1.52です。

ポイント
分子量29が蒸気比重1の目安です。29より大きければ空気より重く、小さければ軽い、と即座に判断できます。

試験の罠
分子量が2の水素や16のメタンは空気より軽く、蒸気は上方に拡散します。

他の選択肢が不適切な理由
0.7は、分子量44を空気の平均分子量ではなく分子量の大きい別の値で割ったり、逆向きに29を44で割ったりした場合に近い値です。1.0は、空気の平均分子量そのものに近い分子量の気体、たとえば窒素などの場合の値で、44とは合いません。2.5は、割る数を空気の平均分子量よりかなり小さい値に取り違えた場合の値です。分子量を約29で割るという一点を守れば、これらの値にはなりません。
問63-2

沸点に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①液体が蒸発を開始する最低の温度をいう
  • ②液体が固体へと変化するときの温度をいう
  • ③液体に点火したときに燃焼を継続する温度をいう
  • ④液体の蒸気圧が外圧に等しくなる温度をいう
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正解 ④液体の蒸気圧が外圧に等しくなる温度をいう
解説
沸点は液体の飽和蒸気圧が外部の圧力と等しくなる温度で、液体内部からも蒸発(沸騰)が起こります。

ポイント
外圧が下がれば沸点も下がるため、減圧下では低い温度で沸騰します。

試験の罠
蒸発は沸点未満でも液面から常に起こっています。「蒸発が始まる温度」ではありません。

他の選択肢が不適切な理由
「蒸発を開始する最低の温度」とする記述は、蒸発が沸点よりずっと低い温度でも液面から常に起きている点を見落としています。洗濯物が常温で乾くのがその例です。「液体が固体へと変化するときの温度」とする記述は、凝固点の説明であって、気体へ変わる温度とは逆向きの現象です。「点火したときに燃焼を継続する温度」とする記述は、燃焼点にあたる考え方で、圧力との釣り合いで決まる沸点とは別のものです。
問73-2

理想気体の状態方程式に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①PV=nRTで表され、Rは気体定数である
  • ②PV=nRTで表され、Tは摂氏温度である
  • ③P/V=nRTで表され、nは質量である
  • ④PV=RTで表され、物質量は含まれない
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正解 ①PV=nRTで表され、Rは気体定数である
解説
理想気体の状態方程式はPV=nRTです。Pは圧力、Vは体積、nは物質量(mol)、Rは気体定数、Tは絶対温度です。

ポイント
Tは必ず絶対温度(K)を用います。摂氏をそのまま代入することはできません。

試験の罠
nは質量ではなく物質量です。質量から求めるときは分子量で割ってmolに換算します。

他の選択肢が不適切な理由
「Tは摂氏温度である」とする記述は、摂氏をそのまま入れると0℃で全体が0になってしまい、式が成り立たなくなる点で誤りです。「P割るVイコールnRTで表され、nは質量である」とする記述は、圧力と体積の関係が逆になっているうえ、nが物質量であることも取り違えています。「PVイコールRTで表され、物質量は含まれない」とする記述は、気体の量が増えれば同じ体積でも圧力が上がるという事実を説明できません。
問83-2

気体の溶解度に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①気体の溶解度は温度にも圧力にも影響されない
  • ②温度が高くなるほど、気体の水への溶解度は小さくなる
  • ③圧力が高くなるほど、気体の溶解度は小さくなる
  • ④温度が高くなるほど、気体の水への溶解度は大きくなる
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正解 ②温度が高くなるほど、気体の水への溶解度は小さくなる
解説
気体の溶解度は温度が上がるほど小さくなります。温めた水から気泡が出るのはこのためです。

ポイント
圧力については、ヘンリーの法則により溶解度は圧力に比例して大きくなります。

試験の罠
固体の溶解度は多くの場合、温度が高いほど大きくなります。気体と固体で逆の傾向になる点が問われます。

他の選択肢が不適切な理由
「温度にも圧力にも影響されない」とする記述は、温めた水から気泡が出ることや、炭酸飲料のふたを開けると泡立つことを説明できません。「圧力が高くなるほど溶解度は小さくなる」とする記述は、圧力をかけるほど気体が液に押し込まれるという関係と逆です。「温度が高くなるほど溶解度は大きくなる」とする記述は、固体の多くに当てはまる傾向を気体に当てはめたもので、気体では逆になります。
問93-2

混合気体の圧力に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①混合気体の全圧は、最も分圧の大きい成分の圧力に等しい
  • ②混合気体の全圧は、各成分気体の分圧の積に等しい
  • ③混合気体の全圧は、各成分気体の分圧の和に等しい
  • ④混合気体では、分圧という概念は成立しない
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正解 ③混合気体の全圧は、各成分気体の分圧の和に等しい
解説
ドルトンの分圧の法則により、混合気体の全圧は各成分気体の分圧の総和になります。

ポイント
各成分の分圧は、全圧にその成分のモル分率を掛けて求められます。

試験の罠
燃焼範囲の計算では、可燃性蒸気の分圧が全圧に占める割合が蒸気濃度になります。

他の選択肢が不適切な理由
「最も分圧の大きい成分の圧力に等しい」とする記述は、他の成分の分子も器の壁を叩いている以上、その寄与を無視できない点で誤りです。「各成分の分圧の積に等しい」とする記述は、圧力どうしを掛け合わせても意味のある量にならず、単位の上でも成り立ちません。「分圧という概念は成立しない」とする記述は、混ざっていても各成分がそれぞれ独立に圧力を及ぼすという考え方そのものを否定するものです。
問103-2

液体の蒸発に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①表面積が大きいほど蒸発は速く進む
  • ②風があると蒸発は速く進む
  • ③温度が高いほど蒸発は速く進む
  • ④蒸発の際には周囲に熱を放出する
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正解 ④蒸発の際には周囲に熱を放出する
解説
蒸発するときには蒸発熱(気化熱)を周囲から吸収します。放出ではなく吸収です。

ポイント
アルコールを皮膚に塗ると冷たく感じるのは、蒸発熱を奪われるためです。この性質が水による冷却消火の原理でもあります。

試験の罠
凝縮のときには逆に熱を放出します。方向を取り違えないようにします。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも正しい記述です。表面積が大きいほど蒸発が速いのは、液面から飛び出せる分子の数がそれだけ増えるためで、こぼれた油が薄く広がると危険が増す理由でもあります。風があると速いのは、液面近くにたまった蒸気が運び去られて次の分子が出やすくなるためです。温度が高いほど速いのは、分子の運動が激しくなって液面から抜け出す力を持つものが増えるためです。

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