2026年版・3-11

有機化合物と官能基の一問一答

甲種危険物取扱者「物理学及び化学」から、有機化合物と官能基に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-11

官能基と、その官能基をもつ化合物の一般名の組合せとして、正しいものはどれか。

  • ①ヒドロキシ基 - アルコール
  • ②カルボキシ基 - アルデヒド
  • ③アミノ基 - エーテル
  • ④ニトロ基 - ケトン
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正解 ①ヒドロキシ基 - アルコール
解説
ヒドロキシ基(−OH)をもつ化合物をアルコールといいます。メタノールやエタノールが代表で、いずれも第4類危険物のアルコール類にあたります。

ポイント
カルボキシ基(−COOH)はカルボン酸、アルデヒド基(−CHO)はアルデヒド、カルボニル基はケトン、アミノ基(−NH2)はアミン、ニトロ基(−NO2)はニトロ化合物、エーテル結合(−O−)はエーテルです。

試験の罠
官能基は化合物の性質を決める原子の集まりです。炭素の骨格が同じでも、官能基が違えばまったく別の性質になります。

他の選択肢が不適切な理由
「カルボキシ基 - アルデヒド」とする記述は、この官能基を持つものがカルボン酸であり、アルデヒドは別の官能基を持つ点で誤りです。「アミノ基 - エーテル」とする記述は、この官能基を持つものがアミンであり、エーテルは酸素が二つの炭素をつなぐ構造を指します。「ニトロ基 - ケトン」とする記述も、この官能基を持つものがニトロ化合物であり、ケトンとは構造がまったく異なります。
問23-11

異性体に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①分子式は異なるが、構造が同じであるため性質は等しくなっている
  • ②分子式は同じであるが、構造が異なるため性質も異なっている
  • ③同じ元素からなる単体で、性質が異なるもののことをいう
  • ④分子量が等しければ、分子式が違っても異性体と呼ばれる
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正解 ②分子式は同じであるが、構造が異なるため性質も異なっている
解説
異性体とは、分子式が同じでありながら、原子のつながり方や立体的な配置が異なる化合物どうしのことです。

ポイント
エタノールとジメチルエーテルはどちらもC2H6Oですが、エタノールは常温で液体、ジメチルエーテルは気体です。ジエチルエーテルと1-ブタノールもC4H10Oの異性体で、引火点は大きく異なります。

試験の罠
同じ元素からできた単体で性質が異なるものは同素体といい、赤りんと黄りん、酸素とオゾンがその例です。異性体とは別の概念です。

他の選択肢が不適切な理由
「分子式は異なるが構造が同じ」とする記述は、原子の種類と数が違えば別の物質であり、この関係の説明になっていません。「同じ元素からなる単体で性質が異なるもの」とする記述は、酸素とオゾンのような別の関係を指す言葉であり、化合物どうしの関係とは異なります。「分子量が等しければ分子式が違ってもよい」とする記述は、たまたま重さが同じだけの無関係な物質まで含めてしまう点で誤りです。
問33-11

第2級アルコールの定義として、正しいものはどれか。

  • ①分子内にヒドロキシ基を2個もつもので、2価アルコールともいう
  • ②ヒドロキシ基がついた炭素に、水素原子が2個だけ結合したものをいう
  • ③ヒドロキシ基がついた炭素に、炭化水素基が2個結合したものをいう
  • ④炭素原子を2個もち、水によく溶けるアルコールのことをいう
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正解 ③ヒドロキシ基がついた炭素に、炭化水素基が2個結合したものをいう
解説
アルコールの級数は、ヒドロキシ基が結合している炭素原子に、いくつの炭化水素基が結合しているかで決まります。1個なら第1級、2個なら第2級、3個なら第3級です。

ポイント
エタノールは第1級、2-プロパノール(イソプロピルアルコール)は第2級、2-メチル-2-プロパノールは第3級です。

試験の罠
ヒドロキシ基の数による分類(1価・2価・3価)は別の分類です。エチレングリコールは2価、グリセリンは3価のアルコールで、いずれも第3石油類の水溶性に区分されます。

他の選択肢が不適切な理由
「ヒドロキシ基を2個もつもの」とする記述は、官能基の数による別の分け方であり、エチレングリコールのような物質を指す言葉と取り違えています。「水素原子が2個だけ結合したもの」とする記述は、数え方の対象が水素になっており、炭化水素基の数で決めるという基準と異なります。「炭素原子を2個もち水によく溶けるもの」とする記述は、分子の大きさと溶けやすさの話であって、級数の分類とは無関係です。
問43-11

第1級アルコールを酸化していったときに生じる物質の順序として、正しいものはどれか。

  • ①カルボン酸を経て、アルデヒドになる
  • ②ケトンを経て、カルボン酸になる
  • ③エーテルを経て、エステルになる
  • ④アルデヒドを経て、カルボン酸になる
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正解 ④アルデヒドを経て、カルボン酸になる
解説
第1級アルコールは、酸化されるとまずアルデヒドになり、さらに酸化されるとカルボン酸になります。エタノールはアセトアルデヒドを経て酢酸になります。

ポイント
第2級アルコールを酸化するとケトンになり、そこから先へはほとんど酸化されません。第3級アルコールは酸化されにくい性質をもちます。

試験の罠
アセトアルデヒドは特殊引火物、酢酸は第2石油類の水溶性です。酸化が進むと引火点が上がっていく点も押さえます。

他の選択肢が不適切な理由
「カルボン酸を経てアルデヒドになる」とする記述は、酸化が進む順序を逆にしたものです。酸素と結び付く度合いが増える向きに進むため、途中の段階を先に置くことはできません。「ケトンを経てカルボン酸になる」とする記述は、ケトンが第2級のものを酸化したときに生じる物質である点で、対象を取り違えています。「エーテルを経てエステルになる」とする記述は、酸化とは別の反応の産物を並べたものです。
問53-11

芳香族炭化水素の性質に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①ベンゼン環をもち、付加反応より置換反応を起こしやすい
  • ②二重結合をもつため、付加反応をきわめて起こしやすい炭化水素
  • ③鎖状の構造をもち、飽和炭化水素に分類される化合物である
  • ④水によく溶け、水と任意の割合で混じり合う液体である
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正解 ①ベンゼン環をもち、付加反応より置換反応を起こしやすい
解説
芳香族炭化水素は、炭素6個が環状につながったベンゼン環をもちます。この環は電子が全体に広がっていて安定しているため、二重結合をもちながら付加反応よりも置換反応(ニトロ化・スルホン化・ハロゲン化)を起こしやすい性質があります。

ポイント
ベンゼンとトルエンは第1石油類、キシレンは第2石油類です。いずれも水に溶けず、水より軽い無色の液体です。

試験の罠
ベンゼンをニトロ化するとニトロベンゼン(第3石油類)が得られます。さらにニトロ基を増やしたトリニトロトルエンは第5類のニトロ化合物です。

他の選択肢が不適切な理由
「二重結合をもつため付加反応をきわめて起こしやすい」とする記述は、環の中で電子が全体に広がって安定しているため、かえって付加が起こりにくいという特徴と逆です。「鎖状の構造をもち飽和炭化水素に分類される」とする記述は、環状の骨格を持つという最も基本的な特徴に反します。「水によく溶け水と任意の割合で混じり合う」とする記述は、これらが水に溶けず水より軽い液体であることと食い違います。
問63-11

炭素・水素・酸素だけからなる有機化合物が完全燃焼したときに生じる物質として、正しいものはどれか。

  • ①一酸化炭素と水素
  • ②二酸化炭素と水
  • ③二酸化硫黄と水
  • ④二酸化窒素と水素
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正解 ②二酸化炭素と水
解説
完全燃焼では、炭素は二酸化炭素に、水素は水になります。メタノールの燃焼は2CH3OH + 3O2 → 2CO2 + 4H2Oと表されます。

ポイント
酸素が不足すると不完全燃焼となり、一酸化炭素やすす(炭素の微粒子)を生じます。一酸化炭素は無色無臭で猛毒です。

試験の罠
硫黄分を含む重油では二酸化硫黄、窒素を含む物質では窒素酸化物を生じます。生じるガスは、燃える物質にどの元素が含まれているかで決まります。

他の選択肢が不適切な理由
「一酸化炭素と水素」とする記述は、酸素が足りない場合に生じるもので、完全に燃えたときの生成物ではありません。「二酸化硫黄と水」とする記述は、硫黄を含む物質が燃えたときに生じるガスであり、炭素と水素と酸素だけの物質からは出てきません。「二酸化窒素と水素」とする記述も、窒素を含む物質から生じるガスを挙げており、そもそも水素がそのまま残ること自体が完全燃焼と矛盾します。
問73-11

エステルに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①カルボン酸とアルコールが中和してできる塩の一種のことをいう
  • ②アルコールが酸化されてできる、刺激臭の強い酸のことをいう
  • ③カルボン酸とアルコールが脱水縮合してできる化合物である
  • ④炭化水素に水素が結びついてできる、飽和した化合物である
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正解 ③カルボン酸とアルコールが脱水縮合してできる化合物である
解説
エステル化は、カルボン酸のカルボキシ基とアルコールのヒドロキシ基から水がとれて結びつく反応です。酢酸とエタノールから酢酸エチル(第1石油類・引火点約マイナス4℃)ができます。

ポイント
多くのエステルは果実に似た芳香をもち、溶剤や香料に使われます。加水分解すると、もとのカルボン酸とアルコールに戻ります。

試験の罠
硝酸エステル類(ニトログリセリン・ニトロセルロース)は硝酸とアルコールからできるエステルで、第5類の自己反応性物質です。

他の選択肢が不適切な理由
「中和してできる塩の一種」とする記述は、酸と塩基から水と塩ができる反応と混同したもので、この場合はアルコールが相手であり塩はできません。「アルコールが酸化されてできる刺激臭の強い酸」とする記述は、カルボン酸の説明であり、酸とアルコールが結び付いてできる物質とは別です。「炭化水素に水素が結びついてできる飽和した化合物」とする記述は、酸素を含む官能基が生じる反応であることを見落としています。
問83-11

炭化水素とその分類の組合せとして、正しいものはどれか。

  • ①アセチレン - 環状の飽和炭化水素
  • ②エチレン - 鎖状の飽和炭化水素
  • ③ベンゼン - 鎖状の不飽和炭化水素
  • ④メタン - 鎖状の飽和炭化水素
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正解 ④メタン - 鎖状の飽和炭化水素
解説
メタンCH4は単結合だけでできた鎖状の炭化水素で、飽和炭化水素(アルカン)の代表です。

ポイント
エチレンC2H4は二重結合、アセチレンC2H2は三重結合をもつ鎖状の不飽和炭化水素です。ベンゼンC6H6は環状の芳香族炭化水素です。

試験の罠
不飽和とは二重結合や三重結合をもつことをいいます。不飽和の化合物は付加反応や重合を起こしやすく、危険物では重合による発熱と圧力上昇の危険につながります。

他の選択肢が不適切な理由
「アセチレン - 環状の飽和炭化水素」とする記述は、三重結合を持つ鎖状の化合物であり、環状でも飽和でもない点で二重に誤りです。「エチレン - 鎖状の飽和炭化水素」とする記述は、鎖状という点は合っていますが二重結合を持つため飽和ではありません。「ベンゼン - 鎖状の不飽和炭化水素」とする記述は、六個の炭素が環をなしている構造と食い違います。
問93-11

同じ系列の有機化合物における炭素数と性質の関係として、正しいものはどれか。

  • ①炭素数が増えるほど分子量が大きくなり、沸点や引火点も上がっていく
  • ②炭素数が増えるほど分子量が小さくなり、沸点や引火点も下がっていく
  • ③炭素数にかかわらず、沸点や引火点はほぼ一定の値をとることになる
  • ④炭素数が増えるほど蒸気比重は小さくなり、空気よりも軽くなっていく
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正解 ①炭素数が増えるほど分子量が大きくなり、沸点や引火点も上がっていく
解説
同じ系列の化合物では、炭素数が増えると分子量が大きくなり、分子どうしが引き合う力も強くなります。その結果、沸点が上がって蒸発しにくくなるため、引火点も高くなります。

ポイント
ベンゼン(引火点約マイナス11℃)、トルエン(約4℃)、キシレン(約27℃から32℃)がその例です。蒸気比重も分子量にほぼ比例して大きくなります。

試験の罠
枝分かれのある構造では分子どうしが接する面が減るため、同じ分子量でも直鎖のものより沸点が下がります。

他の選択肢が不適切な理由
「炭素数が増えるほど分子量が小さくなる」とする記述は、原子が増えれば重くなるという当たり前の関係と逆です。「炭素数にかかわらず沸点や引火点はほぼ一定」とする記述は、ベンゼンとキシレンで引火点が大きく違うという事実と食い違います。「炭素数が増えるほど蒸気比重は小さくなり空気より軽くなる」とする記述も、分子が重くなるほど蒸気も重くなるという関係と正反対です。
問103-11

重合に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①大きな分子が分解して、小さな分子になる反応のことをいう
  • ②小さな分子が多数つながって大きな分子になる反応である
  • ③反応にともなって熱を吸収するため、温度が下がっていく
  • ④気体の状態でのみ進み、液体では起こることのない反応
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正解 ②小さな分子が多数つながって大きな分子になる反応である
解説
重合は、単量体(モノマー)が次々に結合して重合体(ポリマー)になる反応です。多くは熱を出しながら進みます。

ポイント
酸化プロピレン・アクリル酸・スチレンなどは重合しやすく、密閉した容器の中で重合が始まると発熱と圧力上昇によって容器が破裂する危険があります。重合禁止剤を加え、直射日光を避けて低温で貯蔵します。

試験の罠
酸化プロピレンは三員環が開いて重合します。二重結合をもたなければ重合しない、というわけではありません。

他の選択肢が不適切な理由
「大きな分子が分解して小さな分子になる」とする記述は、変化の向きが逆で、分解にあたる別の現象を指しています。「熱を吸収するため温度が下がっていく」とする記述は、多くが熱を出しながら進み、容器の中で始まると温度と圧力が上がって破裂に至る点と正反対です。「気体の状態でのみ進み液体では起こらない」とする記述は、液体のまま貯蔵している段階で進行し事故になる例があることと食い違います。

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