2026年版・3-12

静電気と粉じん爆発の一問一答

甲種危険物取扱者「物理学及び化学」から、静電気と粉じん爆発に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-12

静電気の発生に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①物質が化学変化を起こしたときに限って、電荷の偏りが生じる
  • ②異なる物質が接触して離れるときに、電荷が偏って生じる
  • ③同じ物質どうしが接触したときにだけ、電荷の偏りが生じる
  • ④物質の温度が上がるほど、電荷の偏りは大きくなっていく
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正解 ②異なる物質が接触して離れるときに、電荷が偏って生じる
解説
静電気は、性質の異なる二つの物質が接触して離れるときに、一方から他方へ電子が移り、電荷の偏りが生じることで発生します。

ポイント
液体の流動・撹拌・噴出・ろ過、粉体の移送、衣服のこすれなどが発生の原因になります。接する面が大きいほど、離れる速さが速いほど発生量は多くなります。

試験の罠
静電気は発生しただけでは危険ではありません。逃げ場がなく蓄積し、放電したときに着火源となります。

他の選択肢が不適切な理由
「化学変化を起こしたときに限って生じる」とする記述は、物質そのものは変わらずに電子が移るだけの現象である点で誤りです。「同じ物質どうしが接触したときにだけ生じる」とする記述は、性質の異なる物質の組合せで電子が移るという仕組みと逆になっています。「温度が上がるほど電荷の偏りは大きくなる」とする記述は、発生量を左右するのが接する面積や離れる速さであり、温度が主な要因ではない点に反します。
問23-12

静電気が蓄積しやすい条件として、正しいものはどれか。

  • ①電気の良導体であり、周囲の湿度が低いとき
  • ②電気の不良導体であり、周囲の湿度が高いとき
  • ③電気の不良導体であり、周囲の湿度が低いとき
  • ④電気の良導体であり、周囲の湿度が高いとき
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正解 ③電気の不良導体であり、周囲の湿度が低いとき
解説
静電気は電気を通しにくい物質ほど逃げにくく、蓄積しやすくなります。ガソリンや灯油などの第4類危険物は電気の不良導体であるため、静電気を蓄えやすい性質があります。

ポイント
湿度が高いと、物質の表面についた水分を通じて電荷が逃げるため蓄積しにくくなります。相対湿度をおおむね70パーセント以上に保つことが対策の一つです。

試験の罠
冬季の乾燥した屋内で静電気の事故が増えるのは、この湿度の影響によるものです。

他の選択肢が不適切な理由
「電気の良導体であり湿度が低いとき」「良導体であり湿度が高いとき」とする記述は、電気を通しやすい物質では電荷がすぐ逃げていくため、蓄積の条件になりません。「不良導体であり湿度が高いとき」とする記述は、物質の性質については合っていますが、空気中の水分を伝って電荷が逃げるため、湿った環境ではたまりにくくなるという点を取り違えています。
問33-12

静電気を除去する方法として、誤っているものはどれか。

  • ①導電性の高い床材や履物を用いて、人体の帯電を防ぐ
  • ②タンクや配管を接地して、たまった電荷を大地へ逃がすようにする
  • ③作業場の湿度を高めて、電荷が逃げやすい状態をつくる
  • ④容器や配管を絶縁体で完全に覆い、電気を通さないようにする
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正解 ④容器や配管を絶縁体で完全に覆い、電気を通さないようにする
解説
絶縁を強めると電荷の逃げ場がなくなり、かえって蓄積が進みます。静電気対策の基本は、電荷を逃がすことと、発生そのものを抑えることの二つです。

ポイント
接地は大地へ電荷を逃がす方法、ボンディングは二つの導体を電気的につないで電位差をなくす方法です。ほかに加湿、導電性材料の使用、除電器によるイオンの供給があります。

試験の罠
発生を抑える方法としては、流速を小さくすること、撹拌を緩やかに行うことが挙げられます。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも有効な方法です。導電性の床材や履物を用いるのは、人の体にたまった電荷を大地へ逃がすためで、人体からの放電が着火源になる事故を防ぎます。タンクや配管を接地するのは、液体との摩擦で生じた電荷を大地へ流すためです。作業場の湿度を高めるのは、物の表面についた水分が電荷の通り道になって自然に逃げていくようにするためです。
問43-12

危険物をタンクに注入するときの流速に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①流速を小さくすると、静電気の発生量が減り着火の危険が下がる
  • ②流速を大きくすると、静電気が拡散して着火の危険は下がっていく
  • ③流速は静電気の発生量とは無関係で、着火の危険も変わらない
  • ④注入の初期ほど流速を大きくすると、静電気の蓄積を防げる
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正解 ①流速を小さくすると、静電気の発生量が減り着火の危険が下がる
解説
液体が配管や容器の壁面をこすりながら流れるときに静電気が発生し、流速が大きいほど発生量が増えます。

ポイント
注入の初期は液面が撹拌されて帯電しやすいため、特に流速を抑えます。注入管の先端をタンクの底に近づけ、液面下に入れてから注入すると、液の飛散と帯電を抑えられます。

試験の罠
静電気が着火源となるには、可燃性蒸気の濃度が燃焼範囲の中に入っていることが前提です。蒸気の管理と静電気対策は両輪で考えます。

他の選択肢が不適切な理由
「流速を大きくすると静電気が拡散して危険が下がる」とする記述は、速く流すほど壁面とのこすれが増えて発生量が増えるという関係と正反対です。「流速は静電気の発生量とは無関係」とする記述は、注入作業でゆっくり入れることが基本とされている実務と食い違います。「注入の初期ほど流速を大きくする」とする記述は、液面がかき乱されて最も帯電しやすい段階であり、むしろ最も抑えるべき場面である点で誤りです。
問53-12

粉じん爆発が起こるための条件として、誤っているものはどれか。

  • ①可燃性の粉じんが、空気中に一定の濃度で浮遊していること
  • ②粉じんが床面に厚く堆積し、動かない状態であること
  • ③燃焼に必要な酸素が、周囲に十分に存在していること
  • ④火花や高温部などの着火源が存在していること
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正解 ②粉じんが床面に厚く堆積し、動かない状態であること
解説
粉じん爆発は、可燃性の粉じんが空気中に浮遊して雲のような状態になり、そこに着火源が加わることで起こります。堆積しているだけでは酸素と接する面が限られ、爆発には至りません。

ポイント
小麦粉・砂糖・木粉といった身近な粉でも起こります。硫黄粉・アルミニウム粉・マグネシウム粉は特に危険です。

試験の罠
堆積した粉じんにも、蓄熱による発火の危険があります。また最初の爆発の衝撃で堆積粉じんが舞い上がり、二次爆発を起こして被害が拡大します。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも必要な条件です。可燃性の粉じんが一定の濃度で浮遊していることは、燃え広がる道筋がつながっている状態を意味します。酸素が十分に存在していることは、酸化反応が続くために欠かせません。火花や高温部などの着火源があることは、最初のきっかけを与えるものです。三つのうちどれか一つでも欠ければ、爆発には至りません。
問63-12

粉じん爆発とガス爆発を比べた記述として、正しいものはどれか。

  • ①粉じん爆発は燃焼の速度が速く、発生する熱量は小さくなる
  • ②粉じん爆発では、不完全燃焼による一酸化炭素は発生しない
  • ③粉じん爆発は燃焼の速度が遅いが、発生する熱量は大きい
  • ④粉じん爆発は、ガス爆発に比べて二次爆発を起こしにくい
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正解 ③粉じん爆発は燃焼の速度が遅いが、発生する熱量は大きい
解説
粉じんは固体の粒であるため、気体に比べて燃え広がる速度は遅くなります。一方で単位体積あたりの発熱量は大きく、破壊力は大きくなります。

ポイント
燃焼が不完全になりやすく、有毒な一酸化炭素を多量に発生します。圧力の上昇はガス爆発より遅れて現れますが、最大の圧力は同程度かそれ以上になります。

試験の罠
最初の爆風で堆積していた粉じんが舞い上がり、連鎖的に二次爆発を起こす点が、粉じん爆発の最大の特徴です。

他の選択肢が不適切な理由
「燃焼の速度が速く発生する熱量は小さい」とする記述は、速さと熱量の両方を実際と逆にしたものです。「不完全燃焼による一酸化炭素は発生しない」とする記述は、粉じんの燃焼が酸素の行き渡りにくい状態で進むため、むしろ多量に生じやすい点に反します。「二次爆発を起こしにくい」とする記述は、最初の爆風で床などに積もった粉が舞い上がって次の爆発を招くという最大の特徴と正反対です。
問73-12

可燃性の粉体の粒度と危険性の関係として、正しいものはどれか。

  • ①粒が粗いほど空気中に浮遊しやすく、爆発の危険が高まる
  • ②粒の大きさは着火のしやすさとは関係なく、変わらない
  • ③粒が細かいほど熱が逃げやすくなり、着火しにくくなる
  • ④粒が細かいほど表面積が大きくなり、着火しやすくなる
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正解 ④粒が細かいほど表面積が大きくなり、着火しやすくなる
解説
同じ質量でも粒が細かいほど空気と接する表面積が大きくなり、酸化反応が進みやすくなります。そのため着火に必要な熱量が小さくなり、発火点も下がります。

ポイント
細かい粒ほど長く浮遊するため、爆発性の混合気をつくりやすくなります。法令上の金属粉や鉄粉に網ふるいを用いた粒度の基準が設けられているのは、粗いものは危険性が低いためです。

試験の罠
粉状にすると熱が逃げやすくなるように思えますが、実際は粉の層の中に熱がこもり、蓄熱による発火の危険が増します。

他の選択肢が不適切な理由
「粒が粗いほど空気中に浮遊しやすい」とする記述は、重い粒ほど早く落ちるという性質と逆で、長く漂うのは細かい粒です。「粒の大きさは着火のしやすさとは関係がない」とする記述は、金属粉などに粒度の基準が設けられていることと食い違います。「粒が細かいほど熱が逃げやすくなり着火しにくくなる」とする記述は、粉の層の中では熱がこもりやすく、かえって発火しやすくなる点に反します。
問83-12

危険物を取り扱う作業における静電気対策として、誤っているものはどれか。

  • ①合成繊維の作業服を着用し、こすれを増やして電荷を分散させる
  • ②移動タンク貯蔵所から注入するときは、接地導線を確実に接続しておく
  • ③液体をろ過するときは、流速を抑えて時間をかけて行うようにする
  • ④作業場の床に散水し、湿度を高い状態に保つようにしておく
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正解 ①合成繊維の作業服を着用し、こすれを増やして電荷を分散させる
解説
合成繊維は電気を通しにくく帯電しやすいため、静電気対策としては逆効果になります。帯電防止性のある作業服や靴を着用します。

ポイント
移動タンク貯蔵所からガソリン等を注入するときは、注入の前に接地導線を接続し、注入が終わるまで外しません。

試験の罠
人体も帯電します。導電性の床材と履物を組み合わせて、体にたまった電荷を逃がすようにします。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも正しい対策です。移動タンク貯蔵所から注入するときに接地導線を確実につなぐのは、流動で生じた電荷を大地へ逃がすためで、注入が終わるまで外しません。ろ過のときに流速を抑えるのは、ろ材との接触で電荷が生じやすく、速く流すほど発生量が増えるためです。床に散水して湿度を保つのは、表面の水分を通じて電荷が自然に逃げる状態をつくるためです。
問93-12

静電気の帯電に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①どの物質も、こすれば必ず負に帯電することが決まっている
  • ②二つの物質のどちらが正に帯電するかは、物質の組合せで決まる
  • ③帯電する電気の量は、こすり合わせた時間の長さだけで決まっている
  • ④金属であれば、大地から絶縁されていても帯電することはない
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正解 ②二つの物質のどちらが正に帯電するかは、物質の組合せで決まる
解説
物質を帯電しやすい順に並べたものを帯電列といいます。どちらが正に帯電するかは相手との関係で決まり、その物質だけでは決まりません。列の中で離れた組合せほど、大きく帯電します。

ポイント
ガソリンが配管の中を流れるときも、油と管の材質の組合せによって帯電の向きと量が変わります。

試験の罠
金属も大地から絶縁されていれば帯電します。電気を通す物質だから帯電しない、というわけではありません。

他の選択肢が不適切な理由
「どの物質もこすれば必ず負に帯電する」とする記述は、電子を受け取る側と与える側が相手によって入れ替わる点で誤りです。「帯電する電気の量はこすり合わせた時間の長さだけで決まる」とする記述は、接する面積や離れる速さ、物質の組合せも大きく関わることを見落としています。「金属であれば大地から絶縁されていても帯電しない」とする記述は、逃げ道がなければ電気を通す物質でも電荷がたまることと食い違います。
問103-12

静電気の放電が着火源となる条件として、正しいものはどれか。

  • ①周囲の蒸気の濃度が、燃焼範囲の上限を大きく超えていること
  • ②周囲の蒸気の濃度が、燃焼範囲の下限を下回っていること
  • ③放電のエネルギーが、蒸気の最小着火エネルギーを上回ること
  • ④放電が起きた場所の温度が、蒸気の沸点を超えていること
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正解 ③放電のエネルギーが、蒸気の最小着火エネルギーを上回ること
解説
放電で生じる火花のエネルギーが、その可燃性蒸気を着火させるのに必要な最小のエネルギーを超えると引火します。

ポイント
ガソリンの最小着火エネルギーはきわめて小さく、人体にたまった静電気の放電でも十分に着火します。あわせて、蒸気の濃度が燃焼範囲の中に入っていることも必要です。

試験の罠
濃すぎても薄すぎても燃えません。ただし換気の途中で濃度が下がり、燃焼範囲に入ることがあるため「濃いから安全」という判断は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
「濃度が燃焼範囲の上限を大きく超えていること」とする記述は、濃すぎると酸素が足りず燃えない点で、着火の条件にはなりません。「濃度が燃焼範囲の下限を下回っていること」とする記述も、薄すぎて火がつかない状態を指しており、やはり条件になりません。「放電が起きた場所の温度が蒸気の沸点を超えていること」とする記述は、沸点が液体から気体になる目安であって、火花で火がつくかどうかとは別の性質です。

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