2026年版・3-10

消火理論と消火剤の性質の一問一答

甲種危険物取扱者「物理学及び化学」から、消火理論と消火剤の性質に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-10

消火の四要素に含まれないものはどれか。

  • ①冷却消火
  • ②窒息消火
  • ③加圧消火
  • ④除去消火
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正解 ③加圧消火
解説
消火の基本は、除去(可燃物を取り除く)・窒息(酸素を遮断する)・冷却(温度を下げる)・抑制(連鎖反応を止める)の四つです。加圧という消火法はありません。

ポイント
燃焼の三要素+連鎖反応の四要素に、それぞれ対応した消火法が並んでいます。

試験の罠
抑制消火は負触媒効果ともいい、ハロゲン化物や粉末消火剤の主要な効果です。

他の選択肢が不適切な理由
冷却消火は燃えているものの温度を下げて、燃え続けるのに必要な熱を奪う方法で、水を用いる消火がこれにあたります。窒息消火は酸素の供給を断つ方法で、泡や二酸化炭素で燃焼面を覆う方法がこれにあたります。除去消火は燃えるものそのものを取り除く方法で、ガスの元栓を閉じる行為がその例です。いずれも燃焼が成り立つ条件を一つずつ壊すという考え方に沿った、実在する消火法です。
問23-10

水消火剤の主な消火効果として、正しいものはどれか。

  • ①分解して酸素を吸収することによる窒息効果である
  • ②可燃物を分解して無害化する化学的効果である
  • ③燃焼の連鎖反応を止める抑制効果である
  • ④蒸発熱が大きいことによる冷却効果である
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正解 ④蒸発熱が大きいことによる冷却効果である
解説
水は比熱と蒸発熱がともに大きく、燃焼物から多量の熱を奪います。これが冷却消火の代表です。

ポイント
水蒸気になると体積が約1,700倍に膨張し、周囲の酸素を追い出す窒息効果も補助的に働きます。

試験の罠
第4類の火災には、水を放射する消火器は棒状・霧状のいずれも適応しません。油が水に浮いて燃え広がるためです。霧状で適応するのは強化液であり、ほかに泡・二酸化炭素・ハロゲン化物・粉末が適応します。

他の選択肢が不適切な理由
「分解して酸素を吸収する」とする記述は、水が高温で分解すればむしろ酸素と水素を生じ、危険が増す場合すらある点で誤りです。「可燃物を分解して無害化する化学的効果」とする記述は、水が燃えるものと反応して別の物質に変えるわけではない点に反します。「燃焼の連鎖反応を止める抑制効果」とする記述は、ハロゲン化物や粉末の主な働きであり、熱を奪うことを主とする水の効果とは異なります。
問33-10

泡消火剤に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①燃焼面を泡で覆い、窒息効果と冷却効果により消火する
  • ②泡が分解して二酸化炭素を放出し、抑制効果により消火する
  • ③泡が可燃物と化学反応し、不燃性の物質に変えて消火する
  • ④泡消火剤は、電気設備の火災にこそ最も適している
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正解 ①燃焼面を泡で覆い、窒息効果と冷却効果により消火する
解説
泡消火剤は燃焼している液面を泡の層で覆い、酸素の供給を絶つ窒息効果と、泡に含まれる水による冷却効果で消火します。

ポイント
水溶性の危険物にはアルコール類に対応した耐アルコール泡(水溶性液体用泡消火薬剤)を用います。一般の泡は水に溶けて消えてしまいます。

試験の罠
泡は水を含み電気を通すため、電気設備の火災には適しません。

他の選択肢が不適切な理由
「泡が分解して二酸化炭素を放出し抑制効果により消火する」とする記述は、泡の働きが燃焼面を覆うことにある点と、抑制が別の消火剤の効果である点の二つで誤りです。「泡が可燃物と化学反応し不燃性の物質に変える」とする記述は、燃えるものそのものを別の物質に変えるわけではない点に反します。「電気設備の火災にこそ最も適している」とする記述は、泡が水を含んで電気を通すため感電のおそれがあることと正反対です。
問43-10

二酸化炭素消火剤に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①空気より重く、燃焼面を覆って窒息効果を発揮する
  • ②密閉された室内で使用しても、人体への危険はない
  • ③消火後に汚損が少なく、精密機器の火災にも適する
  • ④電気の不良導体であり、電気設備の火災に適応する
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正解 ②密閉された室内で使用しても、人体への危険はない
解説
二酸化炭素は酸素濃度を下げることで消火するため、密閉空間で放出されると窒息の危険があります。使用前の退避と警報が不可欠です。

ポイント
二酸化炭素は電気を通さず、放出後に残渣が残らないため、電気室や精密機器の火災に適します。

試験の罠
第5類の火災には、自ら酸素を持つため窒息効果が働かず適しません。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも正しい記述です。空気より重く燃焼面を覆うのは、酸素の供給を断つという働きの土台になります。消火後に汚損が少ないのは、気体であって固形の残りかすが出ないためで、電子機器や図書の火災で重宝されます。電気を通さないため電気設備の火災に使えるのは、感電のおそれがないという意味で、水系の消火剤にはない利点です。
問53-10

粉末消火剤に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①粉末消火剤の消火効果は、水と同じように冷却効果のみである
  • ②炭酸水素塩類を主成分とするものは、普通火災に対して最もよく適応する
  • ③りん酸塩類のものは、普通火災・油火災・電気火災のいずれにも適応する
  • ④粉末消火剤は、水と反応して有毒なガスを発生させてしまう
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正解 ③りん酸塩類のものは、普通火災・油火災・電気火災のいずれにも適応する
解説
りん酸アンモニウムを主成分とする粉末消火剤はABC消火器と呼ばれ、普通火災(A火災)・油火災(B火災)・電気火災(C火災)のすべてに適応します。

ポイント
炭酸水素塩類を主成分とするものはBC消火器で、油火災と電気火災に適応しますが普通火災には適しません。

試験の罠
粉末消火剤の主効果は抑制(負触媒)効果と窒息効果です。冷却効果は小さく、再着火に注意が必要です。

他の選択肢が不適切な理由
「消火効果は冷却効果のみ」とする記述は、粉末が主に燃焼の連鎖反応を断ち、燃焼面を覆う働きで消す点に反します。「炭酸水素塩類を主成分とするものは普通火災に最もよく適応する」とする記述は、この種類が油と電気の火災に向くもので、木材などの火災には適さない点で誤りです。「水と反応して有毒なガスを発生させる」とする記述は、そのような性質が知られていない点で成り立ちません。
問63-10

ハロゲン化物消火剤の主な消火効果として、正しいものはどれか。

  • ①多量の熱を奪う冷却効果である
  • ②燃焼熱を吸収して分解する分解効果である
  • ③可燃物を物理的に取り除く除去効果である
  • ④燃焼の連鎖反応を止める抑制効果である
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正解 ④燃焼の連鎖反応を止める抑制効果である
解説
ハロゲン化物は熱分解して生じたハロゲンラジカルが、燃焼の連鎖反応を担う活性種を捕らえて反応を止めます。これが抑制(負触媒)効果です。

ポイント
少量で高い消火効果があり、電気設備や油火災に適応します。

試験の罠
オゾン層保護の観点から一部の物質は生産が規制されており、代替物質への移行が進んでいます。

他の選択肢が不適切な理由
「多量の熱を奪う冷却効果」とする記述は水の主な働きであり、少量で効く理由の説明になりません。「燃焼熱を吸収して分解する分解効果」とする記述は、そのような区分の消火効果が定められていない点で誤りです。「可燃物を物理的に取り除く除去効果」とする記述は、ガスの元栓を閉じるような操作を指すものであり、薬剤を放射して消す方法とは考え方が異なります。
問73-10

火災の区分に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①A火災は普通火災、B火災は油火災、C火災は電気火災である
  • ②A火災は油火災、B火災は普通火災、C火災は電気火災である
  • ③A火災は電気火災、B火災は油火災、C火災は普通火災である
  • ④A火災は金属火災、B火災は普通火災、C火災は油火災である
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正解 ①A火災は普通火災、B火災は油火災、C火災は電気火災である
解説
A火災は木材や紙などの普通火災、B火災は油火災、C火災は電気火災です。

ポイント
消火器の表示は、A火災が白、B火災が黄、C火災が青の円形マークで示されます。

試験の罠
金属火災はD火災と呼ばれ、専用の金属火災用粉末消火剤や乾燥砂で対応します。

他の選択肢が不適切な理由
「A火災は油火災、B火災は普通火災」とする記述は、最初の二つを入れ替えたものです。「A火災は電気火災、C火災は普通火災」とする記述は、三つのうち二つを入れ替えており、消火器の表示を読み違える原因になります。「A火災は金属火災、B火災は普通火災、C火災は油火災」とする記述は、三つすべてがずれているうえ、金属火災が別の記号で扱われる点も取り違えています。
問83-10

除去消火の例として、最も適切なものはどれか。

  • ①ハロゲン化物を放射して連鎖反応を止めること
  • ②ガス漏れ火災でガスの元栓を閉めること
  • ③燃焼面を泡で覆って酸素を遮断すること
  • ④燃焼物に大量の水をかけて温度を下げること
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正解 ②ガス漏れ火災でガスの元栓を閉めること
解説
除去消火は可燃物そのものを取り除く方法です。ガスの元栓を閉じる、ろうそくの炎を吹き消す(可燃性蒸気を吹き飛ばす)、森林火災で防火帯を作るなどが該当します。

ポイント
最も確実な消火法ですが、実際の火災現場で可燃物を除去できる場面は限られます。

試験の罠
他の三つはそれぞれ冷却・窒息・抑制の例です。四つの消火法を例で覚えると得点しやすくなります。

他の選択肢が不適切な理由
「ハロゲン化物を放射して連鎖反応を止める」とする記述は、燃焼の反応そのものを断つ方法であって、燃えるものを取り除くこととは異なります。「燃焼面を泡で覆って酸素を遮断する」とする記述は、酸素の供給を断つ方法の例です。「大量の水をかけて温度を下げる」とする記述は、熱を奪う方法の例です。いずれも別の消火の考え方にあたり、可燃物そのものを断つ例ではありません。
問93-10

窒息消火において、酸素濃度をおおむね何パーセント以下にすれば消火できるとされるか。

  • ①21パーセント程度
  • ②18パーセント程度
  • ③14パーセント程度
  • ④25パーセント程度
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正解 ③14パーセント程度
解説
一般に空気中の酸素濃度を約14パーセント以下にすると、多くの可燃物の燃焼は継続できなくなります。

ポイント
通常の空気の酸素濃度は約21パーセントです。二酸化炭素や不活性ガスで希釈することで、この濃度を下げます。

試験の罠
第5類のように分子内に酸素を持つ物質には、この方法が通用しません。

他の選択肢が不適切な理由
21パーセント程度は通常の空気に含まれる酸素の割合そのもので、この状態では普通に燃え続けます。25パーセント程度は空気より酸素が多い状態であり、消えるどころか燃焼が激しくなります。18パーセント程度は、人が息苦しさを感じ始める目安として知られる値ですが、多くの可燃物はこの濃度でもまだ燃え続けるため、消火の目安としては不十分です。
問103-10

水系消火剤を使用してはならない危険物の組合せとして、正しいものはどれか。

  • ①第4類の動植物油類および第5類の有機過酸化物
  • ②第4類のアルコール類および第2類の硫黄
  • ③第6類の硝酸および第1類の過マンガン酸塩類
  • ④第3類の禁水性物質および第2類の金属粉
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正解 ④第3類の禁水性物質および第2類の金属粉
解説
第3類の禁水性物質(カリウム・ナトリウム・炭化カルシウム等)や第2類の金属粉・マグネシウムは、水と反応して水素やアセチレンなどの可燃性ガスを発生するため、注水は厳禁です。

ポイント
これらには乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩、炭酸水素塩類を用いた粉末消火剤が適します。

試験の罠
第5類は大量の水による冷却消火が基本であり、注水は有効です。混同しないようにします。

他の選択肢が不適切な理由
「動植物油類および有機過酸化物」とする組合せは、いずれも水による冷却が有効であり、とくに分子内に酸素を持つものには大量の水が基本の消火法です。「アルコール類および硫黄」とする組合せは、アルコールに水を溶かし込むことができ、硫黄にも注水が有効です。「硝酸および過マンガン酸塩類」とする組合せも、水や泡で薄めて冷やす方法が使えるため、水を避けるべき例には当たりません。

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