2026年版・9-5

基礎-5 ルールと税金のきほんの一問一答

証券外務員二種「最初に覚える土台知識」から、基礎-5 ルールと税金のきほんに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問19-5

金融商品取引法の目的として、条文に掲げられているものはどれか。

  • ①国民経済の健全な発展と投資者の保護
  • ②投資者が損をしないよう元本を守ること
  • ③上場会社の株価を一定に保つこと
  • ④金融商品取引業者の収益を守ること
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正解 ①国民経済の健全な発展と投資者の保護
解説
金融商品取引法第1条は、企業内容等の開示制度の整備、金融商品取引業者に関するルール、取引所の適切な運営の確保などを通じて、取引を公正にし、流通を円滑にし、資本市場の機能の十全な発揮による公正な価格形成を図り、もって国民経済の健全な発展および投資者の保護に資することを目的とすると定めています。

ここで大事なのは「投資者の保護」=「損をさせないこと」ではないという点です。守られるのは、投資者が正しい情報に基づいて自分で判断できる環境であって、判断の結果生じた損益は投資者自身のものです(自己責任の原則)。この考え方が、開示制度・説明義務・損失補塡の禁止のすべてにつながっています。
他の選択肢について

・損をしないよう元本を守る:法は元本を保証しません。むしろ損失を穴埋めする行為は禁じられています。
・株価を一定の範囲に維持:価格は市場で形成されるもので、人為的に固定するのは相場操縦にあたります。
・業者の収益を確保する:業界の保護は目的に掲げられていません。
問29-5

適合性の原則の説明として、正しいものはどれか。

  • ①資産が基準に満たない顧客の口座開設を断る
  • ②知識や資産に照らし不適当な勧誘をしない
  • ③すべての顧客に同じ説明を行う
  • ④顧客の希望があれば内容を確かめない
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正解 ②知識や資産に照らし不適当な勧誘をしない
解説
適合性の原則は、金融商品取引法第40条第1号に定められた、勧誘の大前提となるルールです。顧客の(1)知識 (2)経験 (3)財産の状況 (4)契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行い、投資者保護に欠けることのないようにしなければなりません。

ひとことで言えば「その人に、その商品を勧めてよいのか」を先に考えるということ。たとえば、投資経験がなく生活資金しかない高齢の顧客に、値動きの激しい複雑な商品を勧めることは適合性の原則に反します。

だからこそ、口座開設時や勧誘の前に顧客の情報を確認します。順番は「相手を知る → 勧誘してよいか判断する → 説明する」です。
他の選択肢について

・資産額で口座開設を断る:資産の多寡だけで一律に線を引く原則ではありません。
・すべての顧客に同一の説明:相手に応じて説明の方法や程度を変えることが求められます。
・内容を確かめずに勧誘してよい:顧客からの希望があっても、適合性の確認は必要です。
問39-5

顧客に対する勧誘として、金融商品取引法上禁止されているものはどれか。

  • ①過去の株価の推移を示して説明する
  • ②複数の商品を比較して説明すること
  • ③断定的判断を提供して勧誘すること
  • ④リスクを理解できるまで説明すること
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正解 ③断定的判断を提供して勧誘すること
解説
「必ず上がります」「絶対に損はしません」——こうした言い方は断定的判断の提供にあたり、金融商品取引法第38条第2号で明確に禁じられています。確実であると誤解させるおそれのあることを告げて勧誘する行為も同じく禁止です。

なぜ禁止かというと、値動きは誰にも分からないのに、断定されると顧客は自分で判断する機会を失ってしまうからです。自己責任の原則は「顧客が自分で判断できたこと」が前提であり、その前提を壊す行為だからこそ禁止されています。

なお、実際に値上がりしたかどうかは関係ありません。言った時点で違反です。
他の選択肢について

・過去の株価の推移を示す:事実を示すことは問題ありません。ただし将来を断定しないことが条件です。
・理解できるまで説明する:むしろ求められている対応です。
・複数の商品を比較して説明:正確な比較であれば問題ありません。
問49-5

損失補塡の禁止について、正しいものはどれか。

  • ①顧客が強く求めた場合には認められる
  • ②事後の補塡だけが禁止される
  • ③事前の約束だけが禁止される
  • ④事前の約束も事後の補塡も禁止される
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正解 ④事前の約束も事後の補塡も禁止される
解説
金融商品取引法第39条は、損失の穴埋めを幅広く禁じています。(1)事前に「損失が出たら補塡します」と約束すること (2)実際に損失が出た後で補塡すること (3)特別の利益を提供すること——いずれも禁止です。

理由は2つ。損失が補塡されると、投資者が自分でリスクを判断しなくなり自己責任の原則が崩れること。そして、一部の顧客だけが救われる顧客間の不公平が生じることです。

注意したいのは、要求した顧客の側にも禁止規定がある点です。「補塡してくれ」と要求する行為自体が禁じられています。

ただし例外が1つ。証券会社の側の事務処理ミスなど(事故)によって顧客に損害を与えた場合の賠償は、所定の確認手続を経れば認められます。「値下がりの穴埋め」は不可、「ミスの賠償」は可と区別しましょう。
他の選択肢について

・事後の補塡だけが禁止:事前に約束する行為も同じく禁止されています。
・事前の約束だけが禁止:損失が出た後で穴埋めする行為も禁止です。
・顧客が強く求めれば認められる:要求する顧客の側も規制の対象であり、認められません。
問59-5

インサイダー取引規制の説明として、正しいものはどれか。

  • ①重要事実の公表前の売買を禁じている
  • ②会社関係者の自社株売買を全面禁止
  • ③公表後の売買を期間を問わず禁じている
  • ④利益が出た場合に限り売買を禁じる
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正解 ①重要事実の公表前の売買を禁じている
解説
インサイダー取引規制は、上場会社の役職員や大株主などの会社関係者が、その会社の業務等に関する重要事実を職務などに関して知りながら、公表される前にその会社の株式などを売買することを禁じるものです(金融商品取引法第166条)。会社関係者から情報を伝えられた者(情報受領者)も規制されます。

重要事実には、合併や新株の発行といった決定事実、災害による損害などの発生事実、業績予想の大幅な修正などの決算情報があります。

ここでいう公表とは、取引所の適時開示システムやEDINETで開示されること、または2つ以上の報道機関へ公開して12時間が経過することをいいます。誰もが同じ情報に触れられる状態になれば、規制は解けます。

情報を持つ人だけが有利になると市場の公正さが失われるため、もうかったかどうかに関係なく、公表前に取引した時点で違反です。
他の選択肢について

・売買自体を全面禁止:重要事実を知らなければ売買できます。
・公表後の売買を禁じる:公表されれば規制は解けます。
・利益が出た場合に限る:損失が出ても違反は成立します。
問69-5

上場会社に決算などの情報を公表させる、企業内容等の開示制度の目的として正しいものはどれか。

  • ①投資者が損をしないようにすること
  • ②投資者が自分で判断できるようにする
  • ③会社の株価を引き上げるようにする
  • ④株主だけに会社の情報を届けるようにする
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正解 ②投資者が自分で判断できるようにする
解説
上場している会社は、決算の内容や会社に起きた重要なことを投資者に向けて公表しなければなりません。これを企業内容等の開示(ディスクロージャー)といいます。その目的は、投資者が自分で投資の判断を行えるだけの材料を、誰もが同じように手にできる状態をつくることにあります(金融商品取引法第1条)。

証券投資には自己責任の原則があり、値上がり益も値下がり損も投資者のものです。しかし判断に必要な情報が会社の中にしかなければ、自分で判断しようがありません。そこで法律が公表を義務づけています。

代表的なものが、事業年度ごとに提出する有価証券報告書と、上半期について提出する半期報告書で、EDINETという国のシステムで誰でも読めます。
他の選択肢について

・投資者が損をしないようにする:判断の材料を整える制度であって、損失をなくす仕組みではありません。
・株価を引き上げる:株価は市場で決まるもので、引上げを目的とする制度ではありません。
・株主だけに情報を届ける:これから買おうとする人も含め、広く投資者に向けて公表されます。
問79-5

目論見書について、正しいものはどれか。

  • ①取引所が上場会社の業績をまとめた書面
  • ②売買成立後に交付される書面
  • ③募集に際し投資判断の情報を記した書面
  • ④本人確認の記録をまとめた書面
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正解 ③募集に際し投資判断の情報を記した書面
解説
目論見書は、有価証券の募集や売出しに際して、発行者の内容や証券の条件など投資判断に必要な情報をまとめ、取得を勧誘するために投資者へ渡す文書です。株式や債券の新規発行のほか、投資信託の販売でも用いられます。

大事なのは渡すタイミングです。目論見書は買う前(あらかじめ、または同時)に交付しなければなりません。「買った後で読んでください」では、判断材料としての意味がないからです。

投資信託では、必ず渡す交付目論見書と、請求があったときに渡す請求目論見書に分かれています。
他の選択肢について

・事後に交付される:それは取引報告書の説明で、売買成立後に交付されます。
・本人確認の記録:それは犯罪収益移転防止法に基づく確認記録などの話です。
・取引所がまとめた書面:目論見書を作成し交付するのは発行者や販売会社です。
問89-5

個人が上場株式を売却して得た譲渡益に対する現在の税率(復興特別所得税を含む)はいくらか。

  • ①15.315%
  • ②20.000%
  • ③10.147%
  • ④20.315%
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正解 ④20.315%
解説
個人が上場株式等を売却して得た譲渡益は、申告分離課税の対象で、税率は20.315%です。内訳は次のとおりです。

・所得税 15%
・復興特別所得税 0.315%(所得税額の2.1%)
・住民税 5%

復興特別所得税は2013年分から2037年分までの各年に課されるもので、現在もこの上乗せが続いています。上場株式の配当金についても、申告分離課税を選んだ場合は同じ20.315%が適用されます(源泉徴収も同率)。

「分離課税」とは、給与など他の所得と合算せず、この所得だけを取り出して計算する方式のこと。給与が多い人でも税率は変わりません。なお特定口座(源泉徴収あり)を選べば、証券会社が売却のつど税額を計算して差し引くため、原則として確定申告は不要になります。
他の選択肢について

・20.000%:復興特別所得税0.315%を加えるのを忘れた数値です。
・15.315%:所得税と復興特別所得税だけを合計し、住民税5%を加えていない数値です。
・10.147%:かつて適用されていた軽減税率の水準で、現在は使われていません。
問99-5

現在のNISA(少額投資非課税制度)について、正しいものはどれか。

  • ①配当や譲渡益に税金がかからない
  • ②配当や譲渡益に軽減税率が適用される
  • ③損失を他の利益と通算できる
  • ④一人がいくつでも口座を開設できる
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正解 ①配当や譲渡益に税金がかからない
解説
NISAは、専用の口座で買った株式や投資信託から得た配当・分配金・譲渡益に税金がかからない制度です。通常は20.315%が引かれるところがゼロになります。2024年からの制度は次のとおりです。

・利用できるのは18歳以上の居住者
・年間投資枠…つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円
・生涯の非課税保有限度額…1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
・非課税保有期間…無期限

注意点は、口座は一人一口座(同一年に利用できるのは1金融機関)であること、そして損失がなかったものとみなされることです。
他の選択肢について

・軽減された税率で課税:軽減ではなく、非課税です。
・他の利益と通算できる:NISA口座の損失は損益通算も繰越控除もできません。
・いくつでも開設できる:一人一口座が原則です。
問109-5

犯罪収益移転防止法に基づき、証券会社が口座開設時に確認しなければならない事項に含まれないものはどれか。

  • ①顧客の氏名・住居・生年月日
  • ②顧客の最終学歴
  • ③取引を行う目的
  • ④顧客の職業
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正解 ②顧客の最終学歴
解説
犯罪収益移転防止法は、マネー・ローンダリング(資金洗浄=犯罪で得たお金の出どころを分からなくする行為)やテロ資金の供与を防ぐための法律です。証券会社などの特定事業者は、口座開設などの際に取引時確認を行わなければなりません。

個人の顧客について確認する事項は次のとおりです。
・本人特定事項…氏名・住居・生年月日
・取引を行う目的
・職業

(法人の場合は、名称・本店等の所在地に加え、事業の内容や実質的支配者を確認します。)

目的や職業まで確認するのは、その後の取引が本人の実態に照らして不自然でないかを見極めるためです。

確認は運転免許証などの本人確認書類によって行い、作成した確認記録は取引終了後7年間保存します。学歴や家族構成は、この法律が求める確認事項には含まれていません。
他の選択肢について

・氏名・住居・生年月日:本人特定事項そのもので、必ず確認します。
・取引を行う目的:法律で定められた確認事項です。
・顧客の職業:個人の顧客について確認が必要な事項です。

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