2026年版・8-3

経済・金融・財政の常識の一問一答

証券外務員二種「関連科目」から、経済・金融・財政の常識に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-3

国内総生産(GDP)に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①一定期間に国内で新たに生み出された付加価値の合計を表すものである
  • ②生産・分配・支出の三つの面から見た額は互いに等しくなるとされている
  • ③実質GDPは、物価の変動による影響を除いて算出したものをいう
  • ④日本企業が海外の工場で生み出した付加価値も日本のGDPに含まれる
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正解 ④日本企業が海外の工場で生み出した付加価値も日本のGDPに含まれる
解説
GDP(国内総生産)は「国内」で生み出された付加価値を集計する統計です。したがって、日本企業が海外に持つ工場で生産した付加価値は日本のGDPには含まれません。逆に、外国企業が日本国内の工場で生み出した付加価値は日本のGDPに含まれます。判断の基準は「誰の企業か」ではなく「どこで生産したか」です。
企業や国民が国外で稼いだ所得まで含めて見たいときに使うのがGNI(国民総所得)です。GNIはGDPに海外からの所得の純受取を加えたもので、日本のように海外投資からの利子・配当の受取が大きい国では、GNIがGDPを上回ります。
また、GDPを生産面・分配面・支出面のどこから測っても金額は一致します。これを三面等価の原則といいます。生み出された付加価値は必ず誰かの所得になり、その所得は必ず消費・投資などの支出として使われる(使い残しは在庫投資や貯蓄として計上される)ため、どの面から数えても同じ額になるのです。
名目GDPはその時々の価格で評価した金額、実質GDPは基準となる年の価格で評価し直して物価変動の影響を取り除いた金額です。名目GDPを実質GDPで割って100を掛けた値をGDPデフレーターといい、国内で生み出された財・サービス全体の物価水準を示します。

他の選択肢が不適切な理由
「一定期間に国内で新たに生み出された付加価値の合計を表すものである」は正しい定義です。原材料など中間投入額を差し引いた「新たに付け加えられた価値」だけを数えるので、二重計算が避けられます。
「生産・分配・支出の三つの面から見た額は互いに等しくなるとされている」も正しい記述です。三面等価の原則そのものです。
「実質GDPは、物価の変動による影響を除いて算出したものをいう」も正しい記述です。景気の実勢を見るときは実質GDPの伸び率(実質経済成長率)を用います。

覚え方のポイント
「GDPは場所、GNIは人(国民)」と対比して覚えます。名目と実質の関係は「名目÷実質×100=GDPデフレーター」の1本の式で押さえ、物価が上がっている局面では名目の伸び率が実質の伸び率を上回る、と結びつけておきます。
問28-3

景気動向指数に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①内閣府が公表し、先行指数・一致指数・遅行指数の三つで構成されている
  • ②日本銀行が公表し、企業の業況判断を集計して指数化したものである
  • ③完全失業率は、景気に先立って動く先行系列の指標に採用されている
  • ④コンポジット・インデックスは、景気の波及度合いのみを示す指標である
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正解 ①内閣府が公表し、先行指数・一致指数・遅行指数の三つで構成されている
解説
景気動向指数は内閣府が毎月公表する統計で、景気に敏感に反応する複数の指標をまとめたものです。景気に対して先に動く先行指数、ほぼ同時に動く一致指数、遅れて動く遅行指数の三つで構成されます。
三つに分けているのは、それぞれ使いみちが違うからです。先行指数は数か月先の景気の動きを予測する材料になり、一致指数は今の景気の局面(拡張か後退か)を判断する材料になり、遅行指数は景気の転換が本当に起きたのかを事後的に確認する材料になります。景気の谷や山(景気の転換点)の判定には一致指数が中心的に使われます。
指数の作り方には2種類あります。コンポジット・インデックス(CI)は各指標の変化率を合成して景気変動の「大きさやテンポ」を表すもので、現在の公表はこのCIが中心です。ディフュージョン・インデックス(DI)は改善している指標の割合を計算して景気の「波及の度合い」を表すもので、50%を上回るか下回るかが目安になります。

他の選択肢が不適切な理由
「日本銀行が公表し、企業の業況判断を集計して指数化したものである」は日銀短観(全国企業短期経済観測調査)の説明であり、景気動向指数の説明ではありません。
「完全失業率は、景気に先立って動く先行系列の指標に採用されている」は誤りです。完全失業率は景気が回復してから雇用が改善するまでに時間がかかるため、遅行系列に採用されています。
「コンポジット・インデックスは、景気の波及度合いのみを示す指標である」も誤りです。波及の度合いを示すのはDIで、CIは変動の大きさやテンポを示します。

覚え方のポイント
「先行は予測、一致は現状、遅行は確認」と役割で覚えます。CIとDIは「Cは大きさ(Change=変化の量)、Dは広がり(Diffusion=波及)」と頭文字で区別します。完全失業率は遅行、有効求人倍率は一致、というよく問われる2つはセットで暗記します。
問38-3

日銀短観(全国企業短期経済観測調査)に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①全国の企業を対象として、日本銀行が四半期ごとに実施する調査である
  • ②総務省が毎月実施しており、家計の消費支出の動向を集計する調査である
  • ③業況判断指数は、業況が「良い」と回答した企業の割合そのものを示す
  • ④調査の対象は、証券取引所に上場している大企業だけに限られている
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正解 ①全国の企業を対象として、日本銀行が四半期ごとに実施する調査である
解説
日銀短観は、日本銀行が全国の企業に対して四半期ごと(3月・6月・9月・12月調査)に実施するアンケート調査です。企業自身に景況感や売上・利益・設備投資の計画などを答えてもらう統計で、回答率が高く速報性にも優れているため、市場関係者が最も注目する経済指標の一つとされています。
もっとも注目されるのが業況判断DI(ディフュージョン・インデックス)です。これは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値(%ポイント)で、プラスなら「良い」と感じている企業の方が多い状態を意味します。差を取る形にしているのは、水準そのものよりも、企業の景況感が改善方向か悪化方向かという「傾き」を読み取りたいためです。
調査対象は、大企業・中堅企業・中小企業、製造業・非製造業と幅広く区分されており、規模別・業種別の景況感の違いを比べられるようになっています。

他の選択肢が不適切な理由
「総務省が毎月実施しており、家計の消費支出の動向を集計する調査である」は家計調査の説明であり、日銀短観ではありません。
「業況判断指数は、業況が「良い」と回答した企業の割合そのものを示す」は誤りです。「良い」の割合から「悪い」の割合を引いた差分です。
「調査の対象は、証券取引所に上場している大企業だけに限られている」も誤りです。中小企業を含む幅広い企業が対象で、非上場企業も含まれます。

覚え方のポイント
「短観は日銀・四半期・DIは良い引く悪い」と3点で覚えます。DIがプラスからマイナスに転じたかどうか、前回調査からの変化幅がどうかという2点が読み方の要点です。
問48-3

物価に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①消費者物価指数は、総務省が毎月公表している基幹統計である
  • ②企業物価指数は、日本銀行が毎月公表している統計である
  • ③消費者物価指数の対象となる価格には、消費税額が含まれていない
  • ④デフレーションとは、物価が継続的に下落していく状態のことである
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正解 ③消費者物価指数の対象となる価格には、消費税額が含まれていない
解説
消費者物価指数(CPI)は、消費者が実際に支払う価格をもとに作成されるため、消費税額を含んだ価格で調査されます。したがって「消費税額が含まれていない」という記述は誤りです。消費税率が引き上げられた年には、それだけでCPIの上昇率が押し上げられます。
CPIが税込価格を採用しているのは、この指数の目的が「家計の生活費がどれだけ変わったか」を測ることにあるからです。家計が負担するのは税込みの支払額なので、税を除いてしまうと生活実感からずれた指数になってしまいます。
CPIは総務省が毎月公表し、家計調査などをもとに選んだ品目に、支出割合に応じたウエイトを付けて計算します。生鮮食品は天候で大きく振れるため、これを除いた「生鮮食品を除く総合(コアCPI)」がよく参照されます。
これに対して企業物価指数は日本銀行が公表するもので、企業間で取引される財の価格の動きを示します。原材料や輸入品の価格変動が先に表れるため、CPIより早めに動く傾向があります。

他の選択肢が不適切な理由
「消費者物価指数は、総務省が毎月公表している基幹統計である」は正しい記述です。
「企業物価指数は、日本銀行が毎月公表している統計である」も正しい記述です。作成機関がCPIと入れ替わって出題されることが多いので注意します。
「デフレーションとは、物価が継続的に下落していく状態のことである」も正しい記述です。物価が継続的に上昇するのがインフレーション、景気が停滞しながら物価が上がるのがスタグフレーションです。

覚え方のポイント
「CPIは総務省・家計・税込み、企業物価指数は日銀・企業間」と作成機関と対象をセットで覚えます。物価の指標としてはこの2つに加え、GDPデフレーター(名目GDP÷実質GDP×100)まで含めて3つを押さえます。
問58-3

国際収支統計に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①経常収支は、貿易収支と金融収支を合計したものとして算出される
  • ②経常収支は、貿易・サービス収支と第一次所得収支、第二次所得収支から成る
  • ③第一次所得収支には、無償の資金援助や国際機関に対する拠出金が計上される
  • ④金融収支は、財貨の輸出と輸入の差額を表す項目として計上される
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正解 ②経常収支は、貿易・サービス収支と第一次所得収支、第二次所得収支から成る
解説
経常収支は、貿易・サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の三つを合計したものです。
それぞれの中身を確認します。貿易・サービス収支は、財の輸出入(貿易収支)と、輸送・旅行・知的財産権等使用料などのサービスの取引(サービス収支)の差額です。第一次所得収支は、対外投資から得られる利子・配当や雇用者報酬など、生産要素の提供に対する所得の受払です。第二次所得収支は、対価を伴わない無償の資金援助や国際機関への拠出金など、一方的な移転の受払です。
近年の日本では、貿易収支が赤字の年でも、海外投資から受け取る利子・配当が大きいために第一次所得収支の黒字が経常収支を支える構図になっています。輸出で稼ぐ国から、対外資産の運用で稼ぐ国へと構造が変わってきたことがこの統計から読み取れます。
国際収支統計は、経常収支+資本移転等収支-金融収支+誤差脱漏=0という関係で結ばれています。金融収支は、直接投資・証券投資・外貨準備などの対外金融資産・負債の増減を記録する項目で、財の輸出入とは別のものです。

他の選択肢が不適切な理由
「経常収支は、貿易収支と金融収支を合計したものとして算出される」は誤りです。金融収支は経常収支の内訳ではなく、経常収支と対応関係にある別の大項目です。
「第一次所得収支には、無償の資金援助や国際機関に対する拠出金が計上される」は誤りです。これは第二次所得収支に計上されます。第一次所得収支は利子・配当などです。
「金融収支は、財貨の輸出と輸入の差額を表す項目として計上される」も誤りです。財の輸出入の差額は貿易収支です。

覚え方のポイント
「経常収支は3つの子(貿易・サービス/第一次所得/第二次所得)」と数で覚えます。第一次と第二次の区別は「一次は運用の稼ぎ(利子・配当)、二次は見返りのない援助」と押さえれば取り違えません。
問68-3

為替相場の変動が経済に与える影響に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①円高は、輸入する原材料の円建てのコストを引き下げる要因となる
  • ②円安は、輸出企業が円に換算して受け取る手取り額を増やす要因となる
  • ③円高は、日本から海外へ旅行する人にとって費用の負担を重くする
  • ④1ドル150円から1ドル120円になることを、ドルに対する円高という
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正解 ③円高は、日本から海外へ旅行する人にとって費用の負担を重くする
解説
円高とは、円の価値が外貨に対して高くなること、つまり同じ1ドルを手に入れるのに必要な円が少なくなることです。したがって海外旅行では、現地での支払いに必要な円が少なくて済むため、日本から海外へ行く旅行者の負担は「軽く」なります。「重くなる」という記述は誤りです。
円高・円安の影響は、「円をドルに換える立場」と「ドルを円に換える立場」のどちらなのかで整理すると迷いません。
円をドルに換えて支払う側(輸入企業、海外旅行に行く人、外貨建て資産を買う人)は、円高だと少ない円で済むので有利になります。逆に、ドルを受け取って円に換える側(輸出企業、外貨建て資産を持っている人)は、円高だと円に換えた金額が減るので不利になります。円安ではこの関係がすべて逆になります。
1ドル150円から1ドル120円になった場合、1ドルを買うのに必要な円が150円から120円に減っているので、円の価値が上がった=円高です。数字が小さくなると円高、という点は直感と逆になりやすいので注意します。

他の選択肢が不適切な理由
「円高は、輸入する原材料の円建てのコストを引き下げる要因となる」は正しい記述です。同じドル建て価格でも、円に直した金額が小さくなります。
「円安は、輸出企業が円に換算して受け取る手取り額を増やす要因となる」も正しい記述です。
「1ドル150円から1ドル120円になることを、ドルに対する円高という」も正しい記述です。

覚え方のポイント
「数字が小さくなれば円高、円高は買う人が得、売る人が損」と3段で覚えます。輸入・海外旅行・外貨建て投資の開始は円高が有利、輸出・外貨建て資産の売却は円安が有利、と立場ごとに整理しておきます。
問78-3

日本銀行および金融政策に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①日本銀行券を発行する役割は、財務省が担うものとされている
  • ②日本銀行が国債を買い入れて資金を供給する操作は、金融緩和の方向に働く
  • ③日本銀行が国債を売り出して資金を吸収する操作は、金融緩和の方向に働く
  • ④日本銀行は、政府の預金を受け入れる業務を行うことはできない
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正解 ②日本銀行が国債を買い入れて資金を供給する操作は、金融緩和の方向に働く
解説
日本銀行が金融機関から国債などを買い入れると、その代金が金融機関の日本銀行当座預金に振り込まれます。金融機関の手元資金が増えるので、金融市場の資金は緩み、金利には低下圧力がかかります。これが買いオペレーション(買いオペ)で、金融緩和の方向に働きます。逆に日本銀行が国債を売れば市場から資金が吸い上げられ、金利には上昇圧力がかかります(売りオペ=金融引締めの方向)。
この一連の手法を公開市場操作といい、現在の金融政策の中心的な手段です。政策の方針は、日本銀行の政策委員会が開く金融政策決定会合で決定されます。
日本銀行には3つの役割があります。日本銀行券を発行する「発券銀行」、金融機関から預金を受け入れ資金決済の場を提供し、必要に応じて資金を貸し出す「銀行の銀行」、そして国庫金の出納や国債に関する事務を扱う「政府の銀行」です。

他の選択肢が不適切な理由
「日本銀行券を発行する役割は、財務省が担うものとされている」は誤りです。日本銀行券を発行するのは日本銀行です(発券銀行)。なお硬貨(貨幣)の発行は政府が行い、その点だけは日本銀行券と扱いが異なります。
「日本銀行が国債を売り出して資金を吸収する操作は、金融緩和の方向に働く」は誤りです。資金を吸収する操作は引締めの方向に働きます。
「日本銀行は、政府の預金を受け入れる業務を行うことはできない」も誤りです。政府の預金の受入れや国庫金の出納は「政府の銀行」としての中心業務です。

覚え方のポイント
「買えば緩む、売れば締まる」と一言で覚えます。日銀の3つの役割は「お札を出す・銀行の相手をする・政府の財布を預かる」と言い換えて記憶し、硬貨だけは政府発行という例外を添えておきます。
問88-3

マネーストック統計に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①現金通貨と預金通貨を合計したものは、M1と呼ばれている
  • ②M3は、M1に準通貨と譲渡性預金(CD)を加えたものである
  • ③金融機関自身が保有している通貨の量を集計したものである
  • ④広義流動性は、M3に投資信託や国債などを加えたものである
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正解 ③金融機関自身が保有している通貨の量を集計したものである
解説
マネーストックは、金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量を示す統計です。集計の対象となるのは、一般法人・個人・地方公共団体などが保有する通貨であり、通貨を供給する側である金融機関や中央政府が保有する分は除かれます。したがって「金融機関自身が保有している通貨の量を集計したものである」という記述は誤りです。
金融機関の保有分を除くのは、この統計の目的が「経済活動に使えるお金がどれだけ世の中に出回っているか」を測ることにあるからです。銀行が自分の金庫や日銀当座預金に置いている資金は、まだ企業や家計の購買力になっていないので、外に出回ったお金として数えるのは適当ではありません。
指標の範囲は次のように広がっていきます。M1は現金通貨(銀行券+硬貨)と預金通貨(当座預金・普通預金など、すぐ支払いに使える預金)の合計です。M3はM1に準通貨(定期預金など、解約すれば支払いに使える預金)と譲渡性預金(CD)を加えたものです。M2はM3と範囲の考え方は近いものの、対象とする金融機関が国内銀行等に限られている点が異なります。広義流動性はM3にさらに投資信託、金融債、国債、外債などを加えた、もっとも広い概念です。

他の選択肢が不適切な理由
「現金通貨と預金通貨を合計したものは、M1と呼ばれている」は正しい記述です。
「M3は、M1に準通貨と譲渡性預金(CD)を加えたものである」も正しい記述です。
「広義流動性は、M3に投資信託や国債などを加えたものである」も正しい記述です。

覚え方のポイント
「M1はすぐ使えるお金、M3は定期預金まで含める、広義流動性は運用商品まで含める」と、範囲が段階的に広がるイメージで覚えます。数えるのは「供給される側(企業・家計・地方公共団体)が持っているお金」であって、供給する側の手元資金ではない、という点が最大のひっかけどころです。
問98-3

短期金融市場に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①コール市場は、主に金融機関同士がごく短期の資金を貸借する市場である
  • ②コマーシャル・ペーパー(CP)は、銀行が発行する長期の債券である
  • ③譲渡性預金(CD)は、第三者への譲渡が禁じられている定期預金である
  • ④手形市場は、企業が株式を発行して長期の資金を調達する市場である
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正解 ①コール市場は、主に金融機関同士がごく短期の資金を貸借する市場である
解説
コール市場は、金融機関同士がごく短期の資金を貸し借りする市場です。取引期間は1営業日の翌日物と、2営業日以上1年以下の期日物(ターム物)に分かれ、翌日物が取引の中心です。「コール」という名は、呼べばすぐ返ってくるほど短い資金という意味に由来します。中でも無担保コール翌日物(オーバーナイト物)の金利は、日本銀行の金融調節の効果が最初に表れる金利として重視されてきました。
短期金融市場は、参加者が金融機関に限られるインターバンク市場(コール市場、手形市場)と、一般企業なども参加できるオープン市場(CD市場、CP市場、国庫短期証券市場、債券レポ市場など)に分かれます。金融機関は日々の資金の余り・不足をこの市場で調整しており、ここが円滑に機能していることが決済システム全体の安定につながります。

他の選択肢が不適切な理由
「コマーシャル・ペーパー(CP)は、銀行が発行する長期の債券である」は誤りです。CPは信用力の高い企業が短期の資金を調達するために発行する無担保の約束手形(現在は電子CPとして発行)であり、発行体は銀行に限られず、期間も1年未満の短期です。
「譲渡性預金(CD)は、第三者への譲渡が禁じられている定期預金である」も誤りです。CDはまさに第三者に譲渡できることが特徴の定期預金で、譲渡できるからこそ市場で流通します。
「手形市場は、企業が株式を発行して長期の資金を調達する市場である」も誤りです。株式の発行による資金調達は証券市場(発行市場)で行われます。手形市場は金融機関同士が手形を売買して短期資金を融通する市場です。

覚え方のポイント
短期金融市場は「金融機関限定=コールと手形」「誰でも参加=CD・CP・国庫短期証券」の2グループに分けて覚えます。期間1年未満が短期金融市場、1年以上の資金をやりとりするのが証券市場という線引きも押さえます。
問108-3

わが国の財政に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①国債依存度は、歳入総額に対する公債金収入の割合として示される
  • ②財政投融資は、財投債の発行などで調達した資金を投融資する制度である
  • ③国の予算は、内閣が作成し、国会の議決を経て成立するものである
  • ④基礎的財政収支が黒字となれば、国債の残高は必ず減少することになる
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正解 ④基礎的財政収支が黒字となれば、国債の残高は必ず減少することになる
解説
基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、国債費(過去の借金の元利払い)を除いた歳出を、公債金収入(新たな借金)を除いた歳入でどれだけまかなえているかを示す指標です。式で書くと、(歳入-公債金収入)-(歳出-国債費)で表されます。
これが黒字であれば「その年の政策的な支出は、借金に頼らず税収などでまかなえている」ことを意味しますが、それでも国債残高が必ず減るとは限りません。過去に積み上がった残高に対する利払費が残っているため、基礎的財政収支が小幅の黒字でも、利払費が黒字額を上回れば全体としては赤字となり、残高は増え続けます。残高が減るかどうかは、基礎的財政収支と、金利水準と名目成長率の関係の両方で決まります。
この指標をわざわざ国債費と公債金を除いて計算するのは、過去の借金の影響を切り離して「今年の財政運営そのものが身の丈に合っているか」を見たいためです。

他の選択肢が不適切な理由
「国債依存度は、歳入総額に対する公債金収入の割合として示される」は正しい記述です。歳入のうちどれだけを借金でまかなっているかを示します。
「財政投融資は、財投債の発行などで調達した資金を投融資する制度である」も正しい記述です。税ではなく有償の資金を用い、政策的に必要な長期・低利の資金を供給するしくみで、一般会計とは区別されます。
「国の予算は、内閣が作成し、国会の議決を経て成立するものである」も正しい記述です。予算の作成は内閣、議決は国会という役割分担になっています。国の会計は一般会計と特別会計に分かれています。

覚え方のポイント
基礎的財政収支は「今年の分だけで見た収支。過去の借金の利払いは外して考える」と押さえます。だから黒字でも残高が減る保証はない、というところまでつなげて覚えると、この論点は落としません。国債依存度は「借金÷歳入全体」です。

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