2026年版・5-2

株式の注文方法と売買の仕組みの一問一答

証券外務員二種「株式業務」から、株式の注文方法と売買の仕組みに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-2

株式の売買注文における成行注文と指値注文に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①指値注文は値段を指定する注文で、成行注文より優先して執行される
  • ②成行注文は必ず約定するため、値段が想定より不利になることはない
  • ③成行注文は値段を指定しない注文で、指値注文に優先して執行される
  • ④指値注文は指定した値段より有利な値段では約定しない仕組みである
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正解 ③成行注文は値段を指定しない注文で、指値注文に優先して執行される
解説
成行注文は「値段はいくらでもよいから売買したい」という注文、指値注文は「この値段以上では買わない/この値段以下では売らない」と値段を指定する注文です。取引所の売買では、値段を問わない成行注文が指値注文よりも優先して執行されます(成行優先の原則)。値段を指定しない注文は取引を成立させる意思がもっとも強く、これを先に処理することで市場の流動性が保たれるためです。

他の選択肢が不適切な理由
「指値注文は値段を指定する注文で、成行注文より優先して執行される」は、優先関係が逆です。指値注文の定義部分は正しいものの、優先順位の記述が誤っているため答えになりません。
「成行注文は必ず約定するため、値段が想定より不利になることはない」は誤りです。成行注文は約定しやすい反面、値段を指定しないため、板が薄い銘柄では想定外に不利な値段で約定することがあります。また反対注文がまったくなければ約定しないこともあります。
「指値注文は指定した値段より有利な値段では約定しない仕組みである」も誤りです。買いの指値であれば指定値段以下、売りの指値であれば指定値段以上で約定するため、指定より有利な値段で約定することはあります。

覚え方のポイント
優先順位は「(1) 成行が指値に優先/(2) 値段の有利なほうが優先(買いは高い値段、売りは安い値段)/(3) 同値段なら早い注文が優先」の3段階です。この順番を「成行→価格→時間」と唱えて覚えると、板の読み方の問題にも即応できます。ここで間違える人が多いのは、成行と指値のどちらが優先するかを逆に覚えてしまう点です。「値段を問わない注文のほうが強い」と結びつけて記憶してください。
問25-2

証券取引所における売買注文の優先順位に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①買い注文は値段の高いものが、売り注文は値段の低いものが優先される
  • ②同一値段の注文については、数量の多い注文が優先して執行される
  • ③成行注文は指値注文に優先し、これを成行優先の原則という
  • ④同一値段の注文については、先に出された注文が優先して執行される
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正解 ②同一値段の注文については、数量の多い注文が優先して執行される
解説
取引所の売買における優先順位は、価格優先の原則と時間優先の原則によって決まります。同一値段の注文が複数あるときに順位を決めるのは「注文が取引所に到達した時間の早さ」であり、注文の数量は関係ありません(時間優先の原則)。数量の多い注文を優先すると、大口の投資家だけが有利になり、市場の公正さが損なわれてしまいます。すべての投資家を平等に扱うために、時間という客観的な基準が用いられているのです。したがって「数量の多い注文が優先して執行される」という記述が誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
ここでの「不適切」とは、記述として正しいため答えにならないという意味です。
「買い注文は値段の高いものが、売り注文は値段の低いものが優先される」は価格優先の原則そのものであり正しい記述です。買い手は高く買うと言うほど、売り手は安く売ると言うほど、取引を成立させたい意思が強いと評価されます。
「成行注文は指値注文に優先し、これを成行優先の原則という」も正しい記述です。
「同一値段の注文については、先に出された注文が優先して執行される」は時間優先の原則であり、まさに本問の正解の裏返しとなる正しい記述です。

覚え方のポイント
優先順位に「数量」は一切登場しません。「成行→価格→時間」の3つだけ、と割り切って覚えてください。数量や顧客の種別で順位が変わるという選択肢はすべて誤りだと即断できます。
問35-2

証券取引所における売買立会の方法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①ザラバ方式では約定のたびに単一の値段へ全注文が集約される
  • ②始値と終値の決定には板寄せ方式が用いられ単一の値段で決まる
  • ③立会時間中はザラバ方式により連続的に売買が成立していく
  • ④売買が一時中断した後の再開時にも板寄せ方式が用いられる
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正解 ①ザラバ方式では約定のたびに単一の値段へ全注文が集約される
解説
取引所の売買には、注文を一定時間集めてから需給が合致する単一の値段を決める板寄せ方式と、注文が到達するたびに条件の合う注文どうしを次々に約定させていくザラバ方式があります。全注文を1つの値段に集約するのは板寄せ方式の特徴であり、ザラバ方式ではその時々の板の状況に応じて異なる値段で連続的に約定していきます。したがって「ザラバ方式では約定のたびに単一の値段へ全注文が集約される」という記述が誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
ここでの「不適切」とは、記述として正しいため答えにならないという意味です。
「始値と終値の決定には板寄せ方式が用いられ単一の値段で決まる」は正しい記述です。始値と終値は一日の代表値段として重要なので、それまでに集まった注文を一括してつけ合わせ、公正な単一の値段で決定します。
「立会時間中はザラバ方式により連続的に売買が成立していく」も正しい記述で、取引所の売買立会の中心的な方式です。
「売買が一時中断した後の再開時にも板寄せ方式が用いられる」も正しい記述です。中断中にたまった注文をまとめて処理する必要があるため、再開時には板寄せ方式が用いられます。

覚え方のポイント
「一日の始まりと終わりは板寄せ、真ん中はザラバ」と時間軸で覚えるのが確実です。板寄せは「板(注文一覧)に寄せ集めて一つの値段を出す」、ザラバは「ザラザラと次々に約定していく」というイメージを持つと、名前と内容が結びつきます。単一値段か連続約定かが両者を分ける決定的な違いです。
問45-2

株式の呼値の制限値幅(値幅制限)および特別気配に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①制限値幅は基準値段の上下10%という率で定められている
  • ②特別気配が表示されると、その銘柄の売買は当日中は再開されない
  • ③制限値幅を超える値段の注文であっても取引所は受け付けている
  • ④制限値幅は前日の終値等を基準に、価格水準ごとに定められている
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正解 ④制限値幅は前日の終値等を基準に、価格水準ごとに定められている
解説
制限値幅(値幅制限)は、1日のうちに株価が動きうる上下の限度を定める仕組みで、基準値段(原則として前日の終値)の水準に応じて段階的に定められています。株価が低い銘柄ほど値幅は絶対額で小さく、株価が高い銘柄ほど大きくなります。急激な価格変動によって投資家が冷静な判断を失うのを防ぎ、市場を落ち着かせるための制度であり、投資家に情報を整理する時間を与える役割も果たしています。特別気配は、直前の約定値段から一定の幅を超える注文が出たときに、取引所が売買の成立を一時的に見合わせて気配値段を表示し、反対注文を呼び込む仕組みです。

他の選択肢が不適切な理由
「制限値幅は基準値段の上下10%という率で定められている」は誤りです。値幅は一定の率で決まるのではなく、基準値段の水準ごとに金額で段階的に定められています。株価が数百円の銘柄では上下数十円、数千円の銘柄では上下数百円といった幅になり、率に換算すると銘柄によって大きく異なります。
「特別気配が表示されると、その銘柄の売買は当日中は再開されない」も誤りです。特別気配は一定時間表示された後に更新され、反対注文が集まれば約定して通常の売買に戻ります。売買を打ち切る制度ではありません。
「制限値幅を超える値段の注文であっても取引所は受け付けている」も誤りです。呼値の制限を超える値段の注文は取引所が受け付けません。

覚え方のポイント
「値幅制限は投資家を落ち着かせるためのブレーキ、特別気配はそのブレーキがかかる直前の警告灯」とイメージすると役割の違いが整理できます。ここで間違える人が多いのは、値幅を「株価の何%」と率で覚えてしまう点です。実際は「株価水準ごとに金額で」定められており、この違いが最頻出の論点です。
問55-2

株式の売買注文の一つである「不成(なりゆかず)注文」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①立会時間中は成行注文とし、引けで未約定なら指値注文となる
  • ②立会時間中は指値注文とし、引けで未約定なら成行注文となる
  • ③寄付から引けまで一貫して成行注文として扱われる注文である
  • ④引けまで約定しなかった場合は翌営業日に自動的に繰り越される
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正解 ②立会時間中は指値注文とし、引けで未約定なら成行注文となる
解説
不成注文は、立会時間中は指定した値段での指値注文として扱われ、その日の引けの時点でまだ約定していなければ成行注文に切り替わる注文方法です。「なるべく希望の値段で買いたいが、その日のうちにどうしても約定させたい」という投資家の要望に応える仕組みで、指値の有利さと成行の確実性を組み合わせたものといえます。値段にこだわりつつも取引機会を逃したくない場合に用いられます。

他の選択肢が不適切な理由
「立会時間中は成行注文とし、引けで未約定なら指値注文となる」は、指値と成行を逆にした記述です。立会時間中に成行として扱えば直ちに約定してしまい、引けまで残ることはありません。
「寄付から引けまで一貫して成行注文として扱われる注文である」は、通常の成行注文の説明であり、不成注文の説明ではありません。
「引けまで約定しなかった場合は翌営業日に自動的に繰り越される」も誤りです。不成注文は当日の引けで成行として処理されるため、翌日に繰り越されるものではありません。翌日以降も有効とするのは、期間を指定した注文の話です。

覚え方のポイント
「不成」という名前は「引けまでに成らなかったら(成行で)成立させる」と読むと覚えやすくなります。指値でねばって最後は成行、という順番であり、逆はありえないと押さえておけば確実に正解できます。
問65-2

証券取引所の立会外取引(ToSTNeT取引)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①取引所が開設する市場で、立会外の時間帯に行われる売買である
  • ②単一銘柄取引やバスケット取引などの方法が用意されている
  • ③取引所金融商品市場外の取引であり、取引所を通さずに行われる
  • ④自己株式の取得や大口の売買の受渡しなどに利用されている
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正解 ③取引所金融商品市場外の取引であり、取引所を通さずに行われる
解説
立会外取引(ToSTNeT取引)は、取引所が開設する取引所金融商品市場の中で、通常の売買立会とは別の時間帯・別の仕組みを使って行われる売買です。取引所のシステムを通じて売買が成立し、その内容も取引所を通じて公表されます。したがって「取引所金融商品市場外の取引であり、取引所を通さずに行われる」という記述は誤りです。市場外の取引にあたるのは、証券会社が相手方となる店頭取引や私設取引システムでの売買です。

他の選択肢が不適切な理由
ここでの「不適切」とは、記述として正しいため答えにならないという意味です。
「取引所が開設する市場で、立会外の時間帯に行われる売買である」は正しい記述で、立会外取引の定義そのものです。
「単一銘柄取引やバスケット取引などの方法が用意されている」も正しく、1銘柄ずつ売買する方法と、複数銘柄をまとめて売買する方法の双方が用意されています。
「自己株式の取得や大口の売買の受渡しなどに利用されている」も正しい記述です。大口の注文を通常の立会でぶつけると価格が大きく動いてしまうため、市場への影響を抑える手段として立会外取引が使われます。

覚え方のポイント
「立会外」の「外」は時間帯が立会の外という意味であって、市場の外ではありません。この一点を押さえるだけで、市場内か市場外かを問う設問には確実に答えられます。市場外取引の代表例はPTS(私設取引システム)だと対比して覚えてください。
問75-2

私設取引システム(PTS)および取引所金融商品市場外の取引に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①PTSの売買価格の決定方法は取引所と同一の方法に限られる
  • ②PTS業務を行うには内閣総理大臣の認可を受ける必要がある
  • ③PTSでは取引所の立会時間外でも売買を行うことができる
  • ④上場株式を取引所を通さずに売買することも認められている
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正解 ①PTSの売買価格の決定方法は取引所と同一の方法に限られる
解説
PTS(私設取引システム)は、金融商品取引業者が電子情報処理組織を使って運営する、取引所とは別の売買の場です。金融商品取引法は、PTSで使ってよい売買価格の決定方法を次のように列挙しています(金融商品取引法2条8項10号)。すなわち、競売買の方法(売買高が政令で定める基準を超えない場合に限る)、上場有価証券について取引所の市場価格を用いる方法、店頭売買有価証券について認可金融商品取引業協会が公表する価格を用いる方法、顧客の間の交渉に基づく価格を用いる方法などです。取引所と同一の方法だけに限られているわけではなく、複数の方式が認められています。したがって「PTSの売買価格の決定方法は取引所と同一の方法に限られる」という記述が誤りです。なお競売買の方法については、取引量が政令の基準(金融商品取引法施行令1条の10)を超えると取引所の免許が必要になる仕組みになっています。規模が大きくなった場での価格形成は、自主規制の機能を備えた取引所の枠組みで行わせるという考え方によるものです。

他の選択肢が不適切な理由
ここでの「不適切」とは、記述として正しいため答えにならないという意味です。
「PTS業務を行うには内閣総理大臣の認可を受ける必要がある」は正しい記述です(金融商品取引法30条1項)。取引所に類似した売買の場を提供するため、第一種金融商品取引業の登録に加えて認可が求められます。
「PTSでは取引所の立会時間外でも売買を行うことができる」も正しい記述で、投資家の取引機会を広げる点がPTSの特徴です。
「上場株式を取引所を通さずに売買することも認められている」も正しい記述です。かつて存在した取引所集中義務は撤廃されており、現在は店頭取引やPTSによる市場外での売買が認められています。

覚え方のポイント
市場内か市場外かの切り分けは「誰が運営しているか」で判断します。取引所が運営するもの(売買立会・立会外取引)は市場内、金融商品取引業者が運営するPTSや証券会社が相手方となる店頭取引は市場外です。ここで間違える人が多いのは、立会外取引(ToSTNeT取引)をPTSの一種で市場外の取引だと思い込む点です。「立会外」の「外」は時間帯が立会の外という意味であって、市場の外ではありません。あわせて「業として行うには登録、取引所は免許、PTSは認可」という3段階も押さえてください。
問85-2

信用取引の委託保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①最低委託保証金は50万円で、約定代金の20%以上が必要となる
  • ②最低委託保証金は30万円で、約定代金の50%以上が必要となる
  • ③最低委託保証金の定めはなく、約定代金の30%以上のみが必要となる
  • ④最低委託保証金は30万円で、約定代金の30%以上が必要となる
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正解 ④最低委託保証金は30万円で、約定代金の30%以上が必要となる
解説
信用取引を行うには、約定代金の30%以上、かつ30万円以上の委託保証金を差し入れる必要があります。信用取引は証券会社から資金や株券を借りて自己資金を超える取引を行うものなので、相場が逆に動いたときの損失を担保する必要があります。約定代金の30%という比率の要件と、30万円という金額の下限の両方を満たさなければならない点が重要です。たとえば約定代金が50万円なら30%は15万円ですが、最低額の30万円に届かないため30万円が必要になります。

他の選択肢が不適切な理由
「最低委託保証金は50万円で、約定代金の20%以上が必要となる」は、金額も比率も規定と異なります。
「最低委託保証金は30万円で、約定代金の50%以上が必要となる」は、金額は合っていますが比率が誤りです。50%は必要な水準を大きく上回っています。
「最低委託保証金の定めはなく、約定代金の30%以上のみが必要となる」は、比率は合っていますが最低金額の要件を欠いています。小口の取引でも一定の担保を確保するため、30万円という下限が定められています。

覚え方のポイント
「サンジュウ・サンジュウ(30万円・30%)」と語呂で覚えるのが最短です。あわせて「どちらか一方ではなく両方を満たす」という点、および相場変動で保証金率が一定水準を下回れば追加保証金(追証)が必要になるという流れも押さえておきましょう。
問95-2

制度信用取引と一般信用取引の違いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①一般信用は返済期限や品貸料が取引所の規則で定められている
  • ②制度信用は返済期限や品貸料が取引所の規則で定められている
  • ③制度信用の返済期限は証券会社と顧客の合意により定められる
  • ④一般信用で対象となる銘柄は貸借銘柄に限定される決まりがある
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正解 ②制度信用は返済期限や品貸料が取引所の規則で定められている
解説
制度信用取引は、証券金融会社からの貸借取引を利用することを前提に、対象銘柄・返済期限(最長6か月)・品貸料(逆日歩)などの条件が取引所の規則によって定められている信用取引です。多数の投資家が同じ条件で参加するため、条件を標準化して市場全体の公正さと透明性を確保する必要があるからです。これに対して一般信用取引は、証券会社と顧客との間の合意で条件を決めるため、返済期限を無期限としたり、制度信用の対象外の銘柄を扱えたりする柔軟さがあります。

他の選択肢が不適切な理由
「一般信用は返済期限や品貸料が取引所の規則で定められている」は、制度信用と一般信用を入れ替えた記述です。一般信用の条件は当事者間の合意で決まります。
「制度信用の返済期限は証券会社と顧客の合意により定められる」も、両者を入れ替えた記述です。制度信用の返済期限は取引所の規則により最長6か月と定められています。
「一般信用で対象となる銘柄は貸借銘柄に限定される決まりがある」も誤りです。制度信用取引の対象は取引所が選定した制度信用銘柄に限られ、そのうち証券金融会社からの貸借取引を利用できるものが貸借銘柄と呼ばれます。いずれも制度信用取引の枠組みの話であり、一般信用取引では証券会社が自ら定めた銘柄を対象とできます。

覚え方のポイント
「制度=取引所が決める制度的な枠、一般=当事者間で決める」と、名前から条件の決め方を導けるようにしておくと迷いません。ここで間違える人が多いのは、制度と一般のどちらが取引所の規則に従うのかを取り違える点です。制度信用は条件が画一的で逆日歩が発生しうる、一般信用は条件が柔軟だが金利等は証券会社ごとに異なる、という対比で整理してください。
問105-2

証券会社が行う株式の売買に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①顧客の注文を受けて取引所に取り次ぐ取引を委託取引という
  • ②自己の計算で自己の名をもって行う売買を自己売買という
  • ③委託取引では、証券会社が売買の相手方となって顧客と取引する
  • ④顧客からの注文は自己の計算による売買より優先して執行される
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正解 ③委託取引では、証券会社が売買の相手方となって顧客と取引する
解説
委託取引(ブローカー業務)とは、証券会社が顧客の注文を受け、顧客の計算で取引所に取り次ぐ取引です。証券会社は仲介者の立場に立ち、対価として委託手数料を受け取ります。証券会社自身が売買の相手方となるのは、自己の計算で顧客と直接売買する取引(ディーラー業務のうちの相対取引)であって、委託取引ではありません。したがって「証券会社が売買の相手方となって顧客と取引する」という記述が誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
ここでの「不適切」とは、記述として正しいため答えにならないという意味です。
「顧客の注文を受けて取引所に取り次ぐ取引を委託取引という」は正しい記述で、委託取引の定義そのものです。
「自己の計算で自己の名をもって行う売買を自己売買という」も正しく、証券会社が自らリスクを負って売買する取引を指します。
「顧客からの注文は自己の計算による売買より優先して執行される」も正しい記述です。証券会社は顧客の注文情報を先に知る立場にあるため、その情報を使って自分の売買を先に行うこと(フロントランニング)は禁止されており、顧客注文の優先が義務づけられています。

覚え方のポイント
「委託=お客さんの代わりに市場へ運ぶ(手数料をもらう)」「自己=自分のお金で売買する(値差で儲ける)」と、収益の源泉の違いで区別すると混同しません。そして「顧客優先」は、利益相反を防ぐという金融商品取引法の基本思想の表れであることまで理解しておくと、法令・諸規則の分野にも応用できます。

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