2026年版・5-5

金融の基礎知識と金融政策の一問一答

証券外務員一種「関連科目」から、金融の基礎知識と金融政策に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全620問) 関連科目の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-5

マネーストックに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①マネーストックには、国および金融機関が保有する通貨も含まれる
  • ②M1は、現金通貨と要求払預金である預金通貨の合計を指している
  • ③M3は、現金通貨のみを対象とした最も範囲の狭い指標である
  • ④広義流動性には、投資信託や国債は含まれないこととされている
答えと解説を見る
正解 ②M1は、現金通貨と要求払預金である預金通貨の合計を指している
解説
マネーストックは、金融部門から経済全体に供給されている通貨の量を示す統計です。通貨の保有主体は一般法人、個人、地方公共団体などであり、通貨を供給する側である国や金融機関が持つ分は含まれません。
M1は、現金通貨と、いつでも引き出せる要求払預金である預金通貨の合計です。決済にすぐ使える資金という、最も流動性の高い範囲を表します。
ここに定期性預金などの準通貨とCDを加えると、より広い範囲を示すM3となります。

他の選択肢が誤りである理由
国や金融機関の保有分を含むという記述は誤りです。これらは通貨の供給側であり、保有主体から除かれます。
M3を現金通貨のみとする記述も誤りで、M3はM1に準通貨とCDを加えた広い指標です。最も狭いのはM1です。
広義流動性に投資信託や国債が含まれないという記述も誤りです。広義流動性は、M3に金銭の信託、投資信託、国債などを加えたものです。

覚え方のポイント
「M1は今すぐ使えるお金、M3はそれに貯めてあるお金を足したもの、広義流動性はさらに運用商品まで含める」と範囲を広げる順で覚えます。
問25-5

マネタリーベースに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①マネタリーベースは、市中に出回る現金通貨のみを合計したものである
  • ②マネタリーベースは、金融機関が保有する国債の残高を意味している
  • ③マネタリーベースが増えれば、必ず同じ率でマネーストックも増加する
  • ④マネタリーベースとは、日本銀行が供給する通貨の総額のことをいう
答えと解説を見る
正解 ④マネタリーベースとは、日本銀行が供給する通貨の総額のことをいう
解説
マネタリーベースは、日本銀行が世の中に直接供給している通貨の総額であり、日本銀行券発行高、貨幣流通高、日本銀行当座預金残高の合計として定義されます。
日本銀行が国債などを買い入れると、代金が金融機関の当座預金に振り込まれ、マネタリーベースが増えます。金融機関がその資金をもとに貸出しを増やすと、預金が生まれてマネーストックが増加します。
このように、マネタリーベースは金融政策の起点であり、マネーストックはその結果として経済全体に出回る通貨量を示します。

他の選択肢が誤りである理由
現金通貨のみを合計したものとする記述は誤りです。日本銀行当座預金が抜けており、この部分こそが金融調節の中心です。
金融機関が保有する国債の残高とする記述も誤りで、国債残高とマネタリーベースは別の概念です。
マネタリーベースが増えれば必ず同じ率でマネーストックも増えるという記述も誤りです。両者の比率である信用乗数は一定ではなく、貸出需要や金融機関の姿勢によって変動します。

覚え方のポイント
「ベースは日本銀行が出す元手、ストックは世の中に回るお金」と川上と川下の関係で覚えます。
問35-5

短期金融市場に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①コール市場は、金融機関相互が短期の資金を融通し合う市場である
  • ②コール市場では、期間1年を超える資金の貸借が中心となっている
  • ③手形市場やCD市場は、長期金融市場に分類される市場である
  • ④無担保コールレート翌日物は、10年国債の利回りを指している
答えと解説を見る
正解 ①コール市場は、金融機関相互が短期の資金を融通し合う市場である
解説
短期金融市場は、取引期間が1年以内の資金をやり取りする市場です。その中心にあるのがコール市場で、金融機関どうしが日々の資金の過不足を調整するために資金を融通し合います。
コールという名称は、呼べばすぐ返ってくるほど短い資金という意味に由来します。取引の中心は、翌営業日に返済する無担保コール翌日物です。
この無担保コールレート翌日物は、日本銀行の金融調節が最初に働きかける金利であり、他の金利の出発点となる重要な指標です。

他の選択肢が誤りである理由
期間1年を超える資金の貸借が中心とする記述は誤りです。1年を超える取引は長期金融市場に分類されます。
手形市場やCD市場を長期金融市場とする記述も誤りで、いずれも短期金融市場を構成するオープン市場です。
無担保コールレート翌日物が10年国債の利回りを指すという記述も誤りです。10年国債利回りは長期金利の代表的な指標であり、別のものです。

覚え方のポイント
「1年以内が短期、超えれば長期」という線引きと、「短期金利の代表は無担保コール翌日物、長期金利の代表は10年国債利回り」という対応を押さえます。
問45-5

公開市場操作に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①買いオペレーションは、市中の資金を吸収する目的で行われている
  • ②売りオペレーションは、金融緩和のために行われる操作とされる
  • ③買いオペレーションを行うと、市中に資金が供給されることになる
  • ④公開市場操作は、財務省が国債の売買を通じて実施している
答えと解説を見る
正解 ③買いオペレーションを行うと、市中に資金が供給されることになる
解説
公開市場操作は、日本銀行が金融市場で国債などを売買し、市中の資金量を調節する手段です。現在の金融政策の中心的な手法となっています。
買いオペレーションでは、日本銀行が金融機関から国債などを買い入れ、その代金を支払います。代金は金融機関の日本銀行当座預金に入るため、市中に資金が供給され、金利には低下圧力がかかります。
逆に売りオペレーションでは、日本銀行が保有する資産を売却して代金を受け取るため、市中から資金が吸収され、金利には上昇圧力がかかります。

他の選択肢が誤りである理由
買いオペが資金を吸収するという記述は誤りで、資金を供給する操作です。
売りオペを金融緩和のための操作とする記述も誤りです。売りオペは資金を吸収する引締めの方向の操作です。
財務省が実施しているという記述も誤りです。公開市場操作を行うのは日本銀行であり、財務省は国債の発行者としての立場にあります。

覚え方のポイント
「日本銀行が買えばお金が出ていく、売ればお金が戻ってくる」と資金の向きで覚えると混同しません。
問55-5

準備預金制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①預金準備率を引き上げると、金融機関の貸出しの余力は大きくなる
  • ②預金準備率は、1991年以降変更されていないこととなっている
  • ③準備預金制度の対象は、すべての事業法人にも及ぶこととなる
  • ④預金準備率の操作は、現在の金融政策の中心的な手段である
答えと解説を見る
正解 ②預金準備率は、1991年以降変更されていないこととなっている
解説
準備預金制度は、金融機関に対し、受け入れた預金の一定割合以上を日本銀行の当座預金に預けることを義務づける制度です。この割合が預金準備率です。
かつては預金準備率を上下させることで貸出余力を調節する政策手段として用いられていましたが、わが国では1991年を最後に変更されていません。金融の自由化が進み、公開市場操作のほうがきめ細かく機動的に資金量を調節できるためです。
現在の準備預金制度は、金融調節の土台として当座預金の需要を作り出す役割を担っています。

他の選択肢が誤りである理由
準備率を引き上げると貸出余力が大きくなるという記述は誤りです。日本銀行に積む額が増えるため、貸出しに回せる資金は減ります。
対象がすべての事業法人に及ぶという記述も誤りで、対象は一定規模以上の金融機関です。
準備率の操作が現在の中心的な手段であるという記述も誤りです。中心は公開市場操作です。

覚え方のポイント
「準備率は上げれば引締め、下げれば緩和。ただし日本では長く動いていない」という現状まで含めて覚えます。
問65-5

金利と債券価格の関係に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①市場金利が上昇すると、既発債券の価格は上昇することになる
  • ②残存期間が短い債券ほど、金利変動による価格の変動は大きい
  • ③表面利率が高い債券ほど、金利変動による価格の変動は大きい
  • ④市場金利が低下すると、既発債券の価格は上昇することになる
答えと解説を見る
正解 ④市場金利が低下すると、既発債券の価格は上昇することになる
解説
債券は、あらかじめ決められた利息と償還金を受け取る商品です。表面利率は発行時に固定されているため、その後に市場金利が変われば、既に発行された債券の魅力が相対的に変化します。
市場金利が低下すると、新たに発行される債券の利率は低くなります。すると、高い表面利率が付いた既発債券の人気が高まり、価格は上昇します。逆に市場金利が上昇すれば、既発債券の価格は下落します。
このように、金利と債券価格は必ず逆方向に動きます。

他の選択肢が誤りである理由
市場金利が上昇すると既発債券の価格が上昇するという記述は誤りで、価格は下落します。
残存期間が短い債券ほど価格変動が大きいという記述も誤りです。残存期間が長いほど、将来受け取るお金への影響が積み重なるため価格変動は大きくなります。
表面利率が高い債券ほど価格変動が大きいという記述も誤りです。表面利率が高いほど早い時期に多くの資金を回収できるため、価格変動はむしろ小さくなります。

覚え方のポイント
「金利と価格はシーソー」「長いほど・利率が低いほどよく動く」と二段構えで覚えます。
問75-5

イールドカーブに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①順イールドは、残存期間が長いほど利回りが高い右上がりの形をいう
  • ②逆イールドは、短期の金利より長期の金利が高い状態のことをいう
  • ③イールドカーブは、同一銘柄の価格と時間の関係を示した曲線である
  • ④金融緩和が進むと、イールドカーブは必ず逆イールドの形状となる
答えと解説を見る
正解 ①順イールドは、残存期間が長いほど利回りが高い右上がりの形をいう
解説
イールドカーブは、横軸に残存期間、縦軸に利回りをとり、期間の異なる債券の利回りを結んだ曲線です。
通常は、期間が長いほど将来の不確実性を負担する見返りが必要になるため、残存期間が長い債券ほど利回りが高くなります。この右上がりの形を順イールドといいます。
これに対し、短期金利が長期金利を上回って右下がりになる形を逆イールドといいます。金融引締めで短期金利が押し上げられている局面や、将来の景気後退が意識される局面で現れやすい形です。

他の選択肢が誤りである理由
逆イールドを短期より長期の金利が高い状態とする記述は誤りです。それは順イールドの説明であり、逆イールドは短期のほうが高い状態です。
同一銘柄の価格と時間の関係を示す曲線とする記述も誤りで、イールドカーブは残存期間の異なる複数の債券の利回りを結んだものです。
金融緩和が進むと必ず逆イールドになるという記述も誤りです。緩和局面ではむしろ短期金利が低く抑えられ、順イールドが強まりやすくなります。

覚え方のポイント
「普通は長いほど高い=順イールド」を基準に置き、それがひっくり返る局面が逆イールドだと押さえます。
問85-5

本源的預金が1,000万円、預金準備率が10%であるとき、信用創造によって新たに生み出される預金の額(本源的預金を除く)はいくらか。

  • ①1億円
  • ②1,000万円
  • ③9,000万円
  • ④100万円
答えと解説を見る
正解 ③9,000万円
解説
信用創造の総額を求める問題です。銀行は受け入れた預金のうち準備率相当分だけを手元に残し、残りを貸し出します。貸出金は再び預金となり、これが繰り返されて預金が膨らみます。
(1) 預金総額=本源的預金÷預金準備率=1,000万円÷0.1=1億円
(2) 新たに生み出される預金=預金総額-本源的預金=1億円-1,000万円=9,000万円
(3) したがって答えは9,000万円となります。
準備率が低いほど貸し出せる割合が大きくなり、生み出される預金も大きくなります。

他の選択肢が誤りである理由
1億円は、最初の本源的預金を含んだ預金総額です。問いは新たに生み出される額なので、本源的預金を差し引く必要があります。
1,000万円は本源的預金そのものであり、創造された額ではありません。
100万円は、本源的預金に準備率を掛けて求めた最初の準備額にすぎません。

覚え方のポイント
「預金総額は本源的預金÷準備率」「信用創造額はそこから本源的預金を引く」の二段階を必ず区別します。何を問われているかの読み取りが得点を分けます。
問95-5

日本銀行に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①日本銀行は、一般の企業や個人に対しても貸出しを行っている
  • ②日本銀行は、政府の預金を受け入れ国庫金の出納を扱っている
  • ③日本銀行の政策金利の水準は、財務大臣が決定している
  • ④日本銀行券は、政府が発行し日本銀行が管理している
答えと解説を見る
正解 ②日本銀行は、政府の預金を受け入れ国庫金の出納を扱っている
解説
日本銀行には、発券銀行、銀行の銀行、政府の銀行という三つの役割があります。
政府の銀行としての役割では、政府の預金を受け入れ、税金の受入れや年金の支払いといった国庫金の出納事務を取り扱います。また、国債に関する事務も担っています。
銀行の銀行としては、金融機関から当座預金を受け入れ、金融機関に対して貸出しを行います。取引の相手方は金融機関や政府であり、一般の企業や個人ではありません。

他の選択肢が誤りである理由
一般の企業や個人に貸出しを行うという記述は誤りです。日本銀行の取引相手は金融機関や政府に限られます。
政策金利の水準を財務大臣が決定するという記述も誤りです。金融政策の方針は、日本銀行の政策委員会が金融政策決定会合で決定します。
日本銀行券を政府が発行するという記述も誤りです。日本銀行券を発行するのは日本銀行であり、政府が発行するのは硬貨です。

覚え方のポイント
「発券銀行・銀行の銀行・政府の銀行」の三役を軸にし、紙幣は日本銀行、硬貨は政府という発行主体の違いも押さえます。
問105-5

金融政策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①金融政策の方針は、金融庁の審議会において決定されている
  • ②金融引締めを行うと、一般に為替相場は円安に振れやすくなる
  • ③量的緩和では、政策の操作目標を金利の水準に置くこととなる
  • ④金融緩和が進むと、企業の設備投資は一般に増加しやすくなる
答えと解説を見る
正解 ④金融緩和が進むと、企業の設備投資は一般に増加しやすくなる
解説
金融緩和が行われると市中の資金量が増え、金利には低下圧力がかかります。借入れの負担が軽くなるため、企業は資金を調達しやすくなり、設備投資が増加しやすくなります。
設備投資の増加は生産や雇用を押し上げ、所得の増加を通じて消費にも波及します。金融政策が実体経済に効果を及ぼす道筋のひとつがこの経路です。
あわせて、株式などの資産価格の上昇や、自国通貨安を通じた輸出の押上げも、緩和の効果が波及する経路として挙げられます。

他の選択肢が誤りである理由
金融政策の方針を金融庁の審議会が決定するという記述は誤りです。決定するのは日本銀行の政策委員会であり、金融政策決定会合で議論されます。
金融引締めで円安に振れやすくなるという記述も誤りです。引締めは金利の上昇要因であり、内外金利差の拡大を通じて一般に円高方向に働きます。
量的緩和で操作目標を金利水準に置くという記述も誤りです。量的緩和は、金利ではなく日本銀行当座預金残高などの量を操作目標とする政策です。

覚え方のポイント
「緩和は金利低下・投資増加・通貨安」「引締めはその逆」と一続きの流れで覚えると、応用問題にも対応できます。

証券外務員一種の対策問題(全620問)に戻る

※本ページはアクセス解析のためCookieを利用し、その情報を外部(Google)へ送信しています。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。