2026年版・5-3

株式会社の機関と計算・組織再編の一問一答

証券外務員一種「関連科目」から、株式会社の機関と計算・組織再編に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-3

株主総会の普通決議に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①定足数は、定款によっても引き下げることができないこととされている
  • ②決議は、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成により成立する
  • ③役員の選任決議の定足数は、定款で3分の1未満に引き下げられない
  • ④議決権の過半数を有する株主の出席と、その4分の3以上の賛成を要する
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正解 ③役員の選任決議の定足数は、定款で3分の1未満に引き下げられない
解説
普通決議は、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数をもって行われます。
この定足数は定款で軽減または排除することができ、実務では定足数を撤廃している会社が多くあります。株主が分散し、総会に出席する議決権が集まりにくい実情に対応するためです。
ただし、取締役や監査役といった役員の選任および解任の決議については、会社の運営を担う者を決める重要な決議であることから、定足数を3分の1未満に引き下げることは認められていません。

他の選択肢が誤りである理由
定足数を定款によっても引き下げられないという記述は誤りです。普通決議の定足数は原則として定款で軽減できます。
出席株主の議決権の3分の2以上の賛成で成立するという記述も誤りで、それは特別決議の要件です。普通決議は出席株主の議決権の過半数です。
4分の3以上の賛成を要するという記述も誤りです。4分の3という数字は、非公開会社における属人的定めの定款変更などに用いられる特殊な要件です。

覚え方のポイント
普通決議は「過半数出席・過半数賛成」、ただし役員の選解任は定足数の下限が3分の1、という例外を必ず押さえます。
問25-3

株主総会の特別決議を要しない事項は、次のうちどれか。

  • ①取締役の選任
  • ②定款の変更
  • ③資本金の額の減少
  • ④監査役の解任
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正解 ①取締役の選任
解説
特別決議は、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上で成立します。会社の基礎的な事項を変更する場面や、株主の利害に重大な影響を及ぼす場面に用いられます。
取締役の選任は、会社の基礎を変えるものではなく、普通決議で足ります。ただし定足数を3分の1未満にはできないという制約が付きます。
一方、監査役の解任は特別決議が必要です。監査役は取締役の職務執行を監査する立場にあり、多数派の意向で容易に排除されると監査の独立性が損なわれるためです。

他の選択肢が誤りである理由
定款の変更は、会社の根本規則を変えるものであり特別決議事項です。
資本金の額の減少は、会社財産の基礎を縮小する行為であり、原則として特別決議に加えて債権者保護手続も必要です。
監査役の解任は、監査の実効性を確保する趣旨から特別決議事項とされています。取締役の解任が普通決議であることとの違いが問われます。

覚え方のポイント
「取締役は選任も解任も普通決議、監査役は選任が普通決議で解任が特別決議」という非対称を必ず覚えます。
問35-3

株主総会の決議要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①全部の株式に譲渡制限を設ける定款変更は、特別決議で足りるとされる
  • ②特別決議の定足数は、定款によって4分の1まで引き下げることができる
  • ③特殊決議は、議決権の3分の2以上の賛成のみで成立する決議をいう
  • ④全部の株式を譲渡制限とする定款変更は、株主の頭数の要件も課される
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正解 ④全部の株式を譲渡制限とする定款変更は、株主の頭数の要件も課される
解説
発行する全部の株式に譲渡制限を設ける定款変更は、株主が自由に株式を売って投下資本を回収する道を塞ぐものであり、株主にとって極めて重大な変更です。
そのため、通常の特別決議より厳しい特殊決議が要求されます。具体的には、議決権を行使できる株主の半数以上であって、当該株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。
頭数の要件が加わるのは、持株数の多い一部の大株主だけで少数株主の換金の道を奪うことを防ぐためです。この頭数要件と議決権要件の二重構造が特殊決議の特徴です。

他の選択肢が誤りである理由
全部の株式に譲渡制限を設ける定款変更が特別決議で足りるという記述は誤りです。特殊決議が必要です。
特別決議の定足数を4分の1まで引き下げられるという記述も誤りで、定款で軽減できるのは3分の1までです。
特殊決議が議決権の3分の2以上の賛成のみで成立するという記述も誤りです。議決権要件に加えて頭数要件が課される点が特殊決議の本質です。

覚え方のポイント
普通決議は過半数、特別決議は3分の2、特殊決議は頭数+3分の2、と段階で覚えます。定足数の軽減は特別決議で3分の1が下限です。
問45-3

取締役会に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①取締役会の決議について、特別利害関係を有する取締役も議決に加われる
  • ②取締役会設置会社の取締役は、3人以上でなければならないとされる
  • ③取締役会の招集通知は、会日の2週間前までに発しなければならない
  • ④代表取締役の解職は、株主総会の決議によらなければ行えないとされる
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正解 ②取締役会設置会社の取締役は、3人以上でなければならないとされる
解説
取締役会は、複数の取締役による合議によって業務執行の意思決定を行い、あわせて取締役の職務執行を相互に監督する機関です。合議と相互監督が成り立つためには一定の人数が必要であることから、取締役会設置会社の取締役は3人以上でなければなりません。
取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行われます。定款でこれより厳しい要件を定めることは可能です。
また、代表取締役の選定と解職は取締役会の権限であり、取締役会が業務執行者を監督する仕組みの中心をなしています。

他の選択肢が誤りである理由
特別利害関係を有する取締役が議決に加われるという記述は誤りです。会社と利益が衝突する取締役は、その決議に参加できません。
招集通知を会日の2週間前までとする記述も誤りで、取締役会の招集通知は原則として1週間前までであり、定款でさらに短縮できます。2週間前は株主総会の招集通知の原則です。
代表取締役の解職を株主総会の決議によるとする記述も誤りで、解職は取締役会の権限です。

覚え方のポイント
「取締役会は1週間前・株主総会は2週間前」という通知期間の違いと、代表取締役の選定解職が取締役会の権限である点を押さえます。
問55-3

監査役に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①監査役の任期は原則2年であり、定款で伸長することはできない
  • ②監査役会は3人以上で組織し、その過半数は社外監査役を要する
  • ③監査役を解任するには、株主総会の特別決議が必要とされている
  • ④監査役は、取締役会に出席する義務を負わないこととされている
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正解 ③監査役を解任するには、株主総会の特別決議が必要とされている
解説
監査役は、取締役の職務執行を監査する機関です。監査の実効性は、監査役が取締役や多数派株主から独立していることによって支えられます。
そこで会社法は、監査役の身分を厚く保障しています。任期は原則4年と取締役の2年より長く定められ、解任には株主総会の特別決議が必要です。取締役の解任が普通決議で足りることと比べると、要件が重くなっています。
また、監査役は取締役会に出席し、必要があるときは意見を述べる義務を負っています。監査に必要な情報へ確実に接することができるようにするためです。

他の選択肢が誤りである理由
任期を原則2年とし伸長できないとする記述は誤りです。監査役の任期は原則4年で、公開会社でない会社では定款により10年まで伸長できます。
監査役会の社外監査役を過半数とする記述も誤りで、正しくは半数以上です。あわせて常勤の監査役を選定する必要があります。
取締役会への出席義務を負わないという記述も誤りで、監査役には出席義務と意見陳述義務があります。

覚え方のポイント
取締役は任期2年・解任は普通決議、監査役は任期4年・解任は特別決議、という対比表を作って覚えると確実です。
問65-3

指名委員会等設置会社に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①各委員会は取締役3人以上で構成し、その過半数は社外取締役とする
  • ②取締役の任期は2年であり、定款によって短縮することはできない
  • ③業務の執行は取締役自身が行い、執行役を置くかどうかは任意である
  • ④監査委員会を置く場合でも、監査役を必ず置かなければならない
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正解 ①各委員会は取締役3人以上で構成し、その過半数は社外取締役とする
解説
指名委員会等設置会社は、指名委員会、監査委員会、報酬委員会の三つを置く会社形態です。これらの委員会は、それぞれ取締役3人以上で構成され、その過半数は社外取締役でなければなりません。
社外取締役を過半数とするのは、役員の人事と報酬という経営陣自身の利害に直結する事項を、経営陣から独立した立場の者が決める仕組みにするためです。
この形態では、業務執行は取締役会が選任する執行役が担い、取締役会は監督に専念します。監督と執行を分ける設計であり、取締役の任期は1年に短縮され、株主による毎年の信任が確保されます。

他の選択肢が誤りである理由
取締役の任期を2年とする記述は誤りです。指名委員会等設置会社の取締役の任期は1年で、定款によって短縮することもできます。
執行役を置くかどうかが任意であるという記述も誤りで、執行役は必ず置かなければなりません。業務の執行を担うのは取締役ではなく執行役です。
監査委員会を置く場合でも監査役を必ず置くという記述も誤りです。監査委員会が監査を担うため、監査役を置くことはできません。

覚え方のポイント
「三委員会・各3人以上・過半数が社外・執行役必置・取締役の任期1年・監査役なし」という一連の要素をまとめて覚えます。
問75-3

監査等委員会設置会社に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①監査等委員である取締役の任期は、他の取締役と同じ1年である
  • ②監査等委員会設置会社であっても、監査役を必ず置かなければならない
  • ③監査等委員である取締役の員数は、2人以上を選任すれば足りる
  • ④監査等委員である取締役は、株主総会で他の取締役と区別して選任する
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正解 ④監査等委員である取締役は、株主総会で他の取締役と区別して選任する
解説
監査等委員会設置会社は、監査等委員である取締役で構成する監査等委員会を置く会社形態です。監査を担う者が取締役として取締役会の議決権を持つ点に特徴があります。
監査の独立性を確保するため、監査等委員である取締役は、他の取締役とは区別して株主総会で選任されます。さらに、その解任には株主総会の特別決議が必要とされ、報酬についても他の取締役とは別に定めることとされています。
監査等委員会は3人以上の取締役で構成し、その過半数は社外取締役でなければなりません。

他の選択肢が誤りである理由
監査等委員である取締役の任期が他の取締役と同じ1年であるという記述は誤りです。監査等委員である取締役の任期は2年で、他の取締役の1年より長く定められています。
監査等委員会設置会社であっても監査役を置かなければならないという記述も誤りで、監査等委員会が監査を担うため監査役は置きません。
監査等委員である取締役を2人以上選任すれば足りるという記述も誤りで、3人以上が必要です。

覚え方のポイント
監査等委員は「別枠で選任・任期2年・解任は特別決議・3人以上で過半数が社外」と覚えます。独立性を高める工夫がすべてここに現れています。
問85-3

会社法上の計算書類に含まれないものは、次のうちどれか。

  • ①貸借対照表
  • ②事業報告
  • ③株主資本等変動計算書
  • ④個別注記表
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正解 ②事業報告
解説
会社法上の計算書類とは、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表の四つをいいます。いずれも会社の財産と損益の状況を数値で表す書類です。
事業報告は、会社の状況に関する重要な事項を文章で説明する書類であり、計算書類とは別に作成が求められます。会計監査人設置会社では、計算書類は会計監査人の監査を受けますが、事業報告は会計監査人の監査対象になりません。
この区別は、会計の専門家が数値をチェックし、監査役が業務全般を監査するという役割分担に対応しています。

他の選択肢が誤りである理由
貸借対照表は、一定時点の資産、負債、純資産の状況を示す計算書類です。
株主資本等変動計算書は、純資産の部の一会計期間の変動を示す計算書類です。
個別注記表は、会計方針や貸借対照表に関する注記などをまとめた計算書類です。なお、計算書類の附属明細書も計算書類そのものには含まれません。

覚え方のポイント
「数字の四点セットが計算書類、文章の事業報告は別枠」と整理します。附属明細書も計算書類ではない点に注意します。
問95-3

剰余金の配当に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①純資産額が1,000万円を下回る場合、剰余金の配当を行うことができない
  • ②中間配当は、定款の定めがあれば事業年度中に何回でも行うことができる
  • ③剰余金の配当をするには、原則として株主総会の普通決議を経る必要がある
  • ④剰余金の配当をする場合、剰余金の20分の1を準備金として積み立てる
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正解 ③剰余金の配当をするには、原則として株主総会の普通決議を経る必要がある
解説
剰余金の配当は、株主に会社財産を払い戻す行為です。誰にいくら払うかは株主自身の利害に関わるため、原則として株主総会の普通決議で決定します。
ただし、会計監査人設置会社などで一定の要件を満たす場合には、定款の定めにより取締役会で決定することもできます。
配当には財源規制があり、分配可能額を超える配当はできません。また、純資産額が300万円を下回る場合には配当ができないという制限もあります。いずれも会社債権者を保護するための規制です。

他の選択肢が誤りである理由
純資産額が1,000万円を下回る場合に配当できないという記述は誤りで、正しい基準は300万円です。
中間配当を事業年度中に何回でも行えるという記述も誤りです。中間配当は、取締役会設置会社が定款の定めに基づき事業年度中に1回に限り行えるものです。
剰余金の20分の1を準備金として積み立てるという記述も誤りで、正しくは配当する額の10分の1を、資本準備金または利益準備金として資本金の4分の1に達するまで積み立てます。

覚え方のポイント
「純資産300万円の壁」「準備金は配当額の10分の1、資本金の4分の1まで」「中間配当は年1回」の三つの数字を押さえます。
問105-3

組織再編に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①株式移転は、新たに設立する会社を完全親会社とする組織再編である
  • ②株式交換とは、新たに設立する会社が完全親会社となる組織再編である
  • ③株式交付は、対象会社を完全子会社とする場合にのみ用いられる
  • ④吸収合併では、消滅会社の権利義務は個別の移転手続を要する
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正解 ①株式移転は、新たに設立する会社を完全親会社とする組織再編である
解説
完全親子会社関係をつくる手段には、株式交換と株式移転があります。
株式移転は、一または二以上の株式会社がその発行済株式の全部を、新たに設立する株式会社に取得させる制度です。持株会社を新設して既存会社をその傘下に置く場面で用いられます。親会社が新設される点が特徴です。
これに対して株式交換は、既に存在する会社を完全親会社とする制度です。両者は、親会社が新設か既存かという点で区別されます。いずれも原則として株主総会の特別決議を要し、反対株主には株式買取請求権が認められます。

他の選択肢が誤りである理由
株式交換で新設会社が完全親会社となるという記述は誤りで、それは株式移転の説明です。
株式交付が完全子会社とする場合にのみ用いられるという記述も誤りです。株式交付は、対象会社を議決権の過半数を有する子会社とするための制度であり、完全子会社化を必要としない点に意義があります。
吸収合併で個別の移転手続を要するという記述も誤りです。合併では消滅会社の権利義務が包括的に存続会社へ承継されます。

覚え方のポイント
「交換は既存の親、移転は新設の親、交付は過半数まででよい部分的な子会社化」と三つを並べて覚えます。

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