2026年版・4-11

信用取引の決済・権利処理と規制の一問一答

証券外務員一種「デリバティブ取引・信用取引」から、信用取引の決済・権利処理と規制に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-11

信用取引の反対売買による決済に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①買建玉を転売する場合、いったん買付代金の全額を支払う必要が生じる。
  • ②売建玉については、反対売買によって決済を行うことが認められていない。
  • ③反対売買による決済では、金利や貸株料の精算は行われないことになる。
  • ④買建玉を転売した場合、売買代金の差額と諸経費を精算して決済が終わる。
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正解 ④買建玉を転売した場合、売買代金の差額と諸経費を精算して決済が終わる。
解説
信用取引でもっとも多く用いられる決済方法が、反対売買による差金決済です。
買建玉であれば同一銘柄・同一数量を転売し、売建玉であれば買い戻すことで、新規の約定代金と決済の約定代金の差額を精算します。
このとき、建玉を保有していた期間に応じて発生した金利や貸株料、品貸料、委託手数料などの諸経費もあわせて精算され、その結果として残った損益だけが顧客と金融商品取引業者の間でやり取りされます。
建玉の金額そのものを受け渡す必要がないため、少額の資金でも大きな金額の取引を決済できる仕組みになっています。

他の選択肢が誤りである理由
転売の際に買付代金の全額を支払う必要があるという記述は誤りで、それは現引きの場合の処理です。
売建玉を反対売買で決済できないという記述も誤りで、買戻しによる決済ができます。
金利や貸株料の精算が行われないという記述も誤りで、これらも同時に精算されます。

覚え方のポイント
「差額だけを精算するから差金決済」と、名称と処理の内容を結び付けて覚えます。
問24-11

信用取引の現引きおよび現渡しに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①現渡しは、売建玉について売付代金を支払い、株式を引き取る決済である。
  • ②現引きは、売建玉を保有する株式の引渡しによって決済する方法である。
  • ③現引きは、買建玉について買付代金を全額支払い、株式を引き取る決済である。
  • ④現引きおよび現渡しは、制度信用取引においては認められていない決済方法である。
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正解 ③現引きは、買建玉について買付代金を全額支払い、株式を引き取る決済である。
解説
反対売買のほかに、現物の受渡しによって建玉を決済する方法があります。
現引きは、買建玉について借りていた買付代金を全額返済し、その代わりに買い付けた株式を自分のものとして引き取る決済です。
買建てをそのまま現物の保有に切り替えることになり、値下がりしたけれども長期に保有したい場合などに用いられます。
これに対して現渡しは、売建玉について自分が保有している同一銘柄の株式を引き渡し、売付代金を受け取って決済する方法です。
いずれも制度信用取引でも一般信用取引でも用いることができます。

他の選択肢が誤りである理由
現渡しを売付代金の支払と株式の引取りとする記述は誤りで、引き渡すのは株式で、受け取るのは代金です。
現引きを保有株式の引渡しによる決済とする記述も誤りで、それは現渡しの説明です。
制度信用取引で認められないという記述も誤りで、どちらの信用取引でも用いることができます。

覚え方のポイント
「現引きは株を引き取る、現渡しは株を渡す」と、動詞の意味そのままで覚えます。
問34-11

信用取引の弁済期限の到来に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①制度信用取引の建玉は、弁済期限が到来しても自動的に繰り延べられていく。
  • ②制度信用取引の建玉は、弁済期限の到来までに必ず決済しなければならない。
  • ③弁済期限までに決済しない場合、その建玉は無効となり損益は生じない。
  • ④弁済期限は、顧客からの申出があれば必ず延長されることとなっている。
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正解 ②制度信用取引の建玉は、弁済期限の到来までに必ず決済しなければならない。
解説
制度信用取引には最長6か月の弁済期限があり、建玉はこの期限までに反対売買、現引き、または現渡しのいずれかによって必ず決済しなければなりません。
顧客がこの期限までに自ら決済を行わない場合には、金融商品取引業者が期日到来分として建玉を反対売買により決済し、その結果生じた損益を顧客の口座で精算します。
建玉が消えてなくなるわけではなく、損益は確定して顧客に帰属します。
期限は取引所の規則によって定められているため、顧客の申出によって延長することはできません。
相場が思わしくない状態で期限が来ると、損失を確定させざるを得ない点が信用取引の制約です。

他の選択肢が誤りである理由
自動的に繰り延べられるという記述は誤りで、期限までに決済が必要です。
建玉が無効となり損益が生じないという記述も誤りで、損益は確定して顧客が負います。
申出があれば必ず延長されるという記述も誤りで、制度信用取引の期限は延長できません。

覚え方のポイント
「期限が来たら必ず清算、損益からは逃げられない」と押さえます。
問44-11

信用取引における配当落調整額に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①権利確定日をまたいだ場合、買方は配当落調整額を受け取ることになる。
  • ②権利確定日をまたいだ場合、買方は配当落調整額を支払うことになる。
  • ③配当落調整額は、配当金の額と常に同額になるよう定められているものである。
  • ④配当落調整額の授受は、一般信用取引においてのみ行われるものとされている。
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正解 ①権利確定日をまたいだ場合、買方は配当落調整額を受け取ることになる。
解説
配当の権利が確定すると株価はその分だけ下落します。
買方は建玉のままでは株主ではないため配当金そのものを受け取れませんが、株価の下落によって評価損だけを負うことになると不公平です。
そこで、権利確定日をまたいで建玉を保有していた場合には、買方が配当落調整額を受け取り、売方がこれを支払うという調整が行われます。
売方の側は、株式を借りて売っている立場ですから、貸し手が受け取るはずだった配当に相当する額を負担するのが筋にかないます。
調整額は配当金と同額ではなく、配当金から所得税相当額を差し引いた金額を基礎として計算されます。

他の選択肢が誤りである理由
買方が支払うという記述は誤りで、支払うのは売方です。
配当金と常に同額とする記述も誤りで、税相当額を控除した水準になります。
一般信用取引においてのみ行われるという記述も誤りで、制度信用取引でも行われます。

覚え方のポイント
「株価が下がる側が受け取る」と考えると、買方が受け取ることが導けます。
問54-11

建株について株式分割が行われた場合の取扱いに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①株式分割が行われた場合でも、建株数と建値は変更されないことになる。
  • ②株式分割が行われた場合、建玉は権利落ち日に強制的に決済されてしまう。
  • ③株式分割による調整は、買建玉についてのみ行われるものである。
  • ④株式分割が行われた場合、建株数と建値について所定の調整が行われる。
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正解 ④株式分割が行われた場合、建株数と建値について所定の調整が行われる。
解説
株式分割が行われると、一株当たりの価値が薄まる一方で株数が増えるため、株価は分割の比率に応じて下落します。
建玉をそのままにしておくと、実質的な価値は変わらないのに評価損だけが発生してしまいます。
そこで、権利落ちに合わせて建株数を分割の比率だけ増やし、同時に建値を同じ比率で引き下げるという調整が行われ、建玉の実質的な価値が変わらないようにされます。
この調整は買建玉と売建玉のいずれについても行われます。
調整によって建玉が決済されることはなく、顧客は引き続き同じ経済的な立場を保ったまま建玉を持ち続けることができます。

他の選択肢が誤りである理由
建株数と建値が変更されないという記述は誤りで、調整が行われなければ不合理な損益が生じます。
権利落ち日に強制的に決済されるという記述も誤りで、建玉は継続します。
買建玉についてのみ行われるという記述も誤りで、売建玉も調整の対象です。

覚え方のポイント
「株数を増やし建値を下げて、価値を変えない」という調整の目的から結論を導けます。
問64-11

信用取引と株主としての権利に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①信用取引の買方は、権利確定日をまたげば議決権を行使することができる。
  • ②信用取引の買方は、建玉のままでも株主優待を受け取ることができるとされる。
  • ③信用取引の買方は、建玉のままでは議決権や株主優待を得ることができない。
  • ④信用取引の売方は、権利確定日をまたぐと配当落調整額を受け取ることになる。
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正解 ③信用取引の買方は、建玉のままでは議決権や株主優待を得ることができない。
解説
信用取引の買建ては、金融商品取引業者から資金を借りて株式を買い付けている状態であり、顧客自身が株主名簿に記載される株主になっているわけではありません。
そのため、建玉のままで権利確定日をまたいでも、議決権を行使することはできず、発行会社が株主に提供する株主優待を受け取ることもできません。
金銭的に調整されるのは配当に相当する部分だけで、これが配当落調整額です。
建玉を株主としての権利に結び付けたい場合には、権利確定日までに現引きを行って株式を自分のものにする必要があります。
売方については、株式を借りて売っている立場から配当落調整額を支払う側になります。

他の選択肢が誤りである理由
買方が議決権を行使できるという記述は誤りで、株主になっていない以上行使できません。
建玉のままで株主優待を受け取れるという記述も誤りで、優待は調整の対象になりません。
売方が配当落調整額を受け取るという記述も誤りで、売方は支払う側です。

覚え方のポイント
「調整されるのは配当だけ、優待と議決権は現引きしてから」と整理します。
問74-11

信用取引の増担保措置に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①増担保措置が採られると、その銘柄の信用取引は全面的に停止される。
  • ②増担保措置が採られると、委託保証金率が引き上げられることになる。
  • ③増担保措置は、委託保証金率を引き下げて取引を促すための措置である。
  • ④増担保措置は、金融商品取引業者が銘柄ごとに独自に決定するものである。
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正解 ②増担保措置が採られると、委託保証金率が引き上げられることになる。
解説
信用取引の残高が特定の銘柄に偏って積み上がると、価格が実態から離れて過熱し、その後の反動で急激な変動を招くおそれがあります。
そこで、取引所や証券金融会社は、信用取引の残高や株価の動きが一定の基準に達した銘柄について、委託保証金率を通常より高い水準に引き上げる措置を採ります。
これが増担保措置であり、あわせて保証金のうち現金で差し入れるべき割合が定められることもあります。
必要な資金が増えることで新たな建玉が抑えられ、過熱した需給を落ち着かせる効果が期待されます。
取引そのものを禁止するのではなく、負担を重くして抑制する仕組みである点が特徴です。

他の選択肢が誤りである理由
信用取引が全面的に停止されるという記述は誤りで、条件を厳しくしたうえで取引は継続します。
委託保証金率を引き下げるという記述も誤りで、引き上げる措置です。
金融商品取引業者が独自に決定するという記述も誤りで、基準に基づき取引所等が決定します。

覚え方のポイント
「増担保は保証金率の引上げ、目的は過熱の抑制」と押さえます。
問84-11

信用取引の日々公表銘柄に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①日々公表銘柄とは、取引所が信用取引の残高を日々公表する銘柄のことをいう。
  • ②日々公表銘柄は、信用取引を行うことができない銘柄のことをいうものである。
  • ③日々公表銘柄では、必ず委託保証金率の引上げが同時に行われることになる。
  • ④信用取引の残高は、日々公表銘柄以外では一切公表されないものとされている。
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正解 ①日々公表銘柄とは、取引所が信用取引の残高を日々公表する銘柄のことをいう。
解説
信用取引の残高は、通常は週に一度まとめて公表されますが、残高の水準や増加の速さが一定の基準に達した銘柄については、取引所が日々公表銘柄に指定し、買建てと売建ての残高を毎日公表します。
投資家に対して需給の偏りを早い段階で知らせ、過熱に気づかせることを目的とした注意喚起の措置です。
指定されても取引そのものは通常どおり行うことができ、委託保証金率が自動的に引き上げられるわけでもありません。
ただし、その後さらに残高が積み上がれば、増担保措置に進むことがあります。
まず情報を出して注意を促し、それでも収まらなければ規制を強めるという段階的な仕組みです。

他の選択肢が誤りである理由
信用取引を行うことができない銘柄とする記述は誤りで、取引は継続できます。
必ず委託保証金率の引上げが同時に行われるという記述も誤りで、公表と保証金率の引上げは別の措置です。
日々公表銘柄以外で残高が一切公表されないという記述も誤りで、通常は週次で公表されます。

覚え方のポイント
「まず日々公表で注意喚起、次に増担保で規制」という段階を押さえます。
問94-11

信用取引に伴う金利および貸株料の精算に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①買方が支払う金利は、建玉の保有日数にかかわらず一定額とされているものである。
  • ②売方が支払う貸株料は、決済の前に一括して前払いすることとされている。
  • ③買方が支払う金利は、建玉を保有した日数に応じて計算され決済時に精算する。
  • ④金利および貸株料は、決済時ではなく毎日現金で受け払いされるものである。
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正解 ③買方が支払う金利は、建玉を保有した日数に応じて計算され決済時に精算する。
解説
信用取引の買方は買付代金を借りているため金利を、売方は株式を借りているため貸株料を、それぞれ金融商品取引業者に支払います。
これらはいずれも借りている期間に対する対価ですから、建玉を保有した日数に応じて日割りで計算されます。
そして、建玉を決済した時点で、売買損益や委託手数料、品貸料などとまとめて精算されます。
建玉を持っている間に毎日現金で受け払いされるわけではありません。
建玉を長く持つほど金利や貸株料は積み上がるため、短期の値動きを取る取引には向いていても、長期の保有には費用の面で不利になるという性質があります。

他の選択肢が誤りである理由
保有日数にかかわらず一定額とする記述は誤りで、日数に応じて計算されます。
決済の前に一括して前払いするという記述も誤りで、精算されるのは決済のときです。
毎日現金で受け払いされるという記述も誤りで、日々の受払いは行われません。

覚え方のポイント
「日割りで積み上がり、決済のときにまとめて精算」と押さえます。
建玉を長く持つほど費用がかさむ点も、あわせて確認します。
問104-11

信用取引の売建てに関連する空売りの規制に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①空売りは、価格の水準にかかわらず自由に発注することができるものである。
  • ②空売りの価格規制は、すべての銘柄について常に適用されているものである。
  • ③空売りを行う際に、その売付けが空売りである旨を明示する必要はないとされる。
  • ④直近の公表価格を下回る価格での空売りは、価格規制の対象となる場合がある。
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正解 ④直近の公表価格を下回る価格での空売りは、価格規制の対象となる場合がある。
解説
空売りとは、自分が保有していない株式を売り付けることをいい、信用取引の売建てはその代表例です。
売り注文が売り注文を呼んで株価が急落することを防ぐため、株価が前日の終値から一定の割合を超えて下落した銘柄については、その日の残りの時間と翌日、直近に公表された価格を下回る価格での空売りが制限されます。
この価格規制は、すべての銘柄に常に適用されるのではなく、株価が基準を超えて下落した銘柄について発動する仕組みです。
また、注文を出す際には、その売付けが空売りに当たるかどうかを明示しなければならず、これによって規制の対象かどうかを確認できるようになっています。

他の選択肢が誤りである理由
価格の水準にかかわらず自由に発注できるという記述は誤りで、価格規制がかかる場面があります。
すべての銘柄に常に適用されるという記述も誤りで、基準に該当した銘柄に発動します。
空売りである旨の明示が不要という記述も誤りで、明示が求められています。

覚え方のポイント
「急落した銘柄だけに、直近価格より安い空売りを禁じる」という限定された規制だと押さえます。

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