2026年版・4-1

デリバティブ取引の全体像と市場の一問一答

証券外務員一種「デリバティブ取引・信用取引」から、デリバティブ取引の全体像と市場に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-1

デリバティブ取引の意義に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①原資産の価格を基準として、その値動きから損益が決まる取引である
  • ②原資産の受渡しを必ず伴い、差金決済で終了させることはできない
  • ③対象となる原資産は有価証券に限られ、金利や通貨などは対象外である
  • ④取引開始時に契約金額の全額を支払う点が現物取引と共通している
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正解 ①原資産の価格を基準として、その値動きから損益が決まる取引である
解説
デリバティブ取引(金融派生商品取引)とは、株式・債券・金利・通貨・商品などの原資産の価格や指標を基準として、その変動から損益が決まる取引の総称です。
先物取引、先渡取引、オプション取引、スワップ取引が代表的な類型です。
原資産そのものを売買するのではなく、原資産の値動きから生じる価値だけを取り出して売買する仕組みであるため、取引開始時に元本全額を動かす必要がありません。
この性質が、リスクの移転(ヘッジ)や少額の資金での投資を可能にしています。

他の選択肢が誤りである理由
差金決済で終了させられないとする記述は誤りです。株価指数先物のように差金決済しか行わない商品もあります。
原資産が有価証券に限られるとする記述も誤りで、金利・通貨・商品・クレジットなども原資産となります。
契約金額の全額を支払うとする記述も誤りで、先物では証拠金の差入れで足ります。

覚え方のポイント
デリバティブの本質は「原資産の値動きだけを切り出して売買する」ことです。ここから、少額資金で大きな取引ができるレバレッジ効果と、原資産を持たずにリスクを移転できる性質が導かれます。
問24-1

先物取引と先渡取引の違いに関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①先渡取引は取引所で行われ、先物取引は当事者間の相対で行われる
  • ②先物取引は契約内容が標準化され、先渡取引は当事者が自由に定める
  • ③先物取引では期日前に反対売買で手じまうことが認められていない
  • ④先渡取引には清算機関が介在するため、相手方の信用リスクは生じない
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正解 ②先物取引は契約内容が標準化され、先渡取引は当事者が自由に定める
解説
先物取引は取引所に上場された市場デリバティブ取引であり、取引単位・限月・呼値の単位・決済方法といった契約内容があらかじめ標準化されています。
条件が統一されているからこそ多数の参加者の注文を突き合わせることができ、期日前でも反対売買によって自由に手じまうことができます。
これに対して先渡取引は当事者間の相対取引であり、金額も期日も自由に設計できる反面、同じ条件の取引相手を市場で見つけることは容易ではありません。
この「標準化された市場取引か、自由設計の相対取引か」という違いが、両者を分ける最大の点です。

他の選択肢が誤りである理由
先渡取引が取引所で行われるとする記述は誤りで、取引所で行われるのは先物取引です。
先物取引で反対売買ができないとする記述も誤りで、期日前の手じまいは先物取引の基本的な特徴です。
先渡取引に清算機関が介在するとする記述も誤りで、相対取引である以上、相手方の信用リスクが残ります。

覚え方のポイント
先物は「標準化・取引所・清算機関あり」、先渡は「自由設計・相対・信用リスクあり」と対で押さえます。経済的な機能は似ていても、決済の安全性がまったく異なる点が試験でよく問われます。
問34-1

市場デリバティブ取引と店頭デリバティブ取引に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①市場デリバティブ取引では、取引所が定めた商品設計に従って売買される
  • ②店頭デリバティブ取引は、顧客の必要に合わせて条件を設計できる
  • ③市場デリバティブ取引では、当事者が取引単位を自由に決められる
  • ④店頭デリバティブ取引では、取引の相手方に対する信用リスクを負う
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正解 ③市場デリバティブ取引では、当事者が取引単位を自由に決められる
解説
市場デリバティブ取引は金融商品取引所に上場された取引であり、取引単位・限月・呼値の単位などは取引所の業務規程で定められています。
当事者が取引単位を自由に決めることはできず、決められた単位の整数倍でしか売買できません。したがってこの記述が誤りです。
条件を画一化することで注文の集約が可能になり、流動性が高まるとともに公正な価格形成が期待できます。
一方、店頭デリバティブ取引は当事者間の合意で条件を設計できるため、ヘッジしたい金額や期間に正確に合わせられるという利点があります。

他の選択肢が誤りである理由
市場デリバティブ取引が取引所の商品設計に従うとする記述は正しい内容です。
店頭デリバティブ取引で条件を設計できるとする記述も正しく、これが店頭取引を利用する主な理由です。
店頭取引で信用リスクを負うとする記述も正しく、清算機関が介在しないことの裏返しです。

覚え方のポイント
「市場=画一・流動性・清算機関」「店頭=個別設計・信用リスク」という対比で整理します。どちらが優れているという話ではなく、目的に応じて使い分けるものだと理解しておくと選択肢の判断が速くなります。
問44-1

取引所で行われるデリバティブ取引における清算機関の役割に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①清算機関は売買当事者の間に立ち、決済の履行を引き受けている
  • ②清算機関は取引価格を決定し、売買が成立する水準を指示している
  • ③清算機関は顧客の注文を取り次ぎ、投資判断の助言も行っている
  • ④清算機関は証拠金を預からず、値洗いの計算のみを担当している
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正解 ①清算機関は売買当事者の間に立ち、決済の履行を引き受けている
解説
取引所で成立したデリバティブ取引は、清算機関が売り方に対しては買い方となり、買い方に対しては売り方となる形で債務を引き受けます。
その結果、市場参加者は取引相手が誰であるかを気にする必要がなくなり、相手方の破綻によって決済が受けられなくなるリスクが大きく減ります。
この決済履行の保証を支えているのが証拠金制度と日々の値洗いであり、清算機関は証拠金を管理して損失の拡大を防いでいます。
相対で行う店頭デリバティブ取引にこの仕組みがない点が、両者の安全性の差を生んでいます。

他の選択肢が誤りである理由
清算機関が取引価格を決定するとする記述は誤りで、価格は市場の需給によって決まります。
注文の取次ぎや投資助言を行うとする記述も誤りで、これらは金融商品取引業者の業務です。
証拠金を預からないとする記述も誤りで、証拠金の預託と管理は清算機関の中心的な機能です。

覚え方のポイント
清算機関の役割は一言でいえば「取引の相手方になって決済を保証すること」です。ここを押さえておけば、値洗い・証拠金・追加証拠金といった周辺の制度が、すべて決済保証を支えるための仕組みだと理解できます。
問54-1

先物取引の証拠金制度に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①証拠金は、取引で生じうる損失を担保するために差し入れる資金である
  • ②証拠金は取引金額の全額であり、代金の前払いとしての性格を持つ
  • ③建玉は日々値洗いされ、計算上の損益が証拠金に反映される
  • ④証拠金が所要額を下回った場合は、追加の差入れが必要となる
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正解 ②証拠金は取引金額の全額であり、代金の前払いとしての性格を持つ
解説
先物取引の証拠金は、建玉に生じうる損失をカバーするための担保であり、取引金額の全額を前払いするものではありません。したがってこの記述が誤りです。
証拠金の水準は原資産の価格変動の大きさをもとに定められ、通常は取引金額の一部にとどまります。
建玉は毎日の清算値段で値洗いされ、計算上の損失が生じれば証拠金から差し引かれます。
その結果、預託額が所要額を下回れば追加の証拠金を差し入れなければならず、この仕組みによって損失が積み上がる前に手当てが行われます。

他の選択肢が誤りである理由
証拠金が損失の担保であるとする記述は正しい内容です。
日々値洗いされるとする記述も正しく、清算機関が決済を保証するための前提となる仕組みです。
所要額を下回れば追加の差入れが必要とする記述も正しく、いわゆる追加証拠金のことです。

覚え方のポイント
証拠金は「代金の一部前払い」ではなく「損失の担保」です。この理解があれば、証拠金が少額で済むこととレバレッジ効果が生じることが同じ事実の裏表であると分かります。
問64-1

デリバティブ取引の損益に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①原資産の価格が動かなければ、買い方に必ず利益が生じる仕組みである
  • ②買い方と売り方の双方が同時に利益を得る場面が一般的に生じる
  • ③手数料等を考慮しなければ、買い方の利益と売り方の損失は一致する
  • ④先物取引の損益は、買い方の損失が売り方の損失と一致する関係にある
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正解 ③手数料等を考慮しなければ、買い方の利益と売り方の損失は一致する
解説
先物取引に代表されるデリバティブ取引は、同じ価格変動を買い方と売り方が正反対の向きで受け取る仕組みになっています。
そのため、委託手数料などのコストを考えなければ、一方の利益はそのまま他方の損失となり、市場全体の損益を合計すればゼロになります。これをゼロサムの関係といいます。
株式の現物取引では企業価値の増大によって参加者全員が利益を得ることもありえますが、デリバティブ取引にはそのような性質はありません。
この点は、デリバティブが価値を生み出す取引ではなく、リスクを移転する取引であることの表れです。

他の選択肢が誤りである理由
双方が同時に利益を得るとする記述は誤りで、ゼロサムの関係と矛盾します。
価格が動かなければ買い方に利益が生じるとする記述も誤りで、価格が動かなければ損益はほぼ生じません。
買い方の損失と売り方の損失が一致するとする記述も誤りで、対応するのは一方の利益と他方の損失です。

覚え方のポイント
「デリバティブはゼロサム、現物はプラスサムになりうる」と対比して覚えます。ゼロサムであるからこそ、ヘッジをする人の損失を投機を行う人が引き受けるという役割分担が成り立ちます。
問74-1

ある投資家が株価指数先物(取引単位は指数の数値に1,000円を乗じた金額)を指数20,000で1単位買い建てた。必要な証拠金は100万円である。その後、指数20,300で反対売買により決済した場合、差し入れた証拠金に対する損益の割合として正しいものはどれか。なお、手数料等は考慮しない。

  • ①1.5%
  • ②3.0%
  • ③15.0%
  • ④30.0%
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正解 ④30.0%
解説
証拠金に対する損益の割合を求める問題です。
① 指数の変動幅=20,300−20,000=300
② 売買損益=300×1,000円=300,000円の利益
③ 証拠金に対する割合=300,000円÷1,000,000円=0.30=30.0%
指数そのものの上昇率は300÷20,000=1.5%にすぎませんが、投下した資金が証拠金の100万円だけであるため、収益率は20倍に拡大しています。
これがレバレッジ効果であり、同じ理由で下落した場合には損失も同じ倍率で拡大します。

他の選択肢が誤りである理由
1.5%は指数そのものの変動率であり、投下資金に対する割合ではありません。
3.0%は指数の変動率を二倍にした値で、根拠がありません。
15.0%は取引単位を500円として計算した場合の値であり、単位の取り違えによる誤りです。

覚え方のポイント
レバレッジの倍率は「取引金額÷証拠金」で測れます。本問では取引金額が20,000×1,000円=2,000万円、証拠金が100万円なので20倍であり、指数の1.5%の上昇が30%の収益率になったことと整合します。
問84-1

デリバティブ取引の原資産に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①個別の株式や株価指数は、デリバティブ取引の原資産となりうる
  • ②金利や通貨など、それ自体は有価証券でないものも原資産となる
  • ③貴金属や農産物などの商品を原資産とするデリバティブ取引もある
  • ④信用リスクは数値化できないため、原資産として用いられていない
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正解 ④信用リスクは数値化できないため、原資産として用いられていない
解説
デリバティブ取引の原資産は幅広く、株式・株価指数・債券・金利・通貨・商品のほか、信用リスクそのものも対象となります。
企業や国の信用リスクを対象とする代表例がクレジット・デフォルト・スワップであり、参照先に信用事由が発生した場合に売り手が買い手に損失を補填する仕組みです。
したがって、信用リスクが原資産として用いられていないとする記述は誤りです。
近年は天候や地震などを対象とするものもあり、価格や指標として客観的に測れるものであれば原資産となりえます。

他の選択肢が誤りである理由
株式や株価指数が原資産となるとする記述は正しく、株価指数先物などが該当します。
金利や通貨が原資産となるとする記述も正しく、金利スワップや通貨オプションが該当します。
商品を原資産とする取引があるとする記述も正しく、商品先物取引が該当します。

覚え方のポイント
原資産は「値動きを客観的に測れるもの」であれば足ります。有価証券に限られるという思い込みが誤答の典型なので、金利・通貨・商品・クレジットの四つを追加で押さえておきます。
問94-1

デリバティブ取引が果たす経済的な機能に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①リスクを消滅させる仕組みであり、市場全体のリスク量を減らす
  • ②将来の価格に関する市場参加者の見方を価格として示す働きを持つ
  • ③少ない資金で取引できるため、原資産市場の流動性を高めうる
  • ④価格変動リスクを、それを引き受ける意思のある者へ移転させる
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正解 ①リスクを消滅させる仕組みであり、市場全体のリスク量を減らす
解説
デリバティブ取引はリスクを消滅させるものではなく、リスクを負いたくない者から、対価を得てそれを引き受けようとする者へ移転させる仕組みです。
ヘッジを行う側の損失は、その相手方となった投機を行う側の利益と表裏一体であり、リスクそのものは市場のどこかに残り続けます。したがってこの記述が誤りです。
また、将来の一定時点の価格が市場で継続的に形成されることにより、参加者の見方が価格情報として明らかになるという価格発見の機能もあります。
取引に必要な資金が少なくて済むことは参加者の裾野を広げ、結果として原資産市場の取引を活発にする効果も期待できます。

他の選択肢が誤りである理由
リスクを移転させるとする記述は正しく、これがデリバティブの中心的な機能です。
将来の価格に関する見方を示すとする記述も正しく、価格発見機能と呼ばれます。
流動性を高めうるとする記述も正しく、裁定取引を通じて現物市場にも取引が波及します。

覚え方のポイント
「移転はするが消滅はしない」がデリバティブの機能を理解する鍵です。ゼロサムの性質と合わせて覚えると、リスクが誰かに残り続けることが自然に理解できます。
問104-1

取引所で行われるデリバティブ取引の決済に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①すべての先物取引は、期日に原資産の受渡しによって決済される
  • ②株価指数先物取引は、最終決済を差金決済によって行っている
  • ③先物取引の建玉は、期日まで反対売買で解消することができない
  • ④国債先物取引は、最終決済を差金決済のみで行う仕組みである
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正解 ②株価指数先物取引は、最終決済を差金決済によって行っている
解説
株価指数は多数の銘柄から算出される指標であり、指数そのものを受け渡すことはできません。
そのため株価指数先物取引の最終決済は、最終清算数値と建玉の価格との差額を授受する差金決済によって行われます。
これに対し長期国債先物取引は受渡適格銘柄の受渡しによる決済が定められており、原資産の受渡しが制度上予定されています。
もっとも、実際には期日前に反対売買で手じまう建玉が大半であり、最終決済まで残る建玉は限られています。

他の選択肢が誤りである理由
すべての先物が受渡決済であるとする記述は誤りで、株価指数先物は差金決済です。
期日まで反対売買ができないとする記述も誤りで、いつでも手じまうことができます。
国債先物が差金決済のみとする記述も誤りで、こちらは受渡しによる決済が定められています。

覚え方のポイント
「指数は渡せないから差金決済、債券は渡せるから受渡決済」と原資産の性質から考えると、暗記に頼らずに判断できます。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。