2026年版・3-1

投資信託の仕組みと関係者の一問一答

証券外務員一種「投資信託・付随業務」から、投資信託の仕組みと関係者に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-1

委託者指図型投資信託における関係者の役割について、正しい記述はどれか。

  • ①委託会社が信託財産の運用を指図し、受託会社がその保管と管理を行う。
  • ②受託会社は信託財産の運用を指図し、委託会社はその財産の保管を担当する。
  • ③販売会社が信託財産の運用の指図と受益証券の募集をあわせて担当する。
  • ④受託会社が受益証券の募集を行い、委託会社は投資家からの解約に応じる。
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正解 ①委託会社が信託財産の運用を指図し、受託会社がその保管と管理を行う。
解説
委託者指図型投資信託は、投資信託委託会社(委託者)と信託銀行等(受託者)との間の信託契約によって設定されます。
運用の専門家である委託会社が、どの銘柄をいくら売買するかを受託会社に指図し、受託会社はその指図にしたがって信託財産を保管・管理し、売買の実行や決済を行います。
運用する者と財産を持つ者を分けることで、運用会社が投資家の財産を勝手に流用できない仕組みが作られています。
販売会社は募集の取扱いや分配金の支払いの代理を担当し、運用にも保管にも関与しません。

他の選択肢が誤りである理由
受託会社が運用を指図するという記述は、委託者と受託者の役割が逆になっており誤りです。
販売会社が運用を指図するという記述も誤りで、販売会社は募集・販売の窓口にすぎません。
受託会社が募集を行うという記述も誤りで、募集の取扱いを担うのは販売会社です。

覚え方のポイント
「委託会社は指図、受託会社は保管、販売会社は窓口」という三者の分担で整理すると混同しません。
役割を入れ替えた記述は本試験で繰り返し出題されます。
問23-1

委託者非指図型投資信託に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①委託者非指図型投資信託にも、運用の指図を行う投資信託委託会社が必ず置かれる。
  • ②委託者非指図型投資信託では、受託者である信託銀行等が自ら信託財産の運用を行う。
  • ③委託者非指図型投資信託は、有価証券のみに投資して運用することを目的に設定される。
  • ④委託者非指図型投資信託は、投資法人の一形態として会社法に基づいて設立される。
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正解 ②委託者非指図型投資信託では、受託者である信託銀行等が自ら信託財産の運用を行う。
解説
委託者非指図型投資信託は、一人の委託者と受託者との間ではなく、複数の委託者と受託者との間で締結される信託契約に基づき、受託者自身の判断で信託財産を運用する形態です。
委託者からの運用指図が入らないため「非指図型」と呼ばれます。
この形態は、専門的な資産の管理と運用を信託銀行等が一体で担うことに適しており、法律上、有価証券のみに投資して運用することを目的とするものは委託者非指図型として設定できないとされています。
そのため、実際には不動産などの特定資産を対象とするものが中心です。

他の選択肢が誤りである理由
投資信託委託会社が必ず置かれるという記述は誤りで、運用を指図する委託会社が存在しない点こそがこの類型の特徴です。
有価証券のみへの投資を目的とするという記述も誤りです。
会社法に基づいて設立されるという記述も誤りで、これは契約型であって会社型ではありません。

覚え方のポイント
「指図型は運用会社が指図、非指図型は信託銀行が自分で運用」と対比して覚えます。
非指図型は有価証券のみを対象にできない、という点が引っかけの定番です。
問33-1

契約型投資信託と会社型投資信託に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①契約型投資信託は法人を設立し、投資家は株主として議決権を行使する。
  • ②会社型投資信託では、受益権を細分化した受益証券が投資家に交付される。
  • ③会社型投資信託では投資法人が投資証券を発行し、投資主が出資者となる。
  • ④契約型投資信託は会社型より後に導入され、現在は設定数が非常に少ない。
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正解 ③会社型投資信託では投資法人が投資証券を発行し、投資主が出資者となる。
解説
投資信託は、その法的な器の作り方によって契約型と会社型に分かれます。
契約型は委託者と受託者の信託契約によって信託財産という器を作り、投資家は受益者として受益証券を保有します。
これに対して会社型は、投資を目的とする法人そのものを設立する方式で、日本では投資法人がこれに当たります。
投資法人は投資証券を発行し、これを取得した者は投資主として投資主総会で議決権を行使できます。
器が法人か信託かという違いが、投資家の地位の違い(投資主か受益者か)に直結しています。

他の選択肢が誤りである理由
契約型が法人を設立するという記述は誤りで、法人を設立するのは会社型です。
会社型で受益証券が交付されるという記述も誤りで、交付されるのは投資証券です。
契約型が後発で数が少ないという記述も誤りで、日本の公募投資信託の大半は契約型です。

覚え方のポイント
「契約型は受益者と受益証券、会社型は投資主と投資証券」と、証券名と投資家の呼び方をセットで押さえます。
Jリートは会社型の代表例です。
問43-1

投資信託の信託財産の管理に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①信託財産は委託会社の固有財産と合同で運用され、実績に応じて分配される。
  • ②信託財産は販売会社の名義で保管され、販売会社の債権者による差押えを受ける。
  • ③信託財産は投資者保護基金の補償対象であり、一人当たり1,000万円まで補償される。
  • ④信託財産は受託会社が固有財産と分別して管理し、受託会社が破綻しても保護される。
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正解 ④信託財産は受託会社が固有財産と分別して管理し、受託会社が破綻しても保護される。
解説
信託の最大の特徴は、信託財産が受託者の固有財産から法律上切り離される点にあります。
受託会社である信託銀行等は、信託財産を自己の財産や他の信託の財産と分別して管理する義務を負っており、この分別管理によって、受託会社が破綻してもその債権者は信託財産を差し押さえることができません。
また、委託会社や販売会社が破綻した場合も、信託財産そのものは受託会社に置かれているため影響を受けません。
投資家の財産が運用会社や販売会社の経営状態から遮断されている点が、投資信託の安全性の基礎になっています。

他の選択肢が誤りである理由
委託会社の固有財産と合同運用するという記述は誤りで、分別管理義務に反します。
販売会社名義で保管され差押えを受けるという記述も誤りです。
投資者保護基金による1,000万円の補償を受けるという記述も誤りで、同基金は金融商品取引業者が分別管理義務に違反した場合に一般顧客を補償する制度です。

覚え方のポイント
「分別管理と倒産隔離」は投資信託の根幹です。
三者のうち誰が破綻しても信託財産は守られる、と結論から覚えると迷いません。
問53-1

投資信託の目論見書に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①交付目論見書は、取得しようとする者にあらかじめまたは同時に交付する必要がある。
  • ②請求目論見書は、投資者からの請求がなくても購入時に必ず交付しなければならない。
  • ③交付目論見書は、投資者から請求があった場合に限って交付すれば足りるとされる。
  • ④目論見書の交付は、投資者が同意すれば口頭による説明で代えることが認められる。
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正解 ①交付目論見書は、取得しようとする者にあらかじめまたは同時に交付する必要がある。
解説
投資信託の目論見書は、必ず渡さなければならない交付目論見書と、請求があったときに渡す請求目論見書の二段構えになっています。
交付目論見書には商品の基本的な特色、投資リスク、手数料など投資判断に不可欠な事項がまとめられており、受益証券を取得しようとする者に対し、あらかじめまたはこれと同時に交付しなければなりません。
請求目論見書には運用体制や経理状況など、より詳細な情報が記載され、投資者から請求があった場合に直ちに交付します。
投資者が必要最小限の情報を確実に受け取れるようにしつつ、詳しく知りたい人には追加情報を用意する、という設計です。

他の選択肢が誤りである理由
請求目論見書を必ず交付するという記述は誤りで、それは交付目論見書の役割です。
交付目論見書を請求があったときだけ交付すれば足りるという記述も誤りです。
口頭の説明で代えられるという記述も誤りで、電磁的方法による提供は認められますが、説明で交付に代えることはできません。

覚え方のポイント
「交付は必ず、請求は求められたら」と名前どおりに覚えれば、入れ替えの引っかけを外せます。
問63-1

投資信託の運用報告書に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①運用報告書の作成義務を負うのは、信託財産を保管する受託会社である。
  • ②交付運用報告書は、原則として知れている受益者に対して交付しなければならない。
  • ③運用報告書は、計算期間の長さにかかわらず毎月作成しなければならないとされる。
  • ④運用報告書(全体版)は、必ず書面により受益者へ郵送しなければならない。
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正解 ②交付運用報告書は、原則として知れている受益者に対して交付しなければならない。
解説
運用報告書は、一定の計算期間ごとに運用の経過や成果を受益者へ報告する書類で、作成義務を負うのは運用を指図する投資信託委託会社です。
現在は、重要事項を分かりやすくまとめた交付運用報告書と、詳細な情報を含む運用報告書(全体版)の二段構成になっています。
このうち交付運用報告書は、原則として知れている受益者に対して交付しなければなりません。
全体版は、あらかじめ約款に定めたうえで委託会社のホームページに掲載するなどの電磁的方法により提供することで、交付したものとみなされます。
受益者の負担を軽くしつつ、必要な情報にはいつでも到達できるようにした仕組みです。

他の選択肢が誤りである理由
受託会社が作成義務を負うという記述は誤りで、作成するのは委託会社です。
毎月作成しなければならないという記述も誤りで、作成は原則として計算期間の末日ごとです。
全体版を必ず郵送しなければならないという記述も誤りで、電磁的方法による提供が認められています。

覚え方のポイント
「作るのは委託会社、必ず届くのは交付運用報告書、全体版はウェブで足りる」と三点で整理します。
問73-1

投資信託の信託約款の変更に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①信託約款の軽微な変更であっても、必ず受益者による書面決議を経る必要がある。
  • ②重大な約款変更に係る書面決議は、受託会社が招集して議決権を集計する。
  • ③委託会社は、信託約款の重大な変更を行う場合、書面決議を経なければならない。
  • ④信託約款の変更に反対した受益者は、受益権の買取請求を行うことができない。
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正解 ③委託会社は、信託約款の重大な変更を行う場合、書面決議を経なければならない。
解説
信託約款は投資信託の設計図であり、投資対象や信託期間などの根幹に関わる変更は受益者の利害に直結します。
そこで、委託会社が信託約款の重大な変更や信託の併合を行おうとするときは、あらかじめその内容を書面で受益者に通知し、書面決議によって受益者の意思を確認しなければならないとされています。
手続を主宰するのは、変更を提案する委託会社です。
また、書面決議で変更が可決された場合でも、これに反対した受益者は自らの受益権を買い取るよう請求することができ、納得できない投資家が投資から離脱する道が確保されています。

他の選択肢が誤りである理由
軽微な変更にも常に書面決議が必要とする記述は誤りで、重大な変更が対象です。
受託会社が書面決議を招集するという記述も誤りで、招集するのは委託会社です。
反対した受益者が買取請求できないという記述も誤りで、反対受益者には買取請求権が認められています。

覚え方のポイント
「重大な変更は書面決議、反対者には買取請求権」の二点セットで押さえます。
手続の主体を受託会社に入れ替えた出題に注意します。
問83-1

投資信託の受益者の権利に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①受益者は、信託財産に組み入れられた株式の議決権を自ら行使することができる。
  • ②受益者は、いつでも信託財産に属する個別の資産を現物で交付するよう請求できる。
  • ③受益者は、委託会社の株主総会に出席して議決権を行使することが認められている。
  • ④受益者は、保有する口数に応じて収益の分配や償還金の支払を受ける権利を持つ。
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正解 ④受益者は、保有する口数に応じて収益の分配や償還金の支払を受ける権利を持つ。
解説
受益者が持つのは、信託財産そのものの所有権ではなく、信託財産から生じる利益を受け取る権利、すなわち受益権です。
受益権は口数によって細かく等しく分割されており、受益者は保有する口数に応じて、収益の分配、償還金や解約金の支払を受けることができます。
持分が均等に分割されているため、いくらの資金を出した投資家でも、口数に比例して公平に扱われます。
一方、信託財産に組み入れられた株式の議決権は、財産の名義人である受託会社が委託会社の指図に従って行使する仕組みになっており、受益者が個別に行使することはできません。

他の選択肢が誤りである理由
受益者が組入株式の議決権を行使できるという記述は誤りです。
個別の資産を現物で交付するよう請求できるという記述も誤りで、受益者が受け取れるのは金銭による分配や償還金です。
委託会社の株主総会で議決権を行使できるという記述も誤りで、受益者は委託会社の株主ではありません。

覚え方のポイント
「受益者が持つのは口数に応じた金銭的な権利」と割り切ると、議決権や現物請求を絡めた誤りを見抜けます。
問93-1

投資信託の販売会社の業務に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①販売会社は、受益証券の募集の取扱いや収益分配金・償還金の支払の代理を行う。
  • ②販売会社は、投資信託の運用方針を決定し、受託会社に対して運用を指図する。
  • ③販売会社は、投資信託の信託財産を自己の財産と分別して保管する義務を負う。
  • ④販売会社は、投資信託の目論見書を作成して金融庁に届け出る義務を負っている。
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正解 ①販売会社は、受益証券の募集の取扱いや収益分配金・償還金の支払の代理を行う。
解説
販売会社は、投資家と投資信託をつなぐ窓口を担う金融商品取引業者や登録金融機関です。
具体的には、受益証券の募集の取扱い、購入の申込みの受付、換金の申込みの受付、そして委託会社に代わって収益分配金や償還金・解約金を投資家へ支払う代理業務などを行います。
投資家の口座や取引記録を管理し、目論見書の交付や説明義務を果たすのも販売会社の役割です。
その一方で、どの資産をいくら売買するかという運用の判断には一切関与せず、信託財産を保管することもありません。

他の選択肢が誤りである理由
販売会社が運用方針を決定し指図するという記述は誤りで、これは委託会社の業務です。
信託財産を分別保管する義務を負うという記述も誤りで、保管するのは受託会社です。
目論見書を作成し届け出るという記述も誤りで、作成と届出を行うのは委託会社です。

覚え方のポイント
販売会社の仕事は「集める・受け付ける・支払う」の三つに整理できます。
運用と保管が出てきたら、それは委託会社か受託会社の話だと判断します。
問103-1

投資信託委託会社の義務に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①投資信託委託会社は、受益者ではなく販売会社に対して善管注意義務を負う。
  • ②投資信託委託会社は、受益者に対し忠実義務および善管注意義務を負っている。
  • ③投資信託委託会社は、信託財産と自己の固有財産との間の取引を自由に行える。
  • ④投資信託委託会社は、運用の指図に係る権限のすべてを他の者へ委託できる。
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正解 ②投資信託委託会社は、受益者に対し忠実義務および善管注意義務を負っている。
解説
投資信託委託会社は、投資家から集めた資金の運用を任される立場にあるため、受益者のために忠実に業務を遂行する忠実義務と、専門家として通常求められる注意をもって業務を行う善管注意義務を負っています。
義務の相手方は、報酬を支払う販売会社ではなく、財産の実質的な持ち主である受益者です。
この義務から派生して、信託財産と委託会社の固有財産との取引や、受益者の利益を害する取引などは原則として禁止されています。
また、運用の指図権限の一部を外部に委託することは認められますが、すべてを委託して自らは何もしない状態にすることは認められていません。

他の選択肢が誤りである理由
販売会社に対して義務を負うという記述は誤りで、義務の相手方は受益者です。
固有財産との取引を自由に行えるという記述も誤りで、利益相反のおそれがあるため原則禁止されています。
すべての運用権限を委託できるという記述も誤りで、全部委託は認められていません。

覚え方のポイント
「委託会社は受益者のために働く」という原則から考えると、利益相反や丸投げが許されない理由が理解できます。

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