2026年版・1-6

インサイダー取引規制の一問一答

証券外務員一種「法令・諸規則」から、インサイダー取引規制に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全620問) 法令・諸規則の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-6

インサイダー取引規制における会社関係者に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①会社関係者でなくなった者は、その時点で直ちに規制の対象から外れることとなる。
  • ②上場会社と契約を締結している者も、契約に関し知ったときは会社関係者に当たる。
  • ③会社関係者に当たるのは、上場会社の役員のみとされ、従業員は含まれていない。
  • ④上場会社の株主は、帳簿の閲覧を請求した場合でも会社関係者には当たらない。
答えと解説を見る
正解 ②上場会社と契約を締結している者も、契約に関し知ったときは会社関係者に当たる。
解説
会社関係者には、上場会社等の役員、代理人、使用人その他の従業者のほか、帳簿閲覧権を有する株主、法令に基づく権限を有する者、そして上場会社等と契約を締結している者や締結の交渉をしている者が含まれます。
契約の相手方が含まれているのは、取引先、監査法人、法律事務所、金融機関など、業務上の関係を通じて未公表の情報に接する立場の者が現実に多いためです。社内の者だけを対象にしたのでは、規制が容易に空洞化してしまいます。
ただし、いずれの場合も、それぞれの立場に応じた場面で知ったことが要件です。役員であれば職務に関し、株主であれば権利の行使に関し、契約の相手方であれば契約の締結、交渉または履行に関して知った場合に限られます。
また、会社関係者でなくなった後1年以内の者も、なお規制の対象とされています。

他の選択肢が誤りである理由
会社関係者でなくなれば直ちに対象から外れるとする記述は誤りで、1年間は規制が及びます。
役員のみとする記述も誤りで、使用人その他の従業者も含まれます。
帳簿の閲覧を請求した株主は会社関係者に当たるため、この記述も誤りです。

覚え方のポイント
「社内の者、権利を行使する株主、権限を持つ者、契約の相手方」の四つが柱です。退職後1年間の継続もあわせて押さえてください。
問21-6

重要事実の伝達を受けた者に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①会社関係者から重要事実の伝達を受けた者は、規制の対象とはならない。
  • ②第一次情報受領者からさらに伝達を受けた者も、常に規制の対象となる。
  • ③会社関係者から重要事実の伝達を受けた者は、公表前の売買が禁止されている。
  • ④重要事実の伝達を受けた者が規制されるのは、対価を支払った場合に限られる。
答えと解説を見る
正解 ③会社関係者から重要事実の伝達を受けた者は、公表前の売買が禁止されている。
解説
会社関係者から重要事実の伝達を受けた者を第一次情報受領者といい、会社関係者と同様に、その事実が公表される前に当該会社の株券等を売買することが禁止されます。
会社関係者だけを規制の対象にすると、家族や知人に情報を伝えて代わりに売買させることで容易に規制を免れることができてしまいます。そこで、情報を受け取った側にも規制を及ぼしています。
もっとも、規制の対象は原則として第一次情報受領者までであり、その者からさらに伝達を受けた第二次情報受領者は含まれません。情報が転々と伝わるうちに出所も正確さも不明になっていくため、どこまでも規制を広げると処罰の範囲が不明確になるからです。
ただし、職務に関して情報の伝達を受けた法人の他の役職員は、なお規制の対象とされます。

他の選択肢が誤りである理由
伝達を受けた者は規制の対象とならないとする記述は誤りです。
第一次情報受領者からさらに伝達を受けた者が常に規制の対象となるとする記述も誤りで、原則として対象外です。
対価を支払った場合に限るという要件も設けられていません。

覚え方のポイント
「一次まで規制、二次は原則対象外」が基本線です。伝えた側の会社関係者も、情報の伝達行為そのものが規制の対象となり得る点にも注意してください。
問31-6

インサイダー取引規制における重要事実に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①合併を行うことについての決定は、決定事実として重要事実に当たるとされている。
  • ②主要株主の異動は、会社が自ら決定するものではないため重要事実には当たらない。
  • ③子会社に生じた事実は、親会社の重要事実には含まれないとされている。
  • ④売上高の予想値の修正は、金額の大小を問わず重要事実に当たるとされている。
答えと解説を見る
正解 ①合併を行うことについての決定は、決定事実として重要事実に当たるとされている。
解説
重要事実は、大きく四つの類型に分けられます。
第一が決定事実で、株式の発行、資本金の額の減少、合併、会社の分割、事業の譲渡または譲受け、新製品または新技術の企業化、業務上の提携、解散などを行うことについての機関決定がこれに当たります。合併の決定はその代表例です。
第二が発生事実で、災害による損害、主要株主の異動、訴訟の提起や判決など、会社の意思とは関わりなく生じる事実です。第三が決算情報、第四がいわゆるバスケット条項です。
決定事実については、実行を決めた場合だけでなく、いったん決定した事項を行わないことを決めた場合も含まれます。中止の情報も投資判断に影響するからです。

他の選択肢が誤りである理由
主要株主の異動は、会社の決定によらずに生じるからこそ発生事実として重要事実に位置づけられており、対象外ではありません。
子会社に生じた事実についても、一定のものは親会社の重要事実として定められているため、含まれないとする記述は誤りです。
売上高の予想値の修正は、直近の予想値と比べて一定の割合以上の差異が生じた場合に重要事実となるものであり、金額の大小を問わないわけではありません。

覚え方のポイント
「決めたこと、起きたこと、決算の数字、それ以外の重要なこと」の四類型で整理してください。自社の事実だけでなく子会社の事実も対象になる点をあわせて押さえます。
問41-6

重要事実の軽微基準に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①軽微基準は、決定事実についてのみ定められ、発生事実には定められていない。
  • ②軽微基準に該当する事実であっても、重要事実として規制の対象となるとされる。
  • ③いわゆるバスケット条項に該当する事実にも、軽微基準が定められている。
  • ④軽微基準に該当する事実は、重要事実から除かれ、規制の対象とはならない。
答えと解説を見る
正解 ④軽微基準に該当する事実は、重要事実から除かれ、規制の対象とはならない。
解説
決定事実と発生事実には、それぞれ軽微基準が定められています。金額や規模が一定の水準に満たず、投資者の判断に及ぼす影響が小さいと考えられる事実については、重要事実から除かれます。
この基準がなければ、ごく小規模な設備の取得や少額の損害まですべてが重要事実となり、上場会社の役職員は事実上いつでも自社株を売買できないことになってしまいます。規制の目的は投資判断に影響する情報の不正利用を防ぐことにあるため、影響の小さい事実まで取り込む必要はありません。
一方で、いわゆるバスケット条項は、四つの類型のうち他のどれにも当てはまらないが投資者の投資判断に著しい影響を及ぼす重要な事実を受け止めるための規定です。著しい影響があることがそもそもの要件である以上、軽微基準は定められていません。

他の選択肢が誤りである理由
軽微基準が決定事実についてのみ定められているとする記述は誤りで、発生事実にも定められています。
軽微基準に該当しても規制の対象となるとする記述は、除外の効果を否定するもので誤りです。
バスケット条項に軽微基準があるとする記述も誤りです。

覚え方のポイント
「決定事実と発生事実には軽微基準あり、バスケット条項にはなし」と対比して覚えてください。
問51-6

決算情報に係る重要事実の基準に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①売上高については、直近の予想値と比べて30%以上の差異が生じた場合が基準となる。
  • ②売上高については、直近の予想値と比べて10%以上の差異が生じた場合が基準となる。
  • ③経常利益については、直近の予想値と比べて10%以上の差異が生じた場合が基準となる。
  • ④純利益については、直近の予想値と比べて50%以上の差異が生じた場合が基準となる。
答えと解説を見る
正解 ②売上高については、直近の予想値と比べて10%以上の差異が生じた場合が基準となる。
解説
決算情報とは、上場会社等が新たに算出した売上高、経常利益、純利益、剰余金の配当の予想値または決算における実績値が、直近に公表された予想値と比べて一定の割合以上の差異を生じた場合をいいます。
基準となる割合は項目ごとに異なり、売上高は10%以上、経常利益と純利益はそれぞれ30%以上、剰余金の配当は20%以上とされています。
割合に差が設けられているのは、項目ごとに数値の振れ方が違うためです。売上高は事業規模そのものを表す指標で、通常は大きく変動しないため、1割の変化でも十分に投資判断に影響します。これに対し利益は売上高から費用を差し引いた残りであり、もともと変動が大きいことから、より高い基準が置かれています。

他の選択肢が誤りである理由
売上高について30%以上とする記述は、利益に関する基準と取り違えたものです。
経常利益について10%以上とする記述も、売上高の基準と取り違えており誤りです。
純利益について50%以上とする記述も、正しくは30%以上であり誤りです。

覚え方のポイント
「売上高10、利益30、配当20」の三つの数字で覚えてください。売上高が最も低い基準である理由まで理解しておくと、取り違えを防げます。
問61-6

重要事実の公表に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①2以上の報道機関に公開すれば、その時点で直ちに公表されたものとして扱われる。
  • ②金融商品取引所の開示システムによる公衆縦覧は、公表の方法とはされていない。
  • ③2以上の報道機関への公開から12時間が経過すれば、公表されたものとして扱われる。
  • ④2以上の報道機関への公開から24時間が経過すれば、公表されたものとして扱われる。
答えと解説を見る
正解 ③2以上の報道機関への公開から12時間が経過すれば、公表されたものとして扱われる。
解説
重要事実が公表されたと認められる方法は、法令で限定されています。
第一は、上場会社等の代表者などが2以上の報道機関に対して重要事実を公開し、その公開から12時間が経過した場合です。第二は、金融商品取引所に通知され、取引所の開示システムにより公衆の縦覧に供された場合です。第三は、有価証券報告書などの法定開示書類に記載され、公衆の縦覧に供された場合です。
報道機関への公開について12時間の経過が求められるのは、報道されてから投資者に情報が行き渡るまでに時間差があるためです。公開の直後に売買できるとすれば、情報を伝えた側が依然として有利な立場に立つことになります。
これに対し、取引所の開示システムは投資者が直接かつ同時に閲覧できる仕組みであるため、時間の経過は要件とされていません。

他の選択肢が誤りである理由
報道機関への公開により直ちに公表されたものとする記述は、12時間の要件を欠いており誤りです。
取引所の開示システムによる公衆縦覧は公表の方法として認められており、この記述も誤りです。
24時間とする記述も、期間を誤っています。

覚え方のポイント
「報道機関経由は12時間待つ、取引所の開示システムは待たない」という対比で押さえてください。
問71-6

公開買付け等に関する規制について、正しいものはどれか。

  • ①公開買付けの実施に関する事実を知った関係者は、公表前の買付けが禁止される。
  • ②公開買付けの中止に関する事実については、公表前の売付けは禁止されない。
  • ③この規制の対象となるのは、公開買付けを行おうとする会社の役員に限られている。
  • ④公開買付けの対象会社の株券以外の有価証券は、この規制の対象とならない。
答えと解説を見る
正解 ①公開買付けの実施に関する事実を知った関係者は、公表前の買付けが禁止される。
解説
会社の重要事実に関する規制とは別に、公開買付け等に関する規制が設けられています。公開買付者等関係者が公開買付け等の実施に関する事実を知った場合、その事実が公表される前に対象会社の株券等を買い付けることが禁止されます。
公開買付けは、市場価格に上乗せした価格で株式を買い集めることが通例です。実施の事実を事前に知った者が買い付ければ、公表後の値上がりによってほぼ確実に利益を得られます。これを放置すれば、一般の投資者は不利な立場で取引を続けることになります。
中止に関する事実も規制の対象です。この場合に禁止されるのは公表前の売付けです。公開買付けが取りやめになれば株価が下落することが多く、公表前に売り抜けることも同様に不公正だからです。実施を知れば買えない、中止を知れば売れない、という対応で定められています。
公開買付者等関係者には、公開買付者の役職員のほか、契約の相手方や、公開買付けの対象となる会社の関係者も含まれます。

他の選択肢が誤りである理由
中止に関する事実を知った場合に禁止されるのは公表前の売付けであり、禁止されないとする記述は誤りです。
対象が公開買付けを行おうとする会社の役員に限られるとする記述も、関係者の範囲を狭く捉えており誤りです。
規制の対象は株券に限られず、新株予約権証券など関連する有価証券にも及びます。

覚え方のポイント
「実施を知れば買えない、中止を知れば売れない」と、知った事実と禁止される行為を対応させて覚えます。関係者の範囲が買付け側にも対象会社側にも及ぶ点もあわせて押さえてください。
問81-6

インサイダー取引規制の適用除外に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①重要事実を知る前から継続して行っている取引であっても、適用除外とはならない。
  • ②適用除外が認められるのは、取引の金額が少額である場合に限られることとなる。
  • ③重要事実を知った後に締結した契約に基づく取引であっても、適用除外となる。
  • ④重要事実を知る前に締結した契約に基づいて行う取引は、規制の適用除外となる。
答えと解説を見る
正解 ④重要事実を知る前に締結した契約に基づいて行う取引は、規制の適用除外となる。
解説
インサイダー取引規制は、未公表の重要事実を知っている状態を利用した取引を防ぐための制度です。したがって、その情報を知る前にすでに決まっていた取引についてまで禁止する必要はありません。
そこで、重要事実を知る前に締結された契約の履行として行われる取引や、知る前に決定された計画に従って行われる取引は、適用除外とされています。毎月一定額を買い付ける累積投資契約に基づく買付けが典型例です。
このほか、株主割当てによる株式の取得、新株予約権の行使による取得、安定操作取引に係る売買など、性質上情報の優位を利用する余地がないものも適用除外とされています。
いずれも「情報を知ったことが取引の動機になり得ない」という点で共通しています。

他の選択肢が誤りである理由
知る前から継続して行っている取引が適用除外とならないとする記述は誤りで、まさにこれが典型的な適用除外の場面です。
金額が少額であることは適用除外の理由とはされていません。
重要事実を知った後に締結した契約に基づく取引は、情報を知ったうえでの判断が介在しているため、適用除外とはなりません。

覚え方のポイント
判断の基準は「重要事実を知る前に決まっていたかどうか」の一点です。契約の締結や計画の決定が知る前か後かで結論が分かれます。
問91-6

インサイダー取引に対する制裁に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①制裁は課徴金納付命令に限られ、刑事罰が科されることはないとされている。
  • ②刑事罰が科されるほか、課徴金納付命令の対象ともなることとされている。
  • ③違反によって得た財産は、没収や追徴の対象とはならないとされている。
  • ④法人の役職員が違反した場合でも、法人が処罰されることはないとされている。
答えと解説を見る
正解 ②刑事罰が科されるほか、課徴金納付命令の対象ともなることとされている。
解説
インサイダー取引に対しては、刑事罰と課徴金という二つの制裁が用意されています。
刑事罰は、違反行為者本人に対して科されるほか、法人の代表者や従業者がその法人の業務に関して違反した場合には、行為者を罰するとともに法人にも罰金刑が科されます。これを両罰規定といいます。
あわせて、違反行為によって得た財産は没収され、没収できない場合にはその価額が追徴されます。違反によって利益が手元に残るのであれば、制裁の抑止力が働かないからです。
課徴金は、行政上の措置として金銭の納付を命じるもので、刑事手続よりも迅速に適用できる点に特徴があります。刑事罰と課徴金は目的を異にする制度であり、いずれか一方しか用いられないというものではありません。

他の選択肢が誤りである理由
課徴金納付命令に限られ刑事罰が科されないとする記述は誤りです。
違反によって得た財産が没収や追徴の対象とならないとする記述も誤りです。
法人が処罰されることはないとする記述も、両罰規定の存在を見落としており誤りです。

覚え方のポイント
「刑事罰と課徴金の両方、加えて没収・追徴、さらに法人にも罰金」と、制裁が重層的に組み立てられている点を押さえてください。
問101-6

上場会社の役員等による短期売買に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①役員又は主要株主が6か月以内の売買で得た利益は、会社が提供を請求できる。
  • ②役員又は主要株主が1年以内の売買で得た利益は、会社が提供を請求できる。
  • ③この制度の対象となるのは役員のみであり、主要株主は含まれないとされる。
  • ④利益の提供を請求できるのは、重要事実を知って売買した場合に限られている。
答えと解説を見る
正解 ①役員又は主要株主が6か月以内の売買で得た利益は、会社が提供を請求できる。
解説
上場会社等の役員または主要株主が、自己の計算により当該会社の株券等を買い付けた後6か月以内に売り付け、または売り付けた後6か月以内に買い付けて利益を得たときは、その会社は当該利益の提供を請求することができます。これを短期売買利益の返還といいます。
役員や主要株主は、日常的に未公表の情報に接し得る立場にあります。しかし、実際に情報を利用したかどうかを一件ごとに立証することは容易ではありません。
そこで、短期間のうちに反対売買を行って利益を得たという客観的な事実だけを要件とし、情報を利用したかどうかを問わずに利益の返還を求められる仕組みが置かれています。立証の困難を回避しつつ、短期売買そのものを思いとどまらせる効果を狙ったものです。
これに関連して、役員および主要株主は、自社株の売買を行った場合に売買報告書を提出する義務を負います。

他の選択肢が誤りである理由
期間を1年以内とする記述は誤りで、正しくは6か月以内です。
対象が役員のみとする記述も誤りで、主要株主も含まれます。
重要事実を知って売買した場合に限られるとする記述も誤りで、情報を知っていたかどうかは要件ではありません。

覚え方のポイント
「6か月以内の反対売買、役員と主要株主、情報の利用は問わない」の三点で押さえてください。

証券外務員一種の対策問題(全620問)に戻る

※本ページはアクセス解析のためCookieを利用し、その情報を外部(Google)へ送信しています。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。