2026年版・1-15

取引所の市場区分と上場制度の一問一答

証券外務員一種「法令・諸規則」から、取引所の市場区分と上場制度に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-15

金融商品取引所が行う自主規制業務に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①上場及び上場廃止に関する審査や取引参加者の法令遵守状況の調査を適切に行う責務を負う
  • ②市場の開設と売買の執行だけを担い、上場審査については内閣総理大臣が直接行うこととなる
  • ③上場審査は日本証券業協会が担当し、取引所はその結果を受けて上場の可否を決めている
  • ④取引参加者に対する法令遵守状況の調査は証券取引等監視委員会だけが行うこととなる
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正解 ①上場及び上場廃止に関する審査や取引参加者の法令遵守状況の調査を適切に行う責務を負う
解説
金融商品取引所は、単に売買の場を提供するだけの存在ではありません。
金融商品取引法は、取引所に対し、上場及び上場廃止に関する審査、上場会社の情報開示に関する審査、取引参加者の法令や取引所規則の遵守状況の調査といった業務を「自主規制業務」と位置づけ、これを適切に行う責務を課しています。
市場の公正さは、行政の監督だけでは細部まで行き届かず、市場を最もよく知る取引所自身が一次的に規律を担う方が実効性が高いためです。
取引所は、この業務を自主規制法人に委託することもできます。

他の選択肢が誤りである理由
上場審査を内閣総理大臣が直接行うとする記述は誤りで、行政は取引所を監督する立場にとどまります。
上場審査を日本証券業協会が担当するという記述も誤りで、協会は店頭取引や協会員の規律を担う自主規制機関であり、上場審査の主体ではありません。
取引参加者の調査を証券取引等監視委員会だけが行うとする記述も誤りで、同委員会の検査と取引所の自主規制は併存します。

覚え方のポイント
「市場の開設者であると同時に自主規制機関でもある」という二面性が出題の中心です。
行政(金融庁・証券取引等監視委員会)、協会、取引所の役割分担を混同しないようにしましょう。
問21-15

グロース市場に上場する会社に求められる開示に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①上場時に事業計画及び成長可能性に関する事項を開示し、その後も年一回以上更新する
  • ②事業計画及び成長可能性に関する事項の開示は、上場を申請する時に一度行えば足りる
  • ③事業計画及び成長可能性に関する事項の開示は、プライム市場の上場会社に限られる
  • ④事業計画を見直した場合でも、次の定期的な開示の時期までは公表する必要はない
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正解 ①上場時に事業計画及び成長可能性に関する事項を開示し、その後も年一回以上更新する
解説
グロース市場は、高い成長可能性を持つ一方で、事業実績の面では相対的にリスクが高い企業を対象とする市場です。
投資者は過去の実績よりも、その会社がどのような計画で成長を目指し、それがどこまで進んでいるのかを知る必要があります。
そこで取引所は、グロース市場の上場会社に対し、「事業計画及び成長可能性に関する事項」を新規上場の日に開示したうえで、少なくとも一年に一度、進捗状況を反映した最新の内容に更新して開示することを求めています。
また、事業計画を見直した場合など記載内容に重要な変更が生じたときは、次の定期的な開示を待たずに速やかに開示することとされています。

他の選択肢が誤りである理由
上場を申請する時に一度行えば足りるとする記述は誤りで、開示は新規上場の日に行い、上場後も更新した内容を継続して開示します。
プライム市場の上場会社に限られるという記述も誤りで、この開示が求められるのはグロース市場の上場会社です。
重要な変更が生じても次の定期的な開示まで公表を要しないという記述も誤りで、速やかな開示が求められます。

覚え方のポイント
「実績が乏しい分、計画とその進み具合を語り続けることがグロース市場の上場の条件」と理解すると迷いません。
三つの市場区分のうち、この開示が求められるのはグロース市場だけである点を押さえましょう。
問31-15

上場会社が上場する市場区分を変更する場合の取扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①取引所の職権によってのみ行われ、上場会社の側から変更を申請することはできない
  • ②上場会社の申請に基づき、変更先の市場の新規上場基準と同等の審査を経て行われる
  • ③上場維持基準に適合しなくなった会社は、申請を要さず自動的に他の区分へ移される
  • ④上場から十年を経過した会社に限り、取引所の承認を得ずに変更することができる
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正解 ②上場会社の申請に基づき、変更先の市場の新規上場基準と同等の審査を経て行われる
解説
三つの市場区分はそれぞれ独立したコンセプトを持ち、上下の階層として設計されているわけではありません。
そのため、上場会社が別の市場区分へ移ろうとする場合は、自ら市場区分の変更を申請し、変更先の市場の新規上場基準と同等の基準による審査を改めて受ける必要があります。
移る先の市場が投資者に約束している水準を満たしていることを確かめないまま移動を認めれば、その市場を信頼して投資している人の期待を裏切ることになるからです。

他の選択肢が誤りである理由
取引所の職権のみで行われ会社から申請できないとする記述は誤りで、変更は上場会社の申請を出発点とします。
上場維持基準に適合しなくなった会社が自動的に他の区分へ移されるとする記述も誤りで、この場合は改善期間を経てなお適合しなければ上場廃止となります。
上場から十年を経過した会社に限られるという記述も誤りで、経過年数による制限は設けられていません。

覚え方のポイント
「区分の変更=もう一度上場審査を受けるのと同じ」と押さえておけば足ります。
維持基準に届かない場合の行き先は「下の区分」ではなく「上場廃止」である点が、特に間違えやすいところです。
問41-15

取引所による新規上場の審査に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①形式要件の充足のみによって判断され、内部管理体制の有効性が審査されることはない
  • ②グロース市場でも一定額以上の利益を計上していることが形式要件として求められている
  • ③いずれの市場区分でも、一定額以上の売上高を計上していることが形式要件とされている
  • ④形式要件を満たすことを前提に、経営の健全性や開示の適正性などを個別に審査している
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正解 ④形式要件を満たすことを前提に、経営の健全性や開示の適正性などを個別に審査している
解説
新規上場の審査は、二段構えになっています。
まず、株主数や流通株式の数量・時価総額・比率、純資産の額といった数値で機械的に判定できる形式要件があり、これを満たすことが審査を受ける前提となります。
そのうえで、企業経営の健全性、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性、企業内容等の開示の適正性などについて、個別の実態に踏み込んだ実質審査が行われます。
数値だけでは、投資者に正しい情報を届けられる会社かどうかまでは判断できないためです。

他の選択肢が誤りである理由
形式要件の充足のみで判断するという記述は誤りで、内部管理体制の有効性は実質審査の重要な柱です。
グロース市場でも利益の額が形式要件とされるという記述も誤りで、同市場は成長可能性を重視し、利益の額の基準を設けていません。
いずれの市場区分でも売上高の基準があるとする記述も誤りです。プライム市場では利益の額に代えて売上高と時価総額による基準を選ぶことができますが、スタンダード市場は利益の額のみで、グロース市場には利益・売上高いずれの基準もありません。

覚え方のポイント
「形式要件は入口の足切り、実質審査が本番」と覚えます。
収益に関する形式要件は、プライム市場(利益の額、又は売上高と時価総額の組合せ)とスタンダード市場(利益の額)にあり、グロース市場にはないという違いが繰り返し問われます。
問51-15

プライム市場の上場維持基準に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①流通株式時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上を維持することが求められる
  • ②流通株式時価総額10億円以上、流通株式比率25%以上を維持することが求められる
  • ③流通株式時価総額5億円以上、流通株式比率20%以上を維持することが求められる
  • ④流通株式に関する基準は設けられておらず、株主数と売買代金の基準のみが定められている
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正解 ①流通株式時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上を維持することが求められる
解説
上場会社は、新規上場のときだけ基準を満たせばよいのではなく、上場している間ずっと一定の水準を保つことが求められます。
これが上場維持基準で、プライム市場では株主数800人以上、流通株式時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上などが定められています。
流通株式とは、上場株式のうち、経営陣や親会社などが保有する固定的な株式を除いた、市場で実際に流通しうる部分をいいます。
ここに厚みがなければ、機関投資家が安心して売買できる市場にならないため、プライム市場では高い水準が課されています。

他の選択肢が誤りである理由
流通株式時価総額10億円以上・流通株式比率25%以上とする記述は、スタンダード市場の水準であり誤りです。
流通株式時価総額5億円以上・流通株式比率20%以上とする記述も誤りで、グロース市場の流通株式比率は25%以上です。
流通株式に関する基準がないとする記述も誤りで、流通株式に関する基準こそが維持基準の中心です。

覚え方のポイント
流通株式時価総額は、プライム100億円・スタンダード10億円・グロース5億円と桁で覚えると混同しません。
流通株式比率はプライムのみ35%、他は25%です。
問61-15

上場会社が上場維持基準に適合しない状態となった場合の取扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①適合しないことが判明した時点で、改善期間を置かずに直ちに上場廃止が決定される
  • ②改善期間中は当該銘柄の売買が停止され、期間が終わるまで売買することができない
  • ③原則として一年間の改善期間が設けられ、期間内に適合しなければ上場廃止となる
  • ④適合しない状態となった会社は、審査を経ずに他の市場区分へ移されることになる
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正解 ③原則として一年間の改善期間が設けられ、期間内に適合しなければ上場廃止となる
解説
上場維持基準に適合しない状態となっても、その瞬間に上場廃止となるわけではありません。
会社には原則として一年間(売買高に関する基準は六か月間)の改善期間が与えられ、その間に基準へ適合すれば上場は維持されます。
基準割れの原因には株価の変動など会社の努力だけでは動かせない要素も含まれるため、立て直す時間を与えたうえで判断する仕組みになっています。
改善期間内に適合しなかった場合は、監理銘柄・整理銘柄への指定を経て上場廃止となります。

他の選択肢が誤りである理由
直ちに上場廃止が決定されるという記述は誤りで、改善期間が置かれます。
改善期間中は売買が停止されるという記述も誤りで、改善期間中も通常どおり売買できます。売買を止めれば、売却したい投資者の機会を奪うことになるからです。
審査を経ずに他の市場区分へ移されるという記述も誤りで、区分の変更には申請と審査が必要です。

覚え方のポイント
「基準割れ→改善期間→監理銘柄→整理銘柄→上場廃止」という順序で押さえます。
基準割れの行き着く先は下位区分への移動ではなく上場廃止である、という点が要注意です。
問71-15

監理銘柄及び整理銘柄に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①上場廃止が決まった銘柄が監理銘柄、その可能性がある銘柄が整理銘柄に指定される
  • ②上場廃止の可能性がある銘柄が監理銘柄、廃止が決まった銘柄が整理銘柄に指定される
  • ③監理銘柄に指定されると同時に売買が停止され、投資者は売却する機会を失うことになる
  • ④整理銘柄は指定期間中に上場廃止の原因が解消すれば、上場が維持される取扱いとされる
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正解 ②上場廃止の可能性がある銘柄が監理銘柄、廃止が決まった銘柄が整理銘柄に指定される
解説
監理銘柄と整理銘柄は、いずれも投資者への注意喚起のための制度ですが、指定される段階が異なります。
上場廃止基準に該当するおそれがある段階で、その事実を周知するために指定されるのが監理銘柄です。
これに対し、上場廃止がすでに決定した銘柄について、廃止までの間、原則として一定期間指定されるのが整理銘柄です。
整理銘柄の期間を置くのは、保有している投資者に売却して換金する機会を確保するためであり、この間も売買はできます。

他の選択肢が誤りである理由
監理銘柄と整理銘柄の説明を入れ替えた記述は、順序が逆であり誤りです。
監理銘柄に指定されると同時に売買が停止されるという記述も誤りで、指定後も売買はできます。
整理銘柄が指定期間中に上場を維持されうるとする記述も誤りで、整理銘柄はすでに上場廃止が決定した後の指定であり、そこから上場が維持されることはありません。

覚え方のポイント
「監理=まだ分からない段階の注意喚起、整理=廃止が決まった後の売却機会」と覚えます。
どちらの段階でも売買自体は可能である点が繰り返し問われます。
問81-15

特別注意銘柄への指定に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①指定は上場廃止の決定を意味し、その後は整理銘柄を経て必ず上場廃止となる取扱いである
  • ②指定の対象となるのは、上場維持基準の数値に適合しなくなった会社の株券に限られている
  • ③指定は有価証券報告書の提出が遅れた会社に対し、取引所が自動的に行うこととされる
  • ④内部管理体制等の改善の必要性が高い会社の株券が指定され、確認書の提出が求められる
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正解 ④内部管理体制等の改善の必要性が高い会社の株券が指定され、確認書の提出が求められる
解説
特別注意銘柄は、上場廃止に至るほどではないものの、内部管理体制等について改善の必要性が高いと取引所が認めた会社の株券を指定し、投資者に継続的な注意を促す制度です。
虚偽記載や不適切な会計処理などがあった会社について、上場を維持したまま体制の立て直しを求める中間的な手段として設けられています。
指定された会社は、体制の整備・運用の状況を記載した内部管理体制確認書の提出を求められ、取引所が改善の状況を審査します。
改善が認められなければ上場廃止となることもあります。

他の選択肢が誤りである理由
指定が上場廃止の決定を意味するという記述は誤りで、指定はあくまで注意喚起であり、改善されれば解除されます。
上場維持基準の数値に適合しない会社に限られるという記述も誤りで、指定の理由は内部管理体制等の問題です。
有価証券報告書の提出の遅れに対して自動的に指定されるという記述も誤りで、その場合はまず監理銘柄として扱われます。

覚え方のポイント
「特別注意銘柄=会社の中身(内部管理体制)の問題」「監理・整理銘柄=上場廃止基準との関係」という切り分けで整理しましょう。
問91-15

上場会社の決算に関する情報開示について、正しいものはどれか。

  • ①決算の内容が定まった場合は直ちに開示し、期末後四十五日以内の開示が適当である
  • ②決算短信は金融商品取引法に基づく開示書類で、提出期限は期末後三か月以内である
  • ③決算短信の開示は上場会社の任意とされており、取引所の規則上の要請とはされていない
  • ④決算短信は有価証券報告書の提出後に開示することが取引所の規則で定められている
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正解 ①決算の内容が定まった場合は直ちに開示し、期末後四十五日以内の開示が適当である
解説
上場会社は、取引所の規則に基づく適時開示として、決算の内容が定まった場合には直ちにその内容を開示しなければなりません。
そのうえで取引所は、決算短信について、決算期末後四十五日以内の開示が適当であり、三十日以内であればより望ましいという目安を示しています。
決算は投資判断に最も大きな影響を与える情報であり、公表が遅れるほど、内容を知る者と知らない者との間の情報の格差が広がってしまうためです。
開示は取引所が運営する適時開示情報の伝達システムを通じて行われます。

他の選択肢が誤りである理由
決算短信を金融商品取引法に基づく開示書類とする記述は誤りで、法定開示は有価証券報告書であり、その提出期限が事業年度経過後三か月以内です。
決算短信の開示が任意であるとする記述も誤りで、取引所規則に基づく要請です。
有価証券報告書の提出後に開示するという記述も誤りで、決算短信の方が先に開示されます。

覚え方のポイント
「決算短信=取引所規則による適時開示、有価証券報告書=金融商品取引法による法定開示」という対比が出題の軸です。
問101-15

取引所に上場されているETF及びREITの取扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①いずれもプライム市場に上場することとされ、同市場の上場維持基準が適用される
  • ②いずれもプライム・スタンダード・グロースとは別の区分の市場に上場されている
  • ③ETFは市場区分の対象外であるが、REITはスタンダード市場に上場している
  • ④いずれも売買単位が一口に統一されており、銘柄ごとに異なることはない
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正解 ②いずれもプライム・スタンダード・グロースとは別の区分の市場に上場されている
解説
プライム市場・スタンダード市場・グロース市場という三つの区分は、事業を営む会社の株券について設けられたものです。
ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託の投資口)は、事業会社の株券とは性質が異なり、資産の運用を目的とする器そのものが上場されているため、これらとは別の区分の市場に上場されています。
ガバナンスや収益性で会社を評価するという三区分の考え方が、そのままでは当てはまらないからです。
売買や決済の仕組みは株券と同様で、取引所の立会取引で売買できます。

他の選択肢が誤りである理由
いずれもプライム市場に上場するという記述は誤りで、事業会社向けの区分とは別の枠組みです。
ETFのみ対象外でREITはスタンダード市場に上場するという記述も誤りで、どちらも事業会社の三区分には属しません。
売買単位が一口に統一されているという記述も誤りで、内国株券の売買単位が100株に統一されているのとは異なり、銘柄ごとに定められています。

覚え方のポイント
「三区分は事業会社の株券のための区分」と押さえておけば判断できます。
売買単位の統一は内国株券についての話であり、上場商品全般の話ではありません。

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