2026年版・1-10

金融商品の勧誘・販売に関係する法律の一問一答

証券外務員一種「法令・諸規則」から、金融商品の勧誘・販売に関係する法律に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-10

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①説明義務違反があった場合、顧客の側で故意又は過失を立証する必要がある。
  • ②断定的判断の提供は、勧誘の相手方が法人である場合には禁止されない。
  • ③説明義務違反によって顧客に生じた損害の額は、元本欠損額と推定される。
  • ④金融商品販売業者等は、勧誘方針を策定すれば公表までは要しない。
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正解 ③説明義務違反によって顧客に生じた損害の額は、元本欠損額と推定される。
解説
この法律は、金融商品販売業者等が重要事項の説明を怠った場合や断定的判断を提供した場合に、それによって顧客に生じた損害を賠償する責任を負うと定めています。
あわせて、その損害の額は元本欠損額、すなわち投じた元本を下回った額であると推定されます。
民法の一般原則によれば、顧客の側が損害の額を立証しなければなりませんが、金融商品の値動きの原因は複雑で、素人が損害額を計算して示すことは事実上困難です。
そこで推定規定を置き、立証の負担を軽くすることで、賠償責任を実際に機能させています。

他の選択肢が誤りである理由
この法律に基づく損害賠償責任は無過失責任とされており、顧客が業者の故意又は過失を立証する必要はありません。
断定的判断の提供の禁止は相手方が法人であるかどうかで区別されておらず、法人であれば許されるわけではありません。
勧誘方針は、策定するだけでなく公表することまでが義務とされています。

覚え方のポイント
「無過失責任」と「損害額は元本欠損額と推定」の二点が、この法律の骨格です。
説明義務違反は損害賠償、断定的判断は損害賠償に加えて他の法律による取消しの問題にもなり得る、と広がりを押さえておきます。
問21-10

消費者契約法に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①断定的判断の提供により誤認して結んだ契約は、取り消すことができる。
  • ②事業者の損害賠償責任を全部免除する条項も、合意があれば有効となる。
  • ③取消権は、追認をすることができる時から5年間行使することができる。
  • ④消費者契約法は、事業者間で締結される契約についても適用される。
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正解 ①断定的判断の提供により誤認して結んだ契約は、取り消すことができる。
解説
消費者契約法は、事業者が将来の変動が不確実な事項について断定的な判断を提供し、消費者がそれを確実であると誤認して契約を結んだ場合に、その契約を取り消すことができると定めています。
事業者と消費者との間には、情報の量と質、交渉力に構造的な差があります。
必ず値上がりするといった言い方をされれば、判断材料を持たない消費者はそれを信じて契約してしまいます。
そこで、合意があったという形式にとらわれず、誤認の原因を作った事業者側の行為に着目して、契約からの離脱を認めています。

他の選択肢が誤りである理由
事業者の損害賠償責任を全部免除する条項は、合意があっても無効とされます。
取消権は追認をすることができる時から1年間行使しないと消滅し、5年間ではありません。契約締結時から5年という別の期間制限があるため、混同しやすい点です。
消費者契約法は消費者と事業者との間の契約に適用される法律であり、事業者間の契約には適用されません。

覚え方のポイント
取消しの原因は、不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知などに整理できます。
期間は「追認可能時から1年、契約時から5年」と二本立てで覚えます。
問31-10

犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づき、個人の顧客について取引時確認を行う場合、本人特定事項として確認するものはどれか。

  • ①氏名、住居及び職業
  • ②氏名、住居及び年収
  • ③氏名、本籍地及び生年月日
  • ④氏名、住居及び生年月日
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正解 ④氏名、住居及び生年月日
解説
自然人である顧客について、本人特定事項として確認するのは、氏名、住居及び生年月日の三つです。
この三つは、運転免許証などの本人確認書類に記載されており、同姓同名の人物を区別して特定するために必要な最小限の組合せです。
なお、取引時確認では本人特定事項のほかに、取引を行う目的と職業も確認することとされています。
職業は確認事項ではありますが、本人特定事項そのものではないという整理になっており、この区別が出題されます。

他の選択肢が誤りである理由
職業は取引時確認の項目ではあるものの、本人特定事項には含まれません。
年収は通常の取引時確認の項目ではなく、なりすましの疑いがある取引などのハイリスク取引において、資産及び収入の状況として確認が求められるものです。
本籍地は本人特定事項に含まれておらず、確認の対象とされていません。

覚え方のポイント
「本人特定事項は氏名・住居・生年月日の三点」と固定し、それ以外の確認事項と切り分けて覚えます。
法人の場合は名称と本店等の所在地が本人特定事項となり、あわせて事業内容と実質的支配者を確認します。
問41-10

犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく確認記録及び取引記録の保存期間として、正しいものはどれか。

  • ①5年間
  • ②7年間
  • ③10年間
  • ④3年間
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正解 ②7年間
解説
取引時確認を行った際に作成する確認記録は取引終了日等から7年間、取引を行った際に作成する取引記録は取引が行われた日から7年間、それぞれ保存しなければなりません。
マネー・ローンダリングやテロ資金供与は、資金を何段階にも分けて移動させることで出所を分からなくする手口をとります。
そのため、疑わしい資金の流れが後から浮かび上がったときに、過去にさかのぼって経路をたどれることが決定的に重要になります。
7年という期間は、この追跡を可能にするために設定されたものです。

他の選択肢が誤りである理由
5年、10年、3年は、いずれもこの法律が定める保存期間ではありません。
ほかの法令には5年や10年の保存期間を定めるものもありますが、確認記録と取引記録については7年間である点を正確に区別する必要があります。

覚え方のポイント
「確認記録も取引記録も7年間」と、二つの記録をまとめて覚えます。
起算点が、確認記録は取引終了日等、取引記録は取引の行われた日である点もあわせて確認しておきます。
問51-10

疑わしい取引の届出に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①疑わしい取引の届出を行う旨は、あらかじめ顧客に通知する必要がある。
  • ②疑わしい取引の届出は、犯罪の事実が確認できた場合に限って行う。
  • ③疑わしい取引に該当すると判断した場合、行政庁に届け出る義務がある。
  • ④疑わしい取引の届出は、取引を行った日から1年以内に行えば足りる。
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正解 ③疑わしい取引に該当すると判断した場合、行政庁に届け出る義務がある。
解説
特定事業者は、取引で収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるときなどには、速やかに行政庁へ疑わしい取引の届出を行わなければなりません。
この届出は、犯罪であると断定できた場合の通報ではなく、疑いの段階で情報を集約するための仕組みです。
個々の金融機関から見れば不自然な取引にすぎなくても、複数の届出を突き合わせることで資金の流れの全体像が見えてきます。
そのため、判断の基準は確証ではなく合理的な疑いとされています。

他の選択肢が誤りである理由
届出を行おうとすること又は行ったことを顧客等に漏らすことは禁止されており、あらかじめ通知する必要があるという記述は正反対です。
犯罪の事実が確認できた場合に限るとすると、疑いの段階で情報を集めるという制度の目的が果たせません。
届出は速やかに行うものであり、1年以内で足りるという期限は定められていません。

覚え方のポイント
「疑いの段階で、速やかに、顧客には知らせずに届け出る」という三点で整理します。
顧客への告知の禁止は、捜査や分析の妨げを防ぐための重要な仕組みです。
問61-10

勧誘方針に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①金融商品販売業者等は、勧誘方針を定めて公表しなければならない。
  • ②勧誘方針は、監督官庁の承認を受けたうえで公表する必要がある。
  • ③勧誘方針を定める義務は、金融商品取引業者以外には課されていない。
  • ④勧誘方針には、顧客の知識や経験に関する事項を記載してはならない。
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正解 ①金融商品販売業者等は、勧誘方針を定めて公表しなければならない。
解説
金融商品販売業者等は、金融商品の販売等に係る勧誘の適正の確保を図るため、勧誘方針を定め、これを公表しなければなりません。
勧誘方針には、勧誘の対象となる者の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に照らして配慮すべき事項や、勧誘の方法及び時間帯に関して配慮すべき事項などを定めます。
方針を外部に示すことで、業者は自ら掲げた基準に縛られ、顧客はどのような勧誘が行われるかをあらかじめ知ることができます。
行政による事前の統制ではなく、公表を通じた自律と市場の監視によって適正化を図る仕組みです。

他の選択肢が誤りである理由
勧誘方針は各業者が自ら定めるものであり、監督官庁の承認を受けることは求められていません。
この義務は金融商品販売業者等に広く課されており、金融商品取引業者だけに限られていません。
顧客の知識や経験に関して配慮すべき事項は、むしろ勧誘方針に定めるべき中心的な内容です。

覚え方のポイント
「策定して終わりではなく、公表までが義務」という点が問われます。
承認制ではなく自主的な策定と公表による規律である、という性格をあわせて押さえます。
問71-10

個人情報の保護に関する法律に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①個人情報を第三者に提供する場合、本人の同意は常に不要とされている。
  • ②個人情報を取り扱う際には、利用目的をできる限り特定する必要がある。
  • ③要配慮個人情報は、本人の同意がなくても自由に取得することができる。
  • ④個人データの漏えいが生じた場合でも、当局への報告は求められない。
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正解 ②個人情報を取り扱う際には、利用目的をできる限り特定する必要がある。
解説
個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たって、その利用目的をできる限り特定しなければならず、あらかじめ本人の同意を得ないで、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱うことはできません。
利用目的が漠然としていると、本人は自分の情報がどこまで使われるのかを予測できず、提供するかどうかを判断できません。
目的を具体的に定めて示すことが、本人による自己情報のコントロールの出発点になります。
金融機関は取引の過程で多くの情報を取得するため、この原則の重要性が高い分野です。

他の選択肢が誤りである理由
第三者提供には原則として本人の同意が必要であり、法令に基づく場合など限られた例外があるにとどまります。
要配慮個人情報は、病歴や信条など本人に不利益が生じかねない情報であるため、取得の段階から原則として本人の同意が必要です。
個人データの漏えい等が生じ、個人の権利利益を害するおそれが大きい場合には、監督当局への報告と本人への通知が義務付けられています。

覚え方のポイント
「目的を特定し、目的の範囲で使い、第三者提供には同意」という流れで押さえます。
要配慮個人情報は取得の段階から同意が要る、という点が通常の個人情報との違いです。
問81-10

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に基づく重要事項の説明について、正しいものはどれか。

  • ①重要事項の説明は、書面を交付すれば理解の確認までは要しない。
  • ②重要事項の説明は、全ての顧客に対して同一の方法で行う必要がある。
  • ③顧客が説明を要しない旨の意思を表明しても、説明を省略できない。
  • ④重要事項の説明は、顧客の知識や経験等に照らして必要な方法で行う。
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正解 ④重要事項の説明は、顧客の知識や経験等に照らして必要な方法で行う。
解説
重要事項の説明は、顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に照らして、その顧客に理解されるために必要な方法及び程度によって行わなければなりません。
同じ説明であっても、投資経験の長い顧客と初めて金融商品に接する顧客とでは、伝わり方がまったく異なります。
説明した事実さえあればよいとすると、形式だけを整えて実質的には何も伝わっていない状況が生まれます。
そこで、理解されることを目標に据え、相手に応じて説明の方法と程度を変えることが求められています。

他の選択肢が誤りである理由
書面を交付しさえすればよいとすると、顧客に理解されることを求めた規定の趣旨が失われます。
全ての顧客に同一の方法で行うという記述は、相手に応じた説明を求める考え方と正面から矛盾します。
顧客が説明を要しない旨の意思を表明した場合には、説明義務が免除される例外が定められています。

覚え方のポイント
説明の基準は「顧客に理解されるために必要な方法及び程度」という相手方基準です。
例外として、顧客が説明不要の意思を表明した場合と、特定顧客に該当する場合がある点も押さえます。
問91-10

消費者契約法に基づく取消権は、追認をすることができる時から何年間行使しないと時効によって消滅するか。

  • ①1年間
  • ②3年間
  • ③5年間
  • ④10年間
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正解 ①1年間
解説
消費者契約法に基づく取消権は、追認をすることができる時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します。
これとは別に、契約を締結した時から5年を経過したときも取消権は消滅します。
取消しは、いったん成立した契約をさかのぼって無効にする強い効果を持つため、いつまでも行使できる状態を続けると取引の安全が損なわれます。
他方、誤認していた消費者が誤りに気付くまでには時間がかかることもあるため、気付いた時点を起算点とする期間と、契約時からの上限となる期間の二本立てが設けられています。

他の選択肢が誤りである理由
3年間と10年間は、消費者契約法の取消権について定められた期間ではありません。
5年間は契約締結時からの期間制限であり、追認をすることができる時からの期間ではないため、起算点が異なります。

覚え方のポイント
「気付いてから1年、結んでから5年」と二つの期間を対で覚えます。
起算点を入れ替えた選択肢が出題の定番であるため、どちらの時点から数えるのかまで正確に記憶します。
問101-10

犯罪による収益の移転防止に関する法律において、なりすましの疑いがある取引などのハイリスク取引に際し、通常の取引時確認に加えて確認が求められる事項はどれか。

  • ①顧客の家族構成
  • ②資産及び収入の状況
  • ③顧客の本籍地
  • ④取引の担当者名
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正解 ②資産及び収入の状況
解説
なりすましの疑いがある取引や、取引時確認事項を偽っていた疑いがある取引など、いわゆるハイリスク取引に該当する場合には、通常の確認事項に加えて資産及び収入の状況を確認しなければなりません。
また、本人特定事項の確認は通常よりも厳格な方法によって行うこととされています。
資産や収入の状況を確認するのは、その取引の規模が顧客の経済的な実態に見合っているかどうかを判断するためです。
収入に比べて明らかに不釣り合いな金額が動いていれば、資金の出所に疑いを向ける手がかりになります。

他の選択肢が誤りである理由
家族構成は、この法律が定める確認事項として掲げられていません。
本籍地は本人特定事項にも追加の確認事項にも含まれていません。
取引の担当者名は事業者側の内部の情報であり、顧客について確認すべき事項ではありません。

覚え方のポイント
ハイリスク取引の追加要件は「厳格な方法による本人確認」と「資産及び収入の状況の確認」の二本です。
通常の取引時確認の項目と、ハイリスク取引で上乗せされる項目とを分けて整理しておきます。

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