2026年版・1-1

金融商品取引法の目的と有価証券の範囲の一問一答

証券外務員一種「法令・諸規則」から、金融商品取引法の目的と有価証券の範囲に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-1

金融商品取引法の目的に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①金融商品等の公正な価格形成を図り、国民経済の健全な発展と投資者の保護に資することを目的としている。
  • ②金融機関の業務の健全かつ適切な運営を確保し、預金者の保護に資することを目的としている。
  • ③事業者と消費者の情報の質及び量の格差に着目し、消費者の利益の擁護を図ることを主たる目的としている。
  • ④金融商品取引業者の経営基盤を強化し、業界内の公正な競争秩序を確立することを目的としている。
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正解 ①金融商品等の公正な価格形成を図り、国民経済の健全な発展と投資者の保護に資することを目的としている。
解説
金融商品取引法は、企業内容等の開示制度の整備、金融商品取引業者に関する規制、金融商品取引所の適切な運営の確保などを手段として、有価証券の発行・流通と金融商品の取引を公正なものにすることを狙いとしています。
その結果として資本市場が本来の機能を十分に発揮し、公正な価格が形成されることを目指し、最終的な到達点として国民経済の健全な発展と投資者の保護を掲げています。
投資者の保護とは、損をさせないという意味ではなく、投資者が正しい情報に基づいて自己責任で判断できる環境を整えるという意味です。

他の選択肢が誤りである理由
預金者の保護を目的とするのは銀行法であり、金融商品取引法の目的ではありません。
消費者の利益の擁護を掲げるのは消費者契約法の目的であって、本法の目的規定とは異なります。
業界内の競争秩序の確立を目的とする記述も誤りで、本法は業者の利益ではなく市場と投資者を守るための法律です。

覚え方のポイント
目的規定は「国民経済の健全な発展」と「投資者の保護」という二本柱で締めくくられます。この二つの語がそろっているかどうかで正誤を判断できます。
問21-1

次のうち、金融商品取引法上の有価証券に該当しないものはどれか。

  • ①株式会社が発行するコマーシャル・ペーパー
  • ②抵当証券法に規定する抵当証券
  • ③国内の銀行が発行する譲渡性預金証書
  • ④外国法人が発行する譲渡性預金証書
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正解 ③国内の銀行が発行する譲渡性預金証書
解説
譲渡性預金証書は、他人に譲り渡すことができる定期預金の証書です。国内の銀行が発行するものは預金という位置づけであり、金融商品取引法の有価証券の列挙にも政令指定にも含まれていません。
一方で、外国法人が発行する譲渡性預金証書は政令によって有価証券とされています。国内では預金保険や銀行法による規律が及ぶのに対し、外国法人発行のものにはそうした国内法の規律が及ばないため、投資者保護の観点から有価証券として取り込んでいるからです。

他の選択肢が誤りである理由
コマーシャル・ペーパーは短期の資金調達に用いられる約束手形のうち一定のものが有価証券とされており、該当します。
抵当証券も有価証券として明文で掲げられています。
外国法人発行の譲渡性預金証書は、前述のとおり政令により有価証券とされています。

覚え方のポイント
譲渡性預金証書は「国内発行は有価証券ではない、外国法人発行は有価証券」という対比で問われます。発行者が国内か外国かだけで結論が入れ替わる点を押さえてください。
問31-1

金融商品取引法上、いわゆる第二項有価証券(同法第2条第2項各号に掲げる権利)に該当するものはどれか。

  • ①投資信託の受益証券
  • ②合同会社の社員権
  • ③新株予約権証券
  • ④優先出資証券
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正解 ②合同会社の社員権
解説
金融商品取引法は、有価証券を第2条第1項に列挙された証券・証書と、第2条第2項各号に掲げる権利とに分けています。前者を第一項有価証券、後者を第二項有価証券と呼びます。
第二項有価証券は、信託の受益権、合名会社・合資会社・合同会社の社員権、集団投資スキーム持分など、証券が発行されず流通性が低い権利が中心です。合同会社の社員権はこの類型に含まれます。
流通性が低いことを踏まえ、開示規制の人数基準など、第一項有価証券とは異なる扱いが定められています。

他の選択肢が誤りである理由
投資信託の受益証券、新株予約権証券、優先出資証券は、いずれも第2条第1項に列挙された第一項有価証券です。
これらは市場で売買されることが想定される流通性の高い証券であり、第二項有価証券には含まれません。

覚え方のポイント
「証券として発行され市場で流通するものは第一項、持分や受益権のように相対で移転するものは第二項」という整理が有効です。
問41-1

有価証券に表示されるべき権利について、券面が発行されていない場合の取扱いとして正しいものはどれか。

  • ①券面が発行されていない間は有価証券として扱われず、券面の発行後に初めて規制の対象となる。
  • ②券面が発行されていない場合は、権利者が発行会社に対して券面の発行を請求しなければならない。
  • ③振替制度を利用する場合に限り、券面がなくても有価証券として扱われる取扱いとなっている。
  • ④券面が発行されていない場合であっても、その権利は有価証券とみなされて規制の対象となる。
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正解 ④券面が発行されていない場合であっても、その権利は有価証券とみなされて規制の対象となる。
解説
金融商品取引法は、第2条第1項に掲げる有価証券に表示されるべき権利について、券面が発行されていない場合でもその権利自体を有価証券とみなすと定めています。
上場株式や国債の多くは振替制度によって管理され、実際の券面は存在しません。もし券面がなければ有価証券ではないとすると、市場で日々売買されている資産の大半が法の規制の外に置かれてしまいます。
そこで、権利の実質に着目してみなし規定を置き、開示規制や不公正取引の規制が切れ目なく及ぶようにしています。

他の選択肢が誤りである理由
券面の発行後に初めて規制の対象になるとする記述は、みなし規定の存在を否定するもので誤りです。
券面の発行を請求しなければならないという義務は課されていません。
振替制度を利用する場合に限るという限定もなく、券面が発行されていないこと自体で足ります。

覚え方のポイント
ここでいうみなし有価証券は、あくまで第一項有価証券に表示されるべき権利であり、第二項有価証券とは別の話です。二つのみなしを混同しないでください。
問51-1

集団投資スキーム持分(いわゆるファンド持分)に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①民法上の組合契約に基づく権利は、出資者が事業の収益の配当を受けるものであっても含まれない。
  • ②匿名組合契約に基づく権利で、出資者が事業から生じる収益の配当を受けるものはこれに含まれる。
  • ③株式会社の株式のうち、譲渡制限が付されているものはこの持分として取り扱われることになる。
  • ④投資事業有限責任組合契約に基づく権利は、出資した法人が業務を執行する場合に限り該当する。
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正解 ②匿名組合契約に基づく権利で、出資者が事業から生じる収益の配当を受けるものはこれに含まれる。
解説
集団投資スキーム持分とは、他者から金銭等の出資を受け、その出資を用いて行う事業から生じる収益の配当や財産の分配を受けることができる権利をいいます。
契約の法形式は問わず、民法上の組合、匿名組合、投資事業有限責任組合、有限責任事業組合など、どの形をとっていても実質が投資であれば該当します。
形式によって規制の適用が変わると容易に脱法ができてしまうため、実質で捉える広い定義が置かれているのです。これは第二項有価証券に分類されます。

他の選択肢が誤りである理由
民法上の組合契約に基づく権利も、収益の配当を受けるものであれば集団投資スキーム持分に含まれます。
株式会社の株式は譲渡制限の有無にかかわらず第一項有価証券であり、この持分ではありません。
投資事業有限責任組合契約に基づく権利は明文で掲げられており、出資者が法人か個人か、業務を執行するかどうかで結論は変わりません。

覚え方のポイント
「出資を集め、事業を行い、収益を分配する」という三つの要素がそろえば集団投資スキーム持分だと判断できます。
問61-1

金融商品取引法上のデリバティブ取引に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①デリバティブ取引は、市場・店頭・外国市場の三つの類型に分けて定義されている。
  • ②金融商品市場を通さずに相対で行われる取引は、デリバティブ取引の定義には含まれない。
  • ③スワップ取引は対象資産の受渡しを伴わないため、デリバティブ取引には含まれない。
  • ④外国の金融商品市場で行われる取引は、店頭デリバティブ取引として分類される。
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正解 ①デリバティブ取引は、市場・店頭・外国市場の三つの類型に分けて定義されている。
解説
金融商品取引法は、デリバティブ取引を市場デリバティブ取引、店頭デリバティブ取引、外国市場デリバティブ取引の三つの総称として定義しています。
市場デリバティブ取引は国内の金融商品市場において取引所の定める基準と方法に従って行うもの、外国市場デリバティブ取引は外国の市場で行うもの、店頭デリバティブ取引はこれらの市場によらず相対で行うものです。
取引の場所によって取引所の清算機能が働くかどうかが変わり、負うリスクも異なるため、三つに分けて定義したうえで規制の内容に差を設けています。

他の選択肢が誤りである理由
相対で行われる取引は店頭デリバティブ取引として定義に含まれており、除外されていません。
スワップ取引は元本や指標に基づく金銭の授受を約する取引として明文で掲げられており、デリバティブ取引に含まれます。
外国市場で行われる取引は、店頭ではなく外国市場デリバティブ取引として整理されます。

覚え方のポイント
三類型は「どこで取引するか」で分かれます。国内市場、外国市場、市場によらない相対、という順で押さえてください。
問71-1

新たに発行される有価証券の取得勧誘が募集に該当するかどうかの基準に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①第一項有価証券と第二項有価証券のいずれも、勧誘の相手方が50名以上を基準とする。
  • ②第一項有価証券は勧誘の相手方が500名以上、第二項有価証券は50名以上を基準とする。
  • ③第一項有価証券は相手方の人数にかかわらず、発行総額の大小のみによって募集かどうかが決まる。
  • ④第一項有価証券は相手方が50名以上、第二項有価証券は取得者が500名以上を基準とする。
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正解 ④第一項有価証券は相手方が50名以上、第二項有価証券は取得者が500名以上を基準とする。
解説
募集とは、新たに発行される有価証券の取得の申込みの勧誘のうち、多数の投資者を相手方とするものをいいます。多数に及ぶ場合には情報格差が大きくなるため、発行者に開示を求める必要が高まるからです。
第一項有価証券については、勧誘の相手方が50名以上である場合が基準となります。
これに対し第二項有価証券は流通性が低く、投資者が転々と取得する場面が想定しにくいため、基準が緩和され、勧誘に応じることで500名以上の者が所有することとなる場合が基準とされています。

他の選択肢が誤りである理由
両者を一律に50名以上とする記述は、第二項有価証券の緩和された基準を無視しており誤りです。
第一項を500名以上、第二項を50名以上とする記述は、二つの基準を入れ替えた誤りです。
人数を問わず発行総額のみで決まるとする記述も誤りで、発行総額は届出の要否に関わる別の基準です。

覚え方のポイント
「流通性の高い第一項は少ない人数から、流通性の低い第二項は多い人数から」と、流動性の高低と人数の大小が逆になる点で覚えると混同しません。
問81-1

金融商品取引法上の有価証券の範囲に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  • ①新株予約権証券は、株券と同様に金融商品取引法上の有価証券に含まれる。
  • ②外国法人が発行する譲渡性預金証書は、政令により有価証券とされている。
  • ③商取引の決済に用いられる一般の約束手形は、有価証券として規制される。
  • ④投資法人が発行する投資証券は、金融商品取引法上の有価証券に含まれる。
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正解 ③商取引の決済に用いられる一般の約束手形は、有価証券として規制される。
解説
金融商品取引法上の有価証券は、第2条第1項に個別に列挙されたものと、政令で指定されたもの、そして第2条第2項各号に掲げる権利に限られます。
商取引の決済に用いられる一般の約束手形は、手形法上の有価証券ではあっても、投資の対象として流通することが想定されていないため、金融商品取引法上の有価証券には含まれません。
ただし、短期の資金調達手段として発行される約束手形のうち一定のもの、いわゆるコマーシャル・ペーパーは有価証券とされています。同じ約束手形でも、投資商品としての性格を持つかどうかで扱いが分かれます。

他の選択肢が誤りである理由
新株予約権証券は第一項有価証券として明文で掲げられており、正しい記述です。
外国法人が発行する譲渡性預金証書は政令により有価証券とされており、これも正しい記述です。
投資法人が発行する投資証券も第一項有価証券に含まれ、正しい記述です。

覚え方のポイント
約束手形は原則として対象外、コマーシャル・ペーパーは対象内、という例外関係で整理してください。
問91-1

有価証券関連デリバティブ取引に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①株価指数を対象とする先物取引は、有価証券関連デリバティブ取引に該当する。
  • ②通貨を対象とするスワップ取引は、有価証券関連デリバティブ取引に該当する。
  • ③金や原油を対象とする商品先物取引は、有価証券関連デリバティブ取引に該当する。
  • ④銀行間の金利を対象とする先渡取引は、有価証券関連デリバティブ取引に該当する。
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正解 ①株価指数を対象とする先物取引は、有価証券関連デリバティブ取引に該当する。
解説
有価証券関連デリバティブ取引とは、デリバティブ取引のうち、有価証券そのものや有価証券の価格に基づいて算出される指数などを対象とするものをいいます。
株価指数は上場株式の価格から算出される指数であり、これを対象とする先物取引は有価証券関連デリバティブ取引に当たります。
この区分が置かれているのは、株式など有価証券の価格に直結する取引が相場操縦やインサイダー取引の温床になりやすく、有価証券本体の取引と一体として規制する必要があるためです。銀行等が原則としてこの取引を行えないという規制も、この区分を前提としています。

他の選択肢が誤りである理由
通貨を対象とするスワップ取引は、対象が有価証券でも有価証券に係る指数でもないため該当しません。
金や原油を対象とする商品先物取引も、対象が商品であって有価証券ではありません。
金利を対象とする先渡取引も、金利は有価証券の価格から算出される指数ではないため該当しません。

覚え方のポイント
判断の分かれ目は「対象が有価証券またはその価格に基づく指数かどうか」の一点です。通貨・金利・商品は対象外と整理してください。
問101-1

有価証券届出書の提出が必要となる場合に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①発行価額の総額が1,000万円以上の募集を行う場合には、原則として届出が必要となる。
  • ②発行価額の総額にかかわらず、いかなる募集を行う場合にも、届出が必要となる。
  • ③発行価額の総額が5億円以上となる募集を行う場合に限って、届出が必要となる。
  • ④発行価額の総額が1億円以上の募集を行う場合には、原則として届出が必要となる。
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正解 ④発行価額の総額が1億円以上の募集を行う場合には、原則として届出が必要となる。
解説
有価証券届出書は、投資者が投資判断を行うための情報を発行者に開示させる発行開示制度の中核となる書類です。
もっとも、規模の小さい資金調達についてまで詳細な開示を求めると、発行者の負担が投資者保護の必要性に見合わなくなります。そこで、募集または売出しの発行価額の総額が1億円以上となる場合に届出を求める仕組みが採られています。
1億円未満であっても一定の規模を超える場合には、より簡易な通知書の提出が求められる仕組みが用意されており、規模に応じて開示の重さを段階的に変えている点が特徴です。

他の選択肢が誤りである理由
1,000万円以上を届出の基準とする記述は誤りで、この水準は簡易な通知書の提出に関わる基準です。
総額にかかわらず常に届出が必要とする記述は、少額発行に対する適用除外を無視しており誤りです。
5億円以上に限るとする記述も、基準額を過大に示しており誤りです。

覚え方のポイント
発行開示の基準額は1億円が出発点です。人数の基準(第一項有価証券は50名以上)と金額の基準(1億円以上)は別の判定であり、両方を満たして初めて届出が必要になる点を意識してください。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。