2026年版・1-1

労働安全衛生法の目的と事業者の責務の一問一答

第二種衛生管理者試験「関係法令」から、労働安全衛生法の目的と事業者の責務に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-1

労働安全衛生法第1条に定めるこの法律の目的に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働組合の結成及び団体交渉権の保障を通じて、使用者との労使関係における対等な地位を確立することのみを唯一絶対の目的とする。
  • ②労働災害の防止のための危害防止基準の確立等を講じ、労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。
  • ③労働者の賃金・労働時間等の労働条件の最低基準を定めることによって、労働者の生活の安定と向上のみを専ら図ることを目的とする。
  • ④事業者の事業活動全般を厳格に規制した上で、労働災害を発生させた事業者に対してのみ厳格な罰則をのみ科すことのみを唯一の目的とする。
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正解 ②労働災害の防止のための危害防止基準の確立等を講じ、労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。
解説
労働安全衛生法1条は、労働基準法と相まって、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とすると定めています。

他の選択肢が不適切な理由
労働条件の最低基準そのものを定めるのは労働基準法の役割です。罰則を科すことのみを目的とする記述や、労働組合・団体交渉権の保障は本法の目的とは異なります。
問21-1

労働安全衛生法上の「労働災害」の定義に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働者が通勤の途上で交通事故等に遭い負傷した場合のみをいい、事業場内で発生した業務上の事故は一切含まれないものとされている。
  • ②労働者の就業に係る建設物、設備、原材料等により、又は作業行動その他業務に起因し、労働者が負傷し、疾病にかかり、死亡することをいう。
  • ③労働者以外の第三者が事業場内で偶然に負傷した場合のみを、広くすべて労働災害として一律にのみ取り扱うべきものとも明確に定められている。
  • ④事業者が故意かつ計画的に労働者へ損害を与えようとした結果として生じた負傷又は疾病のみに限り、労働災害というものとされている。
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正解 ②労働者の就業に係る建設物、設備、原材料等により、又は作業行動その他業務に起因し、労働者が負傷し、疾病にかかり、死亡することをいう。
解説
労働安全衛生法2条1号により、労働災害とは、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいうと定義されています。

他の選択肢が不適切な理由
通勤途上の災害のみに限定する記述、事業者の故意を要件とする記述、労働者以外の第三者を含める記述は、いずれも定義と異なります。
問31-1

労働安全衛生法上の「事業者」の定義に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①現場で実際に指揮監督を行う職長など、管理職の地位にある個人を指す用語とされる。
  • ②労働安全衛生法上、事業を行う者であり、労働者を使用するものをいう。
  • ③労働組合との間で労働協約を締結した使用者団体のみを指す用語であるとされる。
  • ④国及び地方公共団体を除き、株式会社形態を採る企業を指す用語である。
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正解 ②労働安全衛生法上、事業を行う者であり、労働者を使用するものをいう。
解説
労働安全衛生法2条3号により、事業者とは、事業を行う者で、労働者を使用するものをいうと定義されています。労働基準法上の「使用者」とは異なり、法人そのもの又は個人事業主を指し、事業経営の利益の帰属主体として法的責任を負う点が特徴です。

他の選択肢が不適切な理由
職長など現場の管理職個人は事業者には該当しません。株式会社に限定する記述や、労働組合との協約締結団体に限定する記述も定義とは異なります。
問41-1

労働安全衛生法第3条に定める事業者の責務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①単に法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて、労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。
  • ②事業者の責務は、当該事業場の規模が常時50人以上に達している場合に限って初めて発生するものとされており、それ未満の小規模な事業場には一切適用されないものとされている。
  • ③労働災害の防止に関する措置は、法令に定める最低基準さえ満たしていれば、それ以上の対応は常に一切不要であり、追加的な努力は一切求められていないものとされる。
  • ④労働災害の防止は、専ら国のみが単独かつ全面的に負うべき責務であるとされており、事業者には一次的にも二次的にもいかなる責務も一切課されていないとされている。
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正解 ①単に法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて、労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。
解説
労働安全衛生法3条1項は、事業者は法定の最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならないと定めています。事業場の規模にかかわらず、すべての事業者に課される基本理念です。

他の選択肢が不適切な理由
最低基準の遵守のみで足りるとする記述、常時50人以上に限定する記述、国のみが責務を負うとする記述は、いずれも条文の趣旨と異なります。
問51-1

労働安全衛生法第4条に定める労働者の責務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働者は、労働災害を防止するため必要な事項を守るほか、事業者等が実施する防止措置に協力するように努めなければならない。
  • ②労働者の責務は、事業場において衛生管理者に選任された特定の労働者のみにしか一切課されないものとされている。
  • ③労働者は、事業者から個別に指示された安全衛生上の措置についてのみ従っていればよく、自ら注意する義務は一切ないとされる。
  • ④労働者には、労働災害の防止に関して事業者に協力すべき法律上の義務は、一切定められていないものとされている。
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正解 ①労働者は、労働災害を防止するため必要な事項を守るほか、事業者等が実施する防止措置に協力するように努めなければならない。
解説
労働安全衛生法4条は、労働者に対しても労働災害を防止するため必要な事項を守るほか、事業者その他の関係者が実施する労働災害の防止に関する措置に協力するよう努めることを求めています。

他の選択肢が不適切な理由
労働者に協力の努力義務が課されている以上、協力義務が一切ないとする記述は誤りです。自ら注意する義務がないとする記述、衛生管理者にのみ課されるとする記述も条文の内容と異なります。
問61-1

労働安全衛生法の制定の経緯に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働安全衛生法は、民法における使用者責任の規定のすべてを全面的に置き換える目的で、独自に新たに制定された。
  • ②労働安全衛生法は、刑法に定める業務上過失致死傷罪の規定のみを全面的に廃止する目的だけで独自にも制定された。
  • ③労働安全衛生法は、労働基準法とほぼ同時期に、労働基準法とは全く無関係な独立した別個の法律として新たに制定された。
  • ④労働安全衛生法は、労働基準法の第5章(安全及び衛生)が独立・発展する形で、1972年(昭和47年)に制定された。
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正解 ④労働安全衛生法は、労働基準法の第5章(安全及び衛生)が独立・発展する形で、1972年(昭和47年)に制定された。
解説
労働安全衛生法は、それまで労働基準法の第5章に置かれていた安全及び衛生に関する規定を独立・拡充させる形で、1972年(昭和47年)に制定されました。労働基準法とは「相まって」労働者の安全と健康を確保する関係にあります。

他の選択肢が不適切な理由
労働基準法と無関係とする記述、民法の使用者責任を置き換えるとする記述、刑法の規定を廃止する目的とする記述は、いずれも制定の経緯や趣旨と異なります。
問71-1

労働安全衛生法における「快適な職場環境の形成」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①快適な職場環境の形成に関する努力義務は、常時使用する労働者数が1000人を超える大規模な事業場のみに課される。
  • ②快適な職場環境の形成は、労働災害の防止措置とは全く無関係な独立した概念として法律上位置付けられている。
  • ③快適な職場環境の形成は、労働基準監督署長のみが事業者に代わって単独で直接実施すべきものと明確にされている。
  • ④事業者は、法1条の目的規定において、快適な職場環境の形成を促進することが明確に位置付けられているとされる。
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正解 ④事業者は、法1条の目的規定において、快適な職場環境の形成を促進することが明確に位置付けられているとされる。
解説
労働安全衛生法1条は、労働災害の防止に関する対策を推進することにより、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的の一つとして掲げています。

他の選択肢が不適切な理由
快適な職場環境の形成を労働基準監督署長が直接実施するという記述、事業場規模で努力義務の有無が分かれるとする記述、労働災害防止措置と無関係とする記述は、いずれも法の位置付けと異なります。
問81-1

労働災害防止計画に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①労働災害防止計画は、一度策定されると法改正が行われるまでの間は、内容を決して見直すことができないとされている。
  • ②厚生労働大臣は、労働災害の防止のための主要な対策に関する事項等を定めた労働災害防止計画を策定するものとされている。
  • ③労働災害防止計画を策定する権限は、厚生労働大臣ではなく各都道府県知事にそれぞれ与えられているとされている。
  • ④労働災害防止計画は、各事業場が独自の判断のみで作成し、所轄の労働基準監督署長へ届け出るべき書類であるとされている。
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正解 ②厚生労働大臣は、労働災害の防止のための主要な対策に関する事項等を定めた労働災害防止計画を策定するものとされている。
解説
労働安全衛生法6条により、厚生労働大臣は、労働災害の防止のための主要な対策に関する事項等を内容とする労働災害防止計画を策定するものとされています。

他の選択肢が不適切な理由
労働災害防止計画は各事業場が作成する書類ではありません。定期的に見直しが行われており、内容を固定的なものとする記述や、策定権限を都道府県知事とする記述も誤りです。
問91-1

労働安全衛生法における「事業場」の考え方に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①事業場の規模は、常時使用する労働者数ではなく、専ら資本金の額のみによって一律に判定されるものと明確にされる。
  • ②事業場という考え方は、労働基準法には存在するが、労働安全衛生法上には全く一切存在しないものと明確にされている。
  • ③事業場とは、企業全体を1単位としてのみ捉える概念であり、支店や工場ごとには一切決して分けて考えないものとされている。
  • ④衛生管理者の選任義務等の各種義務は、原則として本社・支店・工場等の場所的に独立した単位である事業場ごとに適用される。
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正解 ④衛生管理者の選任義務等の各種義務は、原則として本社・支店・工場等の場所的に独立した単位である事業場ごとに適用される。
解説
労働安全衛生法上の各種義務は、原則として本社・支店・工場・営業所など、場所的に独立して業務が行われている単位である「事業場」ごとに適用されます。同一の企業であっても、事業場が異なれば別個に衛生管理者の選任等が必要になります。

他の選択肢が不適切な理由
企業全体を1単位とする記述、資本金の額で規模を判定するとする記述、労働安全衛生法に事業場の概念が存在しないとする記述は、いずれも誤りです。
問101-1

労働安全衛生法に基づく快適な職場環境の形成のための国の援助に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①国が行う快適な職場環境形成のための援助は、常時1000人以上の労働者を使用する大規模な事業場に対してのみ限られているものとされている。
  • ②快適な職場環境の形成は事業者の自助努力のみに委ねられており、国が技術上の助言や資料の提供等の援助を行うことは一切想定されていない。
  • ③国は、事業者が講ずる快適な職場環境形成のための措置に資するため、金融上の措置や技術上の助言、資料提供等の援助に努めるものとされている。
  • ④快適な職場環境形成のための国の援助は、都道府県労働局長がその裁量のみにより行う恒久的な法的義務であり、努力義務ではないとされている。
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正解 ③国は、事業者が講ずる快適な職場環境形成のための措置に資するため、金融上の措置や技術上の助言、資料提供等の援助に努めるものとされている。
解説
労働安全衛生法71条の4は、国は、事業者が講ずる快適な職場環境を形成するための措置の適切かつ有効な実施に資するため、金融上の措置、技術上の助言、資料の提供その他の必要な援助を行うように努めるものとすると定めています。快適な職場環境の形成は、平成4年(1992年)の法改正で事業者の努力義務として明確化された制度であり、国はその実施を支援する立場にあります。

他の選択肢が不適切な理由
この援助は事業場の規模を問わず対象となるため、大規模事業場に限定する記述は誤りです。国による援助の規定が実際に存在する以上、援助を一切行わないとする記述も誤りです。援助は国の努力義務であり、都道府県労働局長の裁量による恒久的な法的義務とする記述も条文の趣旨と異なります。

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