2026年版・5-10

体温調節機能の一問一答

第一種衛生管理者試験「労働生理」から、体温調節機能に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-10

体温を一定に保つための調節中枢に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①体温調節の中枢は間脳の視床下部にあり、産熱と放熱のバランスを調節することで体温をほぼ一定に保っている
  • ②体温調節の中枢はそもそも小脳のほうにあり、主に体の平衡感覚とともにのみ体温をずっと調節している
  • ③体温調節の中枢はそもそも心臓にあるとされ、心拍数の変化のみによって体温をずっと一定に保っている
  • ④体温調節を専門に担う中枢は全く存在しておらず、各臓器がそれぞれ独立していつも体温を決定していることになる
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正解 ①体温調節の中枢は間脳の視床下部にあり、産熱と放熱のバランスを調節することで体温をほぼ一定に保っている
解説
体温調節の中枢は間脳の視床下部にあり、体温が上がりすぎたり下がりすぎたりしないよう、熱を作り出す産熱と熱を逃がす放熱のバランスを自律神経などを通じて調節し、体温をほぼ一定に保つ働きをしています。

他の選択肢が不適切な理由
体の平衡感覚を主に調節するのは小脳であり、体温調節の中枢は視床下部です。心臓は血液循環を担う臓器であり、体温調節の中枢ではありません。体温調節は視床下部という特定の中枢によって統合的に行われています。
問25-10

体内で熱を作り出す産熱に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①産熱は体の皮膚の表面でのみずっと行われ続けているとされ、肝臓や筋肉での代謝は体温には全く影響しないことになる
  • ②安静にしているときは肝臓での代謝が主要な産熱源となり、運動しているときは筋肉での代謝による産熱の割合が大きくなる
  • ③産熱量はいつも変わらず常に一定であるとされ、安静時と運動時とで産熱の割合が変化することは決してありえないとされている
  • ④産熱は主に骨によってのみずっと行われているとされ、肝臓や筋肉は産熱にはほとんど全く寄与しないことになっている
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正解 ②安静にしているときは肝臓での代謝が主要な産熱源となり、運動しているときは筋肉での代謝による産熱の割合が大きくなる
解説
体内の熱の多くは各臓器や組織の代謝活動によって作られ、安静にしているときは代謝が活発な肝臓が主要な産熱源となる一方、運動を行っているときは筋肉の活動量が増えるため筋肉での産熱の割合が大きく増加します。

他の選択肢が不適切な理由
産熱は皮膚だけでなく肝臓や筋肉など体内の様々な組織の代謝によって行われます。産熱量は活動の状態によって変化し、安静時と運動時とでは産熱源の割合も変わります。産熱の主要な源は肝臓や筋肉などの代謝活動であり、骨が主体ではありません。
問35-10

体外へ熱を逃がす放熱の方法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①放熱は汗が蒸発するときのみにいつもずっと限られているとされ、放射や対流による熱の放散は全く存在しないとされる
  • ②放熱は体温が上がったときには一切起こらず、いつも体温が下がったときにのみ限って起こる特殊な現象なのだと考えられているよ
  • ③放熱には、熱が周囲に直接放散される放射や、空気の対流、そして汗などの水分が蒸発する際に熱を奪う気化など複数の経路がある
  • ④放熱は肺からの呼気によってのみいつもずっと行われているのであって、皮膚からの放熱のほうは全く存在しないことになる
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正解 ③放熱には、熱が周囲に直接放散される放射や、空気の対流、そして汗などの水分が蒸発する際に熱を奪う気化など複数の経路がある
解説
体から熱を逃がす放熱には、体表から周囲へ熱が直接放散される放射、皮膚に接する空気の動きによる伝導・対流、そして汗や不感蒸泄などの水分が蒸発する際に周囲の熱を奪う気化(蒸発)など、複数の経路が組み合わさって働いています。

他の選択肢が不適切な理由
放熱は汗の蒸発だけでなく放射や対流など複数の経路によって行われます。放熱は体温が上がったときに特に活発になる現象であり、体温が下がったときにのみ起こるものではありません。放熱は皮膚からも呼気からも行われ、呼気のみに限定されるものではありません。
問45-10

発汗によって体温が下がる仕組みに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①汗が皮膚の表面にとどまり蒸発しないことで、皮膚の温度をそのまま直接ずっと下げる
  • ②発汗は体温を下げる働きとは無関係であり、単に体内の水分をそのまま排出するためだけに行われる
  • ③発汗によって体温が下がるのは、汗そのものがもともと冷たい液体として分泌されるためである
  • ④皮膚の表面から汗が蒸発する際に周囲の熱を奪う気化熱の働きにより、体温の上昇が抑えられる
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正解 ④皮膚の表面から汗が蒸発する際に周囲の熱を奪う気化熱の働きにより、体温の上昇が抑えられる
解説
汗は分泌された時点では体温とほぼ同じ温度の液体ですが、皮膚の表面で液体から気体へと蒸発する際に周囲から気化熱を奪うため、この作用によって皮膚表面や体の温度の上昇を抑える効果が生まれます。

他の選択肢が不適切な理由
汗が体温を下げる効果を発揮するのは蒸発するときであり、皮膚にとどまったままでは効果的に体温を下げられません。発汗は体温調節の重要な仕組みの一つであり、単なる水分排出のためだけに行われるものではありません。汗自体は冷たい液体として分泌されるわけではなく、蒸発時の気化熱によって冷却効果が生まれます。
問55-10

発汗を自覚しない状態でも皮膚や呼気から水分が失われる現象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①この現象は不感蒸泄と呼ばれ、汗をかいたと自覚しない状態でも皮膚や呼気から常に一定の水分が蒸発している
  • ②この現象は発汗とも全く同じ意味の言葉であるとされ、両者を区別する必要は全くない同一の現象なのだとされている
  • ③この現象は体温が下がっているときにのみいつも起こり、体温が高いときには全く起こらないとされている
  • ④この現象は皮膚からのみいつも起こるものであり、呼気から水分が失われることは全くないとされている
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正解 ①この現象は不感蒸泄と呼ばれ、汗をかいたと自覚しない状態でも皮膚や呼気から常に一定の水分が蒸発している
解説
不感蒸泄とは、発汗として自覚されることのない、皮膚や呼気から常に行われている水分の蒸発のことで、これによっても体温調節に関わる熱の放散が一定程度行われています。

他の選択肢が不適切な理由
不感蒸泄は自覚を伴う発汗とは区別される現象であり、両者は同じ言葉ではありません。不感蒸泄は体温の高低にかかわらず常に一定程度起こっている現象です。不感蒸泄は皮膚だけでなく呼気からの水分の喪失も含む現象です。
問65-10

寒い環境に置かれたときの体の反応に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①寒冷な環境では皮膚の血管のほうがむしろ拡張しており、放熱を増やすことで体温をさらにどんどん下げようとしていく
  • ②寒冷な環境では皮膚の血管が収縮していつも放熱を減らすとともに、筋肉が小刻みに震える(ふるえ)ことで産熱を増やそうとする
  • ③寒冷な環境では発汗量が著しく増加しているとされ、体温をできるだけすぐに早く下げようとする反応がすぐに起こる
  • ④寒冷な環境に置かれても、体温調節のための反応はいつも一切起こらず体温は外気温とそのまま同じになるとされているとみられる
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正解 ②寒冷な環境では皮膚の血管が収縮していつも放熱を減らすとともに、筋肉が小刻みに震える(ふるえ)ことで産熱を増やそうとする
解説
寒い環境に置かれると、体は熱を逃がさないよう皮膚の血管を収縮させて放熱を減らすとともに、骨格筋を小刻みに収縮させる、いわゆる「ふるえ」によって産熱量を増やし、体温の低下を防ごうとします。

他の選択肢が不適切な理由
寒冷な環境では血管は拡張ではなく収縮して放熱を抑える方向に働きます。寒冷な環境では発汗はむしろ抑えられ、体温をさらに下げるような反応は起こりません。人の体には自律性の体温調節機能が備わっており、外気温にそのまま体温が同化するわけではありません。
問75-10

暑い環境に置かれたときの体の反応に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①暑熱な環境では皮膚の血管が収縮しているとされ、体内に熱をため込むことで体温をさらにどんどん上げようとしていくよ
  • ②暑熱な環境では筋肉のふるえがいつも増加しているとされ、産熱を増やすことで体温をさらに上げようとしていく
  • ③暑熱な環境では皮膚の血管がいつも拡張して放熱を増やすとともに、発汗が促進されることで体温の上昇を抑えようとする
  • ④暑熱な環境に置かれても発汗量は全く変化しないとされ、常に一定の量にそのままいつもずっと保たれることになる
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正解 ③暑熱な環境では皮膚の血管がいつも拡張して放熱を増やすとともに、発汗が促進されることで体温の上昇を抑えようとする
解説
暑い環境に置かれると、体は皮膚の血管を拡張させて血流を増やし放射・伝導による放熱を高めるとともに、発汗を促進して気化熱による冷却効果を高めることで、体温が上がりすぎないよう調節しています。

他の選択肢が不適切な理由
暑熱な環境では血管は収縮ではなく拡張して放熱を促進する方向に働きます。暑熱な環境で筋肉のふるえが増加することは通常なく、むしろ産熱を抑える方向に調節されます。暑熱な環境では発汗量は増加し、体温上昇を抑える働きをします。
問85-10

体温が外部環境の変化にかかわらずほぼ一定に保たれる性質に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①このような性質は体温にのみいつもずっと見られる特殊な現象なのだとされており、血糖値や血圧などには全く当てはまらない
  • ②体温が一定に保たれるのはいつも単なる偶然の結果にすぎないとされ、体には体温を積極的に調節する仕組みなど全く備わっていないよ
  • ③体温を一定に保つ性質は加齢とともにどんどん強くなっていくとされており、高齢者ほど体温調節能力がずっと高くなっていく
  • ④このように体内の環境を一定の範囲に保とうとする性質はホメオスタシス(恒常性)と呼ばれ、体温調節はその代表的な例の一つである
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正解 ④このように体内の環境を一定の範囲に保とうとする性質はホメオスタシス(恒常性)と呼ばれ、体温調節はその代表的な例の一つである
解説
外部の環境が変化しても体内の状態を一定の範囲に保とうとする仕組みはホメオスタシス(恒常性)と呼ばれ、体温のほか血糖値や血液の浸透圧なども自律神経やホルモンの働きによって一定範囲に保たれており、体温調節はその代表的な例です。

他の選択肢が不適切な理由
ホメオスタシスは体温だけでなく血糖値や血圧など体内の様々な状態に見られる性質です。体温が一定に保たれるのは視床下部を中心とした能動的な調節の結果であり、偶然によるものではありません。一般に高齢になると体温調節機能はむしろ低下しやすいとされ、高くなるわけではありません。
問95-10

体の内部(核心部)の温度と、手足など体表に近い部分(外殻部)の温度の違いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①体の内部の温度は外気温の影響を受けにくく比較的安定しているのに対し、手足など体表に近い部分の温度は外気温の影響を受けやすく変動しやすい
  • ②体の内部にある温度と手足など体表にごく近い部分にある温度は、外気温にかかわらずいつも完全に同じ値にどんどんなっていくとされる
  • ③体の内部の温度のほうは外気温の変化に応じてとても大きくどんどん変動していくが、手足の温度のほうは外気温にかかわらず一定に保たれるという
  • ④体温という概念というものはいつも体の内部にのみ存在しているとされ、手足など体表の部分には温度という概念自体が当てはまらない
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正解 ①体の内部の温度は外気温の影響を受けにくく比較的安定しているのに対し、手足など体表に近い部分の温度は外気温の影響を受けやすく変動しやすい
解説
脳や内臓など体の中心部にあたる核心部の温度は生命維持のためにほぼ一定に保たれるよう厳密に調節されているのに対し、手足など体の表面に近い外殻部の温度は血管の収縮・拡張の影響を受けやすく、外気温によって比較的大きく変動します。

他の選択肢が不適切な理由
体の内部の温度と体表に近い部分の温度は必ずしも一致せず、外気温によって差が生じます。手足など体表に近い部分の温度はむしろ外気温の影響を受けやすく変動しやすい性質があります。体表にも温度は存在し、外殻部の温度として測定・比較の対象になります。
問105-10

衣服を着脱したり冷暖房を用いたりして体温を保とうとする行動と、発汗や血管の収縮・拡張のように無意識に起こる体温調節との違いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①衣服の着脱による体温調節と、発汗や血管の収縮・拡張による体温調節はどちらもいつも全く同じ仕組みであるとされ、両者を区別する意味合いは全くないとされている
  • ②衣服の着脱など意識的な行動によって体温を保とうとする調節は行動性体温調節と呼ばれ、発汗や血管の収縮・拡張のように自律神経が無意識に行う調節とは区別される
  • ③衣服の着脱のような行動による体温調節はいつも全く存在しないとされ、体温はすべて自律神経ひとつの働きだけによって調節され続けると考えられている
  • ④発汗や血管の収縮・拡張というものは意識的な判断によって初めて起こる現象なのであり、無意識にはごく自然と起こることは決して全くありえないという
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正解 ②衣服の着脱など意識的な行動によって体温を保とうとする調節は行動性体温調節と呼ばれ、発汗や血管の収縮・拡張のように自律神経が無意識に行う調節とは区別される
解説
体温調節には、衣服の着脱や冷暖房の利用など意識的な行動によって暑さ・寒さに対応する行動性体温調節と、発汗や皮膚血管の収縮・拡張、ふるえなど自律神経系の働きによって無意識のうちに行われる自律性体温調節の2種類があり、両者が組み合わさって体温が保たれています。

他の選択肢が不適切な理由
行動性体温調節と自律性体温調節は意識の関与の有無という点で異なる仕組みであり、同一のものではありません。衣服の着脱のような行動性体温調節も体温維持において重要な役割を果たしています。発汗や血管の収縮・拡張は自律神経の働きにより無意識のうちに起こる反応です。

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