2026年版・4-2

食中毒・感染症予防の一問一答

第一種衛生管理者試験「労働衛生(有害業務に係るもの以外)」から、食中毒・感染症予防に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-2

細菌性食中毒の分類に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①感染型は菌の増殖によって感染し、毒素型は菌が産生した毒素によって発症する。
  • ②細菌性食中毒は発症までの潜伏期間の長さのみによって分類されるものである。
  • ③実際には、細菌性食中毒には毒素型は存在せず、すべて感染型に分類される。
  • ④細菌性食中毒は原因となる食品の種類のみによって2つに分類されるものである。
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正解 ①感染型は菌の増殖によって感染し、毒素型は菌が産生した毒素によって発症する。
解説
細菌性食中毒は、体内に入った生きた細菌そのものが腸管内で増殖することで発症する「感染型」と、細菌が食品中であらかじめ産生した毒素を摂取することで発症する「毒素型」の2つに大別されます。感染型は加熱調理で菌を死滅させれば予防効果が高い一方、毒素型は毒素そのものが熱に強い場合があるため、加熱だけでは防ぎきれないことがある点で対策の考え方が異なります。

他の選択肢が不適切な理由
潜伏期間の長さは分類の結果として異なる傾向を示すものであり、分類基準そのものではありません。毒素型が存在しないという記述や、原因食品の種類のみで分類するという記述も誤りです。
問24-2

サルモネラ属菌による食中毒に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①毒素型に分類され、菌が産生した毒素は加熱調理を行っても、全く分解されない。
  • ②感染型に分類され、加熱が不十分な卵や食肉等を原因として発症することが多い。
  • ③ウイルス性食中毒に分類され、冬季の集団感染で問題となることが多い。
  • ④自然毒食中毒に分類され、特定のきのこや魚介類の摂取のみで発症する。
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正解 ②感染型に分類され、加熱が不十分な卵や食肉等を原因として発症することが多い。
解説
サルモネラ属菌は感染型の細菌性食中毒の代表的な原因菌であり、加熱が不十分な鶏卵や食肉、それらを扱った調理器具やまな板などを介して感染することが多いとされています。潜伏期間は半日から2日程度で、発熱や腹痛、下痢などの症状が現れます。卵は十分に加熱するか新鮮なものを早めに消費することが予防の基本です。

他の選択肢が不適切な理由
サルモネラ属菌は毒素型ではなく感染型です。ウイルス性食中毒や自然毒食中毒にも分類されず、これらは別の原因物質による食中毒の類型です。
問34-2

腸炎ビブリオによる食中毒に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①真水中でよく増殖する性質を持ち、井戸水を原因として冬季に多発する傾向がある。
  • ②毒素型に分類され、産生する毒素は加熱によっても失活しない性質を持つ。
  • ③好塩性の細菌であり、海産魚介類の生食を原因に夏季に多く発生する傾向がある。
  • ④空気を嫌う嫌気性の細菌であり、缶詰や瓶詰めを主な原因食品とする。
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正解 ③好塩性の細菌であり、海産魚介類の生食を原因に夏季に多く発生する傾向がある。
解説
腸炎ビブリオは、海水と同程度の塩分がある環境を好んで増殖する「好塩性」の細菌で、海産魚介類の生食を主な原因として、海水温が上がる夏季に多く発生する感染型食中毒です。真水(水道水など塩分のない水)で洗浄すると増殖が抑えられるため、魚介類を調理前に真水でよく洗うことが予防に有効とされています。

他の選択肢が不適切な理由
腸炎ビブリオは真水中では増殖しにくく、井戸水由来の冬季多発という記述は誤りです。毒素型ではなく感染型であり、缶詰・瓶詰めを主原因とするのはボツリヌス菌の特徴です。
問44-2

黄色ブドウ球菌による食中毒に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①感染型に分類され、菌自体が腸管内で増殖することで食中毒症状を引き起こすとされる。
  • ②潜伏期間は2日から7日程度と長く、発症までに数日を要することが多いとされる。
  • ③海産魚介類を主な原因食品とし、真水で洗浄すると死滅しやすいとされている。
  • ④毒素型に分類され、産生する毒素は熱に強く加熱調理でも分解されにくいとされる。
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正解 ④毒素型に分類され、産生する毒素は熱に強く加熱調理でも分解されにくいとされる。
解説
黄色ブドウ球菌は毒素型の食中毒であり、食品中で増殖する際に産生するエンテロトキシンという毒素(腸に作用して嘔吐や下痢を引き起こす物質)は熱に強く、通常の加熱調理では分解されません。潜伏期間は1時間から5時間程度と短く、手指の傷口などに存在する菌が、おにぎりや弁当などの調理過程で食品に付着することが主な原因とされています。

他の選択肢が不適切な理由
感染型ではなく毒素型に分類されます。潜伏期間は2日から7日ではなく数時間程度と短く、海産魚介類を主原因とするのは腸炎ビブリオの特徴であり黄色ブドウ球菌には当てはまりません。
問54-2

ボツリヌス菌による食中毒に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①酸素の少ない缶詰や瓶詰めの中で増殖し、神経毒を産生する嫌気性の細菌である。
  • ②酸素を好む好気性の細菌であり、常温で放置された生野菜を主な原因食品とする。
  • ③感染型に分類され、菌そのものが腸管内に定着することで発症する食中毒である。
  • ④産生する毒素は極めて熱に弱く、常温での保存だけで自然に分解される。
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正解 ①酸素の少ない缶詰や瓶詰めの中で増殖し、神経毒を産生する嫌気性の細菌である。
解説
ボツリヌス菌は酸素のない環境を好む「嫌気性」の細菌で、缶詰や瓶詰め、真空パック食品等の酸素が少ない食品の中で増殖し、運動神経を麻痺させる強力な神経毒を産生する毒素型食中毒の原因菌です。まぶたが下がる、物が二重に見える、飲み込みにくいといった神経症状が特徴で、重症化すると呼吸筋麻痺により生命に関わることもあります。

他の選択肢が不適切な理由
ボツリヌス菌は好気性ではなく嫌気性であり、常温の生野菜が主原因という記述も誤りです。毒素型であり感染型ではありません。毒素は80℃30分程度の加熱で失活しますが、常温放置のみでは分解されません。
問64-2

カンピロバクターによる食中毒に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①毒素型に分類され、潜伏期間は1時間から5時間程度と極めて短いことが特徴である。
  • ②感染型に分類され、加熱不十分な鶏肉等を原因として潜伏期間が比較的長い傾向がある。
  • ③缶詰や瓶詰めなど酸素のない食品中でよく増殖し、強力な神経毒を産生する細菌である。
  • ④海水中の好塩性の細菌であり、夏季の海産魚介類の生食で発生することが多い。
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正解 ②感染型に分類され、加熱不十分な鶏肉等を原因として潜伏期間が比較的長い傾向がある。
解説
カンピロバクターは感染型の食中毒菌で、加熱が不十分な鶏肉やレバー等を主な原因とし、潜伏期間は2日から7日程度(平均2~3日程度)と他の細菌性食中毒に比べて長いため、原因食品を特定しにくいという特徴があります。発熱、下痢、腹痛のほか、まれに感染後しばらくしてギラン・バレー症候群という手足のまひを伴う病気を引き起こすことも知られています。

他の選択肢が不適切な理由
毒素型ではなく感染型であり、潜伏期間が数時間という記述も誤りです。缶詰・瓶詰めが原因という特徴はボツリヌス菌、海水中の好塩性という特徴は腸炎ビブリオの特徴であり、いずれもカンピロバクターには当てはまりません。
問74-2

ノロウイルスによる食中毒(感染性胃腸炎)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①夏季になると特に多く発生し、感染経路は海産魚介類の生食に限られる。
  • ②細菌性食中毒に分類され、加熱不十分な食肉を主な原因食品とする。
  • ③冬季に多く発生し、二枚貝の生食のほかヒトからヒトへ感染する特徴を持つ。
  • ④感染力は極めて弱く、大量のウイルスを摂取しなければ発症することはない。
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正解 ③冬季に多く発生し、二枚貝の生食のほかヒトからヒトへ感染する特徴を持つ。
解説
ノロウイルスによる感染性胃腸炎は冬季に多く発生し、汚染された二枚貝(カキ等)の生食や不十分な加熱による感染のほか、感染者の便や嘔吐物を介したヒトからヒトへの感染も起こります。潜伏期間は24時間から48時間程度で、非常に少量のウイルスでも発症するほど感染力が強いため、調理器具の消毒や十分な手洗いによる二次感染防止が重要です。

他の選択肢が不適切な理由
夏季ではなく冬季に多い点、感染経路が海産魚介類に限られない点で誤りです。ノロウイルスはウイルス性であり細菌性食中毒ではありません。少量のウイルスでも感染力が強いことが知られています。
問84-2

フグ毒(テトロドトキシン)による食中毒に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①細菌が産生する毒素による食中毒であり、加熱すれば容易に無毒化できる。
  • ②ウイルス性の食中毒に分類され、感染者からヒトへの二次感染が特に問題となる。
  • ③肝臓や卵巣に集中して蓄積するため、除去すれば筋肉の摂取に危険性は一切生じない。
  • ④自然毒による食中毒であり、神経毒であるため加熱調理によって分解されにくい。
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正解 ④自然毒による食中毒であり、神経毒であるため加熱調理によって分解されにくい。
解説
フグの内臓(肝臓・卵巣等)や皮に多く含まれるテトロドトキシンは、細菌ではなくフグ自身が持つ自然毒の一種で、神経の働きを止めてしまう神経毒に分類されます。熱に強い性質を持つため、通常の加熱調理を行っても毒性が失われることはなく、フグの調理には専門的な知識と技術を持つ調理師の免許が必要とされています。

他の選択肢が不適切な理由
テトロドトキシンは細菌ではなくフグ自身が保有する自然毒であり、加熱で無毒化できるという記述は誤りです。ウイルス性食中毒でもありません。毒が集中する部位を除去すれば筋肉部分の危険性が一切なくなるとは言い切れず、種類や個体、調理時の取扱いによってリスクが残るからこそ、免許制度による厳格な管理が必要とされています。
問94-2

インフルエンザの職場における感染予防対策に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①飛沫感染と接触感染が主な感染経路であり、咳エチケットと手洗いが基本となる。
  • ②空気感染のみが感染経路であるため、手洗いには感染予防の効果がないとされる。
  • ③感染拡大の防止は個人の免疫力のみに依存するため、職場での対策に予防効果はない。
  • ④感染経路は経口感染に限られるため、飲食物の管理のみを徹底すれば予防できる。
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正解 ①飛沫感染と接触感染が主な感染経路であり、咳エチケットと手洗いが基本となる。
解説
インフルエンザは、咳やくしゃみのしぶきを吸い込む「飛沫感染」と、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れる「接触感染」が主な感染経路であるため、マスクの着用や口・鼻を覆う「咳エチケット」の徹底と、こまめな手洗いが基本的な予防対策となります。職場では、体調不良時に無理をせず休養を取りやすい環境づくりも感染拡大の防止に役立ちます。

他の選択肢が不適切な理由
空気感染のみに限られるという記述は誤りで、手洗いは接触感染の予防に有効です。感染拡大の防止が個人の免疫力のみに依存するという考え方も、咳エチケットや手洗いといった職場全体での対策の効果を無視しており不適切です。経口感染に限られるという記述もインフルエンザの感染実態と合いません。
問104-2

職場における感染症予防の基本的な考え方に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①感染症対策は流行拡大時のみ実施すればよく、平常時は取り組む必要はないとされる。
  • ②十分な手洗い、咳エチケット、適切な換気を日常的に徹底することが基本となる。
  • ③十分な換気さえ行えば、手洗いや咳エチケットへの配慮は特に必要ないとされる。
  • ④症状がみられる労働者を含めて、全員が通常どおり出勤を続けることが望ましい。
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正解 ②十分な手洗い、咳エチケット、適切な換気を日常的に徹底することが基本となる。
解説
職場における感染症予防では、手洗いや手指消毒、咳エチケットの徹底、こまめな換気といった日常的な基本対策を、流行の有無にかかわらず継続的に組み合わせて実施することが重要とされています。いずれか一つの対策だけに頼るのではなく、複数の対策を重ねることで感染拡大のリスクを効果的に下げることができます。

他の選択肢が不適切な理由
感染症対策を流行拡大時のみに限定し平常時は不要とする考え方は、日常的・継続的な取組みを求める趣旨に反します。換気のみで手洗い等が不要という記述や、症状がある労働者にも通常どおりの出勤を求める記述も感染拡大防止の考え方に反します。

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