2026年版・3-3

金属等の健康障害の一問一答

第一種衛生管理者試験「労働衛生(有害業務に係るもの)」から、金属等の健康障害に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-3

鉛中毒の症状に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①難聴と眩暈が中心で、内耳の有毛細胞が直接破壊される。
  • ②皮膚が黄色く変色し、強い掻痒感を伴う黄疸様症状が出る。
  • ③貧血や腹部の疝痛、末梢神経障害などが特徴的にみられる。
  • ④関節が急激に腫れ、痛風に似た激しい関節炎を発症する。
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正解 ③貧血や腹部の疝痛、末梢神経障害などが特徴的にみられる。
解説
鉛中毒では、赤血球を作る過程(ヘモグロビン合成)が鉛によって妨げられることによる貧血、腹部の激しい痛みである鉛疝痛、手首が下に垂れ下がる「下垂手」のように運動神経が選択的に侵される末梢神経障害(伸筋麻痺)が代表的な症状として知られています。かつては鉛蓄電池や印刷業等で職業性中毒が多く発生しました。

他の選択肢が不適切な理由
内耳有毛細胞の直接破壊による難聴は騒音性難聴の特徴、黄疸様の皮膚症状や痛風に似た急性の関節炎は、いずれも鉛中毒の代表的な症状として知られているものではありません。
問23-3

カドミウムによる慢性中毒に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①肝臓のみが選択的に侵され、他の臓器への影響はみられない。
  • ②視神経が障害され、急速な視力低下を主症状とする。
  • ③甲状腺機能が亢進し、著しい体重減少を主症状とする。
  • ④腎機能障害や肺気腫を生じ、骨軟化症を伴うこともある。
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正解 ④腎機能障害や肺気腫を生じ、骨軟化症を伴うこともある。
解説
カドミウムの慢性中毒では、腎臓の尿細管(血液をろ過した後、必要な成分を再吸収する部分)が障害されて腎機能障害を生じるほか、肺気腫を伴うことがあり、長期にわたる大量ばく露ではカルシウムが尿中に失われて骨が軟らかくなる骨軟化症に至ることもあります。富山県で発生したイタイイタイ病は、この骨軟化症が進行した代表的な事例として知られています。

他の選択肢が不適切な理由
肝臓のみが選択的に侵され他臓器への影響がないという記述、視神経障害による急速な視力低下という記述、甲状腺機能亢進という記述は、いずれもカドミウム中毒の代表的な特徴として知られているものではありません。
問33-3

水銀による健康障害に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①有機水銀は中枢神経を、無機水銀は腎臓を障害しやすい。
  • ②有機水銀は骨を、無機水銀は皮膚を障害しやすい。
  • ③水銀化合物はいずれも、専ら肺の線維化のみを引き起こす。
  • ④水銀化合物はいずれも、心臓の弁膜のみを選択的に侵す。
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正解 ①有機水銀は中枢神経を、無機水銀は腎臓を障害しやすい。
解説
水銀による健康障害は化学形態によって標的臓器が異なります。有機水銀(メチル水銀等)は脂溶性が高く血液脳関門を通過しやすいため中枢神経系を強く障害し、手足のしびれや歩行障害等を起こす一方、無機水銀は主に腎臓の尿細管に蓄積し腎機能障害を引き起こしやすいという違いがあります。水俣病はメチル水銀による中枢神経障害の代表例として知られています。

他の選択肢が不適切な理由
有機水銀が骨を、無機水銀が皮膚を障害しやすいとする記述や、いずれも肺の線維化のみを、あるいは心臓の弁膜のみを侵すとする記述は、有機水銀・無機水銀それぞれの実際の標的臓器と一致しません。
問43-3

六価クロム化合物による健康障害に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①手指の末梢循環障害であるレイノー現象を引き起こす。
  • ②鼻中隔穿孔や肺がんを引き起こすことが知られている。
  • ③骨髄の機能を抑制し、再生不良性貧血を引き起こす。
  • ④甲状腺を腫大させ、機能低下症を引き起こす。
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正解 ②鼻中隔穿孔や肺がんを引き起こすことが知られている。
解説
六価クロム化合物は強い酸化力を持ち、鼻粘膜への刺激作用により慢性的な潰瘍を生じさせて鼻中隔(左右の鼻の穴を隔てる仕切り)に穴があく鼻中隔穿孔を引き起こすことがあり、また発がん性を有し肺がんの原因となることが知られている特定化学物質です。めっき工程や皮なめし等の作業で職業性ばく露のリスクがあります。

他の選択肢が不適切な理由
レイノー現象は振動障害に特徴的な症状、骨髄抑制による再生不良性貧血はベンゼン等に特徴的な影響、甲状腺機能低下症は六価クロムの代表的な健康障害として知られているものではありません。
問53-3

マンガン中毒による健康障害に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①末梢の関節が変形し、慢性のリウマチに似た症状が現れる。
  • ②皮膚の色素が沈着し、全身に広がる発疹症状が現れる。
  • ③中枢神経が侵され、パーキンソン症候群に似た症状が出る。
  • ④消化管の粘膜が侵され、激しい腹痛と下痢症状が現れる。
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正解 ③中枢神経が侵され、パーキンソン症候群に似た症状が出る。
解説
マンガンの慢性中毒では、脳の運動調節に関わる部分(大脳基底核)にマンガンが蓄積して神経細胞が障害され、手指のふるえや歩行障害、表情が乏しくなる(仮面様顔貌)などパーキンソン病に類似した症状(パーキンソン症候群)が現れることが知られています。溶接作業やマンガン合金の製造工程で発症のリスクがあります。

他の選択肢が不適切な理由
末梢関節の変形によるリウマチ様症状、皮膚色素沈着を伴う全身発疹、消化管粘膜障害による激しい下痢は、いずれもマンガン中毒の代表的な症状として知られているものではありません。
問63-3

石綿(アスベスト)による健康障害に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①ばく露から数日以内に発症し、急性の気管支炎を引き起こす。
  • ②皮膚に直接接触することで、接触性皮膚炎を引き起こす。
  • ③体内に吸収された後、腎臓のみを選択的に障害する。
  • ④ばく露から発症までの潜伏期間が長く、中皮腫を引き起こす。
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正解 ④ばく露から発症までの潜伏期間が長く、中皮腫を引き起こす。
解説
石綿による健康障害は潜伏期間が非常に長いことが特徴で、中皮腫はばく露から発症まで平均して30年以上(20年から50年程度)、肺がんも15年から40年程度を要するとされ、過去のばく露が数十年後に発症する点で対策や補償の面でも難しさがある疾病です。このため、過去に石綿業務に従事していた人が離職後も健康管理手帳による健康診断を受けられる制度が設けられています。

他の選択肢が不適切な理由
数日以内に発症する急性の気管支炎、接触部位に限定される接触性皮膚炎、腎臓のみを選択的に障害するという記述は、いずれも石綿による健康障害の実際の特徴と一致しません。
問73-3

ベンゼンによる健康障害に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①造血機能が障害され、白血病を引き起こすことが知られている。
  • ②視神経が障害され、色覚異常を引き起こすことが知られている。
  • ③聴神経が障害され、耳鳴りを引き起こすことが知られている。
  • ④膵臓が障害され、急性膵炎を引き起こすことが知られている。
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正解 ①造血機能が障害され、白血病を引き起こすことが知られている。
解説
ベンゼンは骨の中で血液細胞を作っている骨髄組織に対して強い毒性を持ち、高濃度のばく露では貧血・白血球減少等の造血障害を、低濃度でも長期間のばく露では白血病という職業がんを引き起こすことが知られている代表的な特定化学物質です。かつてはゴム・接着剤等の溶剤として広く使われていましたが、現在は毒性の低い溶剤への代替が進められています。

他の選択肢が不適切な理由
視神経障害による色覚異常、聴神経障害による耳鳴り、膵臓障害による急性膵炎は、いずれもベンゼンによる健康障害として代表的なものではなく、骨髄への造血毒性という本質的な特徴とは異なります。
問83-3

塩化ビニルによる健康障害に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①膀胱がんという特徴的な悪性腫瘍を引き起こすことがある。
  • ②肝血管肉腫という特徴的な悪性腫瘍を引き起こすことがある。
  • ③脳腫瘍という特徴的な悪性腫瘍を引き起こすことがある。
  • ④甲状腺がんという特徴的な悪性腫瘍を引き起こすことがある。
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正解 ②肝血管肉腫という特徴的な悪性腫瘍を引き起こすことがある。
解説
塩化ビニル(塩化ビニルモノマー、プラスチックの一種であるポリ塩化ビニルの原料)を扱う業務に長期間従事すると、肝臓の血管の細胞から発生する極めてまれな悪性腫瘍である肝血管肉腫を発症することがあり、職業性のがんとして特に注意すべき特定化学物質として知られています。1970年代に海外の工場で複数の発症例が報告されたことをきっかけに、規制が強化された経緯があります。

他の選択肢が不適切な理由
膀胱がん、脳腫瘍、甲状腺がんは、いずれも塩化ビニルばく露に特徴的な悪性腫瘍として知られているものではなく、肝血管肉腫という特有の対応関係と異なります。
問93-3

ベリリウムによる健康障害に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①骨髄を強く刺激し、白血球の異常な増加を引き起こす。
  • ②皮膚の色素を脱失させ、白斑を全身に広く生じさせる。
  • ③肺に肉芽腫性の炎症を生じ、慢性ベリリウム症を招く。
  • ④腎臓の糸球体を破壊し、急速に進行する腎不全を招く。
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正解 ③肺に肉芽腫性の炎症を生じ、慢性ベリリウム症を招く。
解説
ベリリウムは体の免疫が過敏に反応するアレルギー性の機序を介して肺に肉芽腫(炎症細胞が集まってできる小さな塊)性の炎症を生じさせ、呼吸困難や咳を伴う慢性ベリリウム症という間質性の肺疾患を引き起こすことが知られている特定化学物質です。症状や画像所見がサルコイドーシスという別の肺疾患と似ているため、鑑別(見分けること)が難しい場合があります。

他の選択肢が不適切な理由
白血球の異常な増加を伴う骨髄刺激、皮膚色素脱失による白斑、腎糸球体の破壊による急速な腎不全は、いずれもベリリウムによる健康障害として代表的なものではありません。
問103-3

特定化学物質障害予防規則における物質の分類に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①第1類は急性中毒物質のみとされ、第2・第3類はがん原性物質のみとなる。
  • ②毒性の有無にはかかわらず、生産量の多寡のみで3類に分類される。
  • ③常温においては気体か液体かを基準として、3つの類に分類される。
  • ④がんを引き起こす物質は第1類・第2類、急性中毒物質は第3類となる。
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正解 ④がんを引き起こす物質は第1類・第2類、急性中毒物質は第3類となる。
解説
特定化学物質障害予防規則では、がん等の慢性・遅発性障害を引き起こす物質のうち特に有害性の高いものを第1類物質、それ以外を第2類物質とし、大量に漏えいした場合に急性中毒を引き起こすおそれのある物質を第3類物質として分類しています。第1類・第2類は日常的な微量ばく露の蓄積が問題となるのに対し、第3類は事故時の大量漏えいが主な問題となる点で、対策の重点が異なります。

他の選択肢が不適切な理由
第1類を急性中毒物質のみとする記述、生産量の多寡のみで分類するという記述、常温での状態のみを基準とする記述は、いずれも健康障害の性質に着目した実際の分類基準と一致しません。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。