2026年版・9-7

事故報告と保安体制の一問一答

第一種電気工事士「保安に関する法令」から、事故報告と保安体制に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問19-7

電気関係報告規則により、自家用電気工作物に関して感電により人が死傷した場合に報告しなければならない事故の範囲は。

  • ①死亡した場合、または医師の治療を1回でも受けた場合
  • ②死亡した場合、または休業した日数が4日以上となった場合
  • ③死亡した場合、または病院もしくは診療所に入院した場合
  • ④死亡した場合、または感電した者が2人以上となった場合
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正解 ③死亡した場合、または病院もしくは診療所に入院した場合
解説
詳細解説
正解は、死亡した場合、または病院もしくは診療所に入院した場合である。
電気関係報告規則第3条第1項の表は、報告を要する事故の第一号として、感電または電気工作物の破損、誤操作、操作しないことにより人が死傷した事故を挙げ、そのうえで括弧書きで「死亡又は病院若しくは診療所に入院した場合に限る」と範囲を絞っている。したがって、けがをしても通院で済んだ場合は報告の対象にならない。
休業4日以上という基準は、労働安全衛生規則に基づく労働者死傷病報告の考え方であり、電気関係報告規則の基準ではない。医師の治療を1回でも受けた場合や、感電した人数による区分も条文には示されていない。
報告先は、その電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長である。

他の選択肢が不適切な理由
医師の治療を1回でも受けた場合とする記述は、条文が定める範囲より広く、通院で済んだ軽いけがまで含めてしまう。休業した日数が4日以上とする記述は、労働災害の届出で用いられる考え方であり、この規則の基準ではない。感電した者が2人以上とする記述も、人数によって区分する定めが条文にないため当たらない。範囲を絞る括弧書きの文言を正確に読むことが要点である。
問29-7

電気関係報告規則により、電気火災事故として報告を要するのは、工作物がどの程度の被害を受けた場合か。

  • ①工作物については、半焼以上となった場合に報告を要する
  • ②工作物については、全焼となった場合に限り報告を要する
  • ③工作物については、焼損の程度を問わず報告を要する
  • ④工作物については、3分の1以上が焼損した場合に報告を要する
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正解 ①工作物については、半焼以上となった場合に報告を要する
解説
詳細解説
正解は、工作物については半焼以上となった場合に報告を要するという内容である。
電気関係報告規則第3条第1項の表は「電気火災事故」を報告の対象としたうえで、括弧書きで「工作物にあつては、その半焼以上の場合に限る」と定めている。小さな焦げやぼやまで全て報告させるのではなく、被害が一定の規模に達したものを対象とする趣旨である。
全焼した場合に限るとするのは条文より狭く、焼損の程度を問わないとするのは条文より広い。3分の1以上という基準も条文には現れない。
なお同じ表では、電気工作物の破損や誤操作などにより他の物件に損傷を与え、またはその機能の全部もしくは一部を損なわせた事故も報告の対象とされており、火災に至らない被害はここで拾われる。

他の選択肢が不適切な理由
全焼となった場合に限るとする記述は、条文が定める範囲より狭い。焼損の程度を問わないとする記述は逆に広く、小さなぼやまで報告の対象としてしまう。3分の1以上とする記述も、条文には現れない数字である。火災に至らない被害については、他の物件に損傷を与えた事故という別の類型で拾われる仕組みになっている。
問39-7

電気関係報告規則により、自家用電気工作物の破損等によって一般送配電事業者に供給支障を発生させた事故(波及事故)が報告の対象となるのは、その自家用電気工作物の電圧がいくら以上の場合か。

  • ①600V以上
  • ②3000V以上
  • ③6600V以上
  • ④10000V以上
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正解 ②3000V以上
解説
詳細解説
正解は3000V以上である。
電気関係報告規則第3条第1項の表は、一般送配電事業者、配電事業者または特定送配電事業者の電気工作物と電気的に接続されている電圧3000V以上の自家用電気工作物の破損、または誤操作もしくは操作しないことにより、これらの事業者に供給支障を発生させた事故を報告の対象としている。構内の事故が配電線側へ広がる、いわゆる波及事故がこれにあたる。
高圧受電の需要家は6600Vで受電しているので、3000V以上という要件を当然に満たす。600Vは低圧の上限であって条文の基準ではなく、6600Vや10000Vは実際の受電電圧や別の規定の値と取り違えたものである。
波及事故を防ぐには、責任分界点付近に地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器を設け、配電線側との保護協調を確かめておくことが要となる。

他の選択肢が不適切な理由
600ボルト以上とする記述は、低圧と高圧を分ける値を持ち込んだものである。6600ボルト以上とする記述は、高圧で受電する需要家の実際の受電電圧であり、条文の基準ではない。1万ボルト以上とする記述も、工事の計画を届け出る基準として現れる数字であって、この規定のものではない。基準はこれらより低い値に置かれており、高圧で受電する設備は当然にこれを満たす。
問49-7

電気関係報告規則により、自家用電気工作物を設置する者が感電による死傷事故を報告する相手として、原則とされているものは。

  • ①電気工作物の設置の場所を管轄する労働基準監督署長
  • ②電気工作物の設置の場所を管轄する消防長または消防署長
  • ③電気工作物の設置の場所を管轄する都道府県知事
  • ④電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長
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正解 ④電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長
解説
詳細解説
正解は、電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長である。
電気関係報告規則第3条第1項の表は、事故の種類ごとに報告先を定めている。自家用電気工作物を設置する者に関する感電による死傷事故、電気火災事故、他の物件に損傷を与えた事故などは、いずれも電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長へ報告することとされている。報告先が経済産業大臣となるのは、大規模な水力発電所や電圧30万V以上の変電所など、限られた類型に限られる。
労働基準監督署長は、労働者が被災した場合の労働者死傷病報告の提出先であり、電気関係報告規則の報告先ではない。消防長や消防署長、都道府県知事も、この規則が定める報告先ではない。
労働災害にも該当する場合は、両方の届出がそれぞれ必要になる点に注意する。

他の選択肢が不適切な理由
労働基準監督署長とする記述は、労働者が被災した場合の届出の相手であり、この規則の報告先ではない。消防長または消防署長とする記述も、火災の通報や消防法上の手続と混同したものである。都道府県知事とする記述も、この規則が定める相手ではない。なお労働災害にもあたる場合は、それぞれの制度に基づく届出が別々に必要になる。
問59-7

電気関係報告規則が定める事故報告のうち、速報の方法として条文に定められているものは。

  • ①電話等の方法により、事故の発生日時と場所や概要を報告する
  • ②様式第13の報告書を作成し、郵送または持参により提出する
  • ③事故の原因と再発防止対策をまとめた書面を作成して提出する
  • ④電気主任技術者の署名を付けた記録を保安規程の様式で保存する
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正解 ①電話等の方法により、事故の発生日時と場所や概要を報告する
解説
詳細解説
正解は、電話等の方法により、事故の発生日時と場所や概要を報告するという内容である。
電気関係報告規則第3条第2項は、事故報告を二段階で行うことを定めている。まず速報として、事故の発生を知った時から24時間以内可能な限り速やかに、事故の発生の日時および場所、事故が発生した電気工作物、事故の概要について、電話等の方法により報告する。次に詳報として、事故の発生を知った日から起算して30日以内に、様式第13の報告書を提出するのが原則である。
したがって、様式第13の報告書を出すのは速報ではなく詳報の方法である。原因と再発防止対策をまとめた書面は詳報の内容に含まれるが、速報の方法ではない。記録を保存することは報告そのものではない。
「まず電話で24時間、次に書面で30日」と順に覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
様式に沿った報告書を提出するという記述は、後から行う詳しい報告の方法であって、まず行う速報の方法ではない。原因と再発防止の対策をまとめた書面も、詳しい報告に含める内容であり、事故を知った直後に間に合うものではない。記録を作って保存するという記述は、報告そのものではない。まず電話などで速やかに伝え、のちに書面で詳しく報告するという二段構えである。
問69-7

自家用電気工作物の保安管理業務を外部へ委託し、電気主任技術者を選任しないこととする場合の手続として正しいものは。

  • ①委託先の電気保安法人が届出を行い、設置者は届出の写しを保存する
  • ②設置者が委託契約を結び、電気主任技術者免状の交付を改めて受ける
  • ③設置者が保安管理業務の委託契約を結び、経済産業大臣の承認を受ける
  • ④設置者が委託契約を結べば足り、行政庁への手続は一切必要とされない
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正解 ③設置者が保安管理業務の委託契約を結び、経済産業大臣の承認を受ける
解説
詳細解説
正解は、設置者が保安管理業務の委託契約を結び、経済産業大臣の承認を受けるという手続である。
電気事業法施行規則第52条第2項は、電圧7000V以下で受電する需要設備などについて、同規則第52条の2に規定する要件に該当する者と保安管理業務の委託契約を締結し、保安上支障がないものとして経済産業大臣の承認を受けたものは、電気主任技術者を選任しないことができると定めている。事業場が一つの産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は、その所在地を管轄する産業保安監督部長が承認を行う。
承認を受ける主体はあくまで設置者であり、委託先の保安法人ではない。契約を結ぶだけで手続が不要ということもなく、免状の交付を改めて受ける必要もない。
委託先となるのは、必要な実務経験と測定器具をそろえた電気管理技術者や電気保安法人である。

他の選択肢が不適切な理由
委託先の法人が届出を行うとする記述は、手続を行う主体を取り違えている。保安の責任を負うのは設備を設置している側だからである。免状の交付を改めて受けるとする記述も誤りで、この仕組みは主任技術者を置かないための承認であり、設置者が免状を得る話ではない。契約を結べば手続が要らないとする記述も違い、保安上支障がないかどうかを行政が判断する必要がある。
問79-7

自家用電気工作物に関して次の事故が発生したとき、電気関係報告規則による事故報告を要しないものは。

  • ①電気工作物の破損により、他人の建物の一部を損傷させた事故
  • ②構内の配線用遮断器が動作して、構内の一部が停電した事故
  • ③感電した作業者が負傷し、病院に入院することとなった事故
  • ④高圧負荷開閉器の破損で、配電線に供給支障を生じさせた事故
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正解 ②構内の配線用遮断器が動作して、構内の一部が停電した事故
解説
詳細解説
正解は、構内の配線用遮断器が動作して構内の一部が停電した事故である。
電気関係報告規則第3条第1項の表が報告の対象としているのは、感電などにより人が死傷した事故(死亡または病院・診療所への入院に限る)、電気火災事故、電気工作物の破損や誤操作により他の物件に損傷を与えた事故、電圧3000V以上の自家用電気工作物の破損等により一般送配電事業者などに供給支障を発生させた事故などである。
構内の遮断器が動作して自分の構内だけが停電した事故は、人身の被害も、他人の物件への被害も、系統への供給支障もないため、表のいずれにも当たらず報告は必要ない。
これに対し、高圧負荷開閉器の破損によって配電線へ波及した事故は、供給支障事故としてはっきり報告の対象になる。
「人・火事・他人の物・系統への波及」の四つを報告の目安として押さえるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
他人の建物の一部を損傷させた事故、入院に至った感電の事故、配電線へ供給支障を及ぼした事故は、いずれも報告を要する類型にはっきり当てはまるため、要しないものとしては選べない。それぞれ他人の物件への被害、人身の被害、系統への波及という点で対象になっている。人、火事、他人の物、系統への波及という四つの視点で当てはめると判断しやすい。
問89-7

電気事業法に定める設置者による事業用電気工作物の使用前自己確認について、正しいものは。

  • ①登録安全管理審査機関が現地で検査し、合格証を設置者へ交付する
  • ②電気主任技術者が単独で確認し、その結果を保安規程に添えて保存する
  • ③工事を請け負った電気工事業者が確認し、結果を都道府県知事へ報告する
  • ④設置者が自ら技術基準に適合することを確認し、使用開始前に届け出る
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正解 ④設置者が自ら技術基準に適合することを確認し、使用開始前に届け出る
解説
詳細解説
正解は、設置者が自ら技術基準に適合することを確認し、使用開始前に届け出るという説明である。
電気事業法第51条の2は、公共の安全の確保上重要なものとして主務省令で定める事業用電気工作物を設置する者は、その使用を開始しようとするときに、同法第39条第1項の主務省令で定める技術基準に適合することについて自ら確認しなければならないと定めている。さらに同条は、確認をした場合には、その電気工作物の使用の開始前に、確認の結果を主務大臣へ届け出ることも求めている。
登録安全管理審査機関が検査して合格証を交付する仕組みではない。電気主任技術者が確認して保存するだけでは届出義務を果たしたことにならず、電気工事業者が都道府県知事へ報告する制度も存在しない。
「自ら確かめ、使う前に届け出る」がこの制度の骨格である。太陽電池発電設備などの小規模事業用電気工作物にも、この確認が求められる。

他の選択肢が不適切な理由
登録安全管理審査機関が現地で検査して合格証を交付するとする記述は、この制度の仕組みではない。ここで求められているのは、設置者みずからが基準への適合を確かめることである。主任技術者が確認して保存するだけとする記述も、届け出るという要素が抜けている。電気工事業者が確認して都道府県知事へ報告するという制度も存在しない。
問99-7

電気事業法により、事業用電気工作物を設置する者に課されている義務と、これに関する主務大臣の権限の組合せとして正しいものは。

  • ①技術基準に適合するよう維持する義務があり、大臣は修理等を命じられる
  • ②技術基準への適合は設置時のみ求められ、大臣は改善を勧告するに留まる
  • ③技術基準に適合するよう維持する義務があり、大臣は免状を返納させる
  • ④技術基準への適合は主任技術者の義務であり、大臣は設置者を指導する
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正解 ①技術基準に適合するよう維持する義務があり、大臣は修理等を命じられる
解説
詳細解説
正解は、技術基準に適合するよう維持する義務があり、主務大臣は修理等を命じられるという組合せである。
電気事業法第39条第1項は、事業用電気工作物を設置する者は、これを主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならないと定めている。設置したときだけでなく、使い続ける間ずっと課される義務である。これを受けて同法第40条は、技術基準に適合していないと認めるときは、主務大臣が設置者に対し、技術基準に適合するように修理し、改造し、もしくは移転し、もしくはその使用を一時停止すべきことを命じ、または使用を制限することができると定めている。
維持義務がないとする説明や、設置時のみでよいとする説明は条文に反する。免状の返納は電気工事士法などの制度であり、この場面の措置ではない。維持義務を負うのは主任技術者ではなく設置者である。

他の選択肢が不適切な理由
適合が設置のときだけ求められるとする記述は誤りで、この義務は使い続ける間ずっと続く。勧告にとどまるとする記述も、修理や改造、使用の一時停止まで命じられるという定めと合わない。免状を返納させるとする記述は、人の資格に対する措置であってこの場面のものではない。維持する義務を主任技術者のものとする記述も違い、義務を負うのは設置者である。
問109-7

電気事業法に定める定期事業者検査(定期自主検査)の対象について、正しいものは。

  • ①高圧で受電する需要設備は、すべてこの検査の対象となっている
  • ②一般用電気工作物のうち小規模発電設備を含むものが対象となっている
  • ③発電用のボイラーやタービン等の特定電気工作物が対象となっている
  • ④電圧600V以下で受電する低圧の需要設備だけが対象となっている
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正解 ③発電用のボイラーやタービン等の特定電気工作物が対象となっている
解説
詳細解説
正解は、発電用のボイラーやタービン等の特定電気工作物が対象となっているという説明である。
電気事業法第55条は、事業用電気工作物のうち公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるものを「特定電気工作物」とし、これを設置する者に対して、定期に自主検査を行い、その結果を記録して保存することを義務づけている。具体的にどの設備が対象になるかは電気事業法施行規則第94条に定められており、火力発電所のボイラーおよびその附属設備、蒸気タービン、ガスタービン、燃料電池設備、一定出力以上の風力発電設備などが挙げられている。
したがって、高圧で受電するだけの一般的な需要設備は、この定期事業者検査の対象ではない。需要設備の日々の保安は、保安規程に基づいて設置者が計画して行う月次点検や年次点検が担う。一般用電気工作物や低圧の需要設備も、この条文の対象ではない。

他の選択肢が不適切な理由
高圧で受電する需要設備がすべて対象とする記述は誤りである。需要設備の日々の保安は、保安規程に基づいて設置者が計画して行う点検が担っている。一般用電気工作物を挙げる記述や、低圧で受電する需要設備だけを挙げる記述も、この検査の対象ではない。対象とされているのは、公共の安全の確保のうえで特に重要なものとして定められた発電に関わる設備である。

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