2026年版・10-1

基礎-1 電気工作物と自家用の考え方の一問一答

第一種電気工事士「最初に覚える土台知識」から、基礎-1 電気工作物と自家用の考え方に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問110-1

電気事業法にいう「電気工作物」の説明として正しいものはどれか。

  • ①電気を作る・送る・使うための機械や電線路
  • ②電気事業者の発電所と送電線路だけを指す語
  • ③事業のために電気を使う場所の設備一般
  • ④屋内配線と照明・コンセントをまとめた語
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正解 ①電気を作る・送る・使うための機械や電線路
解説
電気工作物とは、発電・蓄電・変電・送電・配電、または電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物をいいます(電気事業法第2条第1項第18号)。
ポイントは「作る側」だけでなく「使う側」も含まれることです。電気を作る設備から、家庭やビルで電気を使うための配線・器具まで、電気に関わる工作物を丸ごと法律の対象に取り込み、そのうえで規模や危険度に応じて区分し直す、というのが電気事業法の組み立て方です。
他の選択肢について

・電気事業者の発電所と送電線路だけを指す語:電気を供給する側の設備だけに限る説明ですが、法律は電気を使用するために設置する設備も電気工作物に含めています。
・事業のために電気を使う場所の設備一般:これは自家用電気工作物のイメージに近い説明で、電気工作物という上位の語の定義としては範囲が狭すぎます。
・屋内配線と照明・コンセントをまとめた語:屋内配線も電気工作物の一部ですが、発電設備や電線路まで含む広い語をこれだけで言い表すことはできません。
問210-1

電気事業法上、電気工作物から除かれるものとして条文に明記されているものは。

  • ①屋外に設置され雨水にさらされるもの
  • ②船舶や車両、航空機に設置されるもの
  • ③使用電圧が100ボルト以下のもの
  • ④個人の住宅の敷地内にあるもの
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正解 ②船舶や車両、航空機に設置されるもの
解説
電気事業法第2条第1項第18号の括弧書きは、船舶、車両または航空機に設置されるもの、その他政令で定めるものを電気工作物から除いています。
これらは船舶安全法や道路運送車両法、航空法といった別の法律がそれぞれの安全を規律しているため、電気事業法が重ねて規制する必要がないからです。逆にいえば、陸上の建物や敷地に据え付けられた電気の設備は、規模の大小にかかわらずいったんすべて電気工作物として扱われます。「除かれるのは動く乗り物の中の電気設備」と覚えると整理できます。
他の選択肢について

・屋外に設置され雨水にさらされるもの:屋外の電線路や柱上機器はまさに電気工作物の代表例であり、設置場所によって除外されることはありません。
・使用電圧が100ボルト以下のもの:低い電圧でも電気工作物です。電圧の高低は低圧・高圧・特別高圧という別の区分に使われる指標です。
・個人の住宅の敷地内にあるもの:住宅の屋内配線は一般用電気工作物として、電気工作物の枠内で扱われています。
問310-1

電気事業法が電気工作物を大きく二つに分けた区分はどれか。

  • ①低圧電気工作物と高圧電気工作物
  • ②一般用電気工作物と自家用電気工作物
  • ③一般用電気工作物と事業用電気工作物
  • ④屋内電気工作物と屋外電気工作物
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正解 ③一般用電気工作物と事業用電気工作物
解説
電気事業法第38条は、電気工作物を一般用電気工作物と事業用電気工作物の二つに分けています。
一般用電気工作物は、電力会社から低圧(交流600ボルト以下)で電気を受けて、その構内だけで使う設備で、一般の住宅や小さな店舗がこれにあたります。事業用電気工作物はそれ以外のすべてで、さらに電気事業の用に供する電気工作物(電力会社の発電所や送電線など)と、自家用電気工作物(高圧で受電する工場やビルなど)に分かれます。第一種電気工事士が主に相手にするのは、この自家用電気工作物です。区分が決まると、適用される技術基準も、必要な資格も、設置者が行う手続も変わります。
他の選択肢について

・一般用電気工作物と自家用電気工作物:自家用電気工作物は事業用電気工作物の中の一つの区分で、二つに分けるときの相手方ではありません。
・低圧電気工作物と高圧電気工作物:低圧・高圧は電圧の種別を表す言葉で、電気工作物そのものの区分ではありません。
・屋内電気工作物と屋外電気工作物:施設する場所による分け方で、電気事業法はこのような区分をしていません。
問410-1

一般用電気工作物にあたるものはどれか。

  • ①特別高圧を受ける大きな鉄道施設
  • ②高圧で電気を受ける工場やビル
  • ③電力会社が持つ発電所や送電線
  • ④低圧で電気を受ける一般の住宅
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正解 ④低圧で電気を受ける一般の住宅
解説
一般用電気工作物は、電力会社から低圧で電気を受けて、その構内だけで電気を使う設備です。一般の住宅や小さな店舗が代表例です(電気事業法第38条第1項)。
ここでいう低圧とは、交流なら600ボルト以下のことです。低圧で受電していて、低圧受電電線路以外の電線路で構外の設備とつながっていなければ、一般用電気工作物になります。区分を決めるのは建物の広さや用途ではなく、外から電気をどのように受けているかだという点が要点です。この区分にあたる設備の工事は、第二種電気工事士でも行えます。
他の選択肢について

・高圧で電気を受ける工場やビル:高圧受電になるため、自家用電気工作物として扱われます。
・電力会社が持つ発電所や送電線:電気事業の用に供する電気工作物で、事業用電気工作物にあたります。
・特別高圧を受ける大きな鉄道施設:受電する電圧がさらに高く、こちらも事業用電気工作物です。
問510-1

同じ建物でも、受電する電圧が高圧になると電気工作物の区分はどうなるか。

  • ①自家用電気工作物として扱われる
  • ②一般用電気工作物のまま変わらない
  • ③電気事業用の電気工作物になる
  • ④小規模事業用電気工作物になる
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正解 ①自家用電気工作物として扱われる
解説
同じ建物でも、電力会社から高圧で受電するようになると、その設備は一般用電気工作物ではなく自家用電気工作物として扱われます。
一般用電気工作物の条件は、低圧受電電線路以外の電線路で構外の設備とつながっていないことです(電気事業法第38条第1項)。高圧で受電すればこの条件から外れるため、区分が移ります。区分が移ると、設置者には技術基準に適合するよう維持する義務、保安規程を定めて届け出る義務、電気主任技術者を選任する義務が生じ、工事には原則として第一種電気工事士が必要になります。呼び名が変わるだけでなく、守るべき決まりの束がまとめて入れ替わります。
他の選択肢について

・一般用電気工作物のまま変わらない:高圧受電になった時点で、一般用電気工作物の条件を満たさなくなります。
・電気事業用の電気工作物になる:これは電力会社など電気事業を営む者の設備を指す区分です。
・小規模事業用電気工作物になる:小規模な太陽光発電設備などのための区分で、高圧受電の設備とは別です。
問610-1

電力会社が電気を送るために持っている発電所や送電線は、どの区分にあたるか。

  • ①小規模事業用電気工作物
  • ②電気事業用の電気工作物
  • ③一般用電気工作物
  • ④自家用電気工作物
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正解 ②電気事業用の電気工作物
解説
電力会社が電気を送るために持っている発電所・変電所・送電線などは、電気事業の用に供する電気工作物、いわゆる電気事業用の電気工作物にあたります。
電気事業法第38条は、電気工作物をまず一般用電気工作物と事業用電気工作物に分け、事業用電気工作物をさらに、電気事業の用に供する電気工作物と自家用電気工作物に分けています。電力会社側の設備が前者、高圧で受電する工場やビルなど電気を使う側の設備が後者です。電気工事士法の資格が関わるのは自家用電気工作物と一般用電気工作物等で、電力会社の設備は電気工事士の作業範囲には入りません。
他の選択肢について

・一般用電気工作物:低圧で受電して構内だけで電気を使う住宅などの設備で、電気を供給する側の設備ではありません。
・自家用電気工作物:高圧で受電する工場やビルなど、電気を使う側の設備を指します。
・小規模事業用電気工作物:小規模な太陽電池発電設備や風力発電設備のために設けられた区分です。
問710-1

電気を使う場所と同じ構内に置かれた電気設備のひとまとまりを何と呼ぶか。

  • ①配電設備
  • ②受電設備
  • ③需要設備
  • ④発電設備
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正解 ③需要設備
解説
電気を使用するために、その使用の場所と同一の構内に設置する電気工作物のひとまとまりを需要設備といいます(電気工事士法第2条第2項)。
「ひとまとまり」であることが大事な点で、受電のための開閉器、引込ケーブル、変圧器、配電盤、屋内配線、そこにつながる機器までを、ばらばらの機器としてではなく一つの単位として数えます。第一種電気工事士が扱える自家用電気工作物の範囲は、最大電力500キロワット未満の需要設備を基準に線が引かれています。個々の機器ではなく構内ひとまとまりを指す言葉だと理解しておくと、法令の条文が読みやすくなります。
他の選択肢について

・受電設備:需要設備のうち、電気を受け入れる部分の設備を指す言葉です。
・配電設備:受け入れた電気を構内の各所へ分ける部分の設備を指します。
・発電設備:電気を作る側の設備で、電気を使うための設備とは向きが逆です。
問810-1

電気工事士法にいう「一般用電気工作物等」に含まれるものはどれか。

  • ①一般用電気工作物と自家用電気工作物
  • ②一般用電気工作物と電気事業用の電気工作物
  • ③一般用電気工作物と高圧受電の需要設備
  • ④一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物
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正解 ④一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物
解説
電気工事士法にいう「一般用電気工作物等」は、一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物を合わせたものです(電気工事士法第2条第1項)。
小規模事業用電気工作物という区分は、2023年3月20日施行の電気事業法改正で新しく生まれました。それまで一般用電気工作物だった出力10キロワット以上50キロワット未満の太陽電池発電設備と、出力20キロワット未満の風力発電設備が、事業用電気工作物の側へ移されたものです。ただし工事に必要な資格まで変えると現場が混乱するため、電気工事士法では従来どおり第二種電気工事士が扱える範囲としてひとくくりにし、「等」を付けて呼んでいます。
他の選択肢について

・一般用電気工作物と電気事業用の電気工作物:電力会社側の設備であり、電気工事士法の資格が及ぶ範囲ではありません。
・一般用電気工作物と高圧受電の需要設備:高圧受電の需要設備は自家用電気工作物にあたります。
・一般用電気工作物と自家用電気工作物:自家用電気工作物は原則として第一種電気工事士の範囲で、ここには含まれません。
問910-1

電気事業法施行規則において、小規模発電設備の要件である「低圧」の電圧として定められている値は。

  • ①600ボルト
  • ②300ボルト
  • ③750ボルト
  • ④7000ボルト
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正解 ①600ボルト
解説
電気事業法施行規則第48条第1項は、法第38条第1項ただし書の経済産業省令で定める電圧を600ボルトと定めています。
小規模発電設備は「低圧の電気に係る発電用の電気工作物」と定義されており、その低圧の上限がここで600ボルトと明示されています。太陽電池発電設備は50キロワット未満、風力発電設備は20キロワット未満といった出力の条件と合わせて、電圧と出力の両面から範囲が決められている点を押さえておきましょう。
他の選択肢について

・300ボルト:絶縁抵抗の判定値の区分などで登場する電圧で、小規模発電設備の要件ではありません。
・750ボルト:電気設備に関する技術基準を定める省令が定める直流の低圧の上限で、ここで問われている値とは別です。
・7000ボルト:高圧と特別高圧の境目であり、小規模な発電設備の話とは規模が大きく異なります。
問1010-1

電気工作物の区分が変わると具体的に何が変わるかの説明として正しいものはどれか。

  • ①電気を供給する事業者と供給約款が変わる
  • ②適用される技術基準や必要な資格が変わる
  • ③使える電線の規格の番号だけが変わる
  • ④電気料金の単価と契約の方式が変わる
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正解 ②適用される技術基準や必要な資格が変わる
解説
区分は単なる呼び名の違いではなく、適用される規制の束を切り替えるスイッチです。
一般用電気工作物には電気事業法第56条の技術基準と電線路維持運用者による調査の仕組みが働き、工事には第二種電気工事士以上が必要です。これに対し自家用電気工作物は第39条の技術基準に従って設置者が自ら維持し、保安規程の届出と主任技術者の選任を行い、工事には原則として第一種電気工事士が必要になります。区分を最初に見分ける習慣が、法令問題を解く手がかりになります。
他の選択肢について

・電気を供給する事業者と供給約款が変わる:どの事業者から買うかは契約の問題で、電気事業法の保安規制の区分とは別の話です。
・使える電線の規格の番号だけが変わる:電線の規格は電圧や施設場所に応じて選ぶもので、区分だけで自動的に決まるわけではありません。
・電気料金の単価と契約の方式が変わる:料金は受電電圧や契約種別で決まる商取引上の事柄で、保安の区分そのものではありません。

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