2026年版・4-10

急変時の対応と緊急事態への対処の一問一答

介護支援専門員試験「保健医療サービスの知識等②(在宅医療管理とサービス各論)」から、急変時の対応と緊急事態への対処に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-10

高齢者が食事中に窒息した場合の対応として最も適切なものはどれか。

  • ①意識がある場合でも慌てずに様子を見て、症状が悪化するまで介入しないでよい
  • ②窒息が疑われても咳をしていれば直ちに水分を飲ませて様子を見る
  • ③咳ができない場合は背部叩打法や腹部突き上げ法などの気道異物除去を試みる
  • ④窒息時は仰向けに寝かせ、口の中に指を深く入れて探るべきである
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正解 ③咳ができない場合は背部叩打法や腹部突き上げ法などの気道異物除去を試みる
解説
窒息時、強い咳ができる場合は自己の咳による異物排出を促し見守るが、咳ができない、声が出せないなど気道が完全に閉塞していると考えられる場合には、背部叩打法や腹部突き上げ法(ハイムリック法)などの気道異物除去を速やかに試み、同時に救急要請を行う必要がある。無理な水分摂取や、見えない異物を指で探る行為はかえって危険であり避けるべきとされる。

他の選択肢が不適切な理由
「症状が悪化するまで介入しないでよい」とする記述は誤りで、気道が完全にふさがれば数分で意識を失うため、待っている余裕はない。「咳をしていれば直ちに水分を飲ませて様子を見る」とする記述も誤りで、水分は詰まった物をさらに奥へ押し込む恐れがあり、強い咳が出ているうちはその咳の力に任せるほうがよい。「仰向けに寝かせ、口の中に指を深く入れて探るべき」とする記述も誤りで、見えない物を指で探れば、かえって奥へ押し込んだり噛まれたりする危険がある。
問24-10

意識レベルを評価する「ジャパン・コーマ・スケール(JCS)」に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①血圧や脈拍などのバイタルサインそのものを数値化する尺度である
  • ②認知症の重症度を専門的に評価するために開発された尺度である
  • ③主に嚥下機能の評価に用いられ、意識状態の評価には用いられない
  • ④覚醒の程度を軸に意識障害の程度を段階的に評価する尺度である
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正解 ④覚醒の程度を軸に意識障害の程度を段階的に評価する尺度である
解説
ジャパン・コーマ・スケール(JCS)は、刺激に対する反応の質よりも「覚醒の程度」を軸として意識障害の程度を評価する日本で広く用いられている尺度で、覚醒している状態、刺激で覚醒する状態、刺激をしても覚醒しない状態の3段階を基本に、さらに細かく分類される。急変時に意識レベルの変化を迅速に把握し医療職へ的確に伝えるうえで重要な指標となる。

他の選択肢が不適切な理由
「血圧や脈拍などのバイタルサインそのものを数値化する尺度」とする記述は誤りで、この尺度が見ているのは呼びかけや刺激に対する反応である。「認知症の重症度を専門的に評価するために開発された尺度」とする記述も誤りで、認知症は年単位で進む状態であるのに対し、この尺度は急な変化をその場で捉えて伝えるためのものである。「主に嚥下機能の評価に用いられ、意識状態の評価には用いられない」とする記述も誤りで、対象としているのは飲み込む力ではなく目覚めの程度である。
問34-10

高齢者に多い「脱水」の早期発見のポイントとして最も適切なものはどれか。

  • ①口腔内や腋窩の乾燥、皮膚のツルゴール低下、尿量減少等を観察する
  • ②体重の急激な増加のみを唯一の指標として観察すればよいともされる
  • ③高齢者は口渇感を感じやすいため自覚症状のみで十分に把握できる
  • ④血圧の上昇のみが脱水の唯一の徴候であると理解して対応する
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正解 ①口腔内や腋窩の乾燥、皮膚のツルゴール低下、尿量減少等を観察する
解説
高齢者は加齢に伴い体内水分量が減少し口渇感を自覚しにくいため、脱水が進行しやすく重症化しやすい。早期発見のためには、口腔内や腋窩の乾燥、皮膚をつまんで離した際に戻りが遅い(ツルゴール低下)、尿量の減少や尿の濃縮、微熱、倦怠感などの徴候を日常的に観察することが重要であり、自覚症状のみに頼った把握は不十分である。

他の選択肢が不適切な理由
「体重の急激な増加のみを唯一の指標として観察すればよい」とする記述は向きが逆で、水分が失われれば体重はむしろ減る。「口渇感を感じやすいため自覚症状のみで十分に把握できる」とする記述も誤りで、渇きを感じにくくなっていることがこの問題の出発点である。「血圧の上昇のみが脱水の唯一の徴候である」とする記述も誤りで、体をめぐる水分が減れば血圧はむしろ下がりやすく、立ち上がったときのふらつきとして現れることがある。
問44-10

高齢者が転倒した直後の対応として最も適切なものはどれか。

  • ①転倒後は痛みの有無にかかわらず直ちに自力で立ち上がらせる
  • ②無理に動かさず、意識状態や痛みの部位、変形の有無などを確認する
  • ③骨折の可能性があっても本人が歩けそうであれば問題ないと判断する
  • ④頭部を打撲した場合でも、症状がなければ経過観察は不要と判断する
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正解 ②無理に動かさず、意識状態や痛みの部位、変形の有無などを確認する
解説
高齢者の転倒直後は、骨折や頭部外傷の可能性を念頭に、無理に動かしたり急に立たせたりせず、まず意識状態、痛みの部位や強さ、変形・腫脹の有無などを確認することが重要である。歩行できることが骨折を否定する根拠にはならず、また頭部打撲では受傷直後に症状がなくても後から硬膜下血腫等が顕在化することがあるため、一定期間の経過観察や医療機関への相談が必要である。

他の選択肢が不適切な理由
「痛みの有無にかかわらず直ちに自力で立ち上がらせる」とする記述は誤りで、骨折している場合には動かすことでずれが大きくなり、痛みも損傷も強まる。「本人が歩けそうであれば問題ないと判断する」とする記述も誤りで、大腿骨の付け根の骨折などでは、ずれが小さいうちは歩けてしまうことがある。「頭部を打撲した場合でも、症状がなければ経過観察は不要」とする記述も誤りで、数週間から数か月後に血腫として現れる場合があり、その間の変化に注意しておく必要がある。
問54-10

高齢者の熱中症の予防と対応に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①高齢者は暑さやのどの渇きを感じやすいため、特別な注意は不要である
  • ②室内にいる限り熱中症のリスクはないため、エアコンの使用は不要である
  • ③口渇感を自覚しにくいため、こまめな水分補給と室温管理を意識的に促す
  • ④発汗が多い場合に限り熱中症を疑い、発汗がなければ心配ないと判断する
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正解 ③口渇感を自覚しにくいため、こまめな水分補給と室温管理を意識的に促す
解説
高齢者は暑さやのどの渇きを自覚しにくく、発汗機能や体温調節機能も低下しているため、室内にいても熱中症を発症するリスクが高い。予防のためには、のどの渇きを感じる前からのこまめな水分補給や、エアコン等による適切な室温管理を意識的に促すことが重要であり、発汗の有無だけで熱中症の可能性を判断してはならない。意識障害等がみられる場合は緊急対応が必要である。

他の選択肢が不適切な理由
「暑さやのどの渇きを感じやすいため、特別な注意は不要」とする記述は向きが逆で、感じにくくなっていることが最大の危険である。「室内にいる限り熱中症のリスクはないため、エアコンの使用は不要」とする記述も誤りで、高齢者の熱中症の多くは住まいの中で起きており、電気代への遠慮や冷房を嫌う気持ちが背景にあることも少なくない。「発汗が多い場合に限り熱中症を疑い、発汗がなければ心配ない」とする記述も誤りで、汗をかけなくなっていること自体が、熱を逃がせていない危険な状態を示す。
問64-10

褥瘡の感染徴候の早期発見に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①褥瘡は基本的に感染を起こすことがないため、感染徴候の観察は不要である
  • ②創部からの浸出液の増加は感染とは無関係な現象であるとみなされる
  • ③褥瘡周囲の発赤は治癒過程の正常な現象であり観察不要と判断する
  • ④創部の悪臭、膿性の浸出液の増加、周囲の熱感・腫脹の拡大などを観察する
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正解 ④創部の悪臭、膿性の浸出液の増加、周囲の熱感・腫脹の拡大などを観察する
解説
褥瘡は皮膚や皮下組織が損傷した状態であるため、細菌感染を起こすことがあり、感染が進行すると全身状態の悪化(敗血症等)につながる危険もある。早期発見のためには、創部からの悪臭、膿性で量の増加した浸出液、創周囲の発赤・熱感・腫脹の拡大、発熱などの徴候を注意深く観察し、異常があれば速やかに医療職へ報告する必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
「褥瘡は基本的に感染を起こすことがないため、感染徴候の観察は不要」とする記述は誤りで、皮膚という体を守る覆いが破れている以上、そこは細菌の入り口になる。「創部からの浸出液の増加は感染とは無関係な現象」とする記述も誤りで、量が増え、濁って粘り気を帯びるという変化は、感染が進んでいることを示す代表的な手がかりである。「褥瘡周囲の発赤は治癒過程の正常な現象であり観察不要」とする記述も誤りで、赤みが広がり熱を持ってくる場合は、周囲の組織にまで炎症が及んでいる恐れがある。
問74-10

在宅で療養者の心肺停止が疑われる状況に遭遇した際の対応として最も適切なものはどれか。

  • ①反応と呼吸の有無を確認し、必要に応じ救急要請と心肺蘇生・AEDを行う
  • ②家族以外の一般市民には、心肺蘇生を行うための法的な資格が認められていない
  • ③意識がなくても普段どおりの呼吸が確認できれば救急要請は不要である
  • ④AEDは医療資格を持つ者以外は使用してはならないと明記されている
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正解 ①反応と呼吸の有無を確認し、必要に応じ救急要請と心肺蘇生・AEDを行う
解説
心肺停止が疑われる状況では、まず反応の有無と呼吸の状態(普段どおりの呼吸をしているか)を確認し、反応がなく呼吸がない、または異常な呼吸(死戦期呼吸)がみられる場合には、直ちに救急要請を行い、必要に応じて胸骨圧迫による心肺蘇生やAED(自動体外式除細動器)の使用を行う。AEDは医療資格の有無にかかわらず誰でも使用でき、家族や介護職員等も講習等を通じて対応できることが望ましい。

他の選択肢が不適切な理由
「家族以外の一般市民には、心肺蘇生を行うための法的な資格が認められていない」「AEDは医療資格を持つ者以外は使用してはならない」とする記述は、いずれも誤りである。その場に居合わせた人がすぐに始められることが救命の要であるため資格は求められておらず、駅や施設に機器が置かれているのもそのためである。「意識がなくても普段どおりの呼吸が確認できれば救急要請は不要」とする記述も誤りで、呼吸があっても意識が戻らない状態そのものが、脳や心臓の重い異常を示す緊急事態である。
問84-10

高齢者の誤嚥性肺炎を疑うべき兆候として最も適切なものはどれか。

  • ①食欲や活気の変化は誤嚥性肺炎とは無関係であるため観察対象外である
  • ②食事中や食後のむせ、微熱、元気のなさ、痰の増加などがみられる
  • ③高熱を伴わない限り誤嚥性肺炎の可能性を疑う必要はない
  • ④せき込みがみられなければ誤嚥性肺炎の心配はないと判断できる
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正解 ②食事中や食後のむせ、微熱、元気のなさ、痰の増加などがみられる
解説
高齢者の誤嚥性肺炎は、典型的な高熱や激しい咳を伴わず、食事中・食後のむせ、微熱の持続、なんとなく元気がない、食欲低下、痰の増加といった非典型的な症状で気づかれることが少なくない。むせがみられない不顕性誤嚥もあるため、せき込みの有無のみで判断せず、日常の様子の変化を総合的に観察し、疑わしい場合は早めに医療職へ相談することが重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「食欲や活気の変化は誤嚥性肺炎とは無関係であるため観察対象外」とする記述は誤りで、はっきりした呼吸器の症状よりも、なんとなく元気がないという変化のほうが先に現れることが多い。「高熱を伴わない限り誤嚥性肺炎の可能性を疑う必要はない」とする記述も誤りで、熱を出す力そのものが弱まっているため、微熱のまま重くなることがある。「せき込みがみられなければ心配はない」とする記述も誤りで、反射が弱まって、むせずに気道へ入る不顕性誤嚥のほうがむしろ危険である。
問94-10

在宅の要介護者に対する緊急時の対応体制の整備に関するケアマネジメント上の役割として最も適切なものはどれか。

  • ①緊急連絡先は本人のみが把握していればよく、関係者への共有は不要である
  • ②緊急時対応の方法は個々の事業者の判断に委ね、統一した情報共有は不要である
  • ③あらかじめ緊急連絡先や対応方法を関係者間で共有し、計画にも反映しておく
  • ④緊急時対応はすべて救急隊に一任し、事前の準備は特に必要ないものとする
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正解 ③あらかじめ緊急連絡先や対応方法を関係者間で共有し、計画にも反映しておく
解説
在宅の要介護者に急変等の緊急事態が生じた場合に備え、介護支援専門員は主治医や訪問看護、訪問介護等の関係者とあらかじめ緊急連絡先や対応の手順を共有し、居宅サービス計画や重要事項の中にも明記しておくことが求められる。関係者間で情報が共有されていることで、実際に緊急事態が生じた際に迅速かつ適切な対応につなげることができる。

他の選択肢が不適切な理由
「緊急連絡先は本人のみが把握していればよく、関係者への共有は不要」とする記述は誤りで、意識がない、話せないという場面でこそ必要になる情報であり、本人だけが知っている状態では役に立たない。「個々の事業者の判断に委ね、統一した情報共有は不要」とする記述も誤りで、事業者ごとに対応が食い違えば、誰にも連絡が届かない時間が生じる。「すべて救急隊に一任し、事前の準備は特に必要ない」とする記述も誤りで、既往歴や服薬、本人の意思をあらかじめまとめておくことが、搬送先での判断を助ける。
問104-10

糖尿病治療中の高齢者に低血糖症状(冷汗・動悸・意識レベルの低下等)がみられた場合の対応として最も適切なものはどれか。

  • ①意識があってもインスリン治療中であれば追加でインスリンを投与する
  • ②低血糖は自然に回復することが多いため、経過観察のみで対応すればよいとする
  • ③意識障害がある場合でも無理に飲食物を摂取させ様子を見ればよいとする
  • ④意識があればブドウ糖を摂取させ、意識障害時は直ちに医療機関へ連絡する
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正解 ④意識があればブドウ糖を摂取させ、意識障害時は直ちに医療機関へ連絡する
解説
低血糖症状がみられた場合、本人の意識が保たれていればブドウ糖や糖分を含む飲料を速やかに摂取させ、症状の改善を確認する。一方、意識障害や痙攣がみられる場合は誤嚥の危険があるため無理に経口摂取させず、直ちに医療機関へ連絡し必要な処置を受けられるようにする。インスリンを追加投与することは低血糖をさらに悪化させるため誤りである。

他の選択肢が不適切な理由
「意識があってもインスリン治療中であれば追加でインスリンを投与する」とする記述は、血糖をさらに下げることになり、症状を決定的に悪化させる。「自然に回復することが多いため、経過観察のみで対応すればよい」とする記述も誤りで、脳はブドウ糖を主な燃料としているため、放置すれば意識を失い後遺症を残しうる。「意識障害がある場合でも無理に飲食物を摂取させ様子を見ればよい」とする記述も誤りで、飲み込む力が落ちた状態で口に入れれば窒息や誤嚥を招くため、この場合は直ちに医療につなぐ。

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