2026年版・4-11

保健医療サービス総合事例問題の一問一答

介護支援専門員試験「保健医療サービスの知識等②(在宅医療管理とサービス各論)」から、保健医療サービス総合事例問題に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-11

Aさん(82歳、女性、要介護3)は慢性閉塞性肺疾患(COPD)により在宅酸素療法を導入している。ある日、訪問介護員が訪室すると、いつもより呼吸が速く息苦しさを訴え、唇にわずかな色調変化がみられた。この場面での対応として最も適切なものはどれか。

  • ①酸素の流量を自己判断で変更せず、訪問看護師や主治医へ速やかに連絡する
  • ②呼吸が苦しそうなので酸素流量を訪問介護員の判断で増量して様子を見る
  • ③一時的な症状と考え、次回の訪問看護の予定日まで特に連絡はせず経過を見る
  • ④酸素療法をいったん中止し、深呼吸をさせることで改善を図るべきとする
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正解 ①酸素の流量を自己判断で変更せず、訪問看護師や主治医へ速やかに連絡する
解説
在宅酸素療法中の利用者に呼吸状態の悪化や皮膚・口唇の色調変化(チアノーゼ)などの徴候がみられた場合は、症状の急変を示唆する可能性があるため、酸素流量を自己判断で変更したり中止したりせず、速やかに訪問看護師や主治医へ連絡し指示を仰ぐことが重要である。訪問介護員には医療的な判断権限はなく、様子見のみで経過観察を続けることは病状悪化のリスクを高める。

他の選択肢が不適切な理由
「訪問介護員の判断で増量して様子を見る」とする記述は誤りで、この疾患では酸素を増やしすぎることでかえって呼吸が浅くなり、二酸化炭素がたまる危険がある。「次回の訪問看護の予定日まで特に連絡はせず経過を見る」とする記述も誤りで、唇の色が変わっているという所見は、体に取り込めている酸素がすでに足りていないことを示している。「酸素療法をいったん中止し、深呼吸をさせることで改善を図る」とする記述も誤りで、酸素を断てば状態はさらに悪化する。
問24-11

Bさん(88歳、男性、要介護4)は自力での体位変換が困難で、訪問介護員が入浴介助の際に仙骨部に発赤とわずかな水疱を発見した。この際の対応として最も適切なものはどれか。

  • ①発赤や水疱は自然に治るはずと考え、報告はせず経過を見守るべきである
  • ②発見した状態を記録し、訪問看護師や介護支援専門員へ速やかに報告する
  • ③訪問介護員自身の判断のみで市販の外用薬を独自に選んで塗布する
  • ④発見した内容は家族にのみ伝え、他の専門職への報告は不要とする
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正解 ②発見した状態を記録し、訪問看護師や介護支援専門員へ速やかに報告する
解説
皮膚の発赤や水疱は褥瘡の初期段階(DESIGN-R®でいう深さの浅い段階)である可能性があり、放置すると悪化するおそれがあるため、発見した部位や状態を正確に記録し、速やかに訪問看護師や介護支援専門員に報告して専門的な評価・処置につなげることが重要である。訪問介護員が独自の判断で外用薬を使用することは不適切であり、多職種での情報共有と連携が求められる。

他の選択肢が不適切な理由
「自然に治るはずと考え、報告はせず経過を見守るべき」とする記述は誤りで、水疱が生じている時点で皮膚はすでに損なわれており、圧迫が続けば数日で深い傷へ進む。「訪問介護員自身の判断のみで市販の外用薬を独自に選んで塗布する」とする記述も誤りで、傷の状態に合わない薬は治りを妨げ、症状を覆い隠して発見を遅らせる。「発見した内容は家族にのみ伝え、他の専門職への報告は不要」とする記述も誤りで、褥瘡への対応には看護職による評価と、体位や寝具、栄養を含む計画の見直しが要る。
問34-11

Cさん(90歳、女性)は末期のがんで在宅療養中であり、本人は「最期まで自宅で過ごしたい」と希望している。家族は不安を抱えているが本人の意向を尊重したいと考えている。介護支援専門員の対応として最も適切なものはどれか。

  • ①本人の希望よりも家族の不安を最優先し、速やかに施設入所を強く勧める
  • ②看取りは医療職のみの役割であるとして、ケアマネジメント上の調整は行わない
  • ③主治医、訪問看護等と連携し、本人・家族の意向を踏まえ看取りの体制を整える
  • ④本人の意思は今後も変化しないものとみなし、以後の意向確認は行わない
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正解 ③主治医、訪問看護等と連携し、本人・家族の意向を踏まえ看取りの体制を整える
解説
本人が在宅での最期を希望している場合、介護支援専門員は主治医や訪問看護、訪問介護等の多職種と連携し、疼痛緩和や急変時の対応体制、家族への支援を含めた在宅看取りの体制を整えることが求められる。本人の意思は病状の進行等により変化し得るため、繰り返し意向を確認しながら、家族の不安にも丁寧に寄り添う対応が重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「本人の希望よりも家族の不安を最優先し、速やかに施設入所を強く勧める」とする記述は誤りで、家族の不安に応えるべきなのは確かだが、それは支える体制を厚くすることによってであり、本人の希望を退ける理由にはならない。「看取りは医療職のみの役割であるとして、ケアマネジメント上の調整は行わない」とする記述も誤りで、24時間の連絡体制や介護の手を整えるのは介護支援専門員の役割である。「本人の意思は今後も変化しないものとみなし、以後の意向確認は行わない」とする記述も誤りで、意思は病状とともに揺れ動く。
問44-11

Dさん(79歳、男性、要介護2)は訪問診療と訪問看護を併用しているが、それぞれの担当者間で情報共有が不十分で、服薬内容の把握にずれが生じていた。介護支援専門員として最も適切な対応はどれか。

  • ①情報共有における不足は、各事業所内部だけの問題であるため関与しない
  • ②服薬内容の確認は介護支援専門員には特に権限がないため、行わないとする
  • ③家族に対応をすべて任せきりにする方針とし、専門職間の調整は行わない
  • ④サービス担当者会議等の場を活用し、主治医・訪問看護間の情報共有を促す
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正解 ④サービス担当者会議等の場を活用し、主治医・訪問看護間の情報共有を促す
解説
医療系サービス間で情報共有が不十分であることは、服薬管理の誤りや処置内容の不整合など利用者の安全に直結する問題を招きかねない。介護支援専門員は、サービス担当者会議の開催や連絡ノート等の活用を通じて、主治医・訪問看護をはじめとする関係者間の情報共有を促し、居宅サービス計画に基づく一貫したケアが提供されるよう調整する役割を担う。

他の選択肢が不適切な理由
「各事業所内部だけの問題であるため関与しない」とする記述は誤りで、事業者どうしをつなぐことこそ介護支援専門員に期待されている役割である。「服薬内容の確認は介護支援専門員には特に権限がないため、行わない」とする記述も誤りで、処方を変えることはできなくとも、実際にどう飲めているかを把握して関係者に伝えることは本来の業務にあたる。「家族に対応をすべて任せきりにする方針」とする記述も誤りで、専門職どうしのずれを家族が調整することは難しく、負担を押しつけることになる。
問54-11

Eさん(85歳、女性、要介護3)を在宅で介護している長男が、体調不良のため数日間の入院が必要になった。他に介護できる家族がいない状況での対応として最も適切なものはどれか。

  • ①緊急短期入所受入加算の対象となり得る短期入所療養介護等の利用を検討する
  • ②家族の入院が終わるまでEさんの介護サービスの利用を見合わせる
  • ③長男の入院にかかわらず、通常どおりの在宅サービスのみで対応可能と判断する
  • ④Eさんを近隣住民に非公式に預けることを唯一の解決策として提案する
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正解 ①緊急短期入所受入加算の対象となり得る短期入所療養介護等の利用を検討する
解説
主たる介護者が急病等でやむを得ず介護を継続できなくなった場合、介護支援専門員は速やかに短期入所療養介護等の緊急的な利用を検討し、必要に応じて緊急短期入所受入加算の対象となるような調整を図る。介護保険サービスや社会資源を活用せず個人的な取り決めに頼ることは、安全面・継続性の観点から適切とはいえず、公的なサービスによる支援体制の確保が優先される。

他の選択肢が不適切な理由
「家族の入院が終わるまでEさんの介護サービスの利用を見合わせる」とする記述は、支援が最も必要な場面で支援を止めることになり、方向が正反対である。「長男の入院にかかわらず、通常どおりの在宅サービスのみで対応可能と判断する」とする記述も誤りで、要介護3の状態で夜間を含めて介護する人がいないという事実を見落としている。「近隣住民に非公式に預けることを唯一の解決策として提案する」とする記述も誤りで、責任の所在も安全の確保も定まらず、事故が起きたときに誰も守られない。
問64-11

Fさん(84歳、女性、要介護2)は複数の医療機関を受診しており、合計10種類以上の薬を服用しているが、最近ふらつきによる転倒が増えている。介護支援専門員としてまず行うべき対応として最も適切なものはどれか。

  • ①服薬量の調整はケアマネジメントの範囲外であるとして関与しない
  • ②服薬状況を整理し、主治医・薬剤師に情報提供したうえで確認を依頼する
  • ③Fさん自身の判断で服用する薬剤の一部を自己中止するよう強く促す
  • ④ふらつきは加齢によるものであり、薬剤との関連は考えにくいと判断する
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正解 ②服薬状況を整理し、主治医・薬剤師に情報提供したうえで確認を依頼する
解説
多剤服用(ポリファーマシー)は転倒やふらつきなど薬物有害事象の原因となり得るため、介護支援専門員は服薬状況やお薬手帳の情報を整理し、主治医や薬剤師に情報提供を行ったうえで、処方内容の見直しの必要性について確認を依頼することが適切な対応である。医学的判断が必要な服薬の変更や中止を、本人の自己判断や介護支援専門員の独自判断で行うことは避けなければならない。

他の選択肢が不適切な理由
「服薬量の調整はケアマネジメントの範囲外であるとして関与しない」とする記述は誤りで、調整そのものは医師の役割だが、日々の変化に気づいて専門職へつなぐことは介護支援専門員の役割である。「Fさん自身の判断で服用する薬剤の一部を自己中止するよう強く促す」とする記述も誤りで、血圧や血糖の薬を突然やめれば命に関わる事態を招きうる。「ふらつきは加齢によるものであり、薬剤との関連は考えにくい」とする記述も誤りで、睡眠薬や降圧薬など、ふらつきを起こしやすい薬は数多くある。
問74-11

Gさん(80歳、男性)は骨折後のリハビリテーション目的で介護老人保健施設に入所しており、在宅復帰に向けたリハビリの成果が上がっている。退所に向けた介護支援専門員の対応として最も適切なものはどれか。

  • ①施設側の意向のみに基づき、在宅の受け入れ体制の確認を省略して退所日を決定する
  • ②在宅復帰後の生活環境や必要となるサービスの検討は退所当日にのみ行えばよい
  • ③施設のリハビリ専門職等と連携し、在宅生活を見据えた退所前訪問指導等を行う
  • ④リハビリの成果が上がっているため、退所後のサービス利用は不要と判断する
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正解 ③施設のリハビリ専門職等と連携し、在宅生活を見据えた退所前訪問指導等を行う
解説
介護老人保健施設は在宅復帰を目指す中間施設としての性格を持つため、退所にあたっては施設の医師・看護職員・リハビリ専門職等と連携し、退所前訪問指導等を通じて在宅の生活環境を評価したうえで、必要な福祉用具や訪問系・通所系サービスをあらかじめ調整しておくことが重要である。退所後の生活を見据えた準備を怠ると、在宅生活の継続が困難になるおそれがある。

他の選択肢が不適切な理由
「施設側の意向のみに基づき、在宅の受け入れ体制の確認を省略して退所日を決定する」とする記述は誤りで、段差や手すり、介護する家族の状況を確かめないまま帰れば、戻った直後に転倒や再入院を招きかねない。「退所当日にのみ行えばよい」とする記述も誤りで、福祉用具の手配やサービスの契約には日数がかかる。「リハビリの成果が上がっているため、退所後のサービス利用は不要」とする記述も誤りで、環境が変われば動きにくさは再び現れ、関わりが途切れれば機能は落ちやすい。
問84-11

Hさん(87歳、女性、要介護3)は最近、食事中にむせることが増え、体重も減少してきた。訪問介護員からの報告を受けた介護支援専門員の対応として最も適切なものはどれか。

  • ①むせは高齢者に非常によくみられる現象であるため特段の対応は不要と判断する
  • ②体重減少は季節的な食欲不振によるものと決めつけ経過観察のみとする
  • ③家族のみの判断で食事形態を刻み食に独自に変更するよう提案する
  • ④嚥下機能の評価や食事形態の見直しを、医師や言語聴覚士への相談につなげる
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正解 ④嚥下機能の評価や食事形態の見直しを、医師や言語聴覚士への相談につなげる
解説
食事中のむせの増加や体重減少は、摂食嚥下機能の低下や誤嚥性肺炎のリスクの高まりを示唆する徴候である可能性がある。介護支援専門員は、家族や訪問介護員の判断のみで食事形態を変更するのではなく、主治医や言語聴覚士等の専門職による嚥下機能の評価につなげ、その結果に基づいた適切な食事形態や訓練内容を検討できるよう調整することが重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「よくみられる現象であるため特段の対応は不要」とする記述は誤りで、むせの増加と体重の減少が重なっている点にこそ意味があり、誤嚥性肺炎と低栄養の両方の危険を示している。「季節的な食欲不振によるものと決めつけ経過観察のみとする」とする記述も誤りで、原因を確かめずに理由を決めてしまえば見逃しにつながる。「家族のみの判断で食事形態を刻み食に独自に変更する」とする記述も誤りで、刻んだ食事はまとまりが悪く、かえって口の中で散らばって誤嚥しやすくなる場合がある。
問94-11

Iさん(76歳、男性、要介護1)は脳梗塞後の右片麻痺があり、社会参加への意欲もあるが移動には介助を要する。リハビリテーションサービスの選択に関する介護支援専門員の対応として最も適切なものはどれか。

  • ①本人の心身状態や社会参加への意欲を踏まえ、通所リハビリの活用も含めて検討する
  • ②移動に介助を要することのみを理由に、リハビリテーションの利用自体を見合わせる
  • ③本人の意欲にかかわらず、訪問リハビリテーションのみを機械的に選択する
  • ④リハビリテーションの実施内容は本人の意向を確認せず事業所に一任する
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正解 ①本人の心身状態や社会参加への意欲を踏まえ、通所リハビリの活用も含めて検討する
解説
リハビリテーションサービスの選択にあたっては、本人の心身の状態だけでなく、社会参加への意欲や生活上の目標を踏まえることが重要である。移動に介助を要する場合でも、他者との交流や集団での活動が期待できる通所リハビリテーションの活用が本人の意欲に合致することがあり、訪問・通所いずれか一方に機械的に決めるのではなく、本人の意向を確認しながら適切なサービスを検討する姿勢が求められる。

他の選択肢が不適切な理由
「移動に介助を要することのみを理由に、リハビリテーションの利用自体を見合わせる」とする記述は誤りで、送迎という手立てがあり、動きにくさこそが支援を必要とする理由である。「本人の意欲にかかわらず、訪問リハビリテーションのみを機械的に選択する」とする記述も誤りで、人と関わりたいという思いは集団の場でこそ満たされることがある。「実施内容は本人の意向を確認せず事業所に一任する」とする記述も誤りで、何ができるようになりたいかという目標がなければ、訓練は続かず成果にもつながらない。
問104-11

Jさん(83歳、女性)は複数の慢性疾患を有し日常的な医学管理が必要な状態にあるが、長期的な生活の場としての安定した療養環境も求めている。この状況で検討され得る施設として最も適切なものはどれか。

  • ①医学的な管理を特に前提としない住宅型の有料老人ホームである
  • ②日常的な医学管理と生活施設としての機能をあわせ持つ介護医療院
  • ③リハビリテーションによる在宅復帰を主目的とする介護老人保健施設のみ
  • ④医療を提供する体制を持たない認知症対応型共同生活介護である
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正解 ②日常的な医学管理と生活施設としての機能をあわせ持つ介護医療院
解説
介護医療院は、長期にわたる医学的管理が必要な高齢者に対し、日常的な医学的管理や必要な医療を提供しつつ、長期の生活の場としての機能もあわせ持つ施設として位置づけられている。介護老人保健施設が在宅復帰を主目的とする中間施設であるのに対し、介護医療院はより長期的・安定的な療養生活の場として活用が検討され得る点が異なる特徴である。

他の選択肢が不適切な理由
「医学的な管理を特に前提としない住宅型の有料老人ホーム」は住まいであり、医療は外部の訪問診療などに頼ることになるため、日常的な管理が必要な状態には心もとない。「リハビリテーションによる在宅復帰を主目的とする介護老人保健施設のみ」とする記述も、家に帰ることを目指す通過点としての施設であり、長く暮らす場を求めるJさんの希望とは方向が異なる。「医療を提供する体制を持たない認知症対応型共同生活介護」も、少人数で暮らしを支える場であって、医療の体制を備えてはいない。

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