2026年版・3-5

高齢者に多い疾患③骨関節・運動器の一問一答

介護支援専門員試験「保健医療サービスの知識等①(心身の特徴と疾病)」から、高齢者に多い疾患③骨関節・運動器に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-5

骨粗鬆症に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①骨密度が低下し骨がもろくなる疾患で閉経後の女性に多くみられる。
  • ②骨密度は保たれたまま、骨の形状のみが徐々に変化する疾患である。
  • ③男性にのみ多くみられる疾患であり、女性の発症はまれである。
  • ④骨折とは無関係な疾患であり、骨折のリスクを高めることはない。
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正解 ①骨密度が低下し骨がもろくなる疾患で閉経後の女性に多くみられる。
解説
骨粗鬆症は骨密度の低下や骨質の劣化によって骨がもろくなり、骨折しやすくなる疾患で、女性ホルモンの減少が骨吸収を促進するため閉経後の女性に多くみられる。自覚症状に乏しく、軽微な衝撃で椎体や大腿骨頸部の骨折を招くことがあるため、カルシウムやビタミンDの摂取、適度な運動による予防が重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「骨密度は保たれたまま、骨の形状のみが徐々に変化する」とする記述は誤りで、骨の中身がすかすかになって密度が下がることが、この疾患の定義そのものである。「男性にのみ多くみられる疾患であり、女性の発症はまれ」とする記述は男女を取り違えており、骨を保つ働きのある女性ホルモンが閉経によって減ることが背景にある。「骨折とは無関係な疾患であり、骨折のリスクを高めることはない」とする記述も誤りで、骨折を招くことこそが、自覚症状に乏しいこの疾患を治療する最大の理由である。
問23-5

大腿骨頸部骨折に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①骨粗鬆症とは無関係に生じる、若年者に特有の骨折の一種である。
  • ②転倒による受傷が多く、寝たきりや要介護状態のきっかけになりやすい。
  • ③受傷しても歩行機能への影響は乏しく、保存療法で経過をみることが多い。
  • ④手術による治療は行われず、専ら保存的な安静療法のみが選択される。
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正解 ②転倒による受傷が多く、寝たきりや要介護状態のきっかけになりやすい。
解説
大腿骨頸部骨折は骨粗鬆症により骨がもろくなった高齢者が転倒した際に生じやすい骨折で、手術で早期に固定・離床を図らないと寝たきりや要介護状態を招きやすい。早期のリハビリテーションと再転倒の予防が、その後の生活機能の維持にとって極めて重要とされている。

他の選択肢が不適切な理由
「骨粗鬆症とは無関係に生じる、若年者に特有の骨折」とする記述は誤りで、もろくなった骨に転倒という力が加わって折れるという成り立ちからも、高齢の女性に集中して起こる。「歩行機能への影響は乏しく、保存療法で経過をみる」「手術による治療は行われず、専ら保存的な安静療法のみ」とする記述は、いずれも長い安静を前提とするものだが、体重を支える部位であるため寝たままでは骨がつきにくく、その間に筋力と体力が急速に落ちて寝たきりを招く。早期に手術して起こすことが原則とされるのはこのためである。
問33-5

変形性膝関節症に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①膝関節の軟骨が厚みを増すことで、痛みが生じる疾患である。
  • ②感染症が原因で急激に発症し、数日以内に自然治癒することが多い。
  • ③膝関節の軟骨がすり減り、歩行時などに強い痛みが生じやすくなる。
  • ④小児期に好発する疾患であり、成人になってからの発症はまれである。
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正解 ③膝関節の軟骨がすり減り、歩行時などに強い痛みが生じやすくなる。
解説
変形性膝関節症は加齢や体重負荷などにより膝関節の軟骨が徐々にすり減り、関節の変形や炎症を伴って、歩行時や階段昇降時に痛みが生じやすくなる疾患である。女性や肥満傾向の人に多くみられ、大腿四頭筋を鍛える運動療法や体重管理が症状の進行抑制に有効とされる。

他の選択肢が不適切な理由
「膝関節の軟骨が厚みを増す」とする記述は向きが逆で、すり減って薄くなった軟骨では骨どうしにかかる衝撃を和らげられなくなることが痛みの原因である。「感染症が原因で急激に発症し、数日以内に自然治癒する」とする記述も誤りで、長い年月をかけて少しずつ進む病態であり、いったんすり減った軟骨は元には戻らない。「小児期に好発する疾患であり、成人になってからの発症はまれ」とする記述も誤りで、加齢と体重の負担が積み重なった結果として中高年以降に増える。
問43-5

変形性股関節症に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①股関節とは無関係な疾患であり、痛みの部位は主に肩関節に生じる。
  • ②先天性の股関節の異常は、この疾患の発症要因とは考えられていない。
  • ③症状が進行しても、歩行への影響はほとんどみられない病態である。
  • ④股関節の軟骨や骨の変形により、股関節や足の付け根の痛みが生じる。
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正解 ④股関節の軟骨や骨の変形により、股関節や足の付け根の痛みが生じる。
解説
変形性股関節症は股関節の軟骨がすり減り骨の変形が進むことで、股関節周辺や足の付け根、太もも、時に膝にまで痛みが生じる疾患で、先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全など股関節の発育上の問題を背景に発症することも多い。進行すると跛行や可動域制限が生じ、生活動作に支障をきたす。

他の選択肢が不適切な理由
「痛みの部位は主に肩関節に生じる」とする記述は、股関節症という名称と部位が食い違う。「先天性の股関節の異常は、この疾患の発症要因とは考えられていない」とする記述も誤りで、生まれつきの臼蓋の形成不全などを背景に、中年以降になって症状が現れる例が多い。「症状が進行しても、歩行への影響はほとんどみられない」とする記述も適切ではなく、痛みをかばう跛行や関節の動く範囲の制限が生じ、靴下を履く、足の爪を切るといった日常の動作に支障が及ぶ。
問53-5

高齢者の関節リウマチに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①自己免疫の異常で関節に炎症が起こり、複数の関節に症状が現れやすい。
  • ②外傷のみによって生じる疾患で、免疫の働きとは関連がない。
  • ③症状は片側の一関節のみにとどまり、左右対称には現れない。
  • ④朝のこわばりを感じることはなく、特に夕方にのみ症状が強く現れやすい。
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正解 ①自己免疫の異常で関節に炎症が起こり、複数の関節に症状が現れやすい。
解説
関節リウマチは自己免疫の異常により関節の滑膜に慢性的な炎症が生じる疾患で、手指や手首など複数の関節に左右対称性に腫れや痛みが現れやすく、特に朝方に関節がこわばる「朝のこわばり」が特徴的とされる。進行すると関節の変形や機能障害を招くため、早期からの治療とリハビリテーションが重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「外傷のみによって生じる疾患で、免疫の働きとは関連がない」とする記述は誤りで、自分の体を守るはずの免疫が自分の関節を攻撃してしまうことが原因であり、そのため治療も免疫の働きを抑える薬が中心となる。「片側の一関節のみにとどまり、左右対称には現れない」とする記述も誤りで、左右そろって手指や手首が腫れることが診断の手がかりとなる。「朝のこわばりを感じることはなく、特に夕方にのみ症状が強く現れやすい」とする記述は時間帯が逆であり、動かさずにいた朝に最も強く出ることが特徴である。
問63-5

脊柱管狭窄症に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①歩き続けても症状は変化せず、姿勢による影響もほとんど受けない疾患である。
  • ②少し歩くと足のしびれが強まり、前かがみで休むと軽快する特徴がある。
  • ③安静にしている時にのみ強い痛みが生じ、歩行中は無症状となる疾患である。
  • ④脊柱とは無関係な内臓疾患であり、下肢に症状が生じることはない。
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正解 ②少し歩くと足のしびれが強まり、前かがみで休むと軽快する特徴がある。
解説
脊柱管狭窄症は脊柱管が狭くなり神経が圧迫される疾患で、歩き続けると足のしびれや痛みが強まって歩けなくなり、前かがみで少し休むと症状が軽快して再び歩けるようになる間欠性跛行が特徴とされる。腰を反らす姿勢で症状が悪化しやすいため、日常動作の指導も支援の一つとなる。

他の選択肢が不適切な理由
「歩き続けても症状は変化せず、姿勢による影響もほとんど受けない」とする記述は、歩くと悪化し前かがみで休むと軽くなるという最も特徴的な現れ方を否定するものである。「安静にしている時にのみ強い痛みが生じ、歩行中は無症状となる」とする記述は症状の出る場面が逆であり、実際には安静にしている間はほとんど症状がない。「脊柱とは無関係な内臓疾患であり、下肢に症状が生じることはない」とする記述も誤りで、背骨の中を通る神経の通り道が狭くなり、そこから足へ伸びる神経が圧迫されることで症状が生じる。
問73-5

骨粗鬆症性椎体骨折(圧迫骨折)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①強い外傷を受けた場合にのみ生じ、日常動作で発生することはまずない。
  • ②受傷しても身長や姿勢に変化が生じることは基本的にない。
  • ③明らかな外傷がなくても、日常の動作の中で発生することがある。
  • ④椎体の骨折は強い痛みを伴い、無症状で経過することはない。
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正解 ③明らかな外傷がなくても、日常の動作の中で発生することがある。
解説
骨粗鬆症が進んだ椎体は非常にもろくなっているため、重い物を持つ、くしゃみをするといった軽微な負荷や、明らかな外傷がなくても圧迫骨折を起こすことがある。強い痛みを伴わずに経過し、いつの間にか身長が縮んだり背中が丸くなったりする形で気づかれる「いつのまにか骨折」も少なくない。

他の選択肢が不適切な理由
「強い外傷を受けた場合にのみ生じ、日常動作で発生することはまずない」とする記述は、もろくなった椎体では日常の動作でも折れうるという前提を見落としている。「身長や姿勢に変化が生じることは基本的にない」とする記述も誤りで、椎体がつぶれることで背中が丸くなり身長も縮む。その姿勢の変化は逆流性食道炎や食欲の低下、視線が下がることによる転倒にもつながる。「強い痛みを伴い、無症状で経過することはない」とする記述も誤りで、痛みがはっきりしないまま気づかれずに経過することが少なくない。
問83-5

サルコペニアに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①骨密度が異常に上昇し、骨折しにくくなる状態を指す用語である。
  • ②皮膚のしわが増える現象のみを指し、筋肉とは無関係な概念である。
  • ③小児期に特有の発育遅延を指す用語で、高齢者には用いられない。
  • ④加齢に伴い筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下する状態を指す。
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正解 ④加齢に伴い筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下する状態を指す。
解説
サルコペニアは加齢や活動量の低下などにより骨格筋量が減少し、握力の低下や歩行速度の低下といった身体機能の低下を伴う状態を指す。転倒や骨折、要介護状態のリスクを高めるとされ、たんぱく質を十分に摂取する栄養管理と、レジスタンス運動を中心とした運動療法の組み合わせが予防・改善に有効とされる。

他の選択肢が不適切な理由
「骨密度が異常に上昇し、骨折しにくくなる状態」とする記述は、骨ではなく筋肉に着目した概念であるという点でも、変化の向きという点でも当てはまらない。「皮膚のしわが増える現象のみを指し、筋肉とは無関係」とする記述も誤りで、この語が表すのは筋肉の量と力の低下である。「小児期に特有の発育遅延を指す用語」とする記述も誤りで、加齢に伴う変化として、転倒や要介護状態につながる状態を指して用いられる。
問93-5

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①骨・関節・筋肉などの運動器が衰え、移動機能が低下した状態である。
  • ②内臓機能のみの低下を指す概念であり、運動器とは直接関係しない。
  • ③小児に特有の発達上の概念であり、高齢者を対象とした用語ではない。
  • ④視力や聴力などの感覚機能の低下のみを指す、独立した概念である。
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正解 ①骨・関節・筋肉などの運動器が衰え、移動機能が低下した状態である。
解説
ロコモティブシンドロームは、骨・関節・筋肉・神経などの運動器の機能が低下し、立つ・歩くといった移動機能が低下した状態を指す概念で、日本整形外科学会が提唱した。骨粗鬆症や変形性関節症、サルコペニアなどが進行の背景となり、放置すると要介護状態に至る危険性が高いとされている。

他の選択肢が不適切な理由
「内臓機能のみの低下を指す概念」とする記述は、骨や関節、筋肉、神経といった体を動かす仕組み全体に着目した考え方であるという点と食い違う。「小児に特有の発達上の概念」とする記述も誤りで、要介護に至る道筋を早い段階で断つために、中高年以降を主な対象として提唱された。「視力や聴力などの感覚機能の低下のみを指す」とする記述も誤りで、ここで問題となるのは立つ・歩くという移動する力である。
問103-5

廃用症候群(生活不活発病)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①特定の感染症に感染することで発症する、細菌性の疾患を指す用語である。
  • ②安静や活動量低下が長期間続くことで、心身の様々な機能が低下する。
  • ③活動量を増やすことによって新たに生じる、疾患を指す用語である。
  • ④小児期にのみみられる現象であり、高齢者にはほとんど該当しない。
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正解 ②安静や活動量低下が長期間続くことで、心身の様々な機能が低下する。
解説
廃用症候群は、病気やけがなどをきっかけに安静や活動量の低下した状態が長く続くことで、筋力低下や関節拘縮、心肺機能の低下、認知機能の低下など心身の様々な機能が二次的に低下する状態を指す。過度な安静はかえって心身機能を悪化させるため、できる範囲での活動性を維持する支援が重視される。

他の選択肢が不適切な理由
「特定の感染症に感染することで発症する、細菌性の疾患」とする記述は誤りで、原因は病原体ではなく、体を使わないことそのものである。「活動量を増やすことによって新たに生じる」とする記述は向きが逆で、活動を増やすことこそが予防と改善の手立てとなる。「小児期にのみみられる現象」とする記述も誤りで、入院や骨折をきっかけに数日から数週間の安静が続いただけで筋力が目立って落ちるため、高齢者ではとりわけ起こりやすい。

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