2026年版・3-4

高齢者に多い疾患②脳血管疾患・神経の一問一答

介護支援専門員試験「保健医療サービスの知識等①(心身の特徴と疾病)」から、高齢者に多い疾患②脳血管疾患・神経に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-4

脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①脳梗塞は脳実質内の出血、脳出血は血管の閉塞によって生じる。
  • ②くも膜下出血は脳血管の閉塞のみが原因で、出血を伴うことはない。
  • ③脳梗塞は血管の閉塞、脳出血は脳実質内の出血によって生じる。
  • ④三つの疾患はいずれも同じ発症機序であり、症状にも違いはない。
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正解 ③脳梗塞は血管の閉塞、脳出血は脳実質内の出血によって生じる。
解説
脳梗塞は脳血管が血栓などで閉塞して血流が途絶えることで、脳出血は脳実質内の血管が破れて出血することで、それぞれ脳組織が障害される疾患である。くも膜下出血は主に脳動脈瘤の破裂により脳表面のくも膜下腔に出血が広がるもので、突然の激しい頭痛が特徴的とされる。

他の選択肢が不適切な理由
「脳梗塞は脳実質内の出血、脳出血は血管の閉塞」とする記述は、二つの説明をそのまま入れ替えたものである。詰まって血が届かなくなるのが梗塞、破れて血があふれるのが出血であり、治療の方向も、血流を再び通す治療と出血や血圧を抑える治療とで正反対になる。「くも膜下出血は脳血管の閉塞のみが原因で、出血を伴うことはない」とする記述は、出血という語を含む病名そのものと矛盾する。「三つの疾患はいずれも同じ発症機序であり、症状にも違いはない」とする記述も誤りで、突然の激しい頭痛が前面に出るくも膜下出血のように、現れ方には明確な差がある。
問23-4

脳血管障害の後遺症に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①後遺症の内容は損傷部位にかかわらず、全身の麻痺のみとなる。
  • ②脳血管障害では言語機能に影響が及ぶことは基本的に生じない。
  • ③発症直後の急性期を過ぎれば、後遺症が残ることは基本的にない。
  • ④損傷した脳の部位に応じて、片麻痺や失語などの症状が現れる。
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正解 ④損傷した脳の部位に応じて、片麻痺や失語などの症状が現れる。
解説
脳血管障害の後遺症は損傷した脳の部位や範囲によって異なり、運動をつかさどる領域が障害されれば片麻痺、言語中枢が障害されれば失語症、その他にも高次脳機能障害や嚥下障害など多様な症状が現れ得る。急性期を過ぎても後遺症が残ることは多く、リハビリテーションによる機能回復への支援が重要になる。

他の選択肢が不適切な理由
「損傷部位にかかわらず、全身の麻痺のみとなる」とする記述は誤りで、脳の左右どちらが障害されたかによって、麻痺は反対側の半身に現れるのが典型である。「言語機能に影響が及ぶことは基本的に生じない」とする記述も誤りで、言葉をつかさどる領域が障害されれば、話す・聞いて理解する・読む・書くのいずれにも支障が出る。「急性期を過ぎれば、後遺症が残ることは基本的にない」とする記述も実際と異なり、麻痺や失語が残ったまま長期にわたる生活支援を要することが少なくない。
問33-4

パーキンソン病の症状に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①安静時振戦、筋固縮、無動、姿勢反射障害の四大症状がみられる。
  • ②四大症状として、発熱、咳、下痢、嘔吐がまとめて出現する。
  • ③運動機能には影響がなく、記憶障害のみが主な症状である。
  • ④急性に発症し、数日以内に症状が自然に完全消失することが多い。
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正解 ①安静時振戦、筋固縮、無動、姿勢反射障害の四大症状がみられる。
解説
パーキンソン病は脳内のドパミンが減少することで、じっとしている時に手足が震える安静時振戦、筋肉のこわばりである筋固縮、動作が乏しくなる無動(寡動)、体のバランスを保ちにくくなる姿勢反射障害という四大症状を特徴とする、緩徐進行性の神経変性疾患である。

他の選択肢が不適切な理由
「発熱、咳、下痢、嘔吐がまとめて出現する」とする記述は感染症の症状を並べたもので、動きに関わる神経の変性という病気の本質からかけ離れている。「運動機能には影響がなく、記憶障害のみが主な症状」とする記述も誤りで、動きの障害が中心であり、経過が長くなると認知機能の低下を伴うことはあっても、それが初めからの主症状ではない。「数日以内に症状が自然に完全消失する」とする記述も誤りで、年単位でゆっくり進む経過をたどる。
問43-4

パーキンソン病の治療に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①薬物療法は無効とされており、治療は外科的手術のみに限られる。
  • ②L-ドパの薬物療法が中心だが、効果の変動が生じることがある。
  • ③治療により症状は根本的に治癒し、服薬を中止しても再発しない。
  • ④治療の効果は服薬開始直後から生涯にわたり一定に保たれ続ける。
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正解 ②L-ドパの薬物療法が中心だが、効果の変動が生じることがある。
解説
パーキンソン病の治療はL-ドパ(レボドパ)などの薬物療法が中心となるが、長期間の服用により薬効が切れる時間帯に症状が悪化するウェアリングオフ現象や、体が勝手に動いてしまうジスキネジアなどの合併症が生じることがある。服薬時間の管理や転倒予防への配慮が支援の要点となる。

他の選択肢が不適切な理由
「薬物療法は無効とされており、治療は外科的手術のみに限られる」とする記述は誤りで、手術が検討されるのは薬の効きにくさが目立つ一部の場合に限られ、治療の柱はあくまで薬である。「症状は根本的に治癒し、服薬を中止しても再発しない」とする記述も誤りで、減ったドパミンを薬で補う治療であるため、自己判断での中断は症状の急激な悪化を招く。「効果は服薬開始直後から生涯にわたり一定に保たれ続ける」とする記述も、薬の効いている時間が次第に短くなっていくという経過と食い違う。
問53-4

脊髄小脳変性症に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①皮膚の炎症を主症状とする疾患で、運動機能には影響が及ばない。
  • ②感染症の一種であり、抗菌薬の投与により短期間で完治する疾患である。
  • ③運動失調を主症状とし、歩行時のふらつきがみられる神経疾患である。
  • ④記憶障害のみを主症状とし、身体の運動機能とは無関係な疾患である。
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正解 ③運動失調を主症状とし、歩行時のふらつきがみられる神経疾患である。
解説
脊髄小脳変性症は小脳や脊髄などが変性することで、体のバランスをとる機能が障害され、歩行時のふらつきや手足の動きがぎこちなくなる運動失調を主症状とする神経疾患の総称である。国の指定難病に含まれるものが多く、進行に応じたリハビリテーションや生活環境の調整が重要になる。

他の選択肢が不適切な理由
「皮膚の炎症を主症状とする疾患で、運動機能には影響が及ばない」とする記述は、小脳や脊髄という体の動きを調節する部位が変性するという病態と結びつかない。「感染症の一種であり、抗菌薬の投与により短期間で完治する」とする記述も誤りで、細菌によって起こる病気ではなく、根本的に治す薬は確立されていない。「記憶障害のみを主症状とし、身体の運動機能とは無関係」とする記述も誤りで、ふらつきや手足の動きのぎこちなさといった運動失調が症状の中心である。
問63-4

筋萎縮性側索硬化症(ALS)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①感覚神経のみが障害される疾患で、運動機能には影響が及ばない。
  • ②認知機能の障害を主症状とし、運動障害はほとんど伴わない疾患である。
  • ③発症後は速やかに自然治癒し、後遺症を残さないことが多い疾患である。
  • ④運動神経が障害され、筋力低下や筋萎縮が進行性に生じる疾患である。
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正解 ④運動神経が障害され、筋力低下や筋萎縮が進行性に生じる疾患である。
解説
ALSは脳や脊髄の運動神経が選択的に障害される進行性の神経難病で、筋力低下や筋萎縮が全身に進行し、やがて呼吸筋にも影響が及ぶ。一方で感覚機能や知的機能は比較的保たれることが多いとされ、コミュニケーション手段の確保や呼吸管理を含めた継続的な多職種支援が必要とされる。

他の選択肢が不適切な理由
「感覚神経のみが障害される」とする記述は向きが逆で、障害されるのは筋肉を動かす運動神経であり、痛みや触れた感じはむしろ保たれる。「認知機能の障害を主症状とし、運動障害はほとんど伴わない」とする記述も誤りで、意思や判断する力が保たれたまま体だけが動かせなくなっていくことが、この病気の支援を難しくしている点である。「発症後は速やかに自然治癒し、後遺症を残さない」とする記述も誤りで、進行性の神経難病であり、やがて呼吸を担う筋肉にも及ぶ。
問73-4

慢性硬膜下血腫に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①軽微な頭部打撲の後、数週間かけて血腫が形成され症状が現れる。
  • ②頭部打撲の直後に限って発症し、時間を空けて発症することはない。
  • ③血腫は脳実質内に生じるものであり、硬膜の下には形成されない。
  • ④高齢者よりも乳幼児に特有の疾患であり、加齢との関連は乏しい。
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正解 ①軽微な頭部打撲の後、数週間かけて血腫が形成され症状が現れる。
解説
慢性硬膜下血腫は、軽微な頭部打撲の後に硬膜と脳の間に少しずつ血液がたまり、数週間から数か月かけて血腫が拡大することで発症する。頭痛や認知機能の低下、歩行障害など認知症と似た症状が現れることがあり、手術によって改善しうる「治療可能な認知機能低下」の代表例とされる。

他の選択肢が不適切な理由
「頭部打撲の直後に限って発症し、時間を空けて発症することはない」とする記述は、少しずつ血がたまって数週間から数か月後に症状が現れるという経過を否定するものであり、本人も家族も打撲したこと自体を忘れている場合が多い点を見落としている。「血腫は脳実質内に生じるものであり、硬膜の下には形成されない」とする記述は、硬膜下という病名そのものと矛盾する。「乳幼児に特有の疾患であり、加齢との関連は乏しい」とする記述も誤りで、脳が萎縮して隙間ができている高齢者や、飲酒の習慣がある人に多い。
問83-4

高齢期に発症するてんかんに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①てんかんは小児期にのみ発症する疾患で、高齢期に発症することはない。
  • ②脳血管障害の後遺症を背景として、高齢になって発症することがある。
  • ③発作は全身のけいれんを伴い、意識障害のみの発作は存在しない。
  • ④発症の背景に脳の器質的な変化が関わることは基本的にない。
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正解 ②脳血管障害の後遺症を背景として、高齢になって発症することがある。
解説
てんかんは小児期に多いイメージがあるが、高齢期にも脳血管障害の後遺症や脳腫瘍などを背景として新たに発症することがある。全身けいれんを伴わず、一時的にぼんやりする、反応がなくなるといった意識減損のみの発作もあり、認知症や一過性脳虚血発作と間違われやすい点に注意が必要である。

他の選択肢が不適切な理由
「小児期にのみ発症する疾患」とする記述は誤りで、新たに発症する人の割合は小児期と高齢期の両方で高くなる。「発作は全身のけいれんを伴い、意識障害のみの発作は存在しない」とする記述も誤りで、けいれんを伴わず数十秒ほど反応がなくなるだけの発作があり、これが認知症の症状と取り違えられる原因になる。「発症の背景に脳の器質的な変化が関わることは基本的にない」とする記述も、高齢期の発症では脳梗塞や脳出血の後に残った変化が背景にあることが多いという実際と合わない。
問93-4

正常圧水頭症に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①発熱・咳・下痢の三徴を示す感染性の疾患で、薬物療法が中心となる。
  • ②症状は加齢による不可逆的な老化現象であり、治療の対象にはならない。
  • ③歩行障害・認知機能低下・尿失禁の三徴を示し、手術で改善が期待できる。
  • ④脳脊髄液の減少が原因であり、脳室が縮小することで発症する疾患である。
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正解 ③歩行障害・認知機能低下・尿失禁の三徴を示し、手術で改善が期待できる。
解説
正常圧水頭症は脳脊髄液の吸収や循環の障害により脳室が拡大する疾患で、歩行障害・認知機能低下・尿失禁の三徴を特徴とする。脳血流量を測る検査などで診断され、脳脊髄液を体内の別の部位へ流すシャント手術によって症状の改善が期待できる、治療可能な認知機能低下の代表例とされる。

他の選択肢が不適切な理由
「発熱・咳・下痢の三徴を示す感染性の疾患」とする記述は、三徴という言葉だけをなぞって中身をまったく別の症状に置き換えたものである。「不可逆的な老化現象であり、治療の対象にはならない」とする記述は誤りで、手術によって歩行や失禁が改善しうる点こそが、この疾患を見逃してはならない理由である。「脳脊髄液の減少が原因であり、脳室が縮小する」とする記述は向きが逆で、たまった脳脊髄液によって脳室が広がることが画像上の特徴である。
問103-4

糖尿病性神経障害に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①中枢神経のみが障害され、四肢の感覚には影響が生じない疾患である。
  • ②血糖値とは無関係に生じる遺伝性の疾患で、生活習慣は関与しない。
  • ③感覚が過敏になる症状のみを呈し、感覚の低下は起こらない。
  • ④末梢神経が障害され、足先のしびれや感覚低下などが生じやすくなる。
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正解 ④末梢神経が障害され、足先のしびれや感覚低下などが生じやすくなる。
解説
糖尿病性神経障害は糖尿病の三大合併症の一つで、末梢神経が高血糖の影響を長期間受けることで障害され、左右対称性に足先からしびれや痛み、感覚低下が生じやすい。感覚の低下により傷や潰瘍に気づきにくくなり、糖尿病性足病変の重症化につながるため、日常的な足の観察とケアが重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「中枢神経のみが障害され、四肢の感覚には影響が生じない」とする記述は誤りで、障害されるのは手足の末梢神経であり、足先から左右対称に症状が現れるのが典型である。「血糖値とは無関係に生じる遺伝性の疾患」とする記述も誤りで、高い血糖の状態が長く続くことが直接の原因であり、血糖の管理が予防の柱となる。「感覚が過敏になる症状のみを呈し、感覚の低下は起こらない」とする記述も誤りで、しびれや痛みとともに感覚が鈍くなることが、傷ややけどに気づけないという重い問題につながる。

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