2026年版・3-3

高齢者に多い疾患①循環器・呼吸器の一問一答

介護支援専門員試験「保健医療サービスの知識等①(心身の特徴と疾病)」から、高齢者に多い疾患①循環器・呼吸器に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-3

高齢者の高血圧に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①原因となる基礎疾患を特定できない本態性高血圧が大部分を占める。
  • ②特定の腎疾患やホルモン異常による二次性高血圧が大部分を占める。
  • ③高血圧は青年期に多い疾患であり、高齢期にはほとんど見られなくなる。
  • ④自覚症状が強く現れるため、症状のみで重症度を正確に判断できる。
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正解 ①原因となる基礎疾患を特定できない本態性高血圧が大部分を占める。
解説
高齢者の高血圧の多くは、特定の原因疾患がはっきりしない本態性高血圧であり、加齢に伴う動脈硬化が主な背景要因とされる。自覚症状に乏しいことが多く「サイレントキラー」とも呼ばれ、放置すると脳血管疾患や心疾患のリスクを高めるため、症状の有無にかかわらず定期的な血圧管理が重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「二次性高血圧が大部分を占める」とする記述は割合を取り違えたもので、腎臓の病気やホルモンの異常による二次性は全体のごく一部にとどまる。「青年期に多い疾患であり、高齢期にはほとんど見られなくなる」とする記述は誤りで、血圧は加齢とともに上がる傾向にあり、高齢者では最も頻度の高い慢性疾患の一つである。「自覚症状が強く現れるため、症状のみで重症度を正確に判断できる」とする記述も誤りで、症状のないまま進むからこそ、定期的な測定による確認が欠かせない。
問23-3

左心不全の症状に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①下肢のむくみや腹部膨満感が中心で、肺うっ血による呼吸困難は目立たない。
  • ②肺うっ血により呼吸困難が生じやすく、横になると悪化することがある。
  • ③全身の静脈がうっ血し、頸静脈の怒張が最も特徴的な所見となる。
  • ④心臓の機能とは無関係に、消化管の症状のみが単独で出現する。
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正解 ②肺うっ血により呼吸困難が生じやすく、横になると悪化することがある。
解説
左心不全では全身に血液を送り出す左心室の機能が低下し、肺に血液がうっ滞する肺うっ血が生じるため、労作時の息切れや呼吸困難が現れやすい。仰向けに寝ると症状が悪化し、上半身を起こすと楽になる起座呼吸もみられる。下肢浮腫や頸静脈怒張は主に右心不全でみられる所見である。

他の選択肢が不適切な理由
「下肢のむくみや腹部膨満感が中心」「頸静脈の怒張が最も特徴的な所見となる」とする記述は、いずれも心臓へ戻る側の血液が滞ったときに現れる所見であり、血液を送り出す側が弱った左心不全の説明にはならない。経過が長引けば左心不全から右心不全へ及ぶこともあるが、初期の中心となる症状ではない。「消化管の症状のみが単独で出現する」とする記述も誤りで、うっ血による食欲低下などは生じ得るものの、心臓の機能と無関係にそれだけが現れるわけではない。
問33-3

右心不全の症状に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①肺への血液のうっ滞が主体となり、起座呼吸が特徴的な症状となる。
  • ②心臓の機能低下とは関係なく、皮膚のかゆみのみが単独で出現する。
  • ③全身の静脈にうっ血が生じ、下肢の浮腫や体重増加がみられやすい。
  • ④血圧が急激に上昇することが主な症状であり、静脈のうっ血は生じにくい。
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正解 ③全身の静脈にうっ血が生じ、下肢の浮腫や体重増加がみられやすい。
解説
右心不全では全身から心臓へ戻る血液の流れが滞り、静脈系にうっ血が生じるため、下肢の浮腫や体重増加、頸静脈の怒張、肝腫大などがみられやすい。肺うっ血による呼吸困難や起座呼吸は主に左心不全の症状であるため、両者の違いを区別して観察することが求められる。

他の選択肢が不適切な理由
「肺への血液のうっ滞が主体となり、起座呼吸が特徴的」とする記述は左心不全の症状であり、右心不全で血液が滞るのは肺ではなく全身の静脈側である。「心臓の機能低下とは関係なく、皮膚のかゆみのみが単独で出現する」とする記述は、心不全の症状としてまったく典型的でない。「血圧が急激に上昇することが主な症状」とする記述も誤りで、心不全ではむしろ送り出す血液が減って血圧が下がることがあり、静脈のうっ血こそが右心不全の中心である。
問43-3

狭心症と心筋梗塞の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①狭心症は心筋の壊死を伴う疾患であり、心筋梗塞よりも重篤な状態である。
  • ②心筋梗塞は安静にすることで数分以内に症状が消失することが多い。
  • ③両疾患とも冠動脈の状態とは無関係に生じ、原因もそれぞれ異なる。
  • ④狭心症は一過性の胸痛にとどまるが、心筋梗塞は心筋の組織壊死を伴う。
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正解 ④狭心症は一過性の胸痛にとどまるが、心筋梗塞は心筋の組織壊死を伴う。
解説
狭心症・心筋梗塞はいずれも冠動脈の血流障害によって生じる虚血性心疾患だが、狭心症は血流が一時的に不足するだけで安静やニトログリセリンで症状が改善しやすいのに対し、心筋梗塞は冠動脈が完全に詰まり心筋が壊死する重篤な状態で、安静にしても症状は改善せず緊急の治療が必要になる。

他の選択肢が不適切な理由
「狭心症は心筋の壊死を伴う疾患であり、心筋梗塞よりも重篤」とする記述は、両者の説明を入れ替えている。「心筋梗塞は安静にすることで数分以内に症状が消失する」とする記述も誤りで、安静やニトログリセリンによって数分のうちに落ち着くのは狭心症のほうであり、この違いが救急要請を判断する分かれ目になる。「冠動脈の状態とは無関係に生じ、原因もそれぞれ異なる」とする記述も誤りで、どちらも心臓自身を養う冠動脈の血流障害という同じ土台の上にある病態である。
問53-3

心房細動に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①心房内で血栓が形成されやすく、脳梗塞の発症リスクが高まりやすい。
  • ②脈拍のリズムは規則正しく保たれ、不整脈の一種には該当しない。
  • ③若年者にのみ多くみられる不整脈で、高齢になるほど発生は少なくなる。
  • ④心臓の機能には影響がなく、経過観察のみで対応可能な状態である。
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正解 ①心房内で血栓が形成されやすく、脳梗塞の発症リスクが高まりやすい。
解説
心房細動は心房が不規則かつ細かく震えるように動く不整脈で、加齢とともに頻度が高まる。心房内の血流がよどんで血栓が形成されやすく、この血栓が血流に乗って脳血管を詰まらせると心原性脳塞栓症を引き起こすため、抗凝固療法による血栓予防が重要な管理課題となる。

他の選択肢が不適切な理由
「脈拍のリズムは規則正しく保たれ、不整脈の一種には該当しない」とする記述は誤りで、脈の間隔がまったくばらばらになることこそが、触診で気づく手がかりとなる。「若年者にのみ多くみられる」とする記述も逆で、年齢が上がるほど頻度は高まる。「心臓の機能には影響がなく、経過観察のみで対応可能」とする記述も適切ではなく、速い脈が続けば心不全を招くことがあるうえ、血栓による脳梗塞は重い後遺症を残しやすいため、薬による予防が重要な管理課題となる。
問63-3

慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①主な原因は加齢のみであり、喫煙歴の有無とはほとんど関連がない。
  • ②長期の喫煙が主な原因となり、労作時の息切れが徐々に進行する。
  • ③急性に発症し、数日以内に自然に完全治癒することが多い疾患である。
  • ④肺の機能とは無関係な皮膚疾患であり、呼吸器症状は生じない。
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正解 ②長期の喫煙が主な原因となり、労作時の息切れが徐々に進行する。
解説
COPDは長期間の喫煙が主な原因となって気道や肺胞が慢性的に障害される進行性の疾患で、慢性の咳や痰、労作時の息切れが徐々に進行する。禁煙が最も重要な進行抑制策であり、呼吸リハビリテーションや口すぼめ呼吸の指導、感染予防のためのワクチン接種なども重要なケアの視点となる。

他の選択肢が不適切な理由
「主な原因は加齢のみであり、喫煙歴の有無とはほとんど関連がない」とする記述は誤りで、喫煙との関わりが強いからこそ、禁煙が最も効果のある対策とされている。「急性に発症し、数日以内に自然に完全治癒する」とする記述も誤りで、いったん壊れた肺胞は元には戻らず、経過は年単位で進む。「肺の機能とは無関係な皮膚疾患」とする記述は、疾患の分類そのものを取り違えている。
問73-3

高齢者の肺炎の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①高熱と激しい咳が同時に現れるため、症状だけで容易に診断できる。
  • ②高齢者は若年者よりも肺炎にかかりにくく、重症化することはまれである。
  • ③高熱や激しい咳などの典型的な症状を欠いたまま重症化することがある。
  • ④肺炎の原因は加齢による老化現象のみであり、細菌や誤嚥は関係しない。
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正解 ③高熱や激しい咳などの典型的な症状を欠いたまま重症化することがある。
解説
高齢者の肺炎は、高熱や激しい咳といった典型的な症状が乏しいまま、食欲低下や元気のなさ、意識の混乱など非特異的な変化のみを示して進行し、重症化することがある。日本人の死因として肺炎の占める割合は高齢期に高まっており、普段との違いに気づく観察が早期発見の鍵となる。

他の選択肢が不適切な理由
「症状だけで容易に診断できる」とする記述は、はっきりした症状が出にくいという高齢者の特徴と正面から食い違う。「若年者よりも肺炎にかかりにくく、重症化することはまれ」とする記述も誤りで、飲み込む力や咳をする力、免疫の力がいずれも低下するため、かかりやすく重くなりやすい。「原因は加齢による老化現象のみであり、細菌や誤嚥は関係しない」とする記述も誤りで、肺炎球菌などの細菌の感染や、唾液・食物が気道へ入る誤嚥が主な引き金となる。
問83-3

誤嚥性肺炎の予防に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①予防のためには水分を控え、固形物中心の食事に統一するとよい。
  • ②誤嚥性肺炎は口腔内の状態とは無関係で、口腔ケアの効果は認められない。
  • ③誤嚥の有無にかかわらず、食後は直ちに仰臥位で休ませるのがよい。
  • ④食後すぐに横にならず、口腔ケアで口腔内の細菌数を減らすよう努める。
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正解 ④食後すぐに横にならず、口腔ケアで口腔内の細菌数を減らすよう努める。
解説
誤嚥性肺炎は唾液や食物とともに口腔内の細菌が気道に入ることで発症するため、食後すぐに横にならず上体を起こした姿勢を保つことや、口腔ケアによって口腔内の細菌数を減らすことが予防に有効とされる。むせやすい場合は食事の形態やとろみの調整など、嚥下機能に応じた工夫も重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「水分を控え、固形物中心の食事に統一する」とする記述は誤りで、さらさらした水分はむせやすい一方、水分を減らせば脱水を招くため、控えるのではなくとろみをつけて飲み込みやすくする工夫が求められる。「口腔内の状態とは無関係で、口腔ケアの効果は認められない」とする記述も誤りで、気道へ入る唾液そのものに含まれる細菌を減らすことが予防の柱である。「食後は直ちに仰臥位で休ませる」とする記述は、胃の内容物が食道へ逆流して気道に入る危険を高めるもので、勧められない。
問93-3

起立性低血圧に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①臥位や座位から急に立ち上がった際に血圧が低下し、めまいを起こす。
  • ②臥位から立位に変化しても血圧は変動せず、一定に保たれる。
  • ③立ち上がる動作とは無関係に、就寝中にのみ血圧が低下する現象である。
  • ④血圧の低下ではなく、脈拍数の異常な低下のみを指す用語である。
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正解 ①臥位や座位から急に立ち上がった際に血圧が低下し、めまいを起こす。
解説
起立性低血圧は、臥位や座位から急に立ち上がった際に血圧の調節が追いつかず一時的に血圧が低下し、めまいやふらつき、失神を起こす状態である。高齢者は自律神経の反応が鈍くなっていることに加え、降圧薬などの服用によっても生じやすく、転倒予防のためゆっくり動作を行う指導が重要になる。

他の選択肢が不適切な理由
「臥位から立位に変化しても血圧は変動せず、一定に保たれる」とする記述は、この現象そのものを否定するものである。「就寝中にのみ血圧が低下する現象」とする記述は誤りで、問題となるのは起き上がる動作に血圧の調節が追いつかない場面であり、寝ている間の血圧の変動とは別の話である。「脈拍数の異常な低下のみを指す用語」とする記述も誤りで、指標として見るのは血圧であり、実際には低下した血圧を補おうとして脈がむしろ速くなることもある。
問103-3

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①動脈内にできた血栓が原因であり、静脈の血流とは関係がない。
  • ②長時間の同一姿勢で下肢静脈に血栓ができ、肺塞栓症の原因となり得る。
  • ③予防のためには水分摂取を控え、身体を動かさずに安静を保つのがよい。
  • ④高齢者よりも活動量の多い若年アスリートに特有の疾患である。
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正解 ②長時間の同一姿勢で下肢静脈に血栓ができ、肺塞栓症の原因となり得る。
解説
深部静脈血栓症は、長時間座ったままや寝たきりなど同一姿勢が続くことで下肢の静脈内に血栓ができる状態で、この血栓が血流に乗って肺の血管を詰まらせると肺塞栓症を引き起こし、命に関わることがある。予防には適度な下肢運動や水分摂取、弾性ストッキングの使用などが有効とされる。

他の選択肢が不適切な理由
「動脈内にできた血栓が原因であり、静脈の血流とは関係がない」とする記述は誤りで、血流の勢いが弱くよどみやすい静脈側で起こることが、この病名の成り立ちでもある。「水分摂取を控え、身体を動かさずに安静を保つのがよい」とする記述は、血液が濃くなるうえ、ふくらはぎの筋肉が血液を押し戻す働きも失われるため、予防どころか発症を促す。「若年アスリートに特有の疾患」とする記述も誤りで、長時間の座位や寝たきり、手術後など動きが制限される人こそ起こしやすい。

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