2026年版・3-2

バイタルサインと検査値の基礎知識の一問一答

介護支援専門員試験「保健医療サービスの知識等①(心身の特徴と疾病)」から、バイタルサインと検査値の基礎知識に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-2

バイタルサインに含まれる項目として、最も適切な組み合わせはどれか。

  • ①血液検査でしか把握できない項目のみで構成され、目視での確認はできない。
  • ②既往歴や服薬状況のみを指し、身体の測定値そのものは含まれない。
  • ③体温・脈拍・呼吸・血圧・意識状態など、生命の維持に関わる指標である。
  • ④介護保険の要介護認定調査票にのみ用いられる、独自の評価項目である。
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正解 ③体温・脈拍・呼吸・血圧・意識状態など、生命の維持に関わる指標である。
解説
バイタルサインとは体温・脈拍(心拍数)・呼吸・血圧・意識状態など、生命維持の状態を示す基本的な指標を指す。特別な機器がなくても日常的に観察・測定でき、平常時の値との違いに気づくことが体調変化の早期発見につながるため、介護現場でも重要な観察項目とされる。

他の選択肢が不適切な理由
「血液検査でしか把握できない項目のみ」とする記述は誤りで、体温計や血圧計、あるいは指を当てて脈を数えるといった方法で日常的に測れることがバイタルサインの利点である。「既往歴や服薬状況のみを指し」とする記述は、過去の情報と、今この時点の状態を示す測定値とを取り違えている。「介護保険の要介護認定調査票にのみ用いられる、独自の評価項目である」とする記述も誤りで、医療と介護のいずれの現場でも広く共通して用いられている基本的な指標である。
問23-2

高齢者の体温に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①平常時の体温は成人よりやや高めの傾向があり、感染時は高熱が出る。
  • ②体温調節機能が向上するため、感染症の有無を体温だけで正確に判断できる。
  • ③個人差は乏しく、暦年齢が同じであれば平常体温もほぼ一致する。
  • ④平常時の体温は成人よりやや低めの傾向があり、感染時も発熱しにくい。
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正解 ④平常時の体温は成人よりやや低めの傾向があり、感染時も発熱しにくい。
解説
高齢者は代謝の低下などにより平常時の体温がやや低めの傾向にあり、感染症にかかっても発熱の程度が乏しく、平熱に近いまま重症化していることがある。そのため体温の絶対値だけでなく、普段のその人の平熱と比べてどう変化したかを見ることが重要になる。

他の選択肢が不適切な理由
「平常時の体温は成人よりやや高め」とする記述は向きが逆である。「体温調節機能が向上するため、感染症の有無を体温だけで正確に判断できる」とする記述も誤りで、実際には調節機能が落ちているうえ、食欲の低下や普段と違う言動といった熱以外の変化のほうが先に現れることが多い。「個人差は乏しく、暦年齢が同じであれば平常体温もほぼ一致する」とする記述も適切ではなく、平熱には個人差があるからこそ、その人自身の普段の値を記録しておくことに意味がある。
問33-2

脈拍の観察に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①橈骨動脈などで触知し、回数だけでなくリズムの乱れの有無も確認する。
  • ②脈拍は心電図でのみ測定でき、手指で触れて数えることはできない。
  • ③脈拍数は加齢によって著しく増加し、高齢者の多くは頻脈を示す。
  • ④リズムが不規則でも、回数が正常範囲であれば問題はないと判断してよい。
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正解 ①橈骨動脈などで触知し、回数だけでなくリズムの乱れの有無も確認する。
解説
脈拍の観察では手首の橈骨動脈などに指を当てて触知し、1分間あたりの回数だけでなく、リズムが規則的かどうかも確認する。リズムの乱れは心房細動などの不整脈のサインであり得るため、回数が基準範囲内であっても不整脈が疑われる場合は医療職への報告が必要となる。

他の選択肢が不適切な理由
「心電図でのみ測定でき、手指で触れて数えることはできない」とする記述は誤りで、手首や首すじで触れて測れることこそが、機器のない在宅でも観察できる理由である。「加齢によって著しく増加し、高齢者の多くは頻脈を示す」とする記述も誤りで、安静時の脈拍数そのものは加齢によって大きく変わるものではない。「リズムが不規則でも、回数が正常範囲であれば問題はない」とする記述は、心房細動のように脈の数は保たれていても血栓ができて脳梗塞につながる病態を見逃すことになる。
問43-2

呼吸の観察に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①呼吸数は加齢によって減少するため、高齢者では徐呼吸が正常な状態である。
  • ②回数だけでなく、深さやリズム、呼吸音の異常の有無も併せて観察する。
  • ③呼吸の観察は医療職のみが行うものであり、介護職員が行う意味はない。
  • ④口すぼめ呼吸や陥没呼吸が見られても、直ちに報告する必要性は低い。
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正解 ②回数だけでなく、深さやリズム、呼吸音の異常の有無も併せて観察する。
解説
呼吸の観察では1分間の回数に加えて、呼吸の深さやリズム、努力様呼吸(肩呼吸や口すぼめ呼吸など)の有無も併せて確認する。高齢者の呼吸数の目安はやや多めとされ、普段より速く浅い呼吸(頻呼吸)が続く場合は肺炎や心不全などの兆候である可能性があり、速やかな報告が求められる。

他の選択肢が不適切な理由
「加齢によって減少するため、高齢者では徐呼吸が正常」とする記述は向きが逆であり、高齢者の呼吸数はやや多めになる傾向がある。「医療職のみが行うものであり、介護職員が行う意味はない」とする記述も適切ではなく、日々そばにいる介護職が普段との違いに気づくことが早期発見につながる。「口すぼめ呼吸や陥没呼吸が見られても、直ちに報告する必要性は低い」とする記述は誤りで、これらは楽に息ができていない状態を示す所見であり、速やかな報告が必要である。
問53-2

高齢者の血圧に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①動脈硬化の影響により、収縮期に比べ拡張期の血圧が高くなる傾向がある。
  • ②血管の弾力性が保たれやすいため、収縮期と拡張期の血圧差は縮小しやすい。
  • ③動脈硬化の影響により、拡張期に比べ収縮期の血圧が高くなる傾向がある。
  • ④座位でも臥位でも血圧は一定であり、体位による変動はほぼ生じない。
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正解 ③動脈硬化の影響により、拡張期に比べ収縮期の血圧が高くなる傾向がある。
解説
高齢者は動脈硬化により血管の弾力性が失われやすく、収縮期血圧が上昇する一方で拡張期血圧は上がりにくいため、収縮期血圧が優位に高くなる「収縮期高血圧」の傾向を示しやすい。また体位変換による血圧変動(起立性低血圧)も生じやすく、測定時の姿勢にも注意が必要である。

他の選択肢が不適切な理由
「収縮期に比べ拡張期の血圧が高くなる」とする記述は上と下を取り違えたもので、硬くなった血管は心臓が押し出した勢いを受け止めきれないため収縮期のほうが高くなる。「血管の弾力性が保たれやすいため、収縮期と拡張期の血圧差は縮小しやすい」とする記述も誤りで、実際には弾力性が失われて上下の差はむしろ広がる。「体位による変動はほぼ生じない」とする記述も適切ではなく、立ち上がったときの血圧低下は転倒の原因となるため、測定時の姿勢をそろえて記録する必要がある。
問63-2

経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①体温計で測定する数値であり、体温が高いほど数値は低く表示される。
  • ②血圧計のみで測定できる項目で、脈拍数とは関係のない数値である。
  • ③測定値は一定で、呼吸状態の変化による影響を受けることはない。
  • ④パルスオキシメーターで測定でき、値が低いほど酸素が不足している。
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正解 ④パルスオキシメーターで測定でき、値が低いほど酸素が不足している。
解説
SpO2は指先などに装着するパルスオキシメーターで測定する、血液中のヘモグロビンがどの程度酸素と結びついているかを示す指標である。値が低いほど体内の酸素が不足していることを意味し、肺炎や心不全、COPDの増悪など呼吸・循環器の状態悪化を早期に察知する手がかりとなる。

他の選択肢が不適切な理由
「体温計で測定する数値」「血圧計のみで測定できる項目」とする記述は、いずれも測定に用いる機器を取り違えている。パルスオキシメーターは指先に光を当て、脈打つ血液の色の違いから酸素との結びつき具合を読み取る仕組みであり、脈拍と切り離せない測定である。「測定値は一定で、呼吸状態の変化による影響を受けることはない」とする記述も誤りで、呼吸の状態が悪化すれば値は下がるからこそ、状態の変化を早く捉える手がかりになる。
問73-2

意識レベルの観察に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①呼びかけや刺激への反応の程度を確認し、普段の状態との違いを把握する。
  • ②意識レベルは体温や脈拍と異なり、職員が観察する必要のない項目である。
  • ③意識レベルが低下していても、呼吸や血圧に影響が及ぶことはまずない。
  • ④会話ができていれば、意識レベルの変化を疑う必要は生じないといえる。
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正解 ①呼びかけや刺激への反応の程度を確認し、普段の状態との違いを把握する。
解説
意識レベルの観察では、呼びかけへの反応や開眼の様子、刺激に対する反応の程度などを確認し、普段の状態と比べてどの程度変化しているかを把握することが重要である。意識レベルの低下は脳血管障害や重篤な感染症、低血糖など様々な病態のサインとなり得るため、他のバイタルサインと合わせた観察が欠かせない。

他の選択肢が不適切な理由
「職員が観察する必要のない項目である」とする記述は誤りで、意識の変化は本人が自ら訴えられないため、周囲の気づきに頼るほかない。「呼吸や血圧に影響が及ぶことはまずない」とする記述も適切ではなく、脳の障害では呼吸のリズムが乱れることがあり、逆に血圧の急な低下や酸素の不足が意識の低下を招くこともある。「会話ができていれば、意識レベルの変化を疑う必要は生じない」とする記述も誤りで、受け答えはできても話のつじつまが合わない、日付や場所が分からないといった変化はせん妄の初期の姿である。
問83-2

糖尿病の血液検査による診断の目安に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①血糖値は食事の影響をほとんど受けないため、随時の測定でも一定の値を示す。
  • ②空腹時血糖値やHbA1cが一定の基準を超えると糖尿病型と判定される。
  • ③HbA1cは直近数日間の血糖の状態のみを反映する検査値である。
  • ④空腹時血糖値が低いほど、糖尿病である可能性が高いと判断される。
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正解 ②空腹時血糖値やHbA1cが一定の基準を超えると糖尿病型と判定される。
解説
糖尿病の診断では、空腹時血糖値やHbA1cといった検査値が一定の基準値を超えると糖尿病型と判定される。HbA1cは採血時点から過去1〜2か月程度の平均的な血糖値を反映する指標であり、その日の食事の影響を受けにくいため、血糖コントロールの評価に広く用いられている。

他の選択肢が不適切な理由
「食事の影響をほとんど受けないため、随時の測定でも一定の値を示す」とする記述は誤りで、血糖値は食後に大きく上がるからこそ、空腹時という条件をそろえて測る決まりになっている。「直近数日間の血糖の状態のみを反映する」とする記述も誤りで、HbA1cが表すのはおよそ1〜2か月の平均であり、赤血球の寿命が長いことがその理由である。「空腹時血糖値が低いほど、糖尿病である可能性が高い」とする記述は向きが逆で、低い値が続く場合はむしろ低血糖として別の注意を要する。
問93-2

血清アルブミン値に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①血糖値の状態を示す指標であり、栄養状態の評価には用いられない。
  • ②水分摂取量のみを反映する検査値で、たんぱく質の摂取状況とは無関係である。
  • ③低栄養状態の指標の一つとされ、値が低いほど栄養状態不良が疑われる。
  • ④値が高いほど脱水や低栄養が進行していることを示す指標である。
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正解 ③低栄養状態の指標の一つとされ、値が低いほど栄養状態不良が疑われる。
解説
血清アルブミンは肝臓で作られる血液中のたんぱく質で、体内のたんぱく質の栄養状態を反映する代表的な指標の一つとされる。値が低下している場合は低栄養状態や慢性的な炎症、肝機能低下などが疑われ、褥瘡の発生しやすさとも関連するため、ケアプラン作成時の重要な参考情報となる。

他の選択肢が不適切な理由
「血糖値の状態を示す指標」とする記述は、HbA1cなど血糖に関する別の検査と取り違えている。「水分摂取量のみを反映する検査値で、たんぱく質の摂取状況とは無関係」とする記述も誤りで、アルブミンはたんぱく質そのものであり、その値は食事からのたんぱく質の摂取状況や肝臓のはたらきを映し出す。「値が高いほど脱水や低栄養が進行している」とする記述は、少なくとも低栄養については向きが逆であり、栄養状態の悪化が疑われるのは値が下がったときである。
問103-2

日常的な体重測定の意義に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①体重は加齢に伴い一定に保たれる指標であり、変動があっても意味を持たない。
  • ②体重測定は栄養状態と無関係であり、専ら衣服の選択のために行われる。
  • ③体重が増加することは、良好な健康状態を意味すると解釈してよい。
  • ④短期間の急激な体重減少は、脱水や疾患の進行を示す重要なサインになり得る。
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正解 ④短期間の急激な体重減少は、脱水や疾患の進行を示す重要なサインになり得る。
解説
定期的な体重測定は、低栄養や脱水、悪性腫瘍や心不全などの疾患による体液貯留を早期に把握するための重要な手がかりとなる。特に半年以内に数キログラム単位の急激な体重減少が見られる場合は、要介護状態のリスクが高まるサインとされ、原因の確認と専門職への相談が必要である。

他の選択肢が不適切な理由
「変動があっても意味を持たない」とする記述は、体重が食事量・水分量・病状のいずれの変化も映し出す、最も手軽で情報量の多い指標であることを見落としている。「栄養状態と無関係であり、専ら衣服の選択のために行われる」とする記述も誤りで、体重の推移は低栄養の判定に用いられる基本的な項目である。「体重が増加することは、良好な健康状態を意味する」とする記述も適切ではなく、心不全や腎機能の低下では体内に水分がたまることで短期間に体重が増えるため、増加もまた注意すべきサインとなる。

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