2026年版・2-9

苦情処理と国保連の苦情対応の一問一答

介護支援専門員試験「介護支援分野②(ケアマネジメントの実践)」から、苦情処理と国保連の苦情対応に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-9

国民健康保険団体連合会(国保連)が行う介護サービスに関する苦情処理業務の法的根拠として、最も適切なものはどれか。

  • ①国保連が行う苦情処理業務は、各都道府県が独自に定めている条例のみに基づいて実施されている。
  • ②介護保険法には、国保連が苦情を受け付け事業者への調査・指導助言を行える旨が定められている。
  • ③国保連の苦情処理業務は、厚生労働省の内部通達に基づく任意の取組みで、法律上の根拠はない。
  • ④国保連の苦情処理業務は、消費者契約法に基づく消費生活相談として位置づけられている。
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正解 ②介護保険法には、国保連が苦情を受け付け事業者への調査・指導助言を行える旨が定められている。
解説
介護保険法第176条第1項では、国民健康保険団体連合会(国保連)の業務として、市町村からの委託を受けた介護給付費の審査支払業務に加え、介護保険サービスの提供に関する利用者等からの苦情を受け付け、事業者に対する必要な調査や指導・助言を行うことができる旨が明文で規定されています。条例のみに基づく取組みや、内部通達のみに基づく任意の取組みという記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
都道府県が独自に定める条例のみに基づくとする記述は、全国どこでも同じように苦情を受け止められるようにするという仕組みと合いません。内部通達に基づく任意の取組みで法律上の根拠がないとする記述は、事業者への調査という相手方に負担を求める行為が法律の裏づけなしにはできないことを見落としています。消費者契約法に基づく消費生活相談として位置づけられるとする記述も、その法律が契約の取消しなどを定めるものであり、介護サービスの質を確かめる仕組みとは目的が異なります。
問22-9

国民健康保険団体連合会が行う苦情処理業務の内容として、最も適切なものはどれか。

  • ①国保連は苦情のあった事業者に対し、指定の取消しや効力の停止を自ら行う権限を持つ。
  • ②国保連は苦情のあった事業者に対し、営業許可の取消しなど刑事罰に相当する処分を科す。
  • ③国保連は苦情のあった事業者の役員を解任する権限を持ち、直接人事に関与する。
  • ④国保連は苦情の内容を調査し、事業者にサービスの質の向上に向けた指導・助言を行う。
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正解 ④国保連は苦情の内容を調査し、事業者にサービスの質の向上に向けた指導・助言を行う。
解説
国保連は、苦情のあった事業者について事実関係を調査し、サービスの質の向上のために必要な指導や助言を行うことを役割としています。一方、指定の取消しや効力の停止といった行政処分は都道府県知事や市町村長の権限であり、国保連自身が処分を科すことはできません。役員の解任のような人事への直接関与も国保連の権限には含まれません。

他の選択肢が不適切な理由
指定の取消しや効力の停止を自ら行う権限を持つとする記述は、これらが指定を行った都道府県知事や市町村長の権限であることと合いません。営業許可の取消しなど刑事罰に相当する処分を科すとする記述は、刑罰が裁判の手続きを経て科されるものであることを取り違えています。役員を解任する権限を持ち直接人事に関与するとする記述も、法人の内部の人事に外部の団体が立ち入る根拠はありません。
問32-9

介護サービスに関する苦情対応における市町村の役割として、最も適切なものはどれか。

  • ①住民に身近な相談窓口として苦情を受け付け、事業者への指導や実地の調査等を行う。
  • ②苦情対応はすべて国保連が担い、市町村は苦情の受付窓口を設置する必要がない。
  • ③市町村は苦情を受け付けた場合、処理を国保連に一任し、自ら事業者へ指導を行わない。
  • ④市町村の役割は苦情内容を都道府県に転送することのみで、独自の調査権限は持たない。
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正解 ①住民に身近な相談窓口として苦情を受け付け、事業者への指導や実地の調査等を行う。
解説
市町村は住民に最も身近な行政主体として、介護サービスに関する苦情の相談窓口となり、必要に応じて事業者への指導や、特に地域密着型サービスについては実地の調査等を行う役割を担っています。苦情対応をすべて国保連に一任するという記述や、市町村に調査権限がないという記述は、市町村の役割を過小に描いており誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
苦情対応をすべて国保連が担い市町村は受付窓口を設ける必要がないとする記述は、住民が最初に相談する先が身近な役所であるという実情と合いません。受け付けても処理を国保連に一任し自ら事業者へ指導を行わないとする記述は、市町村が地域密着型サービスの指定と指導監督を担っていることを見落としています。内容を都道府県に転送することのみで独自の調査権限を持たないとする記述も、保険者としての立場を過小にとらえています。
問42-9

介護サービス事業者への指導監督における都道府県(または市町村)の権限として、最も適切なものはどれか。

  • ①都道府県等は苦情の相談を受け付けるのみにとどめ、事業者への実地の指導監督は行わない。
  • ②都道府県等は事業者への報酬の返還請求はできるが、指定の取消しを行う権限はない。
  • ③都道府県等は指定基準違反等が確認された場合、勧告・命令を経て指定の取消しを行える。
  • ④都道府県等の指導監督権限は、地域密着型サービスを除く介護サービスに一律に及ぶ。
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正解 ③都道府県等は指定基準違反等が確認された場合、勧告・命令を経て指定の取消しを行える。
解説
都道府県知事(地域密着型サービス等は市町村長)は、事業者に指定基準違反等の事実が確認された場合、勧告や命令といった段階を経て、最終的に指定の取消しや効力の全部・一部停止を行う権限を持っています。この行政処分の権限は国保連にはなく、都道府県等に固有のものです。相談受付のみにとどまる、権限が及ばないサービスがあるといった記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
相談の受付のみにとどめ実地の指導監督は行わないとする記述は、基準を守らせるためには現場を確かめる必要があることと合いません。報酬の返還請求はできるが指定の取消しを行う権限はないとする記述は、繰り返し違反する事業者に対して事業そのものを止める手立てがなくなってしまいます。指導監督権限が地域密着型サービスを除いて一律に及ぶとする記述も、地域密着型については市町村長が同じように指導監督を行うことを見落としています。
問52-9

居宅介護支援事業者が運営基準上負う苦情対応に関する義務として、最も適切なものはどれか。

  • ①苦情の受付は国保連の専管事項で、事業者自身が窓口を設置する必要はない。
  • ②提供したサービスの苦情の窓口を設置するなど、適切に対応する体制を整える。
  • ③苦情への対応は、利用者から書面による正式な申立てがあった場合に限られる。
  • ④苦情の内容にかかわらず、まず利用者との契約を解除したうえで対応する。
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正解 ②提供したサービスの苦情の窓口を設置するなど、適切に対応する体制を整える。
解説
居宅介護支援の運営基準では、事業者は提供した居宅介護支援に関する利用者や家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するため、苦情を受け付ける窓口の設置など必要な措置を講じることが求められています。苦情対応を国保連の専管事項として自らの窓口設置を不要とする記述や、書面による正式な申立てがある場合に限るという記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
苦情の受付が国保連の専管事項で事業者自身が窓口を設ける必要はないとする記述は、その場で速やかに改めることこそ利用者にとって役立つという趣旨と合いません。書面による正式な申立てがあった場合に限られるとする記述は、高齢の利用者や家族が声を上げにくくなってしまいます。内容にかかわらずまず契約を解除したうえで対応するとする記述も、苦情を述べた人が支援を失うことになり、本末が転倒しています。
問62-9

国民健康保険団体連合会が受け付ける苦情の対象に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①苦情を申し立てられるのは、要介護認定を受けた被保険者本人に限られ、家族は対象外である。
  • ②苦情の対象となるのは居宅サービスのみで、施設サービスに関する苦情は受け付けない。
  • ③苦情を申し立てられるのは事業者側のみに限られており、利用者からの苦情は市町村が扱う。
  • ④介護保険の被保険者やその家族等から、利用したサービスに関する苦情を幅広く受け付ける。
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正解 ④介護保険の被保険者やその家族等から、利用したサービスに関する苦情を幅広く受け付ける。
解説
国保連の苦情処理業務は、介護保険の被保険者本人だけでなく、その家族等からの苦情も幅広く受け付けています。対象となるサービスも居宅サービスに限らず、施設サービスや地域密着型サービスを含む介護保険サービス全般です。苦情を申し立てられるのは利用者側であり、事業者側からの苦情申立てを想定した制度ではありません。

他の選択肢が不適切な理由
申し立てられるのが被保険者本人に限られ家族は対象外とする記述は、本人が伝えにくい状況にあるときほど家族の声が手がかりになることを見落としています。対象が居宅サービスのみで施設サービスに関する苦情は受け付けないとする記述は、暮らしの場が施設であっても質を確かめる必要があることと合いません。申し立てられるのが事業者側のみに限られるとする記述も、この仕組みが利用者の側の声を受け止めるために設けられていることと正反対です。
問72-9

国保連における苦情処理業務の一般的な流れに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①苦情を受け付けた後、必要に応じて事業者を調査し、その結果に基づき指導・助言を行う。
  • ②苦情を受け付けた時点で、調査を行わずに直ちに事業者の指定取消しを決定する。
  • ③苦情を受け付けても内容の調査は行わず、申立人に助言を行うのみで終える。
  • ④苦情を受け付けた場合、裁判所への提訴を経てからでなければ事業者への指導はできない。
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正解 ①苦情を受け付けた後、必要に応じて事業者を調査し、その結果に基づき指導・助言を行う。
解説
国保連は苦情を受け付けた後、必要に応じて事業者に対する調査を行い、その結果に基づいて事業者への指導や助言を行うという流れで業務を進めます。調査を経ずに直ちに指定取消しを決定したり、裁判所への提訴を前提としたりする記述は誤りで、国保連が持つ権限の性質(調査・指導助言にとどまる)とも整合しません。

他の選択肢が不適切な理由
受け付けた時点で調査を行わずに直ちに指定の取消しを決定するとする記述は、処分の権限を持たないことに加え、事実を確かめずに重い判断を下す点でも成り立ちません。内容の調査は行わず申立人に助言を行うのみで終えるとする記述は、事業者側に改める機会が生まれず、同じことが繰り返されてしまいます。裁判所への提訴を経てからでなければ指導できないとする記述も、争いを裁く手続きと、質を高めるための働きかけとを取り違えています。
問82-9

国民健康保険団体連合会の権限に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①国保連は苦情のあった事業者との契約を、利用者に代わって解除する権限を持つ。
  • ②国保連は苦情のあった事業者の代表者に対し、刑事告発を行う法的義務を負う。
  • ③国保連は強制的な処分権限を持たず、調査に基づく指導・助言にとどまる立場にある。
  • ④国保連は苦情処理の結果に基づき、独自に介護報酬の算定基準を変更する権限を持つ。
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正解 ③国保連は強制的な処分権限を持たず、調査に基づく指導・助言にとどまる立場にある。
解説
国保連は事業者に対する強制的な処分権限(指定の取消し・効力停止・介護報酬算定基準の変更等)を持たず、調査に基づく指導・助言にとどまる立場にあります。利用者に代わって契約を解除したり、刑事告発を法的義務として負ったりするような強い権限は、国保連の業務としては規定されていません。

他の選択肢が不適切な理由
利用者に代わって契約を解除する権限を持つとする記述は、契約が利用者と事業者の間で結ばれるものであり、その解除も当事者が判断する事柄であることと合いません。代表者に対する刑事告発を法的義務として負うとする記述は、そのような義務を定めた規定が置かれていません。苦情処理の結果に基づき独自に介護報酬の算定基準を変更する権限を持つとする記述も、報酬の基準が全国共通に国の定めるものであることに反します。
問92-9

居宅介護支援事業者が利用者に交付する重要事項説明書の記載事項に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①苦情の受付窓口や国保連等の外部相談機関についての記載は任意で、省略しても問題ない。
  • ②事業所内の苦情受付窓口に加え、国保連など外部の苦情相談機関についても記載する。
  • ③重要事項説明書には料金体系のみを記載すればよく、苦情対応の事項は含まれない。
  • ④苦情窓口の記載は、契約後にトラブルが発生した場合にのみ追加で交付すればよい。
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正解 ②事業所内の苦情受付窓口に加え、国保連など外部の苦情相談機関についても記載する。
解説
居宅介護支援事業者が利用者に交付する重要事項説明書には、料金体系や事業所の概要等に加えて、事業所内の苦情受付窓口とともに、国保連や市町村など外部の苦情相談機関の連絡先を記載することが求められています。これは利用者が事業所以外にも相談できる選択肢を保障するためであり、記載を任意とする、あるいは契約後に限るという記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
苦情の受付窓口や外部の相談機関についての記載を任意とし省略しても問題ないとする記述は、事業所に言いにくいときの相談先をあらかじめ知らせておくという目的を失わせます。料金体系のみを記載すればよく苦情対応の事項は含まれないとする記述は、この書面が契約に先立って判断材料を示すものであることを狭くとらえています。契約後にトラブルが発生した場合にのみ追加で交付すればよいとする記述も、困ったときに初めて相談先を知らせるのでは遅いという点で合いません。
問102-9

国民健康保険団体連合会が行う業務のうち、苦情処理業務と介護給付費の審査支払業務の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①審査支払業務は市町村が行い、国保連は苦情処理業務のみを専属で担当する。
  • ②苦情処理業務と審査支払業務は同一の委員会が一体で審査し、区別なく処理される。
  • ③審査支払業務における不正が発覚した場合に限り、国保連は苦情の調査を開始できる。
  • ④審査支払業務で得た情報を生かし、苦情処理業務は別の観点から事業者を調査する。
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正解 ④審査支払業務で得た情報を生かし、苦情処理業務は別の観点から事業者を調査する。
解説
国保連は介護給付費の審査支払業務を通じて事業者に関する情報を日常的に把握しており、この情報を生かしつつ、苦情処理業務では審査支払とは別の観点から利用者等の苦情に基づき事業者を調査・指導します。両業務は目的・手続きが異なる別個の業務であり、区別なく一体で処理されるものではありません。

他の選択肢が不適切な理由
審査支払業務を市町村が行い国保連は苦情処理業務のみを担当するとする記述は、請求の審査と支払を広い区域でまとめて行うというこの団体の中心的な役割を取り違えています。同一の委員会が一体で審査し区別なく処理されるとする記述は、請求内容の適否を確かめる作業と、利用者の声をもとに事業者を調べる作業とでは目的も進め方も異なることを見落としています。不正が発覚した場合に限り苦情の調査を開始できるとする記述も、苦情の受付そのものが調査の入口となることと合いません。

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