2026年版・2-11

居宅介護支援事業所の運営の一問一答

介護支援専門員試験「介護支援分野②(ケアマネジメントの実践)」から、居宅介護支援事業所の運営に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-11

居宅介護支援事業所の管理者要件に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①管理者は常勤の介護支援専門員であればよく、主任介護支援専門員である必要はない。
  • ②管理者は原則として主任介護支援専門員だが、満たさない場合の経過措置がある。
  • ③居宅介護支援事業所の管理者は医師又は看護師の資格を有する者でなければならない。
  • ④管理者の資格要件は所在する都道府県ごとに定められ、全国一律の基準はない。
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正解 ②管理者は原則として主任介護支援専門員だが、満たさない場合の経過措置がある。
解説
居宅介護支援事業所の管理者は、原則として主任介護支援専門員でなければならないとされています。ただし、令和3年3月時点で主任介護支援専門員でない者が管理者を務めていた事業所については、一定の期限まで管理者の要件に関する経過措置が設けられており、直ちに全事業所で交代が求められるわけではありません。医師・看護師資格を要件とする記述や、都道府県ごとに基準が異なるとする記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
常勤の介護支援専門員であればよく主任である必要はないとする記述は、事業所の中で他の専門員に助言し支援の質を保つという管理者の役割を踏まえていません。医師又は看護師の資格を有する者でなければならないとする記述は、医療の専門職と、支援を組み立て調整する専門職とを取り違えています。資格要件が都道府県ごとに定められ全国一律の基準はないとする記述も、この要件が全国共通に定められていることに反します。
問22-11

居宅介護支援における逓減制(担当件数に応じた基本報酬の減額)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①逓減制は施設サービスにのみ適用される仕組みで、居宅介護支援には適用されない。
  • ②介護支援専門員1人当たりの担当件数の上限はなく、何件担当しても報酬は一定である。
  • ③逓減制が適用されるかは、利用者の要介護度の平均値のみによって判定される。
  • ④担当件数が一定数を超えると報酬が下がり、ICT活用等で基準が緩和される。
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正解 ④担当件数が一定数を超えると報酬が下がり、ICT活用等で基準が緩和される。
解説
居宅介護支援の基本報酬には、介護支援専門員1人当たりの担当件数が一定件数以上になると単位数が低く算定される逓減制が設けられています。この基準件数は、ケアプランデータ連携システムの活用や事務職員の配置といったICT・体制整備の状況に応じて緩和される仕組みになっており、担当件数の上限自体が存在しないわけではありません。施設サービス限定という記述も誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
施設サービスにのみ適用され居宅介護支援には適用されないとする記述は、この仕組みが一人の専門員の抱える人数が多くなりすぎることを防ぐために設けられていることと合いません。担当件数の上限がなく何件担当しても報酬が一定とする記述は、一人ひとりに向き合う時間を確保するという狙いを打ち消してしまいます。利用者の要介護度の平均値のみによって判定されるとする記述も、着目されているのが担当する件数であることを取り違えています。
問32-11

居宅介護支援における特定事業所加算の算定要件に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①加算の区分に応じ、常勤の主任介護支援専門員を配置することなどが要件となる。
  • ②特定事業所加算は、事業所の開設年数が10年を超えていることのみを要件とする。
  • ③特定事業所加算は、利用者数が最も多い事業所に自動的に付与される加算である。
  • ④特定事業所加算の算定に、主任介護支援専門員の配置は求められていない。
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正解 ①加算の区分に応じ、常勤の主任介護支援専門員を配置することなどが要件となる。
解説
特定事業所加算は、中重度者や支援困難ケースへの対応、専門性の高い人材の確保等を評価する加算で、区分(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A)に応じて常勤かつ専従の主任介護支援専門員を一定数以上配置することなどが主な要件とされています。開設年数や利用者数の多さのみを要件とする記述、主任介護支援専門員の配置を不要とする記述はいずれも誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
開設年数が10年を超えていることのみを要件とする記述は、年数の長さがそのまま支援の質を表すものではないことを見落としています。利用者数が最も多い事業所に自動的に付与されるとする記述は、抱える人数の多さが手厚い体制を意味するわけではなく、むしろ逆になりうる点で成り立ちません。主任介護支援専門員の配置が求められていないとする記述も、専門性の高い人材を確保していることを評価するというこの加算の趣旨に反します。
問42-11

居宅介護支援事業者が利用者にサービス事業者を紹介する際の運営基準上の取扱いとして、最も適切なものはどれか。

  • ①居宅介護支援事業者は、利用者の希望にかかわらず、系列の事業者のみを優先的に紹介する。
  • ②紹介する事業者数に制限はないが、利用者への説明を省略して事業者を決定してよい。
  • ③複数事業者の紹介を求められる旨を説明し、利用者がサービスを選べるよう配慮する。
  • ④紹介できる事業者は同一法人が運営する事業者に限られ、他法人は紹介できない。
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正解 ③複数事業者の紹介を求められる旨を説明し、利用者がサービスを選べるよう配慮する。
解説
居宅介護支援事業者は、利用者に対しサービス事業者を紹介する際、複数の事業者の紹介を求めることができる旨等を説明し、利用者自身が適切にサービスを選択できるよう配慮することが運営基準上求められています。これは特定の事業者への不当な偏りを防ぎ、利用者の選択の自由を確保するための規定であり、系列事業者のみを優先する等の記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
利用者の希望にかかわらず系列の事業者のみを優先的に紹介するとする記述は、公正かつ誠実に業務を行うという務めと正面から反します。説明を省略して事業者を決定してよいとする記述は、選べることを知らないまま決められてしまい、利用者の選択の自由が形だけになります。紹介できる事業者が同一法人の運営するものに限られるとする記述も、地域にある事業者の中から本人に合うものを選ぶという計画づくりの前提と合いません。
問52-11

居宅介護支援の特定事業所加算における24時間連絡体制に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①24時間の連絡体制は、特定の1名の介護支援専門員が単独で対応するものでなければならない。
  • ②常時、携帯電話等で担当者と連絡が取れる体制であればよく、輪番制での対応も可能である。
  • ③24時間連絡体制は、利用者からの緊急連絡を受け付けない体制でも要件を満たす。
  • ④24時間連絡体制の整備は加算の算定要件ではなく、事業所の任意の取組みである。
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正解 ②常時、携帯電話等で担当者と連絡が取れる体制であればよく、輪番制での対応も可能である。
解説
特定事業所加算の要件である24時間連絡体制とは、常時、担当の介護支援専門員等が携帯電話等により連絡を受けられ、必要に応じて相談に応じることができる体制を指し、複数の介護支援専門員による輪番制で対応することも認められています。特定の1名のみが対応する必要や、緊急連絡を受け付けない体制でも足りるという記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
特定の1名の介護支援専門員が単独で対応しなければならないとする記述は、その者が休みや不在のときに連絡が途切れてしまい、かえって体制として弱くなります。利用者からの緊急連絡を受け付けない体制でも要件を満たすとする記述は、いつでも相談できることを評価するというこの要件の中身をなくしてしまいます。体制の整備が算定要件ではなく事業所の任意の取組みとする記述も、要件として定められていることに反します。
問62-11

居宅介護支援事業所が定める運営規程の記載事項として、最も適切なものはどれか。

  • ①運営規程の中には利用者の氏名や病名など、個人情報に関する事項を記載する。
  • ②運営規程は口頭での申し合わせで足り、書面として作成・保管する義務は定められていない。
  • ③運営規程には従業者数のみを記載すればよく、営業時間や利用料金は記載事項に含まれない。
  • ④運営規程には事業の目的、運営方針、従業者の職種・員数、営業時間、利用料等を定める。
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正解 ④運営規程には事業の目的、運営方針、従業者の職種・員数、営業時間、利用料等を定める。
解説
居宅介護支援事業所の運営規程には、事業の目的及び運営の方針、従業者の職種・員数及び職務内容、営業日・営業時間、利用料その他の費用の額など、利用者や関係者が事業所の運営内容を把握できるよう定めるべき事項が運営基準上定められています。個人情報のみを記載するという記述や、書面化が不要という記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
利用者の氏名や病名など個人情報に関する事項を記載するとする記述は、この規程が事業所の運営の枠組みを定め、広く示される性質のものであることと合いません。口頭での申し合わせで足り書面としての作成や保管の義務がないとする記述は、職員によって扱いが変わってしまい、利用者にも内容を示せなくなります。従業者数のみを記載すればよく営業時間や利用料金は含まれないとする記述も、利用を判断するうえで欠かせない事項を落としています。
問72-11

居宅介護支援事業者が整備する利用者に関する記録の保存に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①居宅サービス計画や提供した記録は、原則としてその完結の日から一定期間保存する。
  • ②記録の保存は事業者側の任意で、サービス提供終了と同時に破棄しても差し支えない。
  • ③記録は利用者本人が保管する義務を負い、事業者側には保存義務が課されていない。
  • ④記録の保存期間は全国一律で30年で、市町村が独自に変更することはできない。
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正解 ①居宅サービス計画や提供した記録は、原則としてその完結の日から一定期間保存する。
解説
居宅介護支援事業者は、居宅サービス計画や提供した支援に関する記録等を、その完結(サービス提供終了等)の日から一定期間保存することが運営基準上義務付けられています。この記録保存は利用者の権利保護や後日の検証のために事業者側に課された義務であり、任意で破棄してよい、利用者本人にのみ義務があるといった記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
保存が事業者側の任意でサービス提供終了と同時に破棄しても差し支えないとする記述は、後から支援の経過を確かめる手立てを失わせ、利用者の権利を守れなくなります。利用者本人が保管する義務を負い事業者側に保存義務がないとする記述は、記録を作成し管理するのが事業者であることと合いません。保存期間が全国一律で30年とする記述も、期間が実際よりはるかに長く、市町村の条例で定める部分があることも見落としています。
問82-11

居宅介護支援における「特定事業所集中減算」の趣旨に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①利用者が多いサービス事業者を優先的に紹介した事業所に、報酬を上乗せする仕組みである。
  • ②サービスの実績が特定事業者に偏る際、公正中立性の確保の観点から減算する仕組みである。
  • ③事業所の所在地が都市部に集中している場合に、地方との報酬格差を是正する仕組みである。
  • ④介護支援専門員の資格取得者数が特定の養成施設に集中している場合に適用される。
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正解 ②サービスの実績が特定事業者に偏る際、公正中立性の確保の観点から減算する仕組みである。
解説
特定事業所集中減算は、居宅介護支援事業所が作成するケアプランにおいて、特定の訪問介護・通所介護等の事業者へのサービス紹介が不当に偏っている場合に、公正中立なケアマネジメントを確保する観点から基本報酬を減算する仕組みです。事業者を優先紹介した場合に報酬を上乗せする趣旨や、地域格差の是正を目的とする趣旨ではありません。

他の選択肢が不適切な理由
優先的に紹介した事業所に報酬を上乗せする仕組みとする記述は、偏りを抑えるという目的とまったく逆の働きになってしまいます。事業所の所在地が都市部に集中している場合の地域格差の是正とする記述は、地域による費用の違いを調整する仕組みと取り違えたものです。資格取得者数が特定の養成施設に集中している場合に適用されるとする記述も、着目されているのが計画に位置付けたサービスの紹介先であることと合いません。
問92-11

居宅介護支援事業者の重要事項説明書における苦情対応に関する記載として、最も適切なものはどれか。

  • ①苦情対応に関する記載は事業者の裁量に委ねられ、記載しなくても運営基準上の問題はない。
  • ②事業所内の苦情受付窓口に加え、国保連や市町村など外部の相談機関の連絡先も記載する。
  • ③苦情対応に関する記載は、過去に苦情が実際に発生した事業所にのみ求められる。
  • ④重要事項説明書には利用料金のみを記載すればよく、苦情対応窓口は別の書面で案内する。
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正解 ②事業所内の苦情受付窓口に加え、国保連や市町村など外部の相談機関の連絡先も記載する。
解説
居宅介護支援事業者の重要事項説明書には、事業所内に設置した苦情受付窓口に加え、国保連や市町村といった外部の苦情相談機関の連絡先も記載し、利用者が事業所以外にも相談できることを説明することが求められています。記載を事業者の裁量に委ねる、過去に苦情があった事業所のみに求めるという記述は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
記載が事業者の裁量に委ねられ記載しなくても問題ないとする記述は、事業所には言いにくい場合の相談先をあらかじめ知らせるという目的を失わせます。過去に苦情が実際に発生した事業所にのみ求められるとする記述は、これから起こりうることに備えて示すものであることを取り違えています。利用料金のみを記載し苦情対応窓口は別の書面で案内するとする記述も、契約の前にまとめて示すことで確実に伝えるという書面の役割と合いません。
問102-11

居宅介護支援事業者及びその従業者が負う秘密保持義務に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①秘密保持義務は在職中にのみ限られ、退職後は利用者の個人情報を自由に用いてよい。
  • ②秘密保持義務は介護支援専門員本人にのみ課され、事務職員などその他の従業者には課されない。
  • ③利用者の情報をサービス担当者会議で他の事業者と共有する際、同意を得る必要はない。
  • ④従業者は業務上知った利用者・家族の秘密を漏らしてはならず、義務は退職後も継続する。
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正解 ④従業者は業務上知った利用者・家族の秘密を漏らしてはならず、義務は退職後も継続する。
解説
居宅介護支援事業者及びその従業者は、業務上知り得た利用者やその家族の秘密を正当な理由なく漏らしてはならないという秘密保持義務を負い、この義務は在職中だけでなく退職後も継続します。また、サービス担当者会議等で利用者の情報を他の事業者と共有する場合には、あらかじめ利用者や家族から同意を得ておく必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
在職中にのみ限られ退職後は自由に用いてよいとする記述は、いったん知った情報が退職によって消えるわけではないことを見落としています。介護支援専門員本人にのみ課され事務職員など他の従業者には課されないとする記述は、記録や請求の事務を通じて多くの職員が情報に触れるという実情と合いません。担当者会議で他の事業者と共有する際に同意を得る必要はないとする記述も、支援に関わるとはいえ他の事業者へ情報を渡す場面であり、あらかじめ同意を得ておく必要があります。

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