2026年版・3-9

燃料の燃焼効率と管理の一問一答

2級ボイラー技士試験「燃料及び燃焼に関する知識」から、燃料の燃焼効率と管理に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-9

省エネルギーの観点から見た「ボイラー効率」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①燃料が持つ熱量のうち、蒸気や温水の発生に有効利用された割合をいう。
  • ②ボイラーが1時間当たりに実際に消費する燃料の質量そのものをいう。
  • ③ボイラーが備える燃焼室全体の容積と煙突の実際の高さとの比をいう。
  • ④ボイラー水の水質と給水の温度だけとの関係だけを単に表す言葉である。
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正解 ①燃料が持つ熱量のうち、蒸気や温水の発生に有効利用された割合をいう。
解説
ボイラー効率とは、供給した燃料が保有する熱量のうち、実際に蒸気又は温水の発生という有効な仕事に利用された熱量の割合をいい、排ガス熱損失や不完全燃焼損失などを差し引いた値として評価される。

他の選択肢が不適切な理由
1時間当たりの燃料消費質量は燃料使用量を示す値であり、効率(有効利用の割合)を表すボイラー効率の定義とは異なる。燃焼室の容積と煙突の高さとの比は設備の寸法に関する値であり、ボイラー効率の定義とは無関係である。ボイラー水の水質と給水温度との関係は水処理・給水管理に関する事項であり、ボイラー効率の定義とは異なる。
問23-9

ボイラーの熱損失のうち、一般に最も大きな割合を占めるとされる排ガス熱損失に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①排ガス熱損失は、燃焼用空気に含まれる湿分の割合によって決まる損失である。
  • ②排ガス熱損失は、排出ガスの量・比熱や外気との温度差が大きいほど増加する。
  • ③排ガス熱損失は、ボイラー水の水位が高いほど増加する損失である。
  • ④排ガス熱損失は、燃料の貯蔵期間の長さによって決まる損失である。
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正解 ②排ガス熱損失は、排出ガスの量・比熱や外気との温度差が大きいほど増加する。
解説
排ガス熱損失は、煙突から大気へ排出される燃焼ガスの量とその比熱、及び排ガス温度と外気温との差が大きいほど増加する損失であり、ボイラーの熱損失の中でも一般に最も大きな割合を占めるとされている。

他の選択肢が不適切な理由
排ガス熱損失の大きさは主に排出ガスの量・比熱や外気との温度差によって決まるものであり、燃焼用空気中の湿分の割合が主な決定要因という記述は適切ではない。ボイラー水の水位は水位管理上重要な項目ではあるが、排ガス熱損失の大きさを直接左右する要因ではない。燃料の貯蔵期間の長さも排ガス熱損失の大きさを決める直接の要因ではなく、この記述は適切ではない。
問33-9

不完全燃焼による熱損失に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①燃焼用空気の温度がやや低いことによって生じる損失をいう。
  • ②重油タンクからのわずかな油漏れによって生じる損失をいう。
  • ③煙道ガス中に残る一酸化炭素などの未燃成分による損失をいう。
  • ④煙突のあらゆる表面からのわずかな放熱によって生じる損失をいう。
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正解 ③煙道ガス中に残る一酸化炭素などの未燃成分による損失をいう。
解説
不完全燃焼による損失は、燃焼用空気の不足などによって完全に酸化されずに煙道ガス中に残った一酸化炭素(CO)や炭化水素などの未燃成分が、本来発生し得た熱量を発生させないまま排出されることによって生じる損失をいう。

他の選択肢が不適切な理由
燃焼用空気の温度が低いことは排ガス熱損失などに影響する要因ではあるが、不完全燃焼損失そのものの定義とは異なる。重油タンクからの油漏れは燃料管理上の問題であり、不完全燃焼による熱損失の説明としては誤りである。煙突表面からの放熱による損失は放散損失に近い概念であり、未燃成分による不完全燃焼損失とは区別される。
問43-9

ボイラーの点火・消火の繰り返しに伴うパージ操作などによって生じる放散損失に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①燃料中の硫黄分が排ガスとともに大気へ放出されることによる損失をいう。
  • ②ボイラー水中の溶存酸素が放出されることによる損失をいう。
  • ③煙突の色が変化することによって生じる、見かけ上の損失をいう。
  • ④パージで炉内へ送り込む常温の空気が熱を奪うことによる損失をいう。
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正解 ④パージで炉内へ送り込む常温の空気が熱を奪うことによる損失をいう。
解説
放散損失には、点火・消火を繰り返す際のプレパージ・ポストパージによって常温の空気が炉内や煙道を通過し、その過程で炉内などに残っていた熱を奪ってしまうことによる損失(パージ損失)などが含まれる。

他の選択肢が不適切な理由
燃料中の硫黄分の大気への放出はSOxによる大気汚染の問題であり、熱損失としての放散損失の説明とは異なる。ボイラー水中の溶存酸素の放出は水質管理上の事項であり、パージに伴う放散損失の説明ではない。煙突の色の変化は見かけ上の現象にすぎず、熱量の損失を表す放散損失の説明としては誤りである。
問53-9

空気比とボイラー効率の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①空気比が小さいと不完全燃焼の損失が増え、大きすぎると排ガス熱損失が増える。
  • ②空気比を大きくするほど、燃焼用空気の予熱効果によってボイラー効率は向上していく。
  • ③空気比を小さくするほど、燃料の節約効果によってボイラー効率は向上していく。
  • ④空気比はボイラー効率よりも、主にボイラー水の水質管理に影響を与える要素である。
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正解 ①空気比が小さいと不完全燃焼の損失が増え、大きすぎると排ガス熱損失が増える。
解説
空気比が小さすぎると燃焼用空気の不足によって不完全燃焼による損失が増え、逆に大きすぎると余分な空気を加熱するために排ガス熱損失が増えるため、両者のバランスをとった適切な空気比の範囲に調整することがボイラー効率の維持に重要である。

他の選択肢が不適切な理由
空気比を大きくすると余分な空気を加熱する分だけ排ガス熱損失が増加するため、大きいほど効率が向上するという記述は誤りである。空気比を小さくしすぎると不完全燃焼による損失が増加するため、小さいほど効率が向上するという記述も誤りである。空気比は排ガス熱損失や不完全燃焼損失を通じてボイラー効率に直接大きく影響する要素であり、水質管理への影響を主とする記述は適切ではない。
問63-9

排ガス熱の有効利用という観点から見た「エコノマイザ(節炭器)」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①煙道内に付着したばいじんを電気的に捕集する装置である。
  • ②排ガスの余熱でボイラー給水を予熱し、熱損失を減らす装置である。
  • ③重油の粘度を下げるために燃料をあらかじめ加熱する装置である。
  • ④燃焼用空気に排ガスの一部を混合してNOxを低減する装置である。
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正解 ②排ガスの余熱でボイラー給水を予熱し、熱損失を減らす装置である。
解説
エコノマイザ(節炭器)は、煙道内に設置され、排出される燃焼ガスがまだ持っている余熱を回収してボイラーへ供給する給水を予熱する装置であり、これによって排ガス熱損失を減らし、ボイラー効率を高めることができる。

他の選択肢が不適切な理由
煙道内のばいじんを電気的に捕集する装置は電気集じん器であり、エコノマイザとは異なる。重油の粘度を下げるための加熱装置は油加熱器であり、給水を予熱するエコノマイザとは異なる。燃焼用空気に排ガスを混合してNOxを低減する装置は排ガス再循環装置であり、給水予熱を目的とするエコノマイザとは異なる。
問73-9

重油の貯蔵及び管理に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①重油タンクを満タンに保つことで、内部の結露による水分の混入を防止できる。
  • ②重油の粘度は主に貯蔵中の日数の長さだけで決まるため、温度による管理は不要である。
  • ③貯蔵中の重油には水分やスラッジが沈殿しやすく、点検や水抜きが必要である。
  • ④重油タンクの容量は、ボイラー全体の伝熱面積の大きさだけから決定される。
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正解 ③貯蔵中の重油には水分やスラッジが沈殿しやすく、点検や水抜きが必要である。
解説
貯蔵中の重油には、結露などによる水分の混入や、燃料中の不純物が沈殿してできるスラッジがタンク底部にたまることがあるため、定期的な点検やドレン抜き(水抜き)を行い、燃焼設備への悪影響を防ぐ必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
タンクを満タンに保っても、給油・払出しの繰り返しや外気との接触などにより結露が生じ得るため、水分の混入を防止できるとは言い切れない。重油の粘度は主に温度によって変化するものであり、貯蔵日数の長さだけで決まり温度管理が不要という記述は誤りである。重油タンクの容量は、燃料の消費量や貯蔵日数など複数の要素をもとに決められるものであり、伝熱面積だけから決定されるという記述は適切ではない。
問83-9

燃料の消費量を日々計量・記録することの目的に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①煙突の実際の高さを正確に算出するための最も重要な基礎資料とするため。
  • ②ボイラー水の水質を推定するために用いる補助的な資料とするため。
  • ③燃焼用空気の温度を算出するために用いる補助的な資料とするため。
  • ④燃焼状態や効率の変化を把握し、異常の早期発見や管理に役立てるため。
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正解 ④燃焼状態や効率の変化を把握し、異常の早期発見や管理に役立てるため。
解説
燃料消費量を日々計量・記録することで、通常時との差異から燃焼状態や運転効率の変化を早期に把握でき、燃焼不良などの異常の早期発見や、より効率的な燃料管理・省エネルギー対策に役立てることができる。

他の選択肢が不適切な理由
煙突の高さは設備設計上定められるものであり、燃料消費量の記録から算出する項目ではない。ボイラー水の水質は別途行う水質分析によって推定するものであり、燃料消費量の記録だけからは推定できない。燃焼用空気の温度は温度計によって測定するものであり、燃料消費量の記録だけから算出できるものではない。
問93-9

日常の燃焼管理において空気比を最適化するための操作に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①燃焼ガス分析の結果をもとに、送風量やダンパを調整し適切な空気比を保つ。
  • ②空気比の調整は月に一度だけ行えばよく、日常の監視は不要である。
  • ③空気比は燃料を変更しない限り、一度設定すれば調整の必要はない。
  • ④空気比の調整は、まず煙突の色を目視することを基本として行うべきである。
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正解 ①燃焼ガス分析の結果をもとに、送風量やダンパを調整し適切な空気比を保つ。
解説
燃焼ガス中のCO2・O2濃度などの分析結果をもとに、送風機の風量やダンパの開度を調整することで、不完全燃焼や過剰な排ガス熱損失を避けた適切な空気比を保つことが、日常の燃焼管理における基本的な操作である。

他の選択肢が不適切な理由
負荷や外気条件の変化などにより空気比は日々変動し得るため、月に一度だけの調整で足りるという記述は適切ではない。燃料を変更しなくても負荷変動などにより最適な空気比は変わり得るため、一度設定すれば調整不要という記述は誤りである。煙突の色の目視だけでは正確な空気比を把握することはできず、燃焼ガス分析による裏付けを基本とすべきである。
問103-9

燃焼効率を維持・向上させるための日常点検項目に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①日常の点検項目は、燃料の販売価格の変動を確認するだけで十分である。
  • ②バーナノズルの汚れや摩耗、燃焼ガスの色、排ガス温度などを点検する。
  • ③点検は年に1回、法定検査が行われる時期にのみ実施すればよい。
  • ④点検項目はボイラー技士の資格の有無を確認することのみである。
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正解 ②バーナノズルの汚れや摩耗、燃焼ガスの色、排ガス温度などを点検する。
解説
燃焼効率を維持・向上させるためには、バーナのノズルの汚れや摩耗の有無、燃焼ガス(火炎)の色、排ガス温度などを日常的に点検し、燃焼状態の変化を早期に捉えて必要な調整や整備につなげることが重要である。

他の選択肢が不適切な理由
燃料の価格変動の確認は経理上の管理項目であり、燃焼効率を維持するための点検項目としては不十分である。燃焼状態は日々変化し得るものであり、年に1回の法定検査の時期にのみ点検すればよいという記述は適切ではない。ボイラー技士の資格の有無の確認は法令上の配置義務に関する事項であり、燃焼効率を維持するための日常点検項目とは異なる。

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