2026年版・3-3

重油の燃焼と燃焼装置の一問一答

2級ボイラー技士試験「燃料及び燃焼に関する知識」から、重油の燃焼と燃焼装置に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-3

重油バーナのうち、圧力噴霧式バーナの霧化方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①回転する円筒(カップ)の遠心力によって油膜を細かく引きちぎって霧化する。
  • ②高圧の蒸気又は圧縮空気の勢いのある噴流を油に衝突させて霧化する。
  • ③油自体に高い圧力を加え、ノズルから噴出させる際の圧力差によって霧化する。
  • ④燃焼用空気の自然な流れだけを利用して、油を霧状に分散させる。
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正解 ③油自体に高い圧力を加え、ノズルから噴出させる際の圧力差によって霧化する。
解説
圧力噴霧式バーナは、油そのものに高い圧力を加えてノズルから噴出させ、そのときの圧力差によって油を微細な粒子に霧化させる方式である。構造が比較的簡単で広く用いられている。

他の選択肢が不適切な理由
回転する円筒の遠心力を利用する霧化方法は回転式(ロータリー)バーナの特徴であり、圧力噴霧式とは異なる。高圧の蒸気又は空気の噴流を利用する方法は高圧気流噴霧式(蒸気噴霧式)バーナの特徴であり、圧力噴霧式の説明ではない。燃焼用空気の自然な流れだけで油を分散させる方式は、圧力噴霧式バーナの霧化原理としては誤りである。
問23-3

回転式(ロータリー)バーナの霧化方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①油に高圧力を加えてノズルから噴出させることで霧化する。
  • ②高圧の空気又は蒸気の流れと油とを衝突させて霧化する。
  • ③静止した多孔質のノズルから油をにじみ出させて自然に霧化する。
  • ④回転する霧化筒の遠心力によって油膜を引きちぎり霧化する。
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正解 ④回転する霧化筒の遠心力によって油膜を引きちぎり霧化する。
解説
回転式(ロータリー)バーナは、高速で回転する霧化筒(カップ)の内面に油膜を作り、その遠心力によって油膜を細かく引きちぎって霧化させる方式である。負荷変化への対応がしやすいことなどが特徴である。

他の選択肢が不適切な理由
油に高圧力を加えてノズルから噴出させる方式は圧力噴霧式バーナの霧化方法であり、回転式とは異なる。高圧の空気又は蒸気の流れを利用する方式は高圧気流噴霧式バーナの特徴であり、回転式の説明ではない。静止した多孔質のノズルから油をにじみ出させる方式は、回転式バーナの一般的な霧化原理としては当てはまらない。
問33-3

高圧気流噴霧式(蒸気噴霧式)バーナの特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①高圧の蒸気又は空気を油に衝突させて霧化するため、油量の調節範囲が広い。
  • ②霧化に用いる媒体は一切用いず、油そのものの自重だけで霧化する。
  • ③回転部分の遠心力のみで油を霧化するため、蒸気や圧縮空気を必要としない。
  • ④霧化には常に電気ヒーターの熱だけを利用し、圧力や気流は関与しない。
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正解 ①高圧の蒸気又は空気を油に衝突させて霧化するため、油量の調節範囲が広い。
解説
高圧気流噴霧式バーナは、高圧の蒸気又は圧縮空気を霧化媒体として油と衝突・混合させることで霧化する方式であり、油量の調節範囲(ターンダウン比)が広いという特徴を持つ。

他の選択肢が不適切な理由
油の自重だけで霧化するという記述は誤りで、実際には高圧の蒸気又は空気という媒体を用いて霧化させている。回転部分の遠心力を利用する霧化は回転式バーナの特徴であり、高圧気流噴霧式の説明としては誤りである。電気ヒーターの熱だけで霧化を行うという記述も、蒸気又は空気の圧力・気流を利用する高圧気流噴霧式の原理とは異なる。
問43-3

小容量のボイラーなどに広く用いられるガンタイプバーナの特徴として、最も適切なものはどれか。

  • ①大容量の高圧蒸気を霧化媒体として用いる、大型ボイラー専用のバーナである。
  • ②送風機・油ポンプ・点火装置を一体化した、小容量向けのバーナである。
  • ③石炭などの固体燃料を火格子上で燃焼させるための専用バーナである。
  • ④気体燃料を予混合方式で燃焼させることに特化したバーナである。
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正解 ②送風機・油ポンプ・点火装置を一体化した、小容量向けのバーナである。
解説
ガンタイプバーナは、送風機・油ポンプ・点火装置・制御機器などを1つの箱形の筐体に一体化した構造を持ち、取扱いが簡便であることから小容量のボイラーや温水器などで広く用いられている。

他の選択肢が不適切な理由
大容量の高圧蒸気を霧化媒体とする方式は高圧気流噴霧式バーナに近い特徴であり、小容量向けのガンタイプバーナの一般的な説明ではない。石炭などの固体燃料を火格子上で燃焼させる装置はストーカであり、油だきのガンタイプバーナとは異なる。気体燃料を予混合方式で燃焼させる方式はガスバーナの一種の特徴であり、ガンタイプバーナ固有の説明ではない。
問53-3

重油を燃焼させる設備に油加熱器(プレヒータ)を設ける目的として、最も適切なものはどれか。

  • ①燃料中に含まれる硫黄分を加熱によって分解し、除去するため。
  • ②重油自体が持つ発熱量の大きさを加熱によって高めるため。
  • ③重油の動粘度を下げ、送油や噴霧霧化に適した状態にするため。
  • ④重油に含まれる水分を凍結させ、貯蔵性を高めるため。
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正解 ③重油の動粘度を下げ、送油や噴霧霧化に適した状態にするため。
解説
重油、特にC重油は常温で動粘度が高く、そのままでは送油や噴霧霧化が困難であるため、油加熱器によってあらかじめ加熱し、動粘度を下げて燃焼に適した状態にしてからバーナへ送っている。

他の選択肢が不適切な理由
加熱によって燃料中の硫黄分を分解・除去できるわけではなく、油加熱器はそのような目的で設けられるものではない。加熱しても重油そのものが持つ発熱量を高めることはできず、発熱量は燃料の成分によって定まる性質である。水分を凍結させることは貯蔵性の向上にはつながらず、油加熱器の目的として適切ではない。
問63-3

重油の粘度と霧化の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①粘度が高いほど油滴は微細になり、燃焼状態は良好になる。
  • ②粘度は霧化の良否に関係せず、噴射圧力だけで霧化状態が決まる。
  • ③粘度が低すぎるほど油滴は粗大になり、すすや未燃分が増加する。
  • ④粘度が高いままだと油滴が粗大になり、燃焼効率が低下しやすい。
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正解 ④粘度が高いままだと油滴が粗大になり、燃焼効率が低下しやすい。
解説
重油の粘度が高いままバーナへ供給されると、噴霧された油滴が粗大になりやすく、空気との接触が不十分になって不完全燃焼やすすの発生を招き、燃焼効率の低下につながる。そのため適切な粘度まで加熱してから燃焼させる必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
粘度が高いほど油滴が微細になるという記述は事実と逆であり、実際には油滴は粗大になりやすい。粘度は霧化の良否に大きく関わる性質であり、噴射圧力だけで霧化状態が決まるという記述は誤りである。油滴が粗大になりやすいのは粘度が低すぎるときではなく、粘度が高いままのときであるため、この記述も実際の傾向とは異なる。
問73-3

重油バーナの周囲に設けられるバーナタイル(保炎器周辺の耐火材)の役割として、最も適切なものはどれか。

  • ①噴霧された油と空気の混合を助け、火炎を保持しやすくする。
  • ②重油をあらかじめ貯蔵しておくタンク内部の温度を一定に保つ。
  • ③燃焼用空気を圧縮して送風機から炉内へ送り込む役目を担う。
  • ④排ガス中に含まれるばいじんをろ過して大気中へ出さないようにする。
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正解 ①噴霧された油と空気の混合を助け、火炎を保持しやすくする。
解説
バーナ周囲に設けられる耐火材(バーナタイル)は、噴霧された油と燃焼用空気との混合を助けるとともに、火炎を安定して保持しやすくする役割を担っており、着火・燃焼の安定化に寄与している。

他の選択肢が不適切な理由
重油タンク内の温度管理は油加熱器や保温設備の役割であり、バーナ周囲の耐火材の役割ではない。燃焼用空気を圧縮して送り込む役割は送風機が担うものであり、バーナタイルの機能ではない。排ガス中のばいじんをろ過して除去する役割は集じん装置が担うものであり、バーナタイルとは無関係である。
問83-3

重油バーナの「ターンダウン比」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①バーナが1時間に消費できる燃料の量の最大質量をいう。
  • ②バーナが安定して燃焼できる最大負荷と最小負荷との比をいう。
  • ③重油タンクの容量と1日当たりの平均的な消費量との比をいう。
  • ④煙突の実際の高さと燃焼室全体の容積との比をいう。
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正解 ②バーナが安定して燃焼できる最大負荷と最小負荷との比をいう。
解説
ターンダウン比とは、バーナが安定して燃焼を維持できる最大負荷と最小負荷との比をいい、この比が大きいバーナほど広い負荷範囲にわたって安定した燃焼を保つことができる。

他の選択肢が不適切な理由
バーナが1時間に消費できる燃料の最大質量は最大燃焼能力を示す値であり、ターンダウン比の定義とは異なる。重油タンクの容量と消費量との比は燃料の貯蔵管理に関する値であり、バーナの負荷調整範囲を示すターンダウン比とは無関係である。煙突の高さと燃焼室の容積との比も、バーナの燃焼負荷の調整範囲とは関係のない値である。
問93-3

重油バーナから噴射される油滴の粒径と燃焼状態の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①油滴の粒径は燃焼状態に影響せず、粒径にかかわらず燃焼は均一になる。
  • ②油滴は粗大になるほど表面積が広がり、空気との接触が良くなって燃焼が進む。
  • ③油滴は微細なほど空気と接触する表面積が大きくなり、燃焼が進みやすくなる。
  • ④油滴は微細になるほど蒸発しにくくなり、未燃分がかえって増加する。
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正解 ③油滴は微細なほど空気と接触する表面積が大きくなり、燃焼が進みやすくなる。
解説
油滴は微細に霧化されるほど、単位質量当たりの表面積が大きくなり、周囲の空気との接触が良くなるため蒸発・燃焼が進みやすく、完全燃焼に近づけやすくなる。これが噴霧霧化の質を重視する理由である。

他の選択肢が不適切な理由
油滴の粒径は燃焼状態に大きく影響する要素であり、粒径にかかわらず均一に燃焼するという記述は誤りである。油滴が粗大なほど表面積は相対的に小さくなり、空気との接触が悪くなって燃焼が進みにくくなるため、この記述は事実と逆である。油滴が微細なほど蒸発は進みやすくなるのが一般的であり、微細なほど蒸発しにくく未燃分が増加するという記述も事実と異なる。
問103-3

硫黄分を含む重油を燃焼させた際に生じる低温腐食に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①燃焼室内の高温部にある耐火材が、過熱でひどく溶融して損傷してしまう現象をいう。
  • ②重油タンク内での長期にわたる貯蔵で油自体が変質し腐食を招く現象をいう。
  • ③燃焼用空気中に含まれる水分が金属表面と直接反応して腐食を招く現象をいう。
  • ④排ガス中の硫黄酸化物が水分と結び付いた硫酸で低温部の金属が腐食する現象をいう。
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正解 ④排ガス中の硫黄酸化物が水分と結び付いた硫酸で低温部の金属が腐食する現象をいう。
解説
低温腐食は、燃料中の硫黄分が燃焼して生じた硫黄酸化物が、排ガス中の水分と結び付いて硫酸となり、煙道の低温部などで金属表面を腐食させる現象をいう。エコノマイザの伝熱面などで問題になりやすい。

他の選択肢が不適切な理由
燃焼室内の高温部での耐火材の溶融は低温腐食とは別の高温側の損傷現象であり、この記述は低温腐食の説明として誤りである。重油タンク内での貯蔵による油自体の変質は低温腐食の直接の原因ではない。燃焼用空気中の水分が金属と直接反応するという記述も、硫黄酸化物を介した低温腐食の仕組みとは異なる。

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