2026年版・2-4

満水・空だき事故の防止の一問一答

2級ボイラー技士試験「ボイラーの取扱いに関する知識」から、満水・空だき事故の防止に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-4

ボイラーの満水事故(水位が異常に高くなり蒸気側へ多量の水が持ち出される事故)の主な原因として、最も適切なものはどれか。

  • ①燃料の供給量が不足し続け、燃焼熱が缶水の加熱に十分利用されなくなるという現象である。
  • ②安全弁の吹出し圧力が最高使用圧力よりも低く設定されているという不備である。
  • ③給水調整装置の故障や運転員の見落としにより、給水が止まらず水位が上がり続けること。
  • ④煙道内のダンパが全開のまま固定され、通風量が過大になり続けるという状態である。
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正解 ③給水調整装置の故障や運転員の見落としにより、給水が止まらず水位が上がり続けること。
解説
満水事故は、給水調整装置(自動給水弁等)の故障や運転員の水位監視の見落としなどにより給水が止まらず、水位が異常に上昇し続けることで発生する。水位が上がりすぎると多量の水分が蒸気側に持ち出され、配管や機器に悪影響を及ぼす。

他の選択肢が不適切な理由
燃料供給の不足は缶水の沸騰が弱まる方向に働く現象であり、満水事故の直接の原因とはいえない。ダンパの通風量の過大は燃焼状態に影響する事項であり、水位の異常上昇とは直接結びつかない。安全弁の吹出し圧力の設定は圧力管理に関する事項であり、水位の異常上昇とは別の問題である。
問22-4

満水事故が発生した場合に生じる不具合として、最も適切なものはどれか。

  • ①多量の水分を含んだ蒸気が送り出され、蒸気配管でウォーターハンマーなどの障害を引き起こす。
  • ②満水になると煙道内のすすが急速に燃え尽き、清掃の手間が省けるという効果が生じる。
  • ③満水になると缶内の圧力がかえって急激に低下し、燃焼が自然に停止してしまうという現象である。
  • ④水位が高くなりすぎることで、逆に伝熱面が過熱されて破損する空だきと同様の障害が生じる。
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正解 ①多量の水分を含んだ蒸気が送り出され、蒸気配管でウォーターハンマーなどの障害を引き起こす。
解説
水位が異常に高くなると、蒸気とともに多量の水分が配管側へ持ち出され、蒸気配管内でウォーターハンマー(水撃作用)を起こしたり、蒸気を使用する機器に不具合を生じさせたりする。

他の選択肢が不適切な理由
伝熱面の過熱による焼損は水位が低すぎる空だきの際に起こる現象であり、水位が高すぎる満水事故とは逆の状態である。満水になったからといって缶内圧力が急激に低下し燃焼が自然に停止するという関係はない。すすの燃え尽きと水位の高さは直接関係がなく、満水事故が清掃の手間を軽減する効果を持つという記述は誤りである。
問32-4

満水事故を防止するための対策として、最も適切なものはどれか。

  • ①水位の上限を管理する装置は空だき対策専用のものであり、満水事故の防止には利用できない。
  • ②満水事故は給水を完全に手動化することでしか防ぐことができず、自動給水は避けるべきである。
  • ③常用水位を超えて上昇した場合に作動する高水位警報装置を備え、定期的に作動確認を行う。
  • ④給水弁を常に全開にしておき、水位の変化に応じて弁を操作しないようにする対応である。
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正解 ③常用水位を超えて上昇した場合に作動する高水位警報装置を備え、定期的に作動確認を行う。
解説
満水事故を防ぐには、水位が常用水位の上限を超えたときに警報を発する高水位警報装置などを備え、これを定期的に作動確認しておくことが有効な対策となる。

他の選択肢が不適切な理由
水位を監視する装置には水位の上限・下限どちらの異常も検出できるものがあり、満水事故の防止に利用できないという記述は誤りである。自動給水装置自体は正しく点検・整備すれば満水事故の防止に役立つ手段であり、手動化のみが唯一の対策ではない。給水弁を常に全開にして操作しないことは、かえって水位の制御ができなくなり満水事故を招く危険な運用である。
問42-4

空だき事故(ボイラー水がなくなった状態で燃焼が続けられる事故)が発生する典型的な経緯として、最も適切なものはどれか。

  • ①水位が常用水位よりわずかに高い状態が続き、そのまま燃焼を継続するという状況である。
  • ②水位の低下に運転員が気付かないまま、あるいは給水系統の故障により燃焼が継続されること。
  • ③圧力計が正確な数値を示し続け、圧力の変動が全く発生しない状態が続くという状況である。
  • ④燃料の供給が完全に停止しているにもかかわらず、送風機だけが運転され続けるという状態である。
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正解 ②水位の低下に運転員が気付かないまま、あるいは給水系統の故障により燃焼が継続されること。
解説
空だき事故は、水位が低下していることに運転員が気付かない、または給水ポンプや給水弁など給水系統の故障により水が補給されないまま、燃焼が継続されてしまうことで発生する。

他の選択肢が不適切な理由
燃料供給が完全に停止していれば燃焼自体が起こらないため、空だき事故の経緯としては当てはまらない。水位がわずかに高い状態が続くことは満水傾向であり、空だき(水位が低すぎる状態)とは逆の状況である。圧力が安定していることと水位の低下は別の事象であり、圧力が正常に見えても水位が低下している場合があるため、空だき事故の説明としては不適切である。
問52-4

空だき事故が発生した際に生じる被害として、最も適切なものはどれか。

  • ①空だきが起きても水がないだけであれば、伝熱面への影響はほとんど生じない現象である。
  • ②水冷されなくなった伝熱面が過熱され、変形や破裂などの重大な損傷につながるおそれがある。
  • ③空だきになると自動的に給水が止まるため、それ以上の被害は発生しないという流れである。
  • ④水がなくなることで缶体の内部圧力が急上昇し、安全弁の作動圧力が自動的に下がってしまう。
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正解 ②水冷されなくなった伝熱面が過熱され、変形や破裂などの重大な損傷につながるおそれがある。
解説
空だき状態では、本来水に接して冷却されるはずの伝熱面が水に触れなくなり燃焼熱を直接受け続けるため、金属が過熱されて変形したり、最悪の場合は破裂したりする重大な事故につながるおそれがある。

他の選択肢が不適切な理由
安全弁の作動圧力は弁の調整によって決まるものであり、空だきが起こったからといって自動的に下がるものではない。水がなくなって冷却が失われることは伝熱面にとって重大な悪影響であり、影響がほとんど生じないという記述は誤りである。空だきになったからといって給水が自動的に止まる保証はなく、給水系統の故障こそが空だきの原因となりうるため、この記述は誤りである。
問62-4

空だき事故を防止するための対策として、最も適切なものはどれか。

  • ①空だき防止のためには、常用水位をあらかじめ低めに設定しておくことが望ましいとする考え方である。
  • ②低水位燃料しゃ断装置を設置し、水位が設定値を下回った際に確実に燃料を遮断できるようにする。
  • ③空だき事故は水面計を撤去して目視確認を省略することで、その発生を防ぐことができる。
  • ④空だき対策として最も重要なのは燃焼量を常に一定に保つことであり、水位の監視は補助的でよい。
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正解 ②低水位燃料しゃ断装置を設置し、水位が設定値を下回った際に確実に燃料を遮断できるようにする。
解説
空だき事故を防ぐには、水位が設定した下限を下回った際に自動的に燃料を遮断する低水位燃料しゃ断装置を設置し、これを定期的に点検・試験して確実に作動する状態を保つことが有効である。

他の選択肢が不適切な理由
空だきは水位の異常低下によって生じる事故であり、燃焼量を一定に保つことだけでは水位低下そのものを防げない。水面計は水位を直接確認できる基本的な機器であり、撤去することはかえって異常発見を遅らせ危険である。常用水位を低めに設定することは、水位低下時に空だきに至るまでの余裕を減らすことになり、防止策として不適切である。
問72-4

ボイラーの水位検出器(電極式)に付着物が生じた場合に起こりうる不具合として、最も適切なものはどれか。

  • ①電極に付着物が生じると、かえって水位の検出感度が上がり、より正確な検出ができる。
  • ②電極にスケール等が付着すると水位検出が正しく行われず、実際の水位と表示にずれが生じる。
  • ③電極式水位検出器はスケールが付着しても検出精度には全く影響を受けない構造になっている。
  • ④電極式水位検出器の付着物は蒸気の質にのみ影響し、水位検出の機能には関係がない。
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正解 ②電極にスケール等が付着すると水位検出が正しく行われず、実際の水位と表示にずれが生じる。
解説
電極式の水位検出器は電極表面の導通状態を利用して水位を検出する仕組みであるため、スケールなどの付着物が生じると導通状態が乱れ、実際の水位と検出結果にずれが生じるおそれがある。定期的な清掃・点検が欠かせない。

他の選択肢が不適切な理由
電極式の検出器は付着物の影響を受けやすい構造であり、精度に全く影響を受けないという記述は誤りである。付着物によって検出感度が向上するという事実はなく、多くの場合は誤検出や検出遅れの原因になる。付着物は水位検出の機能そのものに影響を与えるものであり、蒸気の質だけに限定される問題ではない。
問82-4

満水事故と空だき事故のいずれについても共通して重視すべき日常の対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①満水と空だきは全く正反対の現象であるため、共通して行うべき対策は特に存在しない。
  • ②水位に関するすべての対応は自動制御装置に任せ、運転員は関与しないようにするべきである。
  • ③満水・空だきのいずれも圧力計の点検だけを徹底すれば、それだけで十分に防止できるものである。
  • ④水面計や水位検出器を定期的に点検・試験し、正しい水位を常に把握できる状態を保っておくこと。
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正解 ④水面計や水位検出器を定期的に点検・試験し、正しい水位を常に把握できる状態を保っておくこと。
解説
満水事故(水位の異常上昇)と空だき事故(水位の異常低下)はいずれも、実際の水位を正しく把握できていないことが背景にあるため、水面計や水位検出器の定期的な点検・試験により、常に正確な水位を把握できる状態を保つことが共通して重要な対応となる。

他の選択肢が不適切な理由
満水と空だきは水位の変化の方向こそ逆であるが、いずれも水位の適正な監視によって防止できる点は共通しており、対策が存在しないとする記述は誤りである。自動制御装置があっても機械的な故障は起こり得るため、運転員による確認を不要とする考え方は危険である。圧力計の点検は重要だが、それだけで水位に関する異常を防ぐことはできない。
問92-4

満水・空だきいずれの事故についても、事故発生後にとるべき対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①直ちに燃焼を停止し、ボイラー本体や附属品に損傷がないかを点検してから運転再開を判断する。
  • ②満水・空だきのいずれの場合も、燃料の種類を変更することが唯一の根本的な解決策である。
  • ③水位の異常がいったん解消されさえすれば、内部の点検を行わずに直ちに元の燃焼量に戻してよい。
  • ④事故が起きても外観に変化がなければ点検は不要であり、そのまま通常運転を継続してよい。
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正解 ①直ちに燃焼を停止し、ボイラー本体や附属品に損傷がないかを点検してから運転再開を判断する。
解説
満水・空だきいずれの事故が疑われる場合も、直ちに燃焼を停止して安全な状態を確保し、ボイラー本体や附属品に変形・損傷がないかを十分に点検したうえで、運転を再開してよいかどうかを判断する必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
外観に大きな変化が見えなくても内部の伝熱面に損傷が生じている場合があり、点検を省略してよい理由にはならない。水位の異常が解消したとしても、事故の過程で生じた損傷の有無を確認しないまま燃焼量を戻すことは危険である。燃料の種類の変更は事故の根本原因である水位管理の不備を解決するものではない。
問102-4

水位の監視に関する運転員の心構えとして、最も適切なものはどれか。

  • ①水位の監視は自動給水装置が正常であることを前提とし、目視での確認は最小限にとどめる。
  • ②水位はよほど大きく変化しない限り運転に影響しないため、こまめな確認は不要である。
  • ③水位の監視よりも燃料コストの削減を優先し、燃焼量の調整を最優先で行うべきである。
  • ④水位計の指示を過信せず、複数の水位情報を照らし合わせながら常に注意深く監視する。
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正解 ④水位計の指示を過信せず、複数の水位情報を照らし合わせながら常に注意深く監視する。
解説
水位に関する情報は水面計や水位検出器など複数の手段から得られるが、いずれも機械的な計器である以上、故障や誤指示の可能性がある。運転員は一つの指示だけを過信せず、複数の情報を照らし合わせながら常に注意深く水位を監視する心構えが求められる。

他の選択肢が不適切な理由
自動給水装置も故障しうる機械であり、それを前提に目視確認を最小限にとどめる考え方は満水・空だき事故のリスクを高める。水位のわずかな変化が重大事故の予兆であることもあり、こまめな確認を不要とする考え方は危険である。燃料コストの削減より安全確保が優先されるべきであり、水位監視を後回しにする考え方は不適切である。

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