2026年版・2-8

特定小規模施設用自動火災報知設備と特例の一問一答

消防設備士甲種4類「消防関係法令(第4類)」から、特定小規模施設用自動火災報知設備と特例に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-8

特定小規模施設用自動火災報知設備の位置づけとして、消防法令上正しいものはどれか。

  • ①令第21条により設置すべき自動火災報知設備に代えて用いることができる
  • ②令第21条により設置すべき自動火災報知設備に加えて設置するものである
  • ③消防長又は消防署長が個別に認めた場合にだけ用いることができる
  • ④住宅の用途に供される部分に限って用いることができるものである
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正解 ①令第21条により設置すべき自動火災報知設備に代えて用いることができる
解説
消防法第17条第1項は、通常用いられる消防用設備等に代えて、必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等を用いることを認めている。その中身は消防法施行令第29条の4に定められ、これを受けて「特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令」(平成20年総務省令第156号)が置かれている。
同省令第3条第1項は、特定小規模施設において、令第21条第1項及び第2項の規定により設置し、及び維持しなければならない自動火災報知設備に代えて用いることができる設備を、特定小規模施設用自動火災報知設備とすると定めている。つまり通常の自動火災報知設備の代わりに用いるものであって、追加で設けるものではない。

他の選択肢が不適切な理由
「加えて設置するものである」とするものは誤りで、条文は「代えて用いることができる」としている。「消防長又は消防署長が個別に認めた場合にだけ」とするものは、令第32条の基準の特例と混同したもので、この設備は省令の基準に適合すれば個別の認定を受けることなく用いることができる。「住宅の用途に供される部分に限って」とするものも誤りで、対象は同省令第2条第1号が定める特定小規模施設であり、住宅に限られない。
問22-8

特定小規模施設用自動火災報知設備を設けることができる「特定小規模施設」の原則的な規模として、正しいものはどれか。

  • ①延べ面積又は床面積が500平方メートル未満のもの
  • ②延べ面積又は床面積が300平方メートル未満のもの
  • ③延べ面積又は床面積が150平方メートル未満のもの
  • ④延べ面積又は床面積が1000平方メートル未満のもの
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正解 ②延べ面積又は床面積が300平方メートル未満のもの
解説
特定小規模施設用自動火災報知設備に関する省令第2条第1号イは、特定小規模施設を「令第21条第1項(第3号から第6号まで、第8号、第11号、第12号、第14号及び第15号を除く。)に掲げる防火対象物又はその部分のうち、延べ面積又は床面積が300平方メートル未満のもの」と定めている。
ここから除かれている号は、もともと延べ面積300平方メートル以上や500平方メートル以上といった規模を要件としている号や、地階・無窓階、道路の用に供される部分、駐車の用に供する階、11階以上の階、通信機器室などである。つまり、規模が小さく比較的単純な用途のものだけが対象になっている。

他の選択肢が不適切な理由
「500平方メートル未満」は、同省令第2条第1号ハが定める例外的な場合の上限値であって、原則の値ではない。「150平方メートル未満」という区分は同省令にはなく、P型三級受信機を設けられる面積の上限などと混同したものである。「1000平方メートル未満」も同省令にはない値で、非常電源を蓄電池設備としなければならない特定防火対象物の面積などと混同しやすい。
問32-8

延べ面積が300平方メートル以上500平方メートル未満であっても、特定小規模施設に該当するものとして省令に定められている場合はどれか。

  • ①飲食店と物品販売店舗のみからなり、飲食店の部分が300平方メートル未満のもの
  • ②病院と共同住宅のみからなる複合用途で、病院の部分が300平方メートル未満のもの
  • ③旅館等と共同住宅等のみからなり、旅館等の部分が300平方メートル未満であるもの
  • ④工場と事務所のみからなる複合用途で、工場の部分が300平方メートル未満のもの
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正解 ③旅館等と共同住宅等のみからなり、旅館等の部分が300平方メートル未満であるもの
解説
特定小規模施設用自動火災報知設備に関する省令第2条第1号ハは、次の防火対象物も特定小規模施設に含めている。
令別表第一(十六)項イに掲げる防火対象物のうち、同表(五)項イ及びロに掲げる用途以外の用途に供される部分が存せず、かつ(五)項イに掲げる用途に供される部分の床面積が300平方メートル未満のもので、延べ面積が300平方メートル以上500平方メートル未満のもの。
令別表第一(五)項イは旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するものであり、(五)項ロは寄宿舎、下宿又は共同住宅である。この二つだけで構成される建物は、特定用途を含むため(十六)項イの複合用途防火対象物にあたる。宿泊部分が300平方メートル未満に収まっていれば、延べ面積が300平方メートルを超えていても特定小規模施設として扱える。

他の選択肢が不適切な理由
飲食店と物品販売店舗の組合せ、病院と共同住宅の組合せ、工場と事務所の組合せは、いずれも同号ハが要求する「(五)項イ及びロ以外の用途に供される部分が存しないこと」を満たさない。延べ面積が300平方メートル以上になれば、これらは原則どおり通常の自動火災報知設備の対象となる。
問42-8

特定小規模施設用自動火災報知設備の感知器を設けなければならない場所として、省令第3条第2項第3号イに掲げられているものはどれか。

  • ①建築基準法上の居室及び床面積が4平方メートル以上の収納室
  • ②建築基準法上の居室及び床面積が1平方メートル以上の収納室
  • ③建築基準法上の居室及び面積にかかわらずすべての収納室
  • ④建築基準法上の居室及び床面積が2平方メートル以上の収納室
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正解 ④建築基準法上の居室及び床面積が2平方メートル以上の収納室
解説
省令第3条第2項第3号は、感知器を次のイからハまでの場所の天井(天井のない場合は屋根)又は壁の屋内に面する部分に設けることとしている。
イ 建築基準法第2条第4号に規定する居室及び床面積が2平方メートル以上の収納室
ロ 倉庫、機械室その他これらに類する室
ハ 階段及び傾斜路、廊下及び通路並びにエレベーターの昇降路、リネンシュート及びパイプダクトその他これらに類するもの(一定の防火対象物の内部に設置されている場合に限る)
建築基準法上の居室とは、居住・執務・作業・娯楽などの目的で継続的に使用する室をいう。寝室や居間はもちろん、事務室や店舗の売場も居室にあたる。収納室については2平方メートルという線引きがあり、これ未満の小さな押入れなどには感知器を要しない。

他の選択肢が不適切な理由
「床面積が4平方メートル以上の収納室」「床面積が1平方メートル以上の収納室」は、いずれも数値が誤りで、正しくは2平方メートル以上である。「面積にかかわらずすべての収納室」とするものは、条文が面積で線を引いていることを見落としている。なお、階段や廊下は同号ハに掲げられているが、そこに設けることが必要になるのは一定の防火対象物の場合に限られる。
問52-8

特定小規模施設用自動火災報知設備の感知器を、天井ではなく壁の屋内に面する部分に設けることができる場所として、正しいものはどれか。

  • ①居室又は収納室のうち、床面積が50平方メートル以下のもの
  • ②倉庫又は機械室のうち、床面積が30平方メートル以下のもの
  • ③居室又は収納室のうち、床面積が30平方メートル以下のもの
  • ④階段又は廊下のうち、床面積が30平方メートル以下のもの
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正解 ③居室又は収納室のうち、床面積が30平方メートル以下のもの
解説
省令第3条第2項第3号の柱書は、感知器を設ける位置について「次のイからハまでに掲げる場所の天井(天井のない場合にあっては、屋根)又は壁(イに掲げる場所(床面積が30平方メートル以下のものに限る。)の壁に限る。)の屋内に面する部分に」設けることと定めている。
つまり壁への取付けが認められるのは、イに掲げる場所、すなわち居室及び床面積が2平方メートル以上の収納室のうち、床面積が30平方メートル以下の小さな室に限られる。
壁付けを狭い室に限っているのは、火災で生じた煙や熱が天井面に沿って広がるためである。室が広いと、壁の位置によっては煙が届くまでに時間がかかり、感知が遅れるおそれがある。狭い室であれば、壁に取り付けても天井付近の煙をとらえられるという考え方に基づいている。

他の選択肢が不適切な理由
「床面積が50平方メートル以下のもの」は数値が誤りで、正しくは30平方メートル以下である。「倉庫又は機械室」は同号ロに掲げる場所、「階段又は廊下」は同号ハに掲げる場所であり、柱書が壁への取付けを認めているのはイに掲げる場所だけであるから、これらは面積にかかわらず天井又は屋根に設けることになる。
問62-8

特定小規模施設用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準として、省令に定められていないものはどれか。

  • ①受信機は防災センター等に設けなければならないこと
  • ②警戒区域は令第21条第2項の規定の例によること
  • ③非常電源を必ず附置しなければならないこと
  • ④感知器を倉庫や機械室にも設けなければならないこと
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正解 ①受信機は防災センター等に設けなければならないこと
解説
省令第3条第2項は、特定小規模施設用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準として、次の4つを掲げている。
第1号 警戒区域は、令第21条第2項第1号及び第2号の規定の例によること
第2号 警戒区域が2以上で、すべての感知器を連動型警報機能付感知器とする場合は、火災の発生した警戒区域を特定できるものとすること
第3号 感知器は、居室及び床面積2平方メートル以上の収納室、倉庫・機械室等、一定の場合の階段・廊下等に設けること
第4号 非常電源を附置すること
さらに同条第3項により、これらのほか消防庁長官が定める基準にも適合しなければならない。
この設備は、受信機を設けずに連動型警報機能付感知器だけで構成することもできる点に特徴がある。そのため受信機の設置場所に関する定めは置かれていない。

他の選択肢が不適切な理由
「受信機は防災センター等に設けなければならない」は、通常の自動火災報知設備について消防法施行規則第24条第2号ニが定めていることであり、この省令には規定がない。残る3つは、それぞれ同省令第3条第2項第1号、第4号、第3号ロに定められている内容である。
問72-8

警戒区域が2以上ある特定小規模施設において、すべての感知器を連動型警報機能付感知器とする場合、その感知器に求められるものとして正しいものはどれか。

  • ①火災の発生した警戒区域の面積を表示することができるものであること
  • ②火災の発生した警戒区域を特定することができるものであること
  • ③受信機に接続して火災信号を送ることができるものであること
  • ④感知した旨を受信機の表示灯に表示できるものであること
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正解 ②火災の発生した警戒区域を特定することができるものであること
解説
連動型警報機能付感知器とは、火災を感知したときに自らも警報を発するとともに、他の感知器へ信号を送って一斉に警報を鳴らすことができる感知器をいう。感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第2条第19号の6に定義がある。
省令第3条第2項第2号は、警戒区域が2以上で、すべての感知器をこの連動型警報機能付感知器とする場合について、当該感知器を、規格省令第8条第18号ハに定める「火災の発生した警戒区域を特定することができるもの」としなければならないと定めている。
すべての感知器が一斉に鳴るだけでは、どこで火災が起きているのか分からず、避難する方向を誤るおそれがある。そこで、火元の警戒区域が分かる機能を求めているのである。逆に警戒区域が一つしかない施設では、鳴った時点で火元が分かるので、この要件は課されない。

他の選択肢が不適切な理由
「警戒区域の面積を表示することができる」とするものは、条文に存在しない要件である。「受信機に接続して火災信号を送ることができる」「感知した旨を受信機の表示灯に表示できる」とする二つは、いずれも受信機があることを前提にしており誤りである。この構成は、そもそも受信機を設けずに感知器どうしを連動させるものである。
問82-8

特定小規模施設用自動火災報知設備の警戒区域の設定について、省令が定めるところとして正しいものはどれか。

  • ①令第21条第2項第1号及び第2号の規定の例によることとされている
  • ②階ごとに区分してあれば、面積の上限は特に定められていない
  • ③警戒区域を設ける必要はなく、建物の全体を一の区域として扱う
  • ④一の警戒区域の面積は、300平方メートル以下としなければならない
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正解 ①令第21条第2項第1号及び第2号の規定の例によることとされている
解説
省令第3条第2項第1号は、特定小規模施設用自動火災報知設備の警戒区域について、令第21条第2項第1号及び第2号の規定の例によることと定めている。つまり、通常の自動火災報知設備と同じ考え方をそのまま用いる。
令第21条第2項第1号は、警戒区域は防火対象物の2以上の階にわたらないものとすること(総務省令で定める場合を除く)を定めている。同項第2号は、一の警戒区域の面積は600平方メートル以下とし、その一辺の長さは50メートル以下(光電式分離型感知器を設置する場合は100メートル以下)とすること、ただし主要な出入口からその内部を見通すことができる場合は面積を1000平方メートル以下とすることができることを定めている。
特定小規模施設は延べ面積が小さいので、実際には建物全体が一の警戒区域に収まることも多いが、階が分かれていれば階ごとに分けるのが原則である。

他の選択肢が不適切な理由
「面積の上限は特に定められていない」とするものは誤りで、600平方メートル以下という上限が準用される。「警戒区域を設ける必要はない」とするものも誤りで、省令自身が第1号と第2号で警戒区域という語を用いている。「300平方メートル以下」とするものは数値が誤りで、正しくは600平方メートル以下である。
問92-8

消防法施行令第21条第3項により、自動火災報知設備を設置しないことができる場合として、正しいものはどれか。

  • ①閉鎖型ヘッドを備えたスプリンクラー設備を設けた建物の全体について
  • ②屋内消火栓設備を技術上の基準に従い設けた建物の全体について
  • ③全域放出方式の不活性ガス消火設備の有効範囲内の部分について
  • ④閉鎖型ヘッドを備えたスプリンクラー設備の有効範囲内の部分について
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正解 ④閉鎖型ヘッドを備えたスプリンクラー設備の有効範囲内の部分について
解説
消防法施行令第21条第3項は、同条第1項各号に掲げる防火対象物又はその部分(総務省令で定めるものを除く)に、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備又は泡消火設備(いずれも総務省令で定める閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えているものに限る)を令第12条、第13条、第14条又は第15条の技術上の基準に従い、又はその例により設置したときは、当該設備の有効範囲内の部分について自動火災報知設備を設置しないことができると定めている。
免除されるのは建物の全体ではなく、あくまでその設備の有効範囲内の部分に限られる点が最大の要点である。
閉鎖型スプリンクラーヘッドに限られているのは、ヘッド自体が熱で開いて放水を始める仕組みであり、火災の感知と消火を兼ねているためである。このヘッドは、消防法施行規則第23条第3項により標示温度75度以下で種別が1種のものとされている。

他の選択肢が不適切な理由
「設けた建物の全体について」とするものは、免除の範囲を広げすぎており誤りである。「屋内消火栓設備」「全域放出方式の不活性ガス消火設備」は、いずれも令第21条第3項が挙げている3つの設備に含まれない。これらは人が操作したり全域に薬剤を放出したりするもので、火災を自動的に感知する働きを持たないためである。
問102-8

消防法施行令第21条第3項による自動火災報知設備の設置免除の規定が適用されないものとして、消防法施行規則に定められている防火対象物はどれか。

  • ①令別表第一(七)項に掲げる防火対象物
  • ②令別表第一(六)項に掲げる防火対象物
  • ③令別表第一(十二)項に掲げる防火対象物
  • ④令別表第一(十四)項に掲げる防火対象物
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正解 ②令別表第一(六)項に掲げる防火対象物
解説
令第21条第3項は、免除の対象から「総務省令で定めるもの」を除いている。この総務省令にあたるのが消防法施行規則第23条第2項で、次のものが免除の適用から外されている。
令別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物又はその部分、並びに同規則第23条第5項各号及び第6項第2号に掲げる場所。
ここに並んでいるのは、劇場、キャバレー等、飲食店、百貨店、旅館・ホテル、病院・福祉施設、蒸気浴場、特定用途を含む複合用途防火対象物、地下街、準地下街である。いずれも不特定多数の人が出入りしたり、自力での避難が難しい人がいたりする防火対象物であり、スプリンクラー設備があっても自動火災報知設備を省くわけにはいかないという判断である。
令別表第一(六)項は、病院・診療所、老人福祉施設等、幼稚園・特別支援学校などが該当する。

他の選択肢が不適切な理由
令別表第一(七)項は小学校・中学校・大学等、(十二)項は工場・作業場及び映画スタジオ等、(十四)項は倉庫であり、いずれも同規則第23条第2項に挙げられていない。これらは特定防火対象物ではなく、在館者が建物に慣れていて避難しやすいと考えられているためである。

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