2026年版・5-2

高齢者福祉:介護保険制度の一問一答

社会福祉士国家試験「高齢者・児童家庭・貧困・保健医療」から、高齢者福祉:介護保険制度に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問15-2

介護保険の要介護認定に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①介護認定審査会は、都道府県に設置されて二次判定を行う機関である。
  • ②一次判定の結果は、介護認定審査会で変更することはできない仕組みである。
  • ③要介護認定の有効期間は、新規・更新を問わず全て一律に1年と定められている。
  • ④申請に対する処分は、原則として申請のあった日から30日以内に行う。
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正解 ④申請に対する処分は、原則として申請のあった日から30日以内に行う。
解説
要介護認定の申請に対する処分は、原則として申請のあった日から30日以内にしなければなりません(介護保険法第27条第11項)。心身の状況の調査に時間がかかるなど特別な理由がある場合は、30日以内に処理見込期間とその理由を通知したうえで延期できます。介護を必要とする人が長く待たされることのないよう、期限を法律で定めているのです。認定の流れは、申請→認定調査と主治医意見書→コンピュータによる一次判定→介護認定審査会による二次判定→市町村による認定、です。

他の選択肢が不適切な理由
・介護認定審査会は都道府県に設置:介護認定審査会は市町村に置かれます(同法第14条)。
・一次判定の結果は変更できない:介護認定審査会は、一次判定の結果を原案として、認定調査の特記事項や主治医意見書の内容を踏まえて審査し、一次判定と異なる判定をすることができます。
・有効期間は一律1年:新規の認定の有効期間は原則6か月、更新の認定は原則12か月で、状態に応じて短縮や延長が認められています。

覚え方のポイント
「申請は市町村へ(代行も可)」「30日以内に処分」「二次判定は市町村の介護認定審査会」「不服は都道府県の介護保険審査会へ」。認定と不服申立てで機関が変わる点を押さえましょう。
問25-2

介護保険の要介護状態区分と保険給付に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①要介護状態区分は、要介護1から要介護3までの3段階に分けられている。
  • ②要支援者には予防給付が、要介護者には介護給付がそれぞれ行われる。
  • ③要支援者も、介護老人福祉施設に入所して施設サービスを受けられる。
  • ④特別養護老人ホームへの新規入所は、原則として要介護1以上の者に限られる。
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正解 ②要支援者には予防給付が、要介護者には介護給付がそれぞれ行われる。
解説
介護保険の保険給付は、要介護者に対する介護給付と、要支援者に対する予防給付に分かれています。要支援者は、要介護状態になることを防ぎ、状態の悪化を防ぐことが重要なため、介護予防を目的とした給付が行われます。このほか、市町村が条例で独自に定める市町村特別給付もあります。区分は、要支援1・2と要介護1〜5の合計7段階です。

他の選択肢が不適切な理由
・要介護1から要介護3までの3段階:要介護状態区分は要介護1から要介護5までの5段階です。要支援1・2と合わせて7段階になります。
・要支援者も介護老人福祉施設に入所できる:施設サービスは介護給付であり、要支援者は利用できません。
・特別養護老人ホームは要介護1以上:2015年4月から、特別養護老人ホームへの新規入所は原則として要介護3以上に限られています。要介護1・2の人は、やむを得ない事情がある場合に特例的に入所できます。

覚え方のポイント
「要支援1・2=予防給付(施設サービスなし)」「要介護1〜5=介護給付」「特養の新規入所は原則要介護3以上」。区分の数と、利用できるサービスの範囲をセットで覚えます。
問35-2

介護保険のサービス事業者の指定等に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①地域密着型サービスの事業者の指定は、原則として市町村長が行う。
  • ②居宅サービスの事業者の指定は、原則として市町村長が行うものである。
  • ③地域密着型サービスは、どの市町村の住民でも制限なく利用できる。
  • ④認知症対応型共同生活介護は、介護保険の施設サービスに分類される。
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正解 ①地域密着型サービスの事業者の指定は、原則として市町村長が行う。
解説
地域密着型サービスは、要介護者ができる限り住み慣れた地域で生活を続けられるよう、2006年に創設されたサービスです。地域の実情に応じて整備することが重要なため、事業者の指定や指導監督は市町村長が行います(介護保険法第78条の2)。また、原則としてその市町村の被保険者だけが利用できる点も特徴です。一方、居宅サービスや施設サービスの事業者・施設の指定は、原則として都道府県知事が行います。

他の選択肢が不適切な理由
・居宅サービスの指定は市町村長:訪問介護や通所介護などの居宅サービスの事業者の指定は、原則として都道府県知事が行います(同法第70条)。
・どの市町村の住民でも利用できる:地域密着型サービスは、原則として指定をした市町村の被保険者のみが利用できます。
・認知症対応型共同生活介護は施設サービス:認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は地域密着型サービスです。介護保険の施設サービスは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院が提供するサービスです。

覚え方のポイント
指定権者は「居宅サービス・施設=都道府県知事」「地域密着型サービス・居宅介護支援・介護予防支援=市町村長」。「地域密着型=市町村が指定し、原則その市町村の住民が使う」と覚えましょう。
問45-2

介護保険法に基づく地域支援事業に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①介護予防・日常生活支援総合事業は、都道府県が実施主体となる事業である。
  • ②地域包括支援センターの運営は、地域支援事業のうち任意事業に位置づけられる。
  • ③包括的支援事業には、在宅医療・介護連携推進事業や認知症総合支援事業が含まれる。
  • ④地域支援事業を利用できるのは、要介護1以上の認定を受けた者だけに限られている。
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正解 ③包括的支援事業には、在宅医療・介護連携推進事業や認知症総合支援事業が含まれる。
解説
地域支援事業は、被保険者が要介護状態になることを予防し、要介護状態になっても地域で自立した生活を続けられるよう支援するために、市町村が行う事業です。介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業の3つで構成されます。包括的支援事業には、地域包括支援センターの運営に当たる総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援に加え、在宅医療・介護連携推進事業、生活支援体制整備事業、認知症総合支援事業が含まれます(介護保険法第115条の45第2項)。なお、要支援者等の介護予防ケアマネジメントは、総合事業の中の第1号介護予防支援事業として行われます(同条第1項)。

他の選択肢が不適切な理由
・総合事業は都道府県が実施主体:地域支援事業は、介護予防・日常生活支援総合事業を含め、保険者である市町村が実施します。
・地域包括支援センターの運営は任意事業:地域包括支援センターの運営は、包括的支援事業として市町村が必ず行う事業です。任意事業には、介護給付等費用適正化事業や家族介護支援事業などがあります。
・要介護1以上の者に限られる:地域支援事業は、要支援者や、基本チェックリストで生活機能の低下が見られた人(事業対象者)、さらに一般の高齢者も対象とする事業を含みます。

覚え方のポイント
地域支援事業は「総合事業(必須)」「包括的支援事業(必須:センター運営+在宅医療介護連携・生活支援体制整備・認知症総合支援・地域ケア会議)」「任意事業」の3層構造です。
問55-2

地域包括支援センターに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①保健師、社会福祉士、介護福祉士の3職種を置くことが基本となっている。
  • ②市町村が設置するほか、市町村の委託を受けた法人も設置することができる。
  • ③地域ケア会議の設置は、都道府県に義務づけられた事業と位置づけられている。
  • ④要介護者のケアプランの作成を、センターの主な業務として位置づけている。
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正解 ②市町村が設置するほか、市町村の委託を受けた法人も設置することができる。
解説
地域包括支援センターは、地域住民の心身の健康の保持と生活の安定のために必要な援助を行い、保健医療の向上と福祉の増進を包括的に支援することを目的とする機関です。市町村が設置できるほか(介護保険法第115条の46第2項)、市町村から包括的支援事業の委託を受けた社会福祉法人や医療法人などの法人も設置することができます(同条第3項)。実際には委託によって運営されているセンターが多くを占めており、どちらの形でも、市町村が責任主体である点は変わりません。

他の選択肢が不適切な理由
・保健師、社会福祉士、介護福祉士の3職種:センターに置かれる3職種は、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員です。
・地域ケア会議は都道府県に義務:地域ケア会議は、市町村が置くよう努めなければならない会議です(同法第115条の48)。
・要介護者のケアプラン作成が主な業務:要介護者のケアプランは主に居宅介護支援事業所の介護支援専門員が作成します。センターの主な業務は、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援、介護予防ケアマネジメントです。

覚え方のポイント
地域包括支援センターは「設置=市町村(委託可)」「3職種=保健師・社会福祉士・主任ケアマネ」「4業務=総合相談・権利擁護・包括的継続的ケアマネ支援・介護予防ケアマネ」。3と4の数字で整理しましょう。
問65-2

介護支援専門員に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①介護支援専門員は、都道府県知事の登録を受けなければならない。
  • ②介護支援専門員証の有効期間は、法律で5年と定められている。
  • ③担当する要介護者等の立場に立って、公正かつ誠実に業務を行う。
  • ④国家資格として、厚生労働大臣の免許を受けて業務を行っている。
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正解 ④国家資格として、厚生労働大臣の免許を受けて業務を行っている。
解説
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、都道府県知事が行う介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を修了した者が、都道府県知事の登録を受けて業務を行う公的資格です(介護保険法第69条の2)。社会福祉士や介護福祉士のように厚生労働大臣の登録を受ける国家資格とは異なり、都道府県知事が登録や資格の管理を行います。要介護者等が適切なサービスを利用できるよう、ケアプランの作成やサービス事業者との連絡調整を担う、介護保険制度の要となる専門職です。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・都道府県知事の登録:同法第69条の2の規定です。
・介護支援専門員証の有効期間は5年:同法第69条の7第3項の規定で、更新には更新研修の受講が必要です。
・要介護者等の立場に立って公正かつ誠実に業務を行う:同法第69条の34は、担当する要介護者等の人格を尊重し、常にその立場に立って、特定の種類や特定の事業者に不当に偏ることのないよう、公正かつ誠実に業務を行う義務を定めています。

覚え方のポイント
「介護支援専門員=都道府県知事の登録・証の有効期間5年・更新研修」「社会福祉士・介護福祉士=厚生労働大臣の登録(国家資格)」。登録先の違いは頻出のひっかけです。
問75-2

介護報酬に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①介護報酬の審査・支払は、委託を受けた国民健康保険団体連合会が行う。
  • ②介護報酬は、原則として毎年度改定されることが法律で定められている。
  • ③介護報酬の額は、それぞれの事業者が自由に定めて届け出るものである。
  • ④介護報酬は、1単位10円として全国一律の単価で計算されることになる。
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正解 ①介護報酬の審査・支払は、委託を受けた国民健康保険団体連合会が行う。
解説
介護報酬は、事業者が介護保険サービスを提供したときに、その対価として保険者である市町村から支払われる費用です。市町村は、介護報酬の審査と支払の事務を、各都道府県に設立されている国民健康保険団体連合会(国保連)に委託しています。国保連は、事業者からの請求を審査して支払を行うほか、介護保険サービスに関する苦情の受付や事業者への指導・助言も担っています。

他の選択肢が不適切な理由
・毎年度改定される:介護報酬は、厚生労働大臣が社会保障審議会(介護給付費分科会)の意見を聴いて定め、原則として3年ごとに改定されます。介護保険事業計画の期間と合わせているためです。
・事業者が自由に定める:介護報酬は、サービスの種類ごとに厚生労働大臣が定める公定価格です。
・1単位10円で全国一律:介護報酬は単位数で定められ、1単位の単価は、人件費の地域差を反映した地域区分とサービスの種類に応じて、10円から最大で11.40円まで異なります。

覚え方のポイント
介護報酬は「厚生労働大臣が定める公定価格」「3年ごとに改定」「単位×地域区分の単価」「審査・支払は国保連」。国保連は「支払」と「苦情」の2つの役割を持つことも押さえましょう。
問85-2

事例を読んで、病院の医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕Pさん(82歳、女性)は、大腿骨の骨折で入院し、10日後に退院する予定である。退院後は自宅で一人暮らしを続けたいと希望しているが、歩行には介助が必要な状態である。これまで要介護認定を受けたことはなく、入院中のため自分で市役所へ行くことはできない。

  • ①認定結果が出るまでは、介護保険サービスは利用できないと説明する。
  • ②本人が窓口に来られないので、要介護認定の申請はできないと説明する。
  • ③入院中は認定の申請ができないため、退院してから申請するよう説明する。
  • ④本人の同意を得て申請の代行を手配し、認定前の利用方法も説明する。
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正解 ④本人の同意を得て申請の代行を手配し、認定前の利用方法も説明する。
事例のポイント
Pさんは在宅での生活を強く希望しており、退院まで10日しかありません。要介護認定を受けたことがなく、本人が申請に出向けない状況で、どうすれば退院後すぐにサービスを使えるかが問われています。

解説
要介護認定の申請は、本人に代わって、地域包括支援センター、指定居宅介護支援事業者、介護保険施設などが代行することができます(介護保険法第27条第1項)。また、要介護認定の効力は申請のあった日にさかのぼって生じるため、認定結果が出る前でも、暫定的なケアプランを作成してサービスを利用し始めることができます。医療ソーシャルワーカーは、Pさんの同意を得て申請の代行を手配し、ケアマネジャーや地域包括支援センターと連携して、退院後の在宅生活に必要なサービスを準備します。

他の選択肢が不適切な理由
・認定結果が出るまで利用できない:認定の効力は申請日にさかのぼるため、暫定的な利用が可能です。誤った説明で退院後の支援が遅れてしまいます。
・窓口に来られないので申請できない:申請は代行が認められており、誤った説明です。
・入院中は申請できない:要介護認定は入院中でも申請でき、認定調査も入院先で受けられます。退院してからの申請では、在宅生活の開始に支援が間に合わなくなります。

覚え方のポイント
退院支援の定番は「申請の代行(地域包括・居宅介護支援事業者など)」「認定の効力は申請日にさかのぼる」「暫定ケアプラン」の3点です。本人の希望(在宅)を出発点にすることを忘れないようにしましょう。
問95-2

事例を読んで、地域包括支援センターの社会福祉士の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕Qさん(74歳、女性)は一人暮らしで、最近は掃除や買い物が負担になってきたが、身の回りのことはおおむね自分でできている。要介護認定は受けていない。Qさんは「少しだけ家事を手伝ってもらえるサービスはないか」と相談に来た。

  • ①総合事業を利用するには、事前に要支援1か2の認定を受けることが条件だと説明する。
  • ②総合事業のサービスは、介護保険の予防給付として提供されると説明する。
  • ③総合事業は要介護1以上の人が対象なので、Qさんは利用できないと説明する。
  • ④基本チェックリストで生活機能の低下が確認されれば総合事業を使えると説明する。
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正解 ④基本チェックリストで生活機能の低下が確認されれば総合事業を使えると説明する。
事例のポイント
Qさんは身の回りのことはおおむねできていますが、家事の一部に負担を感じており、軽い支援を求めています。要介護認定を受けていないことも手がかりです。

解説
介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の介護予防・生活支援サービス事業は、要支援者のほか、基本チェックリストによって生活機能の低下が確認された65歳以上の人(事業対象者)も利用できます。要介護認定を受けなくても、訪問型サービス(家事の援助など)や通所型サービスを利用でき、必要な支援に早くつなげられる仕組みです。社会福祉士は、Qさんの生活の状況を確認し、基本チェックリストの実施やサービスの選択について説明します。状態によっては要介護認定の申請をあわせて案内することもあります。

他の選択肢が不適切な理由
・要支援1か2の認定が条件:総合事業は、要支援1・2の人のほか、認定を受けていない事業対象者も利用できます。
・予防給付として提供される:総合事業は地域支援事業として市町村が行うもので、保険給付である予防給付とは別の仕組みです。
・要介護1以上の人が対象:総合事業の介護予防・生活支援サービス事業は、要支援者と、基本チェックリストで生活機能の低下が確認された事業対象者を主な対象としており、要介護者を対象とする説明は誤りです。

覚え方のポイント
総合事業の対象は「要支援者+基本チェックリストの事業対象者」。2015年度から、要支援者の訪問介護と通所介護が予防給付から総合事業へ移行したことも押さえておきましょう。
問105-2

事例を読んで、居宅介護支援事業所の介護支援専門員と連携する社会福祉士の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕Rさん(78歳、男性)は要介護2で、自宅で妻と暮らしている。最近、トイレや玄関で転びそうになることが増え、家族は手すりを付ける工事をしたいと考えている。工事の費用がどのくらい補助されるのか、何から始めればよいのか分からないと相談があった。

  • ①住宅改修は介護保険の対象外であるため、費用は全額自己負担になると説明する。
  • ②工事の前に市町村へ申請が必要であることを伝え、改修の内容を一緒に検討する。
  • ③工事を終えてから領収書を提出すれば、費用の全額が必ず償還されると説明する。
  • ④手すりの取付けは工事を伴うため、福祉用具貸与として申請するよう勧める。
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正解 ②工事の前に市町村へ申請が必要であることを伝え、改修の内容を一緒に検討する。
事例のポイント
Rさんは要介護2で在宅生活を続けており、転倒の危険が高まっています。家族は手すりの取付け工事を考えていますが、手続や費用の仕組みが分からない状況です。

解説
介護保険では、手すりの取付けや段差の解消など、厚生労働大臣が定める種類の住宅改修を行ったときに、居宅介護住宅改修費が支給されます(介護保険法第45条)。支給の対象となる費用には上限(原則として同一住宅で20万円)があり、利用者は所得に応じて1割から3割を負担します。また、工事の前に市町村へ事前申請を行う必要があります。介護支援専門員と連携して、Rさんの動線や身体の状況に合った改修の内容を検討し、必要な書類をそろえて申請します。

他の選択肢が不適切な理由
・介護保険の対象外で全額自己負担:手すりの取付けは住宅改修費の支給対象です。誤った説明で必要な改修をためらわせることになります。
・工事後に領収書を出せば全額償還:事前申請が必要であり、支給額も利用者負担分を除いた額です。
・工事を伴うので福祉用具貸与:福祉用具貸与の手すりは工事を伴わないものに限られ、工事を伴う手すりの取付けは住宅改修の対象です。なお、住宅改修費には支給限度基準額(原則20万円)があります。

覚え方のポイント
住宅改修は「事前申請が必要」「原則20万円まで(利用者負担1〜3割)」「手すり・段差解消・床材変更・扉の取替え・洋式便器への取替えなど」。工事を伴わない手すりやスロープは福祉用具貸与の対象になる、という区別も押さえましょう。

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