2026年版・5-11

保健医療と福祉:動向と医療保険・診療報酬の一問一答

社会福祉士国家試験「高齢者・児童家庭・貧困・保健医療」から、保健医療と福祉:動向と医療保険・診療報酬に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問15-11

日本の疾病構造の変化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①戦後、主な死因は結核などの感染症から、がんや心疾患などの生活習慣病に移った。
  • ②現在の日本の死因の第1位は、戦前と変わらず結核などの感染症が占め続けている。
  • ③生活習慣病が増えた結果、医療の中心は短期間の急性期の治療だけに限られてきた。
  • ④疾病構造の変化によって、慢性疾患の患者の在宅療養の必要性は低くなってきた。
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正解 ①戦後、主な死因は結核などの感染症から、がんや心疾患などの生活習慣病に移った。
解説
戦前から終戦直後にかけては、結核や肺炎などの感染症が主な死因でした。その後、生活水準の向上、抗生物質の普及、公衆衛生の改善などにより感染症による死亡は大きく減り、悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患など、生活習慣が深く関わる病気が主な死因となりました。悪性新生物は1981年以降、死因の第1位となっています。こうした慢性疾患は長期にわたる治療や管理が必要で、医療と介護・福祉の連携が一層重要になっています。

他の選択肢が不適切な理由
・死因の第1位は感染症:現在の死因の第1位は悪性新生物(がん)です。新型コロナウイルス感染症のように新たな感染症への対応は重要ですが、死因の構造としては生活習慣病が中心です。
・医療の中心は急性期の治療だけ:生活習慣病は完治が難しく長く付き合う病気が多いため、急性期だけでなく、回復期、慢性期、在宅での療養を含めた切れ目のない医療が求められています。
・在宅療養の必要性は低くなった:慢性疾患の増加と高齢化により、住み慣れた自宅で療養を続けるための在宅医療の必要性はむしろ高まっています。

覚え方のポイント
「感染症の時代(結核)→生活習慣病の時代(がん・心疾患・脳血管疾患)」「治す医療→治し支える医療」。疾病構造の変化が、医療と福祉の連携や地域包括ケアの必要性につながっていることを押さえましょう。
問25-11

社会的入院と在宅医療に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①医学的に入院の必要がないのに入院が続く状態を、社会的入院という。
  • ②在宅医療には、医師の訪問診療や看護師の訪問看護などが含まれる。
  • ③在宅医療では、医療保険による訪問看護を利用することはできない。
  • ④地域包括ケアでは、住まいを基盤に医療や介護を一体的に提供する。
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正解 ③在宅医療では、医療保険による訪問看護を利用することはできない。
解説
訪問看護は、医療保険と介護保険の両方に位置づけられています。要介護認定を受けている人は原則として介護保険の訪問看護を利用しますが、要介護認定を受けていない人や、末期の悪性腫瘍など厚生労働大臣が定める疾病の人、急性増悪で頻回の訪問が必要な期間などは、医療保険の訪問看護を利用します。在宅医療は、医師の訪問診療、看護師の訪問看護、薬剤師の訪問薬剤管理、リハビリ職の訪問リハビリテーションなどが連携して、自宅で療養する人を支える医療です。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・社会的入院:医学的には入院治療の必要がないのに、介護の担い手や住まいがないなどの社会的な理由で入院が続く状態を指します。本人の生活の質の低下と医療費の増大の両面で問題とされ、介護保険制度の創設の背景の一つにもなりました。
・在宅医療の内容:訪問診療、往診、訪問看護などが含まれます。
・地域包括ケア:住まいを基盤として、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される体制を目指すものです。

覚え方のポイント
「医療施設から在宅医療へ」の流れは、社会的入院の解消、生活の質の向上、医療費の適正化という3つのねらいで理解します。訪問看護は「介護保険が原則、例外は医療保険」と覚えましょう。
問35-11

事例を読んで、病院の医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の説明として、正しいものを1つ選びなさい。〔事例〕Gさん(62歳、男性)は健康保険の被保険者で、肺炎で入院することになった。Gさんは「相部屋は落ち着かないので、差額ベッド代がかかっても個室に入りたい。ただ、個室に入ると入院費が全部自費になるのではないか」と医療ソーシャルワーカーに尋ねた。

  • ①差額ベッドを利用すると、その入院に係る診療費の全体が保険の適用外となる。
  • ②患者申出療養は、患者からの申出がなくても医師の判断だけで実施できる。
  • ③保険外併用療養費は、介護保険から支給される給付の一つに位置づけられる。
  • ④評価療養や選定療養を受けた場合に、保険診療と共通する部分が給付される。
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正解 ④評価療養や選定療養を受けた場合に、保険診療と共通する部分が給付される。
事例のポイント
Gさんは、自らの希望で差額ベッド(特別療養環境室)を利用しようとしており、それによって入院費の全体が自費になるのではと心配しています。保険診療と保険外の費用がどのように組み合わされるかを説明できるかが問われています。

解説
日本の医療保険では、保険診療と保険外の診療を併せて行う混合診療は原則として認められておらず、併用すると全体が自由診療(全額自己負担)になります。ただし例外として、評価療養(先進医療など)、患者申出療養、選定療養(差額ベッド、予約診療など)については、保険診療と共通する部分(診察、検査、入院料など)が保険外併用療養費として保険から給付され、保険外の部分だけを患者が自己負担します(健康保険法第86条)。患者の選択の幅を広げつつ、安全性や有効性を確保するための仕組みです。

他の選択肢が不適切な理由
・差額ベッドを利用すると全体が保険適用外:差額ベッドは選定療養に当たり、差額部分だけが自己負担となります。入院の診療費は保険外併用療養費として給付されます。
・患者の申出なく医師の判断だけで実施:患者申出療養は、困難な病気と闘う患者の申出を起点として、未承認薬などを使用できるようにする仕組みです。
・介護保険から支給:保険外併用療養費は、医療保険(健康保険など)の給付です。

覚え方のポイント
「混合診療は原則禁止、例外が保険外併用療養費」「評価療養(先進医療など、将来の保険適用を評価)」「患者申出療養(患者の申出が起点)」「選定療養(差額ベッドなど、患者の選択)」。3つの療養の名前と具体例を結びつけましょう。
問45-11

事例を読んで、病院の医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕KKさん(45歳、男性)は会社員で、健康保険の被保険者である。がんの手術のため2週間入院する予定となり、「入院費が何十万円にもなると聞いた。支払えるか心配だ」と医療ソーシャルワーカーに相談した。

  • ①高額療養費の上限額は所得にかかわらず一律なので、計算は不要だと伝える。
  • ②限度額適用の仕組みを使えば、窓口の支払いを限度額までにできると伝える。
  • ③入院の費用は、退院した後に全額が健康保険から還付されると説明する。
  • ④会社員は高額療養費の対象とならないので、民間保険を使うよう勧める。
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正解 ②限度額適用の仕組みを使えば、窓口の支払いを限度額までにできると伝える。
事例のポイント
KKさんは健康保険の被保険者で、高額な入院費用を心配しています。入院は予定されたもので、事前に準備できる時間があることが手がかりです。

解説
高額療養費は、1か月の医療機関での自己負担額が、年齢や所得に応じて定められた自己負担限度額を超えた場合に、その超えた額が支給される仕組みです(健康保険法第115条)。後から払い戻しを受ける方法のほか、事前に限度額適用認定証の交付を受けるか、マイナ保険証を利用して所得区分の情報を医療機関に提供することで、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。医療ソーシャルワーカーは、手続の方法を説明し、入院中の収入の減少についても傷病手当金などの制度を併せて案内します。

他の選択肢が不適切な理由
・上限額は所得にかかわらず一律:自己負担限度額は、年齢と所得に応じて段階的に定められています。
・退院後に全額が還付される:払い戻されるのは自己負担限度額を超えた部分で、全額ではありません。また、食事代や差額ベッド代などは対象外です。
・会社員は対象外:高額療養費は、健康保険を含む全ての公的医療保険に共通する給付です。

覚え方のポイント
高額療養費は「月単位」「所得と年齢で上限が異なる」「事前の手続で窓口負担を限度額までにできる」「世帯合算や多数回該当で負担がさらに軽減される」。入院が決まった段階で案内することが大切です。
問55-11

診療報酬制度に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①診療報酬の改定は、介護報酬と同じく原則として3年ごとに行われる。
  • ②診療報酬は、厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会に諮問して定める。
  • ③診療報酬は、診療行為などの点数に、1点10円を掛けて算定される。
  • ④診療報酬の審査と支払は、審査支払機関が保険者の委託を受けて行う。
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正解 ①診療報酬の改定は、介護報酬と同じく原則として3年ごとに行われる。
解説
診療報酬は、保険医療機関が行った診療行為などの対価として医療保険から支払われる費用で、原則として2年ごとに改定されます。一方、介護報酬は原則として3年ごとに改定されるため、6年に1度、両者が同時に改定される年があります(いわゆるダブル改定)。改定の周期の違いは、医療と介護の制度の違いを比較する問題でよく問われます。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・中央社会保険医療協議会に諮問:診療報酬は、厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会(中医協)の意見を聴いて定めます。中医協には、保険者などの支払側、医師などの診療側、公益を代表する委員が参加しています。
・1点10円:診療報酬は、診療行為ごとの点数を合計し、1点を10円として計算します。介護報酬の単位の単価が地域によって異なるのとは異なり、全国一律です。
・審査支払機関:保険医療機関からの請求(レセプト)は、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会が保険者の委託を受けて審査し、支払います。

覚え方のポイント
「診療報酬=2年ごと・1点10円(全国一律)・中医協」「介護報酬=3年ごと・1単位10円を基本に地域差あり・社会保障審議会(介護給付費分科会)」。数字と会議の名前を対比して覚えましょう。
問65-11

診療報酬の支払い方式であるDPC/PDPSに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①行った診療行為を一つずつ積み上げて算定する出来高払いの方式である。
  • ②診療所の外来診療だけに適用される、外来専用の支払い方式である。
  • ③手術料を含めて全ての診療行為が、1日当たりの定額に包括される方式である。
  • ④診断群分類に基づく1日当たりの包括評価を中心とする支払い方式である。
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正解 ④診断群分類に基づく1日当たりの包括評価を中心とする支払い方式である。
解説
DPC/PDPS(診断群分類に基づく1日当たり包括支払い制度)は、主に急性期の入院医療を対象とする支払い方式です。患者の病名と行われた手術や処置などから診断群分類(DPC)を決め、分類ごとに定められた1日当たりの点数に入院日数などを掛けて算定する包括評価部分と、手術料などの出来高評価部分を組み合わせて算定します。検査や投薬を多く行うほど報酬が増えるという出来高払いの問題を抑え、医療の効率化や標準化を促すことをねらいとしています。

他の選択肢が不適切な理由
・出来高払いの方式:出来高払いは、行った診療行為ごとに点数を積み上げる方式で、DPC/PDPSの包括評価とは異なります。
・診療所の外来専用:DPC/PDPSは、主に急性期病院の入院医療に適用される方式です。
・手術料を含めて全てが包括:入院基本料、検査、投薬などの多くは包括されますが、手術料、麻酔料、一部の処置などは出来高で算定されます。

覚え方のポイント
支払い方式は「出来高払い=行った分だけ(過剰診療のおそれ)」「包括払い=定額(過少診療のおそれ)」。DPC/PDPSは「急性期入院」「診断群分類」「1日当たり包括+一部出来高」の組合せです。
問75-11

公費負担医療に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①精神障害者の措置入院の費用は、全額を本人が負担する決まりになっている。
  • ②自立支援医療は、介護保険法に基づいて支給される給付の一つである。
  • ③指定難病の患者の医療費は、難病法に基づく特定医療費として助成される。
  • ④結核の患者の医療費については、公費による負担の仕組みが設けられていない。
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正解 ③指定難病の患者の医療費は、難病法に基づく特定医療費として助成される。
解説
難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)に基づき、都道府県は、支給認定を受けた指定難病の患者が指定医療機関で受けた医療について、特定医療費を支給します(難病法第5条)。原因が不明で治療法が確立しておらず、長期の療養を必要とする難病は、医療費の負担が重くなりやすいため、所得に応じた自己負担の上限額を設けて負担を軽くしています。このように、法律に基づき国や地方公共団体の公費で医療費の全部または一部を負担する仕組みを、公費負担医療といいます。

他の選択肢が不適切な理由
・措置入院の費用は全額本人負担:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づく措置入院は、都道府県知事の権限で行われる入院であり、費用は公費で負担されます(本人等の所得に応じた負担がある場合もあります)。
・自立支援医療は介護保険法の給付:自立支援医療(精神通院医療、更生医療、育成医療)は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく給付です。
・結核の医療費に公費負担はない:結核の医療は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づいて公費による負担が行われます。

覚え方のポイント
主な公費負担医療は「難病法(特定医療費)」「障害者総合支援法(自立支援医療)」「感染症法(結核・入院勧告など)」「精神保健福祉法(措置入院)」「児童福祉法(小児慢性特定疾病)」「生活保護法(医療扶助)」。法律と給付の名前を結びつけましょう。
問85-11

高齢者の医療の確保に関する法律に基づく医療費適正化や健診に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①国と都道府県は、医療費適正化のための計画をそれぞれ定めている。
  • ②特定健康診査は、75歳以上の者を主な対象として行われるものである。
  • ③特定健康診査は、医療保険者が40歳以上の加入者に対して行っている。
  • ④特定保健指導は、医療保険者が特定健康診査の結果に基づいて行っている。
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正解 ②特定健康診査は、75歳以上の者を主な対象として行われるものである。
解説
特定健康診査は、医療保険者が40歳以上の加入者に対して行う、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健康診査です(高齢者の医療の確保に関する法律第20条)。対象はおおむね40歳から74歳までで、75歳以上の人は後期高齢者医療広域連合が行う健康診査の対象となります。生活習慣病の予防によって将来の重症化を防ぎ、国民の健康の保持と医療費の適正化を図ることが目的です。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・国と都道府県が医療費適正化計画を定める:厚生労働大臣が全国医療費適正化計画を(同法第8条)、都道府県が6年を1期とする都道府県医療費適正化計画を定めます(同法第9条)。
・特定健康診査は医療保険者が40歳以上の加入者に行う:同法第20条の規定です。実施は医療保険者の義務とされています。
・特定保健指導は医療保険者が行う:特定健康診査の結果、生活習慣病のリスクがある人に対し、医療保険者が生活習慣の改善のための保健指導を行います(同法第24条)。

覚え方のポイント
「特定健診・特定保健指導=医療保険者が実施、40〜74歳が中心」「75歳以上=後期高齢者医療広域連合の健診」「医療費適正化計画=国と都道府県(6年1期)」。実施主体と年齢をセットで覚えます。
問95-11

事例を読んで、病院の医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕LLさん(50歳、男性)は、自営業の不振で国民健康保険料を長期間滞納している。数日前から高熱が続いているが、「保険料を払っていないので病院にかかれない」と受診をためらっていたところ、知人に付き添われて病院の相談窓口に来た。

  • ①保険料を完納するまでは、医療機関を受診することはできないと伝える。
  • ②滞納があると国民健康保険の資格が失われるため、国保は使えないと伝える。
  • ③生活保護の決定が出るまで、治療は待つようにとLLさんに説明する。
  • ④無料低額診療事業の利用や、保険料の分納についての相談先を案内する。
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正解 ④無料低額診療事業の利用や、保険料の分納についての相談先を案内する。
事例のポイント
LLさんは高熱が続いており、早く受診する必要がある状況です。経済的な事情と保険料の滞納が受診を妨げていることが問題の中心です。

解説
無料低額診療事業は、生計困難者のために、無料または低額な料金で診療を行う事業で、社会福祉法の第二種社会福祉事業に位置づけられています(社会福祉法第2条第3項)。この事業を行う医療機関では、医療ソーシャルワーカーが相談に応じ、医療費の減免を行うことができます。あわせて、国民健康保険料の滞納については、市町村の窓口で分納や減免について相談できることを案内し、生活の立て直しのために必要に応じて生活困窮者自立支援制度や生活保護の相談にもつなぎます。まず必要な医療を受けられるようにすることが優先です。

他の選択肢が不適切な理由
・完納するまで受診できない:滞納があっても医療を受ける方法はあり、受診を妨げる誤った説明です。
・滞納で国保の資格が失われる:保険料を滞納しても国民健康保険の被保険者でなくなるわけではありません。長期の滞納では、窓口でいったん費用の全額を支払い、後から保険給付に当たる額の支給を受ける特別療養費の扱いになることがありますが(国民健康保険法第54条の3)、分納や減免の相談によって負担を調整できます。
・生活保護の決定まで治療を待つ:急迫した状況では、必要な医療を先に確保する必要があります。生活保護も急迫の場合は職権で保護を開始することができます。

覚え方のポイント
経済的な理由で受診をためらう人への支援は「まず医療につなぐ」「無料低額診療事業」「保険料の分納・減免の相談」「生活困窮者自立支援・生活保護」。2026年3月に全部改正された医療ソーシャルワーカー業務指針にある「経済的課題の把握と解決に向けた支援」の典型例です。
問105-11

事例を読んで、病院の医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。〔事例〕MMさん(40歳、女性)は、会社員として健康保険に加入している。病気の治療のため3か月の休職が必要と診断され、会社からは休職中の給与は出ないと言われた。MMさんは「治療費に加えて生活費が心配だ」と相談に来た。

  • ①休職中は、雇用保険の基本手当を受けて生活費に充てられると説明する。
  • ②障害基礎年金を、すぐに受給して生活費に充てることができると説明する。
  • ③健康保険の傷病手当金の要件や申請の方法について具体的に説明する。
  • ④他の制度を使う前に、まず生活保護の申請が必要になると説明する。
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正解 ③健康保険の傷病手当金の要件や申請の方法について具体的に説明する。
事例のポイント
MMさんは健康保険の被保険者で、病気の療養のために働けず、休職中の給与も支払われません。雇用関係は続いている点が、使える制度を判断する手がかりです。

解説
健康保険の傷病手当金は、被保険者が療養のため労務に服することができないときに、労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から支給されます(健康保険法第99条)。支給額はおおむね標準報酬日額の3分の2に相当する額で、支給開始日から通算して1年6か月まで支給されます。病気で働けない間の生活を支えるための給付であり、医療ソーシャルワーカーは要件や申請の方法を具体的に説明し、あわせて高額療養費などの医療費の負担軽減の制度も案内します。

他の選択肢が不適切な理由
・雇用保険の基本手当を受けられる:基本手当は、失業して働く意思と能力がある人が求職活動をしている場合の給付で、在職中の休職には支給されません。
・障害基礎年金をすぐに受給できる:障害年金は、原則として初診日から1年6か月を経過した障害認定日に一定の障害の状態にある場合に支給されるもので、直ちに受給できるものではありません。
・まず生活保護の申請が必要:他の法律による給付は保護に優先するため、まず傷病手当金などの利用を検討するのが原則です。

覚え方のポイント
「病気で休職(在職中)=傷病手当金(健康保険)」「失業=基本手当(雇用保険)」「業務上の病気・けが=休業補償給付(労災保険)」「長期の障害=障害年金(1年6か月後)」。本人の状況に応じた制度を選び分けることが、医療ソーシャルワーカーの重要な役割です。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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