2026年版・3-3

地域福祉:福祉計画の一問一答

社会福祉士国家試験「地域福祉・障害者福祉・刑事司法」から、地域福祉:福祉計画に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問13-3

社会福祉法に規定する市町村地域福祉計画に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①策定は市町村の義務として定められている
  • ②都道府県が市町村に代わって策定している
  • ③市町村に策定の努力義務が課せられている
  • ④高齢者の福祉だけを対象とする計画である
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正解 ③市町村に策定の努力義務が課せられている
解説
市町村は、地域福祉の推進に関する事項を一体的に定める市町村地域福祉計画を策定するよう努めるものとされています(社会福祉法107条1項)。つまり策定は努力義務です。2017年の法改正で、それまでの任意の計画から努力義務に改められるとともに、高齢者・障害者・児童その他の福祉に関し共通して取り組むべき事項を盛り込む、いわゆる福祉分野の「上位計画」として位置づけられました。策定や変更にあたっては、地域住民等の意見を反映させるよう努め、定期的に調査・分析・評価を行うよう努めることとされています(同条2項・3項)。

他の選択肢が不適切な理由
・義務として定められている:策定は努力義務です。策定が義務づけられている計画には、市町村介護保険事業計画や市町村障害福祉計画などがあります。
・都道府県が代わって策定:都道府県が策定するのは、市町村の地域福祉を支援するための都道府県地域福祉支援計画です(同法108条)。
・高齢者の福祉だけ:高齢者・障害者・児童などの福祉に共通して取り組むべき事項を定める計画です。

覚え方のポイント
地域福祉計画は「努力義務」「福祉分野の上位計画(共通事項を定める)」「住民参加」の3点で覚えます。策定が「義務」か「努力義務」かは、福祉計画の問題で最も問われやすいポイントです。
問23-3

介護保険法に規定する市町村介護保険事業計画に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①市町村老人福祉計画と一体のものとして作る
  • ②5年を一期として定める計画となっている
  • ③計画の策定は市町村の努力義務にとどまる
  • ④市町村障害福祉計画と一体で作らねばならない
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正解 ①市町村老人福祉計画と一体のものとして作る
解説
市町村介護保険事業計画は、市町村老人福祉計画と一体のものとして作成されなければなりません(介護保険法117条7項、老人福祉法20条の8第7項)。介護保険のサービスと、老人福祉法に基づく措置や老人福祉事業は、いずれも高齢者の生活を支えるものであり、ばらばらに計画するとサービスの供給体制にすき間や重複が生じるからです。市町村介護保険事業計画は、国の基本指針に即して、3年を一期として定めます(介護保険法117条1項)。計画期間中の介護サービスの見込み量が、第1号被保険者の保険料の算定の基礎にもなります。

他の選択肢が不適切な理由
・5年を一期:市町村介護保険事業計画は3年を一期とします。5年を一期とするのは市町村子ども・子育て支援事業計画です。
・努力義務にとどまる:市町村は市町村介護保険事業計画を「定めるものとする」とされ(介護保険法117条1項)、策定は義務です。策定が努力義務にとどまるのは市町村地域福祉計画などです。
・障害福祉計画と一体で作らねばならない:市町村障害福祉計画と一体で作成することができるのは市町村障害児福祉計画です(障害者総合支援法88条6項)。

覚え方のポイント
「一体のものとして作成しなければならない(義務)」=介護保険事業計画と老人福祉計画、「一体のものとして作成することができる(任意)」=障害福祉計画と障害児福祉計画、と語尾の違いまで区別して覚えます。
問33-3

福祉に関する計画とその根拠となる法律の組合せとして、適切でないものはどれか。

  • ①地域福祉計画―社会福祉法
  • ②障害福祉計画―障害者総合支援法
  • ③障害児福祉計画―児童福祉法
  • ④障害者計画―障害者総合支援法
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正解 ④障害者計画―障害者総合支援法
解説
障害者計画(障害者基本計画・都道府県障害者計画・市町村障害者計画)の根拠法は障害者基本法です(障害者基本法11条)。障害者計画は、障害者のための施策全般(教育、雇用、住宅、まちづくりなど)に関する基本的な計画であるのに対し、障害者総合支援法に基づく障害福祉計画は、障害福祉サービスや相談支援などの提供体制の確保に関する、より実施的な計画です。名前が似ていても根拠法と性格が異なるため、組合せとして誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は適切でないものを選ぶ問題なので、以下は適切な組合せです。
・地域福祉計画―社会福祉法:市町村地域福祉計画は社会福祉法107条、都道府県地域福祉支援計画は同法108条に規定されています。
・障害福祉計画―障害者総合支援法:市町村障害福祉計画は同法88条、都道府県障害福祉計画は同法89条に規定されています。
・障害児福祉計画―児童福祉法:市町村障害児福祉計画は児童福祉法33条の20に規定されています。

覚え方のポイント
障害分野の計画は「障害者計画=障害者基本法(施策全般・基本計画)」「障害福祉計画=障害者総合支援法(サービスの見込み量)」「障害児福祉計画=児童福祉法(障害児通所支援等の見込み量)」の3つを区別します。
問43-3

子ども・子育て支援法に規定する市町村子ども・子育て支援事業計画の計画期間として、正しいものはどれか。

  • ①3年を一期
  • ②5年を一期
  • ③6年を一期
  • ④10年を一期
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正解 ②5年を一期
解説
市町村は、国の基本指針に即して、5年を一期とする教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の提供体制の確保その他この法律に基づく業務の円滑な実施に関する計画(市町村子ども・子育て支援事業計画)を定めます(子ども・子育て支援法61条1項)。この計画では、地域の子育て家庭のニーズを把握したうえで、保育所・幼稚園・認定こども園などの教育・保育の量の見込みと確保の方策、放課後児童クラブなど地域子ども・子育て支援事業の量の見込みと確保の方策を定めます。

他の選択肢が不適切な理由
・3年を一期:市町村介護保険事業計画や、市町村障害福祉計画・市町村障害児福祉計画(基本指針で3年を一期とされています)の計画期間です。
・6年を一期:医療計画は、都道府県が6年ごとに調査・分析・評価を行い、必要に応じて変更するもの(医療法30条の6第2項)で、6年は医療計画の期間として知られる年数です。
・10年を一期:子ども・子育て支援事業計画の計画期間ではありません。

覚え方のポイント
計画期間は「介護保険事業計画=3年」「障害福祉計画・障害児福祉計画=3年(基本指針)」「子ども・子育て支援事業計画=5年」「医療計画=6年」と一覧で覚えます。介護保険事業計画の3年は、保険料の見直しの周期とも一致しています。
問53-3

法律上、市町村に策定が義務づけられている(努力義務ではない)計画として、正しいものはどれか。

  • ①市町村障害者計画
  • ②市町村地域福祉計画
  • ③重層的支援体制整備事業実施計画
  • ④地域福祉活動計画
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正解 ①市町村障害者計画
解説
市町村は、国の障害者基本計画と都道府県障害者計画を基本とするとともに、その市町村の障害者の状況等を踏まえ、市町村障害者計画を策定しなければなりません(障害者基本法11条3項)。策定にあたっては、合議制の機関を設置している場合はその意見を、それ以外の場合は障害者その他の関係者の意見を聴かなければならないとされています(同条6項)。障害者の施策を地域で総合的・計画的に進めるための基本となる計画であるため、すべての市町村に策定が義務づけられています。

他の選択肢が不適切な理由
・市町村地域福祉計画:策定は努力義務です(社会福祉法107条1項)。
・重層的支援体制整備事業実施計画:重層的支援体制整備事業を実施する市町村が策定するよう努めるものとされています(同法106条の5第1項)。そもそも事業の実施自体が市町村の任意です。
・地域福祉活動計画:市町村社会福祉協議会が中心となって策定する民間の活動計画で、法律に基づく計画ではありません。

覚え方のポイント
義務の計画(障害者計画、介護保険事業計画、老人福祉計画、障害福祉計画、障害児福祉計画、子ども・子育て支援事業計画)と、努力義務の計画(地域福祉計画、地域福祉支援計画、重層的支援体制整備事業実施計画)を2つのグループに分けて覚えましょう。
問63-3

地域福祉活動計画に関する記述として、適切でないものはどれか。

  • ①市町村社会福祉協議会が中心となって策定する
  • ②住民や福祉活動を行う者の参加でつくられる
  • ③社会福祉法で策定が義務づけられた計画である
  • ④市町村地域福祉計画と連携して策定されている
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正解 ③社会福祉法で策定が義務づけられた計画である
解説
地域福祉活動計画は、市町村社会福祉協議会が呼びかけて、住民、地域で福祉活動を行う者、社会福祉事業を経営する者などが参加し、地域福祉を推進するための民間の活動・行動の計画として策定するものです。社会福祉法に策定の根拠がある計画ではなく、したがって法律で策定が義務づけられているわけでもありません。この記述は適切ではありません。行政計画である市町村地域福祉計画と、住民の活動計画である地域福祉活動計画は、車の両輪として互いに連携して策定されることが望ましいとされています。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は適切でないものを選ぶ問題なので、以下は適切な記述です。
・社協が中心となって策定:地域福祉の推進を目的とする団体である市町村社協が、策定の中心的な役割を担います。
・住民等の参加:住民や地域で活動する人々が自らの活動の計画として策定に参加します。
・地域福祉計画と連携:行政の計画と民間の活動計画が、理念や地域の課題を共有し、役割を分担して一体的に推進されることが望まれています。

覚え方のポイント
「地域福祉計画=市町村の行政計画(社会福祉法107条・努力義務)」「地域福祉活動計画=社協が中心の民間計画(法律上の根拠なし)」と、策定主体と法的位置づけで区別します。
問73-3

福祉計画の評価において、投入した資源(費用や人員など)に対して、どれだけの成果が得られたかという観点を表すものとして、最も適切なものはどれか。

  • ①必要性
  • ②有効性
  • ③公平性
  • ④効率性
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正解 ④効率性
解説
効率性は、投入した資源(費用、人員、時間など)と、それによって得られた成果との関係に着目する評価の観点です。同じ成果をより少ない資源で得られたか、同じ資源でより多くの成果を得られたかを問います。限られた財源の中で福祉計画を実施するうえで欠かせない観点ですが、効率性だけを追うと、支援に手間のかかる人が後回しにされるおそれもあるため、ほかの観点と組み合わせて評価することが大切です。

他の選択肢が不適切な理由
・必要性:その施策や事業が、地域の住民のニーズや課題に照らして本当に必要とされているかを問う観点です。
・有効性:施策や事業によって、目標がどの程度達成されたか、意図した効果が得られたかを問う観点です。投入した資源との比較は含みません。
・公平性:施策や事業の効果や負担が、住民の間で公平に分配されているかを問う観点です。

覚え方のポイント
「有効性=目標をどれだけ達成したか(効果)」「効率性=費用に見合う成果か(コストと効果の比)」と、資源との比較の有無で区別します。行政評価や福祉サービスの組織と経営の科目でも同じ考え方が使われます。
問83-3

福祉計画の評価のうち、計画に基づく取組の結果として、住民の生活や地域の状態にどのような変化がもたらされたかを評価するものとして、最も適切なものはどれか。

  • ①アウトプット評価
  • ②アウトカム評価
  • ③プロセス評価
  • ④ストラクチャー評価
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正解 ②アウトカム評価
解説
アウトカム評価は、取組によってもたらされた成果、すなわち住民の生活の質や健康状態、地域の状態などがどのように変化したかを評価するものです。例えば、見守り活動の計画であれば、「孤立していた高齢者のうち、地域の集いの場につながった人の割合」や「孤立死の件数の変化」などが指標になります。計画の最終的な目的は住民の生活をよくすることにあるため、アウトカム評価は計画の意義を確かめるうえで最も重要ですが、取組以外の要因の影響も受けるため測定が難しいという特徴があります。

他の選択肢が不適切な理由
・アウトプット評価:実施した事業の量(サロンの開催回数、訪問件数、参加者数など)を評価するもので、住民の生活の変化そのものは測りません。
・プロセス評価:計画の策定や事業の実施が、予定どおりの手順や方法で適切に進められたか(住民参加の状況など)を評価するものです。
・ストラクチャー評価:事業を実施するための体制や条件(職員の配置、設備、予算など)を評価するものです。

覚え方のポイント
評価は「ストラクチャー(体制)→プロセス(過程)→アウトプット(実施量)→アウトカム(成果・変化)」の流れで整理します。事業の回数(アウトプット)と住民の変化(アウトカム)の取り違えが典型的な誤りです。
問93-3

A市の地域福祉計画の策定を担当する社会福祉士は、計画に住民の声を反映させたいと考えている。その方法として、最も適切なものはどれか。

  • ①自治会長など地域の代表者に意見を聴く
  • ②学識経験者による委員会で計画の内容を決定する
  • ③地区ごとに住民懇談会を開き当事者の声も聴く
  • ④インターネットの調査だけで住民の意見を集める
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正解 ③地区ごとに住民懇談会を開き当事者の声も聴く
事例のポイント
社会福祉士は「住民の声を反映させたい」と考えています。地域福祉計画の策定にあたって、住民、とりわけ声が届きにくい当事者の意見をどのように集めるのが適切かが問われています。

解説
市町村は、地域福祉計画を策定・変更しようとするときは、あらかじめ地域住民等の意見を反映させるよう努めることとされています(社会福祉法107条2項)。地区ごとに住民懇談会やワークショップを開けば、住民が身近な地域の課題を話し合い、自ら計画づくりに参加することができます。その際、障害のある人、ひとり親、外国籍の住民など、普段は意見が届きにくい当事者の声も聴く工夫をすることで、計画が地域の実情に合ったものになり、完成後の住民の主体的な取組にもつながります。

他の選択肢が不適切な理由
・地域の代表者に意見を聴く:地域の事情に詳しい代表者の意見は参考になりますが、それだけでは障害のある人やひとり親など、声が届きにくい当事者の意見が漏れやすくなります。
・学識経験者による委員会で決定する:専門的な知見は大切ですが、住民の生活の実感を反映する仕組みが欠けています。
・インターネットの調査だけ:調査は有効な方法の一つですが、インターネットを利用しにくい高齢者などの声が漏れやすく、それだけに頼るのは不十分です。

覚え方のポイント
住民参加の方法は「アンケート(量的把握)」「懇談会・ワークショップ(話し合い)」「パブリックコメント(案への意見)」「策定委員会への住民代表の参加」などを組み合わせるのが基本です。一つの方法だけに頼る選択肢には注意しましょう。
問103-3

社会福祉法に規定する都道府県地域福祉支援計画に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①市町村の地域福祉を広域的な見地から支援する
  • ②市町村地域福祉計画に代わって策定するものである
  • ③社会福祉協議会が策定する民間の計画である
  • ④策定には国の承認を受けなければならない
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正解 ①市町村の地域福祉を広域的な見地から支援する
解説
都道府県は、市町村地域福祉計画の達成に資するために、各市町村を通ずる広域的な見地から、市町村の地域福祉の支援に関する事項を一体的に定める都道府県地域福祉支援計画を策定するよう努めるものとされています(社会福祉法108条1項)。市町村単独では難しい、社会福祉を目的とする事業に従事する者の確保や資質の向上、福祉サービスの適切な利用の推進などについて、都道府県が広域的に支える役割を担います。策定にあたっては、公聴会の開催等により住民その他の者の意見を反映させるよう努めます(同条2項)。

他の選択肢が不適切な理由
・市町村地域福祉計画に代わる:都道府県の計画は市町村の計画を支援するもので、市町村の計画に代わるものではありません。
・社会福祉協議会が策定する民間の計画:社協が中心となって策定する民間の計画は地域福祉活動計画です。
・国の承認が必要:都道府県地域福祉支援計画の策定に国の承認は必要とされていません。

覚え方のポイント
「市町村=地域福祉計画(推進)」「都道府県=地域福祉支援計画(支援)」と、「支援」の2文字の有無で区別します。どちらも策定は努力義務です。

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