2026年版・3-12

刑事司法と福祉:少年司法と犯罪被害者支援の実際の一問一答

社会福祉士国家試験「地域福祉・障害者福祉・刑事司法」から、刑事司法と福祉:少年司法と犯罪被害者支援の実際に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問13-12

少年法に定める観護措置と少年鑑別所に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①観護措置は、検察官が決定して少年を少年鑑別所に送る措置である
  • ②少年鑑別所の収容期間は原則2週間で、特に必要なときは更新できる
  • ③少年鑑別所は、保護処分で送致された少年に矯正教育を行う施設である
  • ④少年鑑別所の収容期間は原則4週間で、更新は1回に限って行える
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正解 ②少年鑑別所の収容期間は原則2週間で、特に必要なときは更新できる
解説
家庭裁判所は、審判を行うため必要があるときは、決定をもって観護の措置をとることができ、その一つが少年鑑別所への送致である(少年法17条1項)。少年鑑別所に収容する期間は2週間を超えることができないが、特に継続の必要があるときは決定で更新できる(同条3項)。更新は原則1回までで、一定の重大事件で証人尋問などを行う場合には更に2回まで認められ、通じて8週間が上限である(同条4項・9項)。少年鑑別所は、収容した少年の資質や環境を専門的に調べる鑑別と観護処遇を行うほか、地域の非行・犯罪の防止に関する相談にも応じている(少年鑑別所法3条、131条)。

他の選択肢が不適切な理由
・検察官が決定:観護の措置を決定するのは家庭裁判所である(少年法17条1項)。
・矯正教育を行う:保護処分として送致された少年に矯正教育を行うのは少年院である(少年院法1条)。少年鑑別所は、主に審判の前の鑑別と観護を担う。
・原則4週間:原則は2週間である。更新1回で通じて4週間となるのが通常の上限である。

覚え方のポイント
「鑑別所=審判の前(調べる)」「少年院=審判の後(教える)」。観護措置の収容期間は「2週間+更新1回で4週間、特別な場合は最長8週間」と数字で押さえる。
問23-12

少年院法に定める少年院の種類のうち、保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がなく、犯罪的傾向が進んだおおむね16歳以上23歳未満の者を収容するものとして、正しいものはどれか。

  • ①第1種少年院
  • ②第2種少年院
  • ③第3種少年院
  • ④第4種少年院
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正解 ②第2種少年院
解説
少年院法4条1項は、少年院の種類を第1種から第5種までに分け、それぞれ収容する者を定めている。心身に著しい障害がなく、犯罪的傾向が進んだおおむね16歳以上23歳未満の者を収容するのは第2種少年院である。少年の特性に応じた矯正教育を行うため、年齢、犯罪的傾向の程度、心身の障害の有無によって種類を分けているのが特徴である。法務大臣は、各少年院について1つ又は2つ以上の種類を指定する(同条2項)。

他の選択肢が不適切な理由
・第1種少年院:心身に著しい障害がないおおむね12歳以上23歳未満の者(第2種に当たる者を除く)を収容する。
・第3種少年院:心身に著しい障害があるおおむね12歳以上26歳未満の者を収容する。
・第4種少年院:少年院において拘禁刑の執行を受ける者を収容する。16歳に満たない少年は、16歳に達するまで少年院で刑の執行を受けることがある(少年法56条3項)。

覚え方のポイント
第1種=基本、第2種=犯罪的傾向が進んだ16歳以上、第3種=心身に著しい障害(26歳未満まで)、第4種=少年院での刑の執行、第5種=2年の保護観察に付された特定少年が遵守事項違反で少年院に収容される場合(種類は少年院法4条1項。第5種の収容は少年法66条1項の決定による)。
問33-12

少年法に定める特定少年に対する保護処分として、適切でないものはどれか。

  • ①6月の保護観察所の保護観察に付する処分
  • ②2年の保護観察所の保護観察に付する処分
  • ③3年以下の収容期間を定めて少年院に送る処分
  • ④児童自立支援施設又は児童養護施設に送る処分
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正解 ④児童自立支援施設又は児童養護施設に送る処分
解説
18歳以上の少年である特定少年について、家庭裁判所は、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内で、6月の保護観察、2年の保護観察、少年院送致のいずれかの保護処分をしなければならない(少年法64条1項)。18歳・19歳は民法上の成年であり、責任ある主体として扱うことから、18歳未満の少年に認められている児童自立支援施設又は児童養護施設への送致(同法24条1項2号)は、特定少年の保護処分には含まれていない。

他の選択肢が不適切な理由
(いずれも特定少年の保護処分として正しい)
・6月の保護観察:罰金以下の刑に当たる罪の事件では、この処分だけをすることができる(同法64条1項ただし書)。
・2年の保護観察:遵守事項に違反した場合に少年院に収容できる期間(1年以下)を、決定と同時に定める(同条2項)。
・少年院送致:決定と同時に、3年以下の範囲内で少年院に収容する期間を定める(同条3項)。

覚え方のポイント
18歳未満の保護処分は「保護観察・児童自立支援施設等送致・少年院送致」の3つ(24条)。特定少年は「6月の保護観察・2年の保護観察・少年院送致(3年以下)」の3つ(64条)で、施設送致の代わりに期間の異なる2種類の保護観察があると整理する。
問43-12

Dさん(12歳、男子)は、同級生とけんかをして相手にけがをさせ、警察の調査を受けた。Dさんの母親から「息子は家庭裁判所に呼ばれて、裁判のようなものを受けるのでしょうか」と相談を受けた、小学校のスクールソーシャルワーカー(社会福祉士)の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①14歳未満なので、審判に付されるのは児童相談所長等から送られた場合に限られる
  • ②14歳未満であっても、警察から直接家庭裁判所に送られて審判を受けるのが原則だ
  • ③14歳未満なので、家庭裁判所の審判を受けることはなく、児童相談所の措置で終わる
  • ④けがの程度が重ければ、検察官に送られて刑事裁判を受ける可能性がある
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正解 ①14歳未満なので、審判に付されるのは児童相談所長等から送られた場合に限られる
事例のポイント
Dさんは12歳であり、14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした「触法少年」に当たる。14歳未満の者の行為は罰しないこと(刑法41条)と、少年法の手続で児童福祉の機関が優先される仕組みに着目する。

解説
少年法は、14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年も、家庭裁判所の審判に付すべき少年としている(3条1項2号)。ただし、14歳未満の少年については、都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けたときに限り、家庭裁判所は審判に付することができる(同条2項)。年齢の低い子どもには、まず児童福祉法による児童相談所の関わりを優先し、家庭裁判所の手続が必要な場合にだけ送致するという「児童福祉機関先議」の考え方である。母親の不安を受け止めつつ、まず児童相談所などが関わることを説明し、関係機関と連携していくことが大切である。

他の選択肢が不適切な理由
・警察から直接家庭裁判所へ:14歳未満の触法少年は、都道府県知事又は児童相談所長からの送致がなければ審判に付されない。
・家庭裁判所の審判はない:触法少年も家庭裁判所の審判に付すべき少年であり(3条1項2号)、児童相談所長等から送致されれば審判を受けることがある(同条2項)。故意の犯罪行為で被害者を死亡させた事件などで警察から送致を受けたときは、児童相談所長等は原則として家庭裁判所に送致する措置をとらなければならない(6条の7第1項)。
・検察官に送致:14歳に満たない者の行為は罰しない(刑法41条)ため、刑事裁判を受けることはない。検察官送致の対象は罪を犯した少年である(少年法20条)。

覚え方のポイント
14歳未満=触法少年=「児童相談所が先」。14歳以上=犯罪少年=家庭裁判所の手続へ。14歳の線は刑事責任年齢(刑法41条)から来ている。
問53-12

少年法20条2項に定める、家庭裁判所が原則として検察官に送致しなければならない事件として、正しいものはどれか。

  • ①罪を犯すとき14歳以上の少年による、故意に被害者を死亡させた罪の事件
  • ②罪を犯すとき16歳以上の少年による、過失で被害者を死亡させた罪の事件
  • ③罪を犯すとき16歳以上の少年による、故意に被害者を死亡させた罪の事件
  • ④罪を犯すとき18歳以上の少年による、拘禁刑以上の刑に当たるすべての事件
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正解 ③罪を犯すとき16歳以上の少年による、故意に被害者を死亡させた罪の事件
解説
家庭裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪の事件について、刑事処分が相当と認めるときは、検察官に送致しなければならない(少年法20条1項)。さらに、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件で、罪を犯すとき16歳以上の少年に係るものは、原則として検察官に送致しなければならない(同条2項本文)。いわゆる「原則逆送」である。ただし、犯行の動機や態様、少年の性格・環境などを考慮し、刑事処分以外の措置が相当と認めるときは、この限りでない(同項ただし書)。命を奪う重大な結果に向き合わせる一方で、個別の事情に応じた保護処分の余地も残している。

他の選択肢が不適切な理由
・14歳以上:原則逆送の年齢は16歳以上である。14歳・15歳の少年でも、20条1項により刑事処分相当として送致されることはある。
・過失で死亡:原則逆送の対象は「故意の犯罪行為」により被害者を死亡させた罪の事件に限られる。
・18歳以上のすべての事件:特定少年について原則逆送の対象に加わったのは、死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑に当たる罪の事件である(同法62条2項2号)。

覚え方のポイント
原則逆送は「16歳以上×故意の犯罪で死亡させた事件」が基本。特定少年(18歳・19歳)は、これに「死刑・無期・短期1年以上の罪の事件」が加わる。
問63-12

刑事訴訟法に定める被害者参加制度に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①参加の申出は検察官を通じて行い、裁判所が相当と認めれば許可される
  • ②被害者等は申出をすれば、どの刑事事件の手続にも参加することができる
  • ③被害者参加人は、犯罪事実に関する事項についても証人を尋問できる
  • ④被害者参加人が述べた事実や法律の適用の意見は、証拠として扱われる
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正解 ①参加の申出は検察官を通じて行い、裁判所が相当と認めれば許可される
解説
被害者参加制度は、一定の重大な事件の被害者等が、「被害者参加人」として刑事裁判に参加できる制度である(刑事訴訟法316条の33以下)。参加の申出はあらかじめ検察官にしなければならず、検察官が意見を付して裁判所に通知し、裁判所が被告人又は弁護人の意見を聴いたうえで、犯罪の性質などを考慮して相当と認めるときに参加を許す(316条の33第1項・2項)。被害者参加人は、公判期日への出席、情状に関する証人への尋問、被告人への質問、事実又は法律の適用についての意見陳述などができる。

他の選択肢が不適切な理由
・どの刑事事件にも参加:対象は、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪、不同意性交等の罪、過失運転致死傷の罪など、法律に列挙された罪の事件に限られる(316条の33第1項)。
・犯罪事実も尋問できる:証人に尋問できるのは、情状に関する事項(犯罪事実に関するものを除く)についての供述の証明力を争うために必要な事項に限られる(316条の36第1項)。
・証拠として扱われる:事実又は法律の適用についての意見陳述は、証拠とはならない(316条の38第4項)。

覚え方のポイント
被害者が刑事裁判に関わる方法は、事件を限定しない「心情等の意見陳述」(292条の2)と、一定の重大事件で使える「被害者参加」の2段構え。どちらの陳述も、犯罪事実を認定する証拠にはならない。
問73-12

犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律に基づく犯罪被害給付制度に関する記述として、適切でないものはどれか。

  • ①給付金には、遺族給付金、重傷病給付金、障害給付金の3種類がある
  • ②給付金は、年金ではなく一時金として支給されることになっている
  • ③支給を受けるには、住所地の都道府県公安委員会の裁定を受ける
  • ④過失による交通事故で負った重傷病も、給付の対象に含まれている
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正解 ④過失による交通事故で負った重傷病も、給付の対象に含まれている
解説
犯罪被害給付制度は、犯罪行為により不慮の死を遂げた人の遺族や、重傷病を負い又は障害が残った人に、国が犯罪被害者等給付金を支給する制度である(同法1条、3条)。対象となる「犯罪行為」は、人の生命又は身体を害する罪に当たる行為であり、過失による行為は除かれている(2条1項)。そのため、過失による交通事故の被害は対象にならない。したがってこの記述は誤りである。

他の選択肢が不適切な理由
(いずれも正しい記述である)
・3種類:遺族給付金・重傷病給付金・障害給付金がある(2条7項、4条)。
・一時金:いずれも一時金として支給される(4条)。
・公安委員会の裁定:支給を受けようとする者は、住所地を管轄する都道府県公安委員会に申請し、裁定を受けなければならない(10条1項)。申請は、被害の発生を知った日から2年、又は発生した日から7年を経過するとできなくなる(同条2項)。

覚え方のポイント
「故意の犯罪・国が支給・一時金・公安委員会(警察)に申請」。被害者と加害者の間に親族関係がある場合や、被害者にも責めに帰すべき行為があった場合などは、全部又は一部が支給されないことがある(6条)点もあわせて押さえる。
問83-12

Eさん(63歳、女性)は、5年前に長男を殺害された。加害者は刑事施設で拘禁刑の執行を受けている。Eさんは、加害者の仮釈放が検討される時期が近づいていると知り、「仮釈放について、自分の気持ちや意見を伝える方法はないのか」と、県の犯罪被害者等支援の窓口の社会福祉士に相談した。社会福祉士の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①仮釈放の審理は非公開なので、被害者が意見を述べる機会はないと説明する
  • ②家庭裁判所に、仮釈放を許さないよう求める審判を申し立てられると説明する
  • ③地方更生保護委員会に、仮釈放の審理で意見等を述べたいと申し出られると説明する
  • ④刑事施設の長に申し出れば、仮釈放を許さないとする決定をしてもらえると説明する
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正解 ③地方更生保護委員会に、仮釈放の審理で意見等を述べたいと申し出られると説明する
事例のポイント
加害者はすでに刑が確定して刑の執行を受けており、刑事裁判の段階は終わっている。Eさんが関わりたいのは「仮釈放を許すかどうかの審理」であることに着目する。

解説
地方更生保護委員会は、仮釈放を許すか否かの審理を行うに当たり、被害者等から、仮釈放、仮釈放中の保護観察、生活環境の調整に関する意見と被害に関する心情を述べたい旨の申出があったときは、事件の性質などから相当でないと認める場合を除き、これを聴取する(更生保護法38条1項)。これを意見等聴取制度という。申出の受理などの事務は、被害者等の居住地を管轄する保護観察所の長に嘱託されることもある(同条2項)。Eさんにはこの制度を伝え、希望に応じて手続を支えることが適切である。

他の選択肢が不適切な理由
・意見を述べる機会はない:更生保護法38条により、被害者等は仮釈放の審理で意見等を述べることができる。
・家庭裁判所に申し立てる:仮釈放を許す処分は地方更生保護委員会の決定で行い(同法39条1項)、家庭裁判所は関与しない。
・刑事施設の長に決定を求める:刑事施設の長は地方更生保護委員会に仮釈放の申出をする立場であり(同法34条1項)、許否を決めるのは地方更生保護委員会である。なお、2023年12月からは刑事施設でも被害者等の心情等を聴き取り、処遇に生かしたり受刑者に伝えたりする制度があるが(刑事収容施設法85条3項、103条4項)、仮釈放の許否を決める手続ではない。

覚え方のポイント
刑の執行段階の被害者の制度は、仮釈放の審理で意見を述べる「意見等聴取制度」(地方更生保護委員会・更生保護法38条)、刑事施設・少年院で心情等を聴き取り本人に伝える制度(2023年12月施行)、保護観察中の加害者について心情等を聴き取り伝える「心情等聴取・伝達制度」(保護観察所・65条)。仮釈放を決めるのは地方更生保護委員会と押さえる。
問93-12

心神喪失者等医療観察法の処遇に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①鑑定入院の期間は原則3か月で、必要なときは1か月延長できる
  • ②通院による医療の期間は原則3年で、通じて2年まで延長できる
  • ③入院による医療の期間は、法律で最長1年と定められている
  • ④通院処遇中の精神保健観察は、指定通院医療機関の医師が行う
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正解 ②通院による医療の期間は原則3年で、通じて2年まで延長できる
解説
医療観察法では、地方裁判所の決定による入院によらない医療(通院処遇)の期間は、決定があった日から3年間であり、裁判所は通じて2年を超えない範囲で延長できる(44条)。通院処遇を受ける人は、その期間中、精神保健観察に付される(106条1項)。保護観察所の長は、指定通院医療機関の管理者や、居住地の都道府県知事・市町村長と協議して処遇の実施計画を定め、医療・精神保健観察・援助が計画に基づいて行われるようにする(104条、105条)。

他の選択肢が不適切な理由
・鑑定入院は原則3か月:鑑定入院の期間は2か月を超えることができず、必要があるときに通じて1か月を超えない範囲で延長できる(34条3項)。
・入院は最長1年:入院の期間に上限の定めはない。その代わり、指定入院医療機関の管理者は、入院の継続が必要と認めるときは、決定から6か月が経過する前に裁判所へ入院継続の確認の申立てをしなければならない(49条2項)。
・医師が精神保健観察:精神保健観察は保護観察所がつかさどり、社会復帰調整官が担当する(19条、20条)。指定通院医療機関は医療を担当する。

覚え方のポイント
数字は「鑑定入院2か月(+1か月)」「通院3年(+最長2年)」「入院継続の確認は6か月ごと」。医療は指定医療機関、見守り(精神保健観察)は保護観察所の社会復帰調整官、と分けて覚える。
問103-12

少年保護事件における被害者等への配慮の制度に関する記述として、適切でないものはどれか。

  • ①被害者等の申出があれば、少年審判は原則として公開で行われる
  • ②被害者等は、家庭裁判所に心情や意見を述べたいと申し出られる
  • ③一定の重大な事件では、被害者等が審判を傍聴できる場合がある
  • ④被害者等は、申出により審判の結果の通知を受けることができる
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正解 ①被害者等の申出があれば、少年審判は原則として公開で行われる
解説
少年審判は、懇切を旨として和やかに行うとともに、非行のある少年に内省を促すものとし、これを公開しないと定められている(少年法22条1項・2項)。被害者等の申出があっても審判が公開されることはない。そのうえで被害者等の立場に配慮するため、記録の閲覧・謄写(5条の2)、意見の聴取(9条の2)、審判の傍聴(22条の4)、審判の状況の説明(22条の6)、審判結果の通知(31条の2)といった制度が設けられている。

他の選択肢が不適切な理由
(いずれも正しい記述である)
・心情や意見を述べる:被害者等から申出があるときは、家庭裁判所が自ら、又は家庭裁判所調査官に命じて聴取する(9条の2)。
・審判の傍聴:故意の犯罪行為により被害者を死傷させた罪などの一定の事件で、少年の健全な育成を妨げるおそれがなく相当と認めるときに許される。傷害の場合は、生命に重大な危険を生じさせたときに限られる(22条の4第1項)。
・結果の通知:少年とその法定代理人の氏名・住居や、決定の主文・理由の要旨などが通知される(31条の2第1項)。申出は決定の確定後3年以内に限られる(同条2項)。

覚え方のポイント
「審判の非公開は守りつつ、被害者には個別に情報や機会を開く」。傍聴は重大事件に限られ、意見の聴取や結果の通知は重大事件に限られない、という範囲の違いも押さえる。

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