2026年版・2-5

社会保障:概念・歴史と財政の一問一答

社会福祉士国家試験「原理と政策・社会保障・権利擁護」から、社会保障:概念・歴史と財政に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問12-5

社会保障制度審議会の勧告に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①1950年の勧告は、社会保障を公的扶助中心に構成し、社会保険をそれを補うものとした。
  • ②1950年の勧告は、社会保障の対象を生活困窮者に限り、国民全体は対象としなかった。
  • ③1995年の勧告は、社会保障の目的を、困窮者の最低限度の生活の保障に絞り込んだ。
  • ④1950年の勧告は、社会保険を中心に、国家扶助や公衆衛生、社会福祉を含めて定義した。
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正解 ④1950年の勧告は、社会保険を中心に、国家扶助や公衆衛生、社会福祉を含めて定義した。
解説
1950年の「社会保障制度に関する勧告」は、戦後日本の社会保障の設計図となったものです。疾病、負傷、分娩、廃疾、死亡、老齢、失業、多子などの困窮の原因に対し、保険的方法(社会保険)または直接の公の負担によって経済保障を行い、困窮に陥った者には国家扶助によって最低限度の生活を保障し、あわせて公衆衛生と社会福祉の向上を図るものとして社会保障を定義しました。国民が自ら拠出して備える社会保険を中心とし、国家扶助はそれで救えない人を支える最後の手段と位置づけた点が特徴です。

他の選択肢が不適切な理由
・公的扶助中心で社会保険が補完:勧告の構成は逆で、社会保険を中心に据え、国家扶助(公的扶助)を補完的なものとしました。
・対象を生活困窮者に限る:勧告は「すべての国民が文化的社会の成員たるに値する生活」を営めるようにすることを目指し、国民全体を対象としています。
・1995年の勧告は最低限度の生活保障に絞り込んだ:1995年の勧告(社会保障体制の再構築)は、社会保障の目的を「広く国民に健やかで安心できる生活を保障すること」とし、むしろ対象と目的を広げて捉えました。

覚え方のポイント
「1950年勧告=社会保険中心・4本柱(社会保険・国家扶助・公衆衛生・社会福祉)」「1995年勧告=広く国民に健やかで安心できる生活を保障」。1995年勧告は介護保険の創設を提言したことでも知られます。
問22-5

社会保障の機能に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①社会保障の所得再分配機能は、高所得層から低所得層への移転だけを指す。
  • ②景気後退期に失業給付などが増えて、需要の落ち込みを和らげる働きがある。
  • ③生活安定・向上機能とは、景気に応じて税収を自動的に増減させる働きをいう。
  • ④社会保障のセーフティネット機能は、生活保護制度によってのみ果たされる。
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正解 ②景気後退期に失業給付などが増えて、需要の落ち込みを和らげる働きがある。
解説
社会保障には、景気の変動を和らげる経済安定機能があります。不況で失業者が増えると失業給付などの支出が自動的に増え、人々の購買力が大きく落ち込むのを防ぎます。反対に好況期には保険料や税の負担が増えて過熱を抑えます。このように、政策をその都度決めなくても自動的に働く景気の安定装置を、ビルトイン・スタビライザーと呼びます。社会保障の機能は一般に、生活安定・向上機能、所得再分配機能、経済安定機能の3つに整理されます。

他の選択肢が不適切な理由
・所得再分配は高所得層から低所得層への移転だけ:それは垂直的再分配で、ほかに同じ所得層の中で健康な人から病気の人などへ移る水平的再分配や、現役世代から高齢世代へ移る世代間再分配もあります。
・生活安定・向上機能は税収を自動的に増減させる働き:生活安定・向上機能は、病気や老齢、失業などのリスクに備えて、人々の生活を安定させ、安心して暮らせるようにする働きです。
・セーフティネット機能は生活保護だけ:社会保険、社会手当、各種の福祉サービスなども、それぞれの段階で生活の破綻を防ぐ安全網として働いています。生活保護は「最後のセーフティネット」と呼ばれます。

覚え方のポイント
機能は「安定(生活)・再分配(所得)・安定(経済)」の3つ。「経済安定機能=ビルトイン・スタビライザー(自動安定装置)」という言葉とセットで覚えましょう。
問32-5

事例を読んで、社会保障による所得再分配に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。〔事例〕Aさん(35歳、会社員)とBさん(36歳、会社員)は同じ会社に勤め、給与の額もほぼ同じで、同じ健康保険に加入して毎月同程度の保険料を納めている。この1年間、Aさんはほとんど医療機関にかからなかったが、Bさんは病気で入院し、健康保険から多額の給付を受けた。

  • ①健康な人から病気の人への所得の移転は、水平的再分配の一つの例である。
  • ②現役世代から高齢世代への所得の移転は、垂直的再分配の典型例である。
  • ③世代間再分配とは、同じ所得層の中で就労者から失業者へ所得を移すことを指す。
  • ④賦課方式の公的年金は、世代間の所得再分配を伴わない財政方式である。
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正解 ①健康な人から病気の人への所得の移転は、水平的再分配の一つの例である。
事例のポイント
AさんとBさんは所得がほぼ同じで、同じ程度の保険料を納めています。違うのは「病気になったかどうか」だけであり、所得の高い人から低い人への移転でも、世代をまたぐ移転でもない点に着目します。

解説
水平的再分配は、所得の高さが同じような人々の間で、リスクが現実になった人へ所得が移ることを指します。医療保険で、同じように保険料を払っている人のうち、病気にならなかった人から病気になった人へ給付を通じて資金が移るのが典型例です。社会保険は「リスクを分かち合う仕組み」であるため、水平的再分配を必ず伴います。これに対し、累進課税や所得に応じた保険料で高所得層から低所得層へ所得を移すのが垂直的再分配です。

他の選択肢が不適切な理由
・現役世代から高齢世代への移転は垂直的再分配:これは世代間再分配の典型例です。垂直的再分配は、所得の高い層から低い層への移転を指します。
・世代間再分配は同じ所得層の中で就労者から失業者へ:同じ所得層の中での移転は水平的再分配です。世代間再分配は、異なる世代の間の移転を指します。
・賦課方式は世代間の再分配を伴わない:賦課方式は、その時々の現役世代が納める保険料で高齢世代の年金を賄うため、世代間の再分配そのものといえる方式です。

覚え方のポイント
「垂直=上(高所得)から下(低所得)へ」「水平=横並びの中で、困った人へ」「世代間=若い世代から高齢世代へ」。図を思い浮かべて矢印の向きで覚えると、取り違えにくくなります。
問42-5

社会保険と社会扶助に関する次の記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。

  • ①社会保険は、保険料の拠出を給付の要件とし、原則として資力調査を行わない。
  • ②社会扶助は、租税を財源とし、給付の際に資力調査や所得制限を伴うことが多い。
  • ③社会保険の給付は、保険料の納付実績を問わず、困窮の程度に応じて決められる。
  • ④社会手当は社会扶助の一種で、一定の要件を満たせば定型的な額が支給される。
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正解 ③社会保険の給付は、保険料の納付実績を問わず、困窮の程度に応じて決められる。
解説
社会保険は、あらかじめ保険料を拠出しておき、病気や老齢、失業などの保険事故が起きたときに、定められた給付を受ける仕組みです。給付は保険料の拠出を前提としており、年金のように納付期間の長さが給付額に反映されるものもあります。困窮しているかどうかを調べて給付の要否や額を決めるのは社会扶助の考え方で、社会保険の給付は困窮の程度ではなく、保険事故の発生と拠出の実績に基づいて行われます。これが、社会保険が「権利性が強く、スティグマが生じにくい」とされる理由です。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「適切でないもの」を選ぶ問題です。以下は適切な記述です。
・社会保険は拠出が要件で資力調査を行わない:保険料を納めたことが受給の根拠になるため、収入や資産を調べる必要がありません。
・社会扶助は租税が財源で資力調査や所得制限を伴う:生活保護のように資力調査を行うもの、児童扶養手当のように所得制限を設けるものがあります。
・社会手当は社会扶助の一種で定型的に支給:児童手当や児童扶養手当のように、要件を満たせばあらかじめ定められた額が支給されます。個別の困窮度を細かく調べる生活保護とは区別されます。

覚え方のポイント
「社会保険=拠出(事前の備え)→事故が起きたら給付」「公的扶助=租税→困窮を調べて給付」「社会手当=租税→要件に当てはまれば定額給付」。財源と給付の決め方の2軸で3つを並べて整理しましょう。
問52-5

事例を読んで、社会福祉士が公的保険と民間保険の違いについて説明する内容として、正しいものを1つ選びなさい。〔事例〕Cさん(32歳、会社員)は、健康保険に加入している。将来の入院に備えて民間の医療保険にも加入しようかと考え、地域の相談会で社会福祉士に「会社の健康保険と民間の保険は何が違うのか」と尋ねた。

  • ①民間保険では、保険料が所得に応じて決まる応能負担の原則が貫かれている。
  • ②公的保険では、給付・反対給付均等の原則が個人単位で厳格に適用されている。
  • ③民間保険は、逆選択を防ぐため、原則としてすべての国民に加入を義務づけている。
  • ④公的保険は強制加入で、保険料は所得など負担能力に応じて設定されることが多い。
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正解 ④公的保険は強制加入で、保険料は所得など負担能力に応じて設定されることが多い。
事例のポイント
Cさんが加入している健康保険は、法律に基づいて加入が義務づけられた公的保険であり、検討中の医療保険は任意に契約する民間保険です。加入の仕組みと保険料の決め方の違いを説明できるかが問われています。

解説
公的保険(社会保険)は、法律に基づいて対象となる人を強制的に加入させ、保険料は所得など負担能力に応じて設定されることが多い仕組みです。強制加入にするのは、リスクの低い人だけが加入を避け、リスクの高い人ばかりが残る「逆選択」を防ぐためです。また、リスクの大きさではなく負担能力に応じて保険料を求めることで、病気がちな人や低所得の人も保障から外れないようにしています。ここに、私的な契約である民間保険との本質的な違いがあります。

他の選択肢が不適切な理由
・民間保険は応能負担:民間保険の保険料は、加入者のリスクの大きさ(年齢や健康状態など)に応じて決まるのが原則です。
・公的保険で給付・反対給付均等の原則を厳格に適用:個人の保険料をその人のリスクに見合わせるこの原則は、民間保険の原則です。公的保険は扶助的な要素を取り入れ、この原則を修正しています。
・民間保険が全国民に加入を義務づける:民間保険は任意加入の契約です。逆選択を防ぐために強制加入としているのは公的保険です。

覚え方のポイント
「民間保険=任意加入・リスクに応じた保険料(給付・反対給付均等の原則)」「公的保険=強制加入・負担能力に応じた保険料(扶助原理を加味)」。どちらも「収支相等の原則」(全体として保険料収入と給付が釣り合う)は共通です。
問62-5

社会保障制度の費用負担に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①基礎年金の給付に要する費用は、その2分の1を国庫が負担している。
  • ②介護保険の給付費は、全額を第1号被保険者の保険料で賄っている。
  • ③労災保険の保険料は、労働者と事業主が2分の1ずつを負担している。
  • ④後期高齢者医療の給付費は、公費を入れず保険料のみで賄っている。
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正解 ①基礎年金の給付に要する費用は、その2分の1を国庫が負担している。
解説
基礎年金(老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金)の給付費については、国庫がその2分の1を負担しています(国民年金法第85条)。国庫負担の割合は長く3分の1でしたが、2004年の年金制度改正で2分の1への引上げが決まり、2009年度から実施されました。所得の低い人も含めて全国民に共通の基礎年金を支えるため、保険料だけでなく税も投入しているのです。社会保障は、保険料、公費(国・地方)、利用者負担の組合せで賄われており、制度ごとの組合せの違いが頻出です。

他の選択肢が不適切な理由
・介護保険は第1号保険料で全額:介護保険の給付費は、公費(国・都道府県・市町村)で2分の1、保険料で2分の1を賄い、保険料分は第1号被保険者と第2号被保険者で分け合っています。
・労災保険は労使折半:労災保険は、労働者を使用する事業主の補償責任を保険化したものなので、保険料は全額を事業主が負担します。
・後期高齢者医療は保険料のみ:後期高齢者医療の給付費は、公費が約5割、現役世代の保険料からの支援金が約4割、後期高齢者の保険料が約1割という構成です。

覚え方のポイント
「半分が公費」の制度(基礎年金・介護保険・後期高齢者医療のおおむね半分)と、「全額事業主」の労災保険、「労使折半」が基本の健康保険・厚生年金・雇用保険の失業等給付部分、と負担の型で分類して覚えましょう。
問72-5

社会保険における財政調整の仕組みに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①介護保険の調整交付金は、都道府県が独自の財源で市町村に交付するものである。
  • ②前期高齢者の医療費について、医療保険者の間で負担を調整する仕組みがある。
  • ③国民健康保険は、2018年度以降も市町村が単独で財政運営の責任を負い続けている。
  • ④基礎年金の給付費は、国民年金の第1号被保険者の保険料のみで賄われている。
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正解 ②前期高齢者の医療費について、医療保険者の間で負担を調整する仕組みがある。
解説
65歳から74歳の前期高齢者は、退職などにより国民健康保険に多く加入しています。そのため、国民健康保険だけに高齢者の医療費の負担が偏らないよう、高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて、各医療保険者の前期高齢者の加入割合に応じて費用を調整する仕組みが設けられています。このように、加入者の年齢構成や所得水準の違いから生じる保険者間の負担の偏りを、制度の内側で均す仕組みを財政調整といいます。

他の選択肢が不適切な理由
・調整交付金は都道府県の独自財源:介護保険の調整交付金は、国が負担する部分の一部で、後期高齢者の割合や所得水準の違いによる市町村間の格差を調整するために交付されます。
・国保は市町村が単独で財政運営:2018年度から、都道府県が市町村とともに国民健康保険を行うこととなり、都道府県が財政運営の責任主体となりました(国民健康保険法第3条・第4条第2項)。
・基礎年金は第1号被保険者の保険料のみ:基礎年金の費用は、国民年金の保険料に加え、厚生年金などの各制度からの拠出金と国庫負担で賄われています。

覚え方のポイント
財政調整の代表例は「前期高齢者の財政調整(医療)」「後期高齢者支援金(医療)」「調整交付金(介護・国が交付)」「基礎年金拠出金(年金)」。どれも「制度や地域の間で負担の偏りを均す」という目的でまとめて覚えます。
問82-5

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①同法は女性労働者のみを保護の対象とし、男性への性差別は対象としていない。
  • ②性別以外の事由を要件とする措置による間接差別は、同法の規制の対象外である。
  • ③事業主は、職場の性的な言動で就業環境が害されないよう措置を講じなければならない。
  • ④事業主は、労使協定を結べば、妊娠や出産を理由として労働者を解雇することができる。
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正解 ③事業主は、職場の性的な言動で就業環境が害されないよう措置を講じなければならない。
解説
男女雇用機会均等法第11条は、職場における性的な言動によって労働者が労働条件で不利益を受けたり、就業環境が害されたりすることのないよう、事業主に相談体制の整備などの雇用管理上必要な措置を講じることを義務づけています。いわゆるセクシュアルハラスメントへの対応を、個人間の問題としてではなく、事業主の責任として位置づけたものです。社会保障を学ぶうえでも、働き方や職場環境をめぐる法制度は、生活の安定を支える前提として出題されます。

他の選択肢が不適切な理由
・女性労働者のみが対象:同法は、募集・採用や配置・昇進などについて「性別を理由とする」差別的取扱いを禁止しており(第5条・第6条)、男性に対する差別も対象です。
・間接差別は対象外:性別以外の事由を要件とする措置でも、実質的に一方の性に不利益を与え、合理的な理由がないものは禁止されています(第7条)。
・労使協定を結べば妊娠・出産を理由に解雇できる:婚姻、妊娠、出産などを理由とする解雇その他の不利益な取扱いは禁止されており(第9条)、労使協定によって許されるものではありません。

覚え方のポイント
均等法の柱は「性別による差別の禁止(男女とも)」「間接差別の禁止」「婚姻・妊娠・出産等による不利益取扱いの禁止」「セクハラ・マタハラ防止の措置義務」。「女性のための法律」と思い込むと、男性差別や間接差別の出題でつまずきます。
問92-5

少子高齢化と公的年金の財政方式に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • ①賦課方式の年金は、現役世代の保険料で高齢世代の給付を賄うため人口構成の影響を受けやすい。
  • ②積立方式の年金は、物価の上昇による積立金の価値の目減りの影響を受けにくい方式である。
  • ③日本の公的年金は、将来の給付に必要な財源を全額積み立てる完全な積立方式で運営されている。
  • ④マクロ経済スライドは、現役人口の減少に合わせて保険料率を毎年引き上げていく仕組みである。
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正解 ①賦課方式の年金は、現役世代の保険料で高齢世代の給付を賄うため人口構成の影響を受けやすい。
解説
賦課方式は、その年に必要な年金給付を、その時点の現役世代が納める保険料で賄う財政方式です。物価や賃金の変動に対応しやすいという長所がありますが、支え手である現役世代が減り、受け手である高齢世代が増えると、一人当たりの負担が重くなります。つまり人口構成の変化、とりわけ少子高齢化の影響を強く受けます。日本の公的年金は、賦課方式を基本としながら、積立金を活用して将来の給付に充てる財政運営を行っています。

他の選択肢が不適切な理由
・積立方式は物価上昇の影響を受けにくい:積立方式は、自分たちが積み立てた資金とその運用益で将来の給付を賄うため、インフレが進むと積立金の実質的な価値が目減りしやすいという弱点があります。
・日本は完全な積立方式:日本の公的年金は賦課方式を基本とし、積立金は給付の財源の一部として活用されています。
・マクロ経済スライドは保険料率を毎年引き上げる:2004年の改正で保険料率は上限を固定し(厚生年金は18.3%)、その範囲で給付を賄えるよう、現役人口の減少や平均余命の伸びに応じて年金の給付水準の伸びを調整する仕組みがマクロ経済スライドです。

覚え方のポイント
「賦課方式=インフレに強い・少子高齢化に弱い」「積立方式=少子高齢化に比較的強い・インフレに弱い」と長所短所を表裏で覚えます。2004年改正は「保険料は固定、給付を調整」と方向を押さえましょう。
問102-5

日本の社会保険制度の歴史に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • ①1922年に健康保険法が制定され、被用者を対象とする医療保険が始まった。
  • ②1941年に労働者年金保険法が制定され、のちに厚生年金保険法に改称された。
  • ③介護保険法が2000年に施行され、介護が社会保険の方式で提供されるようになった。
  • ④1958年に国民年金法が制定され、その同じ年のうちに国民皆年金が実現した。
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正解 ④1958年に国民年金法が制定され、その同じ年のうちに国民皆年金が実現した。
解説
国民年金法が制定されたのは1959年で、拠出制の国民年金が全面的に実施されて国民皆年金が実現したのは1961年です。同じ1961年には、1958年に全面改正された国民健康保険法に基づいて、すべての市町村で国民健康保険が実施され、国民皆保険も実現しました。それまで公的な医療保険や年金の外に置かれていた自営業者や農業従事者なども含め、すべての国民がいずれかの制度に加入する仕組みがこの年に整ったのです。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・1922年に健康保険法を制定:日本で最初の社会保険で、工場などで働く労働者を対象に始まりました(施行は1927年)。
・1941年に労働者年金保険法を制定し、のちに改称:1944年に対象を事務職員や女性にも広げて厚生年金保険法に改められました。
・2000年に介護保険法を施行:1997年に制定された介護保険法により、介護を社会全体で支える社会保険制度が始まりました。

覚え方のポイント
「1922年 健康保険法→1938年 国民健康保険法(旧)→1941年 労働者年金保険法→1958年 国保法全面改正・1959年 国民年金法→1961年 皆保険・皆年金」。「1958年は国保、1959年は国民年金、1961年に両方そろって皆保険・皆年金」と3つの年号を区別しましょう。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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