法定後見制度の3つの類型に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
- ①後見は、事理を弁識する能力を欠く常況にある者を対象としている。
- ②保佐は、事理を弁識する能力が著しく不十分な者を対象としている。
- ③保佐開始の審判を本人以外が請求するときは、本人の同意が必要である。
- ④補助は、事理を弁識する能力が不十分な者を対象として設けられた制度である。
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本人以外の者の請求によって開始の審判をするときに本人の同意が必要とされているのは、補助だけです(民法第15条第2項)。補助の対象は判断能力が「不十分」な人で、3類型の中で最も判断能力が保たれているため、本人の自己決定を最大限尊重する仕組みになっています。保佐開始の審判には本人の同意は要件とされていません。ただし、保佐人に代理権を与える審判は、本人以外の請求であれば本人の同意が必要です(同法第876条の4第2項)。一方、保佐人の同意を要する行為を法定の行為以外に広げる審判(同法第13条第2項)には、本人の同意は要件とされていません。
他の選択肢が不適切な理由
※この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。以下は正しい記述です。
・後見は事理を弁識する能力を欠く常況:民法第7条の規定です。判断能力がほとんどない状態が続いている人が対象です。
・保佐は事理を弁識する能力が著しく不十分:民法第11条の規定です。日常の買い物はできても、重要な財産行為は難しい人が対象です。
・補助は事理を弁識する能力が不十分:民法第15条第1項の規定です。重要な財産行為も一人でできるかもしれないが、不安がある人が対象です。
覚え方のポイント
判断能力は「欠く常況(後見)>著しく不十分(保佐)>不十分(補助)」の順に重い、と言葉の強さで並べます。「本人の同意が開始の要件になるのは補助だけ」「保佐・補助の代理権付与は本人の同意が必要」をセットで押さえましょう。なお、2026年6月に公布された民法等の一部を改正する法律により、後見・保佐は補助に一元化されることになっています(公布から2年6か月以内に施行予定。2026年9月現在は未施行のため、現行の3類型で解答します)。