2026年版・1-8

社会学:市民社会と社会問題の一問一答

社会福祉士国家試験「医学・心理学・社会学」から、社会学:市民社会と社会問題に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問11-8

エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen, G.)の福祉レジーム論における、レジームの類型とその典型とされる国の組合せとして、正しいものはどれか。

  • ①自由主義レジーム―スウェーデン
  • ②社会民主主義レジーム―スウェーデン
  • ③保守主義レジーム―アメリカ
  • ④自由主義レジーム―ドイツ
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正解 ②社会民主主義レジーム―スウェーデン
解説
エスピン-アンデルセンは、『福祉資本主義の三つの世界』で、脱商品化や階層化などの指標を用いて、先進国の福祉国家を3つのレジームに分類しました。社会民主主義レジームは、普遍主義的な給付により脱商品化の程度が高く、国家が中心となって平等を推進するもので、スウェーデンなどの北欧諸国が典型とされます。自由主義レジームはアメリカなどのアングロサクソン諸国、保守主義レジームはドイツなどの大陸ヨーロッパ諸国が典型です。

他の選択肢が不適切な理由
・自由主義レジーム―スウェーデン:自由主義レジームの典型はアメリカなどで、市場の役割が大きく、国家の給付は選別主義的で脱商品化の程度が低いのが特徴です。
・保守主義レジーム―アメリカ:保守主義レジームの典型はドイツなどで、職業別の社会保険が中心となり、家族の役割も重視されます。
・自由主義レジーム―ドイツ:ドイツは保守主義レジームの典型とされます。

覚え方のポイント
「自由主義=アメリカ(市場)」「保守主義=ドイツ(職域の社会保険と家族)」「社会民主主義=スウェーデン(国家・普遍主義)」と、国と中心となる担い手をセットで覚えます。後に家族の役割を測る「脱家族化」の指標も加えられました。
問21-8

エスピン-アンデルセンが福祉国家の類型化に用いた指標のうち、人々が労働市場に依存しなくても一定の生活水準を維持できる程度を表すものはどれか。

  • ①階層化
  • ②脱家族化
  • ③市場化
  • ④脱商品化
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正解 ④脱商品化
解説
資本主義社会では、人々は自分の労働力を「商品」として市場で売り、賃金を得て生活します。脱商品化は、病気、失業、老齢などで働けなくなったときにも、社会保障の給付などによって、市場に依存せずに一定の生活水準を維持できる程度を表す指標です。脱商品化の程度が高いほど、働けない状態になっても生活が守られることになります。エスピン-アンデルセンは、この程度が最も高いのが社会民主主義レジーム、最も低いのが自由主義レジームであるとしました。

他の選択肢が不適切な理由
・階層化:社会保障の制度が、職業や所得による社会の階層的な区分を維持・強化するのか、それとも平等を促進するのかを表す指標です。
・脱家族化:ケアの責任などが家族からどの程度解放されているかを表す指標で、フェミニストからの批判を受けて後に重視されるようになりました。
・市場化:福祉の類型化の指標として用いられた概念ではありません。

覚え方のポイント
「脱商品化=働かなくても暮らせる度合い」「脱家族化=家族に頼らなくても暮らせる度合い」と、何から自由になるのかで区別して覚えます。
問31-8

逸脱は行為そのものの性質によって決まるのではなく、周囲の人々が規則を適用して「逸脱者」というレッテルを貼ることによって生み出されるとするラベリング理論を展開した人物として、正しいものはどれか。

  • ①ベッカー
  • ②マートン
  • ③デュルケム
  • ④ハーシ
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正解 ①ベッカー
解説
ベッカー(Becker, H.)は『アウトサイダーズ』で、社会の集団が規則をつくり、それを特定の人々に適用して「アウトサイダー」のレッテルを貼ることによって逸脱が生み出されると論じました。レッテルを貼られた人は、周囲からそのように扱われることで、さらに逸脱的な生き方へと追いやられていくことがあります。この視点は、非行や犯罪をした人、精神障害のある人などへの偏見が、本人の社会復帰を妨げる仕組みを理解するうえで重要です。

他の選択肢が不適切な理由
・マートン(Merton, R.):社会が掲げる文化的な目標と、それを達成するための制度的な手段との間のずれ(アノミー)から逸脱を説明する理論(緊張理論)を示しました。
・デュルケム(Durkheim, É.):犯罪を社会にとって正常な現象と捉え、社会の規範が崩れた状態をアノミーと呼びました。
・ハーシ(Hirschi, T.):人はなぜ逸脱しないのかを問い、家族や学校などとの社会的な絆が逸脱を抑えるとする社会的絆理論(社会統制理論)を示しました。

覚え方のポイント
逸脱の理論は「ベッカー=ラベリング(貼られる側)」「マートン=アノミー(目標と手段のずれ)」「ハーシ=社会的絆(なぜ逸脱しないか)」と、それぞれの問いの立て方で区別して覚えます。刑事司法と福祉の科目にもつながります。
問41-8

社会的排除と社会的包摂に関する記述として、適切でないものはどれか。

  • ①社会的排除はヨーロッパの政策で重視されてきた
  • ②社会的排除は複数の不利が重なる過程に着目する
  • ③社会的排除は経済的な所得の不足だけに着目する
  • ④社会的包摂は排除された人を社会の一員に迎える
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正解 ③社会的排除は経済的な所得の不足だけに着目する
解説
社会的排除は、失業、低所得、住まいの喪失、教育や医療を受けられないこと、人間関係の途絶などの不利が重なり合い、人が社会の中での参加や役割、つながりから締め出されていく状態や過程を指す概念です。所得の不足という経済的な側面だけでなく、社会参加や人間関係の欠如まで含めて捉える点に特徴があるため、「経済的な所得の不足だけに着目する」という記述は適切ではありません。また、その原因を個人の努力不足ではなく、制度や社会の構造との関係の中で捉えます。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は適切でないものを選ぶ問題なので、以下は適切な記述です。
・ヨーロッパの政策で重視:社会的排除は1970年代のフランスで用いられ始め、1980年代以降、長期失業や移民の問題を背景に、EUなどヨーロッパの社会政策の重要な概念となりました。
・不利が重なる過程:一時点の状態だけでなく、不利が重なって排除が進んでいく動的な過程に着目します。
・社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン):排除された人々を社会の一員として受け入れ、支え合う社会を目指す考え方です。日本でも、2000年の厚生省の検討会(社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会)の報告書で取り上げられました。

覚え方のポイント
「貧困=お金が足りない」に対し、「社会的排除=お金・仕事・住まい・つながりなど複数の不利が重なり社会から締め出される」と、範囲の広さで区別して覚えます。原因を個人ではなく社会の仕組みとの関係に求める点もあわせて押さえましょう。
問51-8

社会問題は客観的な状態そのものではなく、人々がある状態を問題だと主張する「クレイム申し立て活動」によって構築されるとする構築主義の立場を示した人物として、正しいものはどれか。

  • ①ベッカー
  • ②マートン
  • ③ゴッフマン
  • ④スペクターとキツセ
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正解 ④スペクターとキツセ
解説
スペクター(Spector, M.)とキツセ(Kitsuse, J.)は『社会問題の構築』で、社会問題を「ある状態が存在し、それが問題である」と主張し、その解決を求める人々の活動(クレイム申し立て活動)の過程として捉える構築主義の立場を示しました。この立場からは、同じ状態でも、誰かが声を上げ、その主張が社会に受け入れられることで初めて「社会問題」になると考えます。児童虐待やヤングケアラーなどが、ある時期から社会問題として認識されるようになった過程を理解する枠組みとして用いられます。

他の選択肢が不適切な理由
・ベッカー:レッテルを貼ることで逸脱が生み出されるとするラベリング理論を展開しました。構築主義にも影響を与えましたが、社会問題の構築主義の提唱者ではありません。
・マートン:官僚制の逆機能、準拠集団、アノミー論などで知られます。
・ゴッフマン:スティグマ、全制的施設、ドラマツルギーなどの概念で知られます。

覚え方のポイント
「構築主義=スペクターとキツセ=クレイム申し立て」と3点セットで覚えます。ソーシャルワーカーが当事者とともに声を上げ、見過ごされていた問題を社会に訴えるソーシャルアクションは、この視点から見ればクレイム申し立て活動の一つです。
問61-8

その社会で当たり前とされている生活様式や慣習、活動に参加するために必要な資源を欠いている状態を「相対的剥奪」として捉え、貧困を相対的なものとして把握することを提唱した人物として、正しいものはどれか。

  • ①ラウントリー
  • ②タウンゼント
  • ③ブース
  • ④ベヴァリッジ
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正解 ②タウンゼント
解説
タウンゼント(Townsend, P.)は、貧困を生存に必要な最低限の栄養などの不足としてだけ捉えるのではなく、その社会で普通とされる食事、住まい、交際、行事などに参加するための資源を欠いている状態(相対的剥奪)として捉えることを提唱しました。この考え方により、豊かな社会においても貧困が存在することが明らかにされ、貧困の再発見につながりました。現在の相対的貧困率(等価可処分所得の中央値の半分に満たない世帯員の割合)の考え方も、貧困を社会の水準との比較で捉えるという点でこの流れの中にあります。

他の選択肢が不適切な理由
・ラウントリー(Rowntree, B.):ヨーク市の調査で、肉体的な能率を維持するために必要な最低限の生活費を基準に貧困を測る絶対的貧困の考え方を示しました。
・ブース(Booth, C.):ロンドン市の調査で、住民の約3割が貧困状態にあることを明らかにしました。
・ベヴァリッジ(Beveridge, W.):1942年のベヴァリッジ報告で、窮乏などの「五つの巨悪」を示し、社会保険を中心とするイギリスの戦後の社会保障の設計図を描きました。

覚え方のポイント
貧困調査は「ブース(ロンドン)→ラウントリー(ヨーク・絶対的貧困)→タウンゼント(相対的剥奪)」の順で覚えます。社会福祉の原理や貧困に対する支援の科目でも繰り返し出題されます。
問71-8

ゴッフマン(Goffman, E.)が論じた、社会の中で好ましくないとされる属性を持つことによって、その人の社会的な信用や価値が損なわれ、ほかの人とは異なる存在として扱われることを表す概念として、最も適切なものはどれか。

  • ①スティグマ
  • ②アノミー
  • ③ルサンチマン
  • ④カリスマ
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正解 ①スティグマ
解説
スティグマは、もともと古代ギリシャで奴隷や犯罪者の体に付けられた「しるし」を意味する言葉です。ゴッフマンは『スティグマの社会学』で、身体の障害、病歴、人種、前科など、社会の中で好ましくないとされる属性によって、その人が「普通の人」とは異なる、信用を損なわれた存在として扱われる過程を分析しました。福祉の分野では、生活保護の受給などに対するスティグマが、必要な支援を求めることをためらわせる原因になることが指摘されています。

他の選択肢が不適切な理由
・アノミー:社会の規範が弛緩・崩壊した状態を指す概念で、デュルケムやマートンが用いました。
・ルサンチマン:弱い立場にある者が強者に対して抱く、恨みや妬みの感情を指す言葉で、ニーチェなどが論じました。
・カリスマ:ウェーバーが示した支配の3類型の一つで、指導者の非日常的な資質に対する人々の帰依に基づく支配を指します。

覚え方のポイント
「スティグマ=恥や烙印のしるし=ゴッフマン」と覚えます。スティグマは、制度を利用する権利があっても利用を妨げる要因(申請をためらわせる)として、社会福祉の原理や貧困の科目でも問われます。
問81-8

社会運動の発生や展開を、人々の不満の強さそのものよりも、運動が利用できる資金・人材・組織・ネットワークなどの資源をどれだけ動員できるかによって説明する理論として、最も適切なものはどれか。

  • ①集合行動論
  • ②新しい社会運動論
  • ③資源動員論
  • ④構築主義
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正解 ③資源動員論
解説
資源動員論は、1970年代のアメリカで発展した社会運動の理論で、社会に不満はいつでも存在するため、運動が起こるかどうかは不満の強さよりも、運動の担い手が資金、人材、組織、情報、ネットワークなどの資源をどれだけ動員できるかにかかっていると考えます。社会運動を、非合理的な群衆の行動ではなく、目的を持った合理的な組織的活動として捉える点に特徴があります。当事者団体や市民活動が制度の改善を実現していく過程を理解する視点としても用いられます。

他の選択肢が不適切な理由
・集合行動論:社会運動を、社会の緊張や不満から生じるパニックや暴動などと同じ、群衆の非日常的な集合行動の一種として説明する理論です。
・新しい社会運動論:1960年代以降の環境、女性、平和、反原発などの運動を、階級や経済的利益ではなく、アイデンティティや生活の質をめぐる運動として捉える理論で、トゥレーヌ(Touraine, A.)やメルッチ(Melucci, A.)などが論じました。
・構築主義:社会問題をクレイム申し立て活動の過程として捉える立場です。

覚え方のポイント
「集合行動論=不満と群衆」「資源動員論=資源と組織(合理的)」「新しい社会運動論=アイデンティティと生活の質」と、何に注目して運動を説明するかで区別して覚えます。
問91-8

性の多様性に関する用語についての記述として、適切でないものはどれか。

  • ①性的指向は恋愛や性愛の対象がどの性に向くかを指す
  • ②LGBTのTは、性的指向の一つを表す言葉である
  • ③性自認は自分の性をどのように認識しているかを指す
  • ④SOGIは性的指向と性自認を表し誰にでも関わる
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正解 ②LGBTのTは、性的指向の一つを表す言葉である
解説
LGBTのTはトランスジェンダーを表し、生まれたときに割り当てられた性別と、自分が認識している性(性自認)が異なる人を指します。これは性自認に関わる言葉であり、性的指向(どの性を好きになるか)の一つではありません。これに対して、L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシュアル)は性的指向に関わる言葉です。したがってこの記述は適切ではありません。性の多様性を正しく理解することは、性的少数者(マイノリティ)への差別や偏見に気づき、相談の場面で適切に対応するための前提になります。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は適切でないものを選ぶ問題なので、以下は適切な記述です。
・性的指向:恋愛や性愛の感情がどの性に向くか、あるいは向かないかを指します。
・性自認:自分の性別をどのように認識しているかという、自分自身の性のあり方を指します。
・SOGI:性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字をとった言葉です。性的少数者だけでなく、すべての人がそれぞれの性的指向と性自認を持っているという考え方に立ちます。

覚え方のポイント
「LGB=好きになる性(性的指向)」「T=自分が認識する性(性自認)」と分けて覚えます。「SOGI=全ての人に関わる」という視点は、多様性の尊重を掲げるソーシャルワークの倫理にも通じます。
問101-8

市民が対等な立場で自由に議論し、そこから世論が形成されていく場を「公共圏」として論じ、近代の市民社会におけるその成立と変容を分析した人物として、正しいものはどれか。

  • ①ルーマン
  • ②パーソンズ
  • ③ウェーバー
  • ④ハーバーマス
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正解 ④ハーバーマス
解説
ハーバーマス(Habermas, J.)は『公共性の構造転換』で、18世紀のヨーロッパで、コーヒーハウスやサロン、新聞などを舞台に、市民が身分に関係なく対等な立場で議論し、世論を形成する「公共圏」が成立した過程を描きました。そのうえで、マスメディアの商業化などによって、公共圏が本来の批判的な機能を失っていく変容を論じました。また、互いの理解を目指す対話(コミュニケーション的行為)を重視しました。住民どうしが地域の課題を話し合い、合意を形成していく地域福祉の協議の場を考える際にも参考になる考え方です。

他の選択肢が不適切な理由
・ルーマン(Luhmann, N.):社会を、コミュニケーションが次のコミュニケーションを生み出していくシステムとして捉える社会システム理論を展開しました。
・パーソンズ(Parsons, T.):構造機能主義の立場から、AGIL図式などの社会システム論を展開しました。
・ウェーバー(Weber, M.):理解社会学を提唱し、官僚制、支配の3類型、社会的行為の4類型などを論じました。

覚え方のポイント
「ハーバーマス=公共圏・コミュニケーション的行為」と覚えます。出題基準の「市民社会と公共性」「公共空間」の項目に対応する人物です。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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