2026年版・1-7

社会学:社会構造と社会変動の一問一答

社会福祉士国家試験「医学・心理学・社会学」から、社会学:社会構造と社会変動に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする形式ですが、ここでは4択で出題しています。

問11-7

規則を守ること自体が目的化してしまう「目標の転移」など、官僚制がもたらす逆機能を指摘した人物として、正しいものはどれか。

  • ①マートン
  • ②ウェーバー
  • ③デュルケム
  • ④テンニース
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正解 ①マートン
解説
マートン(Merton, R.)は、官僚制が本来の目的を果たすために定めた規則や手続きが、それを守ること自体が目的となってしまう「目標の転移」を起こし、融通の利かない形式主義や、前例のない事態への対応の遅れを生むことを、官僚制の逆機能として指摘しました。福祉の現場でも、「規則だから」と利用者一人ひとりの事情に合わせた対応ができなくなる状態は、この逆機能の典型例です。

他の選択肢が不適切な理由
・ウェーバー(Weber, M.):官僚制を、規則に基づく職務の遂行、階層的な権限の構造、文書による事務処理、専門的な訓練を受けた職員などを特徴とする、最も合理的で効率的な組織の形態として理論化しました。逆機能を指摘した人物ではありません。
・デュルケム(Durkheim, É.):社会を個人の外にあって個人を拘束する「社会的事実」として研究する方法を示し、『自殺論』などを著しました。
・テンニース(Tönnies, F.):社会の結びつきを、自然な愛情に基づくゲマインシャフトと、利害に基づくゲゼルシャフトに区別しました。

覚え方のポイント
「ウェーバー=官僚制の理論化(合理性)」「マートン=官僚制の逆機能(目標の転移)」とセットで覚えます。マートンは準拠集団、予言の自己成就、アノミー論(緊張理論)でも知られ、試験に何度も登場する人物です。
問21-7

刑務所や精神科病院などのように、多数の人が外部の社会から隔離され、一つの権威のもとで日常生活のすべてを管理される施設を「全制的施設(トータル・インスティテューション)」と呼び、その中での人々の姿を描いた人物として、正しいものはどれか。

  • ①パーソンズ
  • ②ジンメル
  • ③ゴッフマン
  • ④クーリー
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正解 ③ゴッフマン
解説
ゴッフマン(Goffman, E.)は『アサイラム』で、精神科病院での参与観察をもとに、全制的施設では入所者が外部の社会で持っていた役割やアイデンティティを剥奪され、施設の規則に適応した存在へと作り変えられていく過程を描きました。この研究は、大規模な施設への収容を見直し、地域での生活を目指す脱施設化やノーマライゼーションの流れに大きな影響を与えました。福祉施設で、利用者の生活を規則で一律に管理してしまう危険を考える際にも重要な視点です。

他の選択肢が不適切な理由
・パーソンズ(Parsons, T.):社会システム論を展開し、AGIL図式や、病人が社会的に期待される役割を示した「病人役割」の概念で知られます。
・ジンメル(Simmel, G.):人と人との相互作用の形式(闘争、支配など)を研究する形式社会学を提唱しました。
・クーリー(Cooley, C.):「鏡に映った自己」や「第一次集団」の概念を示しました。

覚え方のポイント
ゴッフマンは「全制的施設(アサイラム)」「スティグマ」「ドラマツルギー(印象操作)」の3つの概念で覚えます。いずれも福祉の対象となる人々の経験を理解するうえで欠かせない概念です。
問31-7

社会集団に関する記述として、適切でないものはどれか。

  • ①クーリーは家族などを第一次集団と呼んだ
  • ②テンニースは結合の性質で社会を二つに分けた
  • ③準拠集団は自分の判断や評価の基準となる
  • ④第二次集団は対面的で親密な結びつきを持つ
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正解 ④第二次集団は対面的で親密な結びつきを持つ
解説
対面的で親密な結びつきを特徴とするのは、第一次集団です。第二次集団は、企業、学校、政党、行政組織のように、特定の目的や利害のために意図的につくられ、成員どうしの関係が間接的で、役割に基づく部分的なものになる集団を指します。したがってこの記述は適切ではありません。現代社会では、家族や近隣といった第一次集団の機能が弱まり、第二次集団の比重が高まっていることが、孤立の問題の背景としても論じられています。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は適切でないものを選ぶ問題なので、以下は適切な記述です。
・クーリー:家族、遊び仲間、近隣のように、対面的で親密な結びつきを持ち、人の社会性や理想の形成の基盤となる集団を第一次集団と呼びました。
・テンニース:本質意志に基づく自然な結びつきのゲマインシャフト(家族・村落など)と、選択意志に基づく利害の結びつきのゲゼルシャフト(都市・企業など)を区別しました。
・準拠集団:自分が実際に所属しているかどうかにかかわらず、自分の態度や判断の基準となる集団です。

覚え方のポイント
「第一次集団=顔の見える親密な関係(クーリー)」「第二次集団=目的のための関係」「ゲマインシャフト=共同体」「ゲゼルシャフト=利益社会」と対で覚えましょう。
問41-7

人口転換理論が示す、社会の近代化に伴う人口動態の一般的な変化の順序として、正しいものはどれか。

  • ①多産多死→少産多死→少産少死
  • ②多産多死→多産少死→少産少死
  • ③少産少死→多産少死→多産多死
  • ④多産少死→多産多死→少産少死
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正解 ②多産多死→多産少死→少産少死
解説
人口転換理論は、社会の近代化に伴って、出生率と死亡率がともに高い「多産多死」の段階から、医療や衛生、栄養の改善によってまず死亡率が低下する「多産少死」の段階を経て、やがて出生率も低下する「少産少死」の段階へ移行すると説明します。多産少死の段階では出生数が死亡数を大きく上回るため、人口が急増します。日本も明治期以降にこの過程をたどり、現在は少産少死のもとで、少子高齢化と人口減少が進んでいます。

他の選択肢が不適切な理由
・多産多死→少産多死→少産少死:近代化の過程では、一般に死亡率が先に低下し、出生率の低下はその後に続きます。出生率だけが先に下がる「少産多死」を経るのは一般的な順序ではありません。
・少産少死から始まる:近代化の出発点は多産多死であり、順序が逆です。
・多産少死から始まる:多産多死の段階を経ずに始まっており、また多産多死へ戻る順序も誤りです。

覚え方のポイント
「まず死亡率が下がり、遅れて出生率が下がる」という時間差が、人口急増と、その後の高齢化の原因になると理解しておきましょう。社会保障の科目で扱う少子高齢化の背景となる知識です。
問51-7

『孤独なボウリング』において、地域の団体活動への参加の減少などを手がかりに、アメリカ社会のソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の衰退を論じた人物として、正しいものはどれか。

  • ①ギデンズ
  • ②ベック
  • ③パットナム
  • ④ウェルマン
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正解 ③パットナム
解説
パットナム(Putnam, R.)は、ソーシャル・キャピタルを、人々の協調行動を促して社会の効率性を高める「信頼」「互酬性の規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴として捉えました。『孤独なボウリング』では、ボウリングをする人は増えているのに、仲間とリーグで競技する人は減っていることなどを象徴的に取り上げ、市民どうしのつながりの衰退を論じました。地域福祉の分野では、住民どうしの支え合いを育むことがソーシャル・キャピタルを高めることにつながると考えられています。

他の選択肢が不適切な理由
・ギデンズ(Giddens, A.):近代が自らを振り返り修正し続ける「再帰的近代化」や、福祉国家改革の「第三の道」を論じました。
・ベック(Beck, U.):近代化がもたらした危険が社会の中心的な問題となる「リスク社会」を論じました。
・ウェルマン(Wellman, B.):都市でもコミュニティは失われず、空間を越えたネットワークとして存在するという「コミュニティ解放論」を示しました。

覚え方のポイント
ソーシャル・キャピタルは「信頼・規範・ネットワーク(パットナム)」と覚えます。似た意味を持つ集団内の結束を強める「結束型」と、異なる集団をつなぐ「橋渡し型」の区別もよく問われます。
問61-7

65歳以上の人口が総人口に占める割合(高齢化率)が21%を超えた社会を指して、一般に用いられる呼び方として、最も適切なものはどれか。

  • ①超高齢社会
  • ②高齢化社会
  • ③高齢社会
  • ④人口減少社会
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正解 ①超高齢社会
解説
高齢化率によって社会を呼び分ける場合、一般に、7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」、21%を超えた社会を「超高齢社会」と呼びます。日本は1970年に高齢化社会、1994年に高齢社会、2007年に超高齢社会となりました。これらは法令で定められた定義ではなく、一般に用いられている呼び分けです。高齢化率が7%から14%に達するまでの年数(倍加年数)が、欧米諸国に比べて短かったことが日本の高齢化の特徴で、社会保障制度の整備が急がれた背景になっています。

他の選択肢が不適切な理由
・高齢化社会:高齢化率が7%を超え、高齢化が進みつつある段階の社会を指します。
・高齢社会:高齢化率が14%を超えた社会を指します。
・人口減少社会:出生数が死亡数を下回るなどして総人口が継続的に減少している社会を指し、高齢化率の基準で呼び分けるものではありません。

覚え方のポイント
「7・14・21」の数字と、「化」が付くのは一番早い段階(高齢化社会)だけ、と覚えます。日本が各段階に達した年(1970年・1994年・2007年)もあわせて押さえると、社会保障の歴史の問題にも対応できます。
問71-7

近代化の進展そのものが生み出した環境破壊や原子力事故などの危険が、社会の中心的な問題となっていく社会を「リスク社会」と呼んだ人物として、正しいものはどれか。

  • ①マルクス
  • ②ベック
  • ③パーソンズ
  • ④テンニース
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正解 ②ベック
解説
ベック(Beck, U.)は、1986年に著した『危険社会(リスク社会)』で、産業社会が豊かさの分配を中心的な課題としていたのに対し、近代化が進んだ社会では、科学技術や産業化そのものが生み出した危険(リスク)の分配が中心的な課題になると論じました。こうしたリスクは国境や階層を越えて広がり、目に見えにくいという特徴を持ちます。ベックはまた、伝統や家族の結びつきから解放された個人が、自分の人生を自分で選び取らなければならなくなる「個人化」も論じ、これらを「第二の近代」の特徴としました。

他の選択肢が不適切な理由
・マルクス(Marx, K.):資本家と労働者の階級対立を軸に、資本主義社会の構造と変動を分析しました。
・パーソンズ(Parsons, T.):社会を相互に関連する部分からなるシステムとして捉える構造機能主義を展開しました。
・テンニース(Tönnies, F.):ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへの移行として社会の変動を捉えました。

覚え方のポイント
「ベック=リスク社会・個人化・第二の近代」と覚えます。出題基準にも「第2の近代」が挙げられており、災害や感染症、気候変動など現代の社会問題を考える枠組みとして出題されます。
問81-7

ウェーバー(Weber, M.)が示した社会的行為の4類型として、適切でないものはどれか。

  • ①目的合理的行為
  • ②価値合理的行為
  • ③伝統的行為
  • ④機能的行為
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正解 ④機能的行為
解説
ウェーバーは、人の行為が他者の行動と関連づけられ、それによって方向づけられているものを社会的行為とし、その動機に着目して、目的合理的行為、価値合理的行為、感情的行為、伝統的行為の4つに分類しました。「機能的行為」はこの4類型に含まれません。ウェーバーは、行為者自身がその行為にこめた意味を理解することを通じて社会を説明しようとし、その立場は理解社会学と呼ばれます。

他の選択肢が不適切な理由
※この問題は適切でないものを選ぶ問題なので、以下は4類型に含まれるものです。
・目的合理的行為:目的を達成するために、手段や結果を計算して行う行為です。
・価値合理的行為:結果にかかわらず、倫理的・宗教的な価値そのものを信じて行う行為です。
・伝統的行為:身についた習慣や慣習に従って行う行為です。
このほか、その場の感情や気分によって行う感情的行為があります。

覚え方のポイント
4類型は「目的・価値・感情・伝統」の4語で覚えます。ウェーバーは官僚制、支配の3類型(合法的・伝統的・カリスマ的)、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』でも頻出の人物です。
問91-7

デュルケム(Durkheim, É.)が『自殺論』で示した自殺の類型のうち、社会の規範が弛緩・崩壊し、人々の欲望が際限なく膨らむことによって生じるとされるものはどれか。

  • ①自己本位的自殺
  • ②集団本位的自殺
  • ③アノミー的自殺
  • ④宿命的自殺
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正解 ③アノミー的自殺
解説
デュルケムは、自殺という個人的に見える行為が、社会の統合や規制の強さによって左右される社会的な現象であることを、統計を用いて示しました。アノミー的自殺は、急激な経済の変動などによって社会の規範が弛緩・崩壊し(アノミー)、欲望が際限なく膨らんで満たされないことから生じるとされます。好景気のときにも自殺が増えることがあるのは、このためだと説明されました。

他の選択肢が不適切な理由
・自己本位的自殺:個人と集団との結びつき(社会の統合)が弱まり、個人が孤立することで生じる自殺です。
・集団本位的自殺:社会の統合が強すぎて、個人が集団のために自らの命を犠牲にするような自殺です。
・宿命的自殺:社会の規制が強すぎて、将来への希望が閉ざされることで生じる自殺です。

覚え方のポイント
4類型は「統合」と「規制」の2つの軸の強弱で整理します。統合が弱い=自己本位的、統合が強い=集団本位的、規制が弱い=アノミー的、規制が強い=宿命的です。自殺を社会の問題として捉える視点は、自殺対策基本法の考え方にも通じます。
問101-7

パーソンズ(Parsons, T.)が、社会システムが存続するために満たされなければならない機能要件として示したAGIL図式のうち、「G」が表す機能はどれか。

  • ①目標達成
  • ②適応
  • ③統合
  • ④潜在的パターン維持
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正解 ①目標達成
解説
パーソンズは、社会システムが存続するためには、A(Adaptation:適応)、G(Goal attainment:目標達成)、I(Integration:統合)、L(Latent pattern maintenance:潜在的パターン維持・緊張処理)の4つの機能が満たされる必要があると考えました。Gは、システムの目標を設定し、その達成のために資源を動員する機能で、社会全体では主に政治がこの機能を担うとされます。社会を相互に関連し合う部分からなる一つのシステムとして捉えるこの考え方は、構造機能主義と呼ばれます。

他の選択肢が不適切な理由
・適応:A(Adaptation)に当たり、環境から資源を獲得してシステムに配分する機能です。社会全体では主に経済が担います。
・統合:I(Integration)に当たり、システムを構成する各部分の関係を調整し、まとまりを保つ機能です。法や社会規範などが担います。
・潜在的パターン維持:L(Latent pattern maintenance)に当たり、価値や規範を次の世代に伝え、成員の緊張を処理する機能です。家族や教育などが担います。

覚え方のポイント
「A=適応=経済」「G=目標達成=政治」「I=統合=法・規範」「L=パターン維持=家族・教育」と、英語の頭文字・日本語・担い手をセットで覚えます。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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