2026年10月版・7-8

成年後見制度と日常生活自立支援事業の一問一答

精神保健福祉士国家試験「共通:原理と政策・社会保障・権利擁護」から、成年後見制度と日常生活自立支援事業に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は五肢択一を基本とする多肢選択形式で、5つの選択肢から2つを選ぶ問題もあります。ここでは全て4択(正解は1つ)で出題し、2つを選ぶ問題は記述a〜dの組合せを選ぶ形で再現しています。

問17-8

民法の法定後見制度における3つの類型と、本人の判断能力の程度の組合せとして、正しいものはどれか。

  • ①後見:事理を弁識する能力が著しく不十分、保佐:不十分、補助:欠く常況
  • ②後見:事理を弁識する能力が不十分、保佐:著しく不十分、補助:欠く常況
  • ③後見:事理を弁識する能力を欠く常況、保佐:著しく不十分、補助:不十分
  • ④後見・保佐・補助の区別はなく、判断能力の程度にかかわらず同じ制度である
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正解 ③後見:事理を弁識する能力を欠く常況、保佐:著しく不十分、補助:不十分
解説
民法の法定後見制度は、本人の判断能力(事理を弁識する能力)の程度に応じて、次の3つの類型があります。
後見:精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人(第7条)。
保佐:事理を弁識する能力が著しく不十分な人(第11条)。
補助:事理を弁識する能力が不十分な人(第15条)。補助開始の審判には本人の同意が必要です。
なお、2026年6月に公布された民法等の一部を改正する法律により、後見・保佐は補助に一元化されることになっています(2026年10月現在は未施行のため、現行の3類型で解答します)。

他の選択肢が誤りの理由
・残りの2つ:判断能力の程度と類型の組合せが誤っています。
・区別はない:現行法では3つの類型があります。

覚え方のポイント
判断能力は「欠く常況(後見)>著しく不十分(保佐)>不十分(補助)」の順に重い。
問27-8

Aさん(70歳)の長男は、Aさんの判断能力の低下を心配し、補助開始の審判の申立てを考えている。補助開始の審判について、正しいものはどれか。

  • ①本人以外の者の請求で補助開始の審判をするには、配偶者の同意がなければならない
  • ②本人以外の者の請求で補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない
  • ③補助開始の審判は、市町村長が請求すれば、本人の同意がなくても行うことができる
  • ④補助人への代理権の付与は、本人の同意がなくても、家庭裁判所が審判で行える
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正解 ②本人以外の者の請求で補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない
解説
民法第15条第2項は、本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならないと定めています。補助の対象となる人は、判断能力が「不十分」であるものの一定の判断能力が残っているため、本人の意思を尊重する趣旨です。
補助人には、家庭裁判所が審判で定めた特定の法律行為についてのみ、同意権や代理権が与えられます(同意権・代理権の付与にも本人の同意が必要です)。

他の選択肢が誤りの理由
・配偶者の同意が必要:要件とされているのは本人の同意です。
・市町村長が請求すれば本人の同意なく開始できる:市町村長が請求する場合も本人以外の者の請求に当たるため、本人の同意が必要です。
・本人の同意なく代理権を付与できる:本人以外の者の請求で補助人に代理権を付与する審判をするにも、本人の同意が必要です(第876条の9第2項)。補助人の代理権は、審判で定めた特定の法律行為に限られます。

覚え方のポイント
本人の同意が開始の要件になるのは「補助だけ」。保佐・補助の代理権の付与にも本人の同意が必要。
問37-8

成年後見人が、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物や敷地を売却する場合に必要なものとして、正しいものはどれか。

  • ①家庭裁判所の許可
  • ②市町村長の許可
  • ③社会福祉協議会の承認
  • ④成年被後見人の親族全員の同意
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正解 ①家庭裁判所の許可
解説
民法第859条の3は、成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除、抵当権の設定などの処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならないと定めています。
住まいは本人の生活の基盤であり、その処分が本人の心身や生活に大きな影響を与えるため、家庭裁判所が慎重に判断する仕組みです。保佐人・補助人が代理権に基づいて行う場合も準用されます。

他の選択肢が誤りの理由
・市町村長の許可、社会福祉協議会の承認、親族全員の同意:いずれも民法で求められているものではありません。

覚え方のポイント
居住用不動産の処分=「家庭裁判所の許可」(第859条の3)。
問47-8

判断能力に不安を感じ始めたAさん(70歳)は、将来に備えて、信頼できる人に財産の管理を頼んでおきたいと考えている。任意後見制度について、正しいものはどれか。

  • ①判断能力のあるうちに公正証書で契約し、任意後見人には本人の行為の取消権が与えられる
  • ②本人の判断能力が不十分になってから、家庭裁判所が任意後見人を職権で選任する制度である
  • ③判断能力のあるうちに私的な書面で契約し、契約を結んだときから直ちに効力が生じる
  • ④判断能力のあるうちに公正証書で契約し、任意後見監督人が選任されたときから効力が生じる
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正解 ④判断能力のあるうちに公正証書で契約し、任意後見監督人が選任されたときから効力が生じる
解説
任意後見制度は、任意後見契約に関する法律に基づき、本人が十分な判断能力のあるうちに、将来判断能力が不十分になったときに備えて、任意後見人となる人と、代理してもらう事務の内容を、公正証書による契約(任意後見契約)で決めておく制度です。
本人の判断能力が不十分になったときに、本人や配偶者、四親等内の親族、任意後見受任者などの請求により家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、そのときから契約の効力が生じます。任意後見人には代理権が与えられますが、本人の行為の取消権はありません。

他の選択肢が誤りの理由
・家庭裁判所が職権で任意後見人を選任:任意後見人は本人が契約で選びます(家庭裁判所が選任するのは任意後見監督人です)。
・私的な書面で直ちに効力:任意後見契約は公正証書によることが必要で、効力が生じるのは任意後見監督人が選任されたときです。
・任意後見人に取消権:任意後見人には代理権が与えられますが、本人の行為の取消権はありません。

覚え方のポイント
任意後見=「元気なうちに」「公正証書」「任意後見監督人の選任で発効」「取消権なし」。
問57-8

成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づき、市町村がその整備に努めることとされている、地域の権利擁護支援の中核となる機関を一般に何というか。

  • ①精神保健福祉センター
  • ②基幹相談支援センター
  • ③地域包括支援センター
  • ④中核機関
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正解 ④中核機関
解説
成年後見制度の利用の促進に関する法律(2016年)に基づく成年後見制度利用促進基本計画では、地域で権利擁護支援が必要な人を早期に発見し、適切な支援につなげるための地域連携ネットワークを整備し、その中で、広報、相談、制度の利用の促進、後見人への支援などを担う「中核機関」を市町村が整備することが求められています。
中核機関は、市町村が直営で、又は社会福祉協議会などへの委託で設置されています。

他の選択肢が誤りの理由
・基幹相談支援センター:障害者総合支援法に基づく、地域の相談支援の中核となる機関です(権利擁護の業務も担いますが、成年後見制度利用促進法の中核機関とは別の位置づけです)。
・地域包括支援センター:介護保険法に基づく高齢者の総合相談などを行う機関です。
・精神保健福祉センター:精神保健福祉法に基づく都道府県の機関です。

覚え方のポイント
成年後見制度利用促進=「地域連携ネットワーク」「中核機関(市町村)」「協議会」。
問67-8

統合失調症のAさん(60歳)の成年後見人に、司法書士のCさんが選任された。成年後見人の職務について、正しいものはどれか。

  • ①成年被後見人の結婚や離婚、養子縁組などの身分行為を、代わって行うことができる
  • ②成年被後見人の身の回りの介護や家事を、成年後見人自身が直接行う義務を負う
  • ③成年被後見人の財産を管理し、その意思を尊重して心身の状態や生活の状況に配慮する
  • ④成年被後見人が行ったすべての行為は、日用品の購入であっても取り消すことができる
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正解 ③成年被後見人の財産を管理し、その意思を尊重して心身の状態や生活の状況に配慮する
解説
成年後見人は、成年被後見人の財産を管理し、財産に関する法律行為について代理する権限を持ちます。民法第858条は、成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならないと定めています(身上配慮義務)。
成年後見人の職務は、介護などの事実行為ではなく、介護サービスの契約などの法律行為が中心です。

他の選択肢が誤りの理由
・介護や家事を自ら直接行う義務:成年後見人の職務は法律行為が中心で、事実行為としての介護を行う義務はありません。
・結婚・離婚・養子縁組などの身分行為:本人の意思によるべき行為で、成年後見人が代わって行うことはできません。
・日用品の購入も取り消せる:日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消すことができません(第9条ただし書)。

覚え方のポイント
成年後見人=「財産管理と代理」「身上配慮義務」「事実行為の介護はしない」「日用品の購入は取り消せない」「身分行為の代理はできない」。
問77-8

日常生活自立支援事業の利用について、正しいものはどれか。

  • ①判断能力を欠く常況にある人でも、家族が本人に代わって契約すれば利用することができる
  • ②この事業の契約の内容を理解できる程度の判断能力を、本人が持っていることが必要である
  • ③この事業の利用を始めるには、家庭裁判所に申し立てて審判を受けることが必要である
  • ④この事業の利用は、精神障害者保健福祉手帳などの障害者手帳を持つことが要件である
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正解 ②この事業の契約の内容を理解できる程度の判断能力を、本人が持っていることが必要である
解説
日常生活自立支援事業は、社会福祉協議会と利用者との契約に基づく事業です。そのため、利用者には、判断能力が不十分である一方で、この事業の契約の内容について判断できる程度の能力があることが必要です。契約の締結能力に疑義がある場合は、都道府県社会福祉協議会に置かれる契約締結審査会で審査します。
判断能力が低下して契約の内容を理解できなくなった場合などは、成年後見制度の利用を検討します。

他の選択肢が誤りの理由
・家族が代わりに契約:本人が契約の内容を理解できる程度の判断能力を持っていることが必要です(判断能力を欠く常況にある人は、成年後見制度の利用を検討します)。
・家庭裁判所の審判:社会福祉協議会との契約により利用するもので、家庭裁判所の審判は不要です。
・手帳が要件:障害者手帳の有無は要件ではありません(認知症の高齢者なども利用できます)。

覚え方のポイント
日常生活自立支援事業=「契約できる程度の能力が必要」、成年後見制度=「判断能力に応じた3類型(審判)」。
問87-8

成年後見の開始の審判を家庭裁判所に請求できる者として、民法に定められているものはどれか。

  • ①本人、配偶者、四親等内の親族、検察官など
  • ②本人、配偶者、三親等内の親族、民生委員など
  • ③本人、配偶者、四親等内の親族、主治医など
  • ④本人、配偶者、二親等内の親族、検察官など
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正解 ①本人、配偶者、四親等内の親族、検察官など
解説
民法第7条は、後見開始の審判を請求できる者として、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官を定めています。
このほか、老人福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法の規定により、市町村長も、その福祉を図るため特に必要があると認めるときは審判を請求できます。身寄りのない人や、親族が請求を拒む場合などに活用されています。

他の選択肢が誤りの理由
・三親等内の親族と民生委員:請求できる親族は四親等内で、民生委員に請求権はありません(市町村長申立てにつながる情報提供などでかかわることはあります)。
・四親等内の親族と主治医:主治医に請求権はありません(診断書の作成などでかかわります)。
・二親等内の親族と検察官:請求できる親族の範囲は、二親等内ではなく四親等内です。

覚え方のポイント
請求権者=「本人・配偶者・四親等内の親族・検察官など」+特別法による「市町村長」。
問97-8

成年被後見人がした法律行為の扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①原則として取り消すことができるが、日用品の購入など日常生活に関する行為は取り消せない
  • ②日用品の購入など日常生活に関する行為も含めて、原則として取り消すことができる
  • ③原則として無効であるが、日用品の購入など日常生活に関する行為に限っては有効なものとなる
  • ④成年後見人の同意を得た行為であれば、日用品の購入も含めて取り消すことができない
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正解 ①原則として取り消すことができるが、日用品の購入など日常生活に関する行為は取り消せない
解説
民法第9条は、成年被後見人の法律行為は取り消すことができるとし、ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでないとしています。本人の自己決定とノーマライゼーションを尊重し、日常の買い物などは本人が単独で有効に行えるようにする趣旨です。
成年後見人には同意権がない(同意を得ていても取り消しうる)とされている点も、保佐人・補助人との違いです。

他の選択肢が誤りの理由
・日常生活に関する行為も含めて取り消せる:日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消すことができません(第9条ただし書)。
・原則として無効:成年被後見人の行為は取り消すことができる行為で、当然に無効ではありません(意思能力がなかった場合は無効となりえます)。
・同意を得た行為は取り消せない:成年被後見人の場合、成年後見人の同意を得た行為でも取り消すことができるとされています。

覚え方のポイント
成年被後見人の行為=「取り消せる」が「日用品の購入など日常生活に関する行為は除く」。
問107-8

成年後見制度と日常生活自立支援事業について、正しいものの組合せはどれか。
a.補助開始の審判には、本人の同意が必要である。
b.任意後見契約は、口頭の約束でも効力が生じる。
c.成年後見人は、本人に代わって結婚や離婚をすることができる。
d.日常生活自立支援事業は、利用者と社会福祉協議会との契約に基づく。

  • ①c・d
  • ②b・c
  • ③a・b
  • ④a・d
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正解 ④a・d
解説
a:本人以外の者の請求によって補助開始の審判をするには、本人の同意が必要です(民法第15条第2項)。
d:日常生活自立支援事業は、利用者と社会福祉協議会との契約に基づく事業です。

他の記述が誤りの理由
b:任意後見契約は、公正証書によってしなければなりません。
c:結婚、離婚、養子縁組などの身分行為は本人の意思によるべきもので、成年後見人が代わって行うことはできません。

覚え方のポイント
補助=本人の同意、任意後見=公正証書、身分行為=代理できない、日常生活自立支援事業=契約。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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